(娘)あっ!「オイコノミア」始まったよ。
(息子)しかしこの番組もいつまで続くんだろうね?
(母)確かに経済学の番組にしてはよく続いてるわよね。
(父)又吉の株が上がっている間は大丈夫なんじゃないか?
(娘)上がらないのはお父さんの給料と視聴率…。
(父)それを言うな!
(テーマ音楽)
(又吉)ぶらり散歩でしたっけ?
(大竹)はい。
なんですか?これ先生。
一度ねこういう旅番組みたいなのやってみたかったんですよ。
あっそうなんですか?はい。
それをやっぱり兜町でやるという…。
はい。
なるほど。
じゃあ又吉さん行ってみましょうよ!行きますか。
はい。
今回2人が訪れたのは東京日本橋兜町。
多くの証券会社が集まる街です。
又吉さん。
はい。
ここがね日本で一番最初に銀行ができた場所なんですよ。
あっそうなんですか?はい。
銀行の発祥の地と書いてあります。
へぇ〜!初代建物第一国立銀行。
これが銀行やったんですか?はい。
なんかお城みたいなね。
そうですね。
今の銀行と全然違いますね。
随分おしゃれな銀行ですねぇ!これは何ですか?これはですね株価とか為替レートとか表示する掲示板ですね。
株価と…。
(2人)為替レート。
又吉さん株はご存じですか?株はもちろん知ってるんですけど自分ではやった事はないですし。
ちょっとギャンブル性があったりとかこう…まあなんかゲームっぽかったり。
はい。
あんまり詳しくない人が手を出すと大失敗するから気をつけるようにみたいなのはドラマとか映画とかで描かれる事多いですよね。
なるほどね。
だけどまあ私たちにやっぱり深く関係してますからね知っとくにこしたことはないですよね。
そうなんですね。
ニュースなどで頻繁に耳にする株の話題。
株式投資をしている人は日本の成人の10人に1人に上るそうです。
でもどうでしょう?そもそも株って何?株で投資するってどういうこと?そんな「株」と「投資」が今日の「オイコノミア」のテーマです。
ウフフフフフフッ。
又吉さん。
はい。
又吉さんよりも「経済学芸人」にふさわしいかもしれない人を見つけてきたんですよ!僕よりも経済学芸人にふさわしい方ですか?はい。
誰ですか?この方ですよ。
どうぞ。
(天野)どのカメラでやればいいのかわかんなかった。
いや〜どうも!天野さんじゃないですか!僕は経済のイメージありますか?いやありますよ。
ある?だいぶありますね。
いやうれしいね。
又吉君。
印税を俺に預けないか?
(笑い声)ゲストはお笑いコンビ「キャイ〜ン」の天野ひろゆきさん。
天野さんは10年ほど前から株不動産国債などへ投資をしている芸能界きっての投資通。
資産運用の本まで出してます。
でもそもそもなんで投資に興味を持ったのでしょうか?教えてちょ!例えばお金を下ろすときにお金かかるじゃない。
ATMとかで。
ああ手数料かかりますね。
手数料100円とか200円ぐらいかかるでしょ?はい。
100円の利子付くまでにものすごい長いこと預けなきゃいけないのに1回下ろしただけでそれ消えちゃう。
これ気にならないでしょ?確かにそうですね。
俺気になっちゃって。
「あれ?これ待てよ」と。
昔みたいに銀行にそのまま預けとくだけじゃこれ…それ自体がもうリスクじゃないかと。
じゃこのままよりは何かちゃんといろいろ知ったうえで自分はやるかやらないかを決めたほうのがいいんじゃないかと思ってちょっと足を踏み入れたんですね。
なるほど。
これはもう完全な経済学芸人ですね。
アハハハハッ。
結構又吉さん立場危ないじゃないですか。
いや。
もともと争ってないですから。
天野さんもずっとやってたわけですから。
俺もここを狙ってやってきたみたいな…。
全然そんなことない。
その経済学芸人のお二人と株式投資について考えていきたいと思います。
(2人)よろしくお願いします。
どうぞよろしくお願いします。
今回の対談は兜町にある歴史的な建物日証館からお送りします。
まずはねこれを見てください。
はい。
おっ!これは今年の7月の新聞記事なんですけどここを見てほしいんですよ。
「発行部数は100万部を超え出版業界への恵みの雨となった。
そんな又吉効果が株式相場にまで恩恵を及ぼしている」と書いてあるんですよ。
ホントっすか?福山雅治か又吉だね。
株価に影響を与えるのは。
福山さんのご結婚もちょっと影響があったというふうに報道されましたよね。
そうよ。
又吉さんが芥川賞を受賞した事で書店チェーンや電子書籍出版会社の株価が上がったという報道があったように株価は世の中のさまざまな出来事の影響を受けて変動しているんです。
例えば1964年の東京オリンピックの際には織物機械会社の株価が上昇しました。
一体なぜかというとオリンピックの開催に向けて高速道路の建設が進み自動車ブームが起き車の台数が増えたことで自動車のフロアマットの需要も拡大。
フロアマットに使われていた合成繊維を織る機械の需要も増えたからでした。
へぇ〜!面白いですね。
ここまで。
そっか。
だからオリンピックとかがあると確かにもうこういう会社だけじゃなくていろんな会社がやっぱり株がこう上がったりする。
それを考えるのも楽しいし。
うん。
ここがあっここが上がんねやというかそういうのもあるんでしょうね。
そう。
意外なやつね。
その会社の人も何でうちの株が上がってんのか分からんみたいな。
だって単純にねあのすごい話題になったところと名前が似てる株が上がっちゃうときあるの。
間違えて買っちゃったりとか。
へぇ〜!面白いですね。
面白いのよ。
そういうのが。
何の関係もないのに間違えた人がいる。
名前が同じだからみたいな。
そうなんすか。
だからその…そうなると。
株価の動きにもつながってるし。
ああ。
例えば海外のギリシャショックだなんだとかニュースなんとなく聞くじゃない?それまで投資をやる前まではふわ〜っとしてたけど「これどういうニュースなんだろう?」って真剣に見るようになるのよ。
へぇ〜!それがね結構芸人としてはプラスだったりもするのよね。
いろんなことに詳しくなったり…。
そういうこと。
そういうこと。
ネタを思いついたりとか。
それで相方が何も知らない状況をキープしてくれてるから。
そのバランス。
うん。
なるほど。
(息子)なあおやじどんな会社の株を買ったらいいんだ?
(父)そりゃあもうかってる会社の株に決まってるだろ。
(主人)な〜んもわかってねえな!天野さん株の売買で利益を上げるという時にはどうすればいいんですか?単純に一番考えるのは……っていう考えですよね。
そうですよね。
そうするとね今業績のいい会社の株を買ったからもうかるというわけじゃないんですよね。
今業績のいい会社っていうのはもうみんなこう株を買ってるわけじゃないですか。
そうするとすでに株価が上がってる状態になってるわけですよ。
難しいですね。
じゃあ見極めが。
だからそもそも…ふ〜ん。
だから…だから発売前に例えばじゃあ人気のゲーム機が新しいのを出しますと言った時が一番株価が動いて実際出てからはそんなに変動は。
織り込まれちゃってるからね。
そうなんです。
へぇ〜!こういう考え方をね経済学ではこう言うんです。
「効率的市場仮説」。
うわ〜テストに出そう。
だからその株価が動くとすれば新しい情報が入ってきた時だけだという考え方なんですよね。
なるほど。
もしね先ほどその芥川賞受賞で株価が動いた。
又吉さんの芥川賞受賞で株価が動いたって話ありますよね。
はい。
だけどもし皆さんが又吉さんが確実に芥川賞を取るって事前に予想してたとしますよ。
そうすると実際に受賞をしても株価は動かない。
なるほど。
でも動いたということはみんな予想してなかったということですよね。
そうですよね。
本人も予想してなかったもんなぁ。
僕も予想してなかったですからね。
そっか。
だからもし取るってみんなが予想してたら候補になったときに動いてたかもしれない。
そう。
もっと前の段階で。
はい。
へぇ〜!それでそのとおりに又吉さんが受賞したら全然受賞の時は受賞というのはニュースじゃないわけですよね。
むしろ受賞しなかったという事が起こったら株価が下がるという。
それがニュースになるわけですよね。
まあ結果をね。
次第だもんね。
そうですよね。
だから……と私も経済学者だからよく聞かれるんですけれども…アハハハハッ。
うん。
…っていうことなんですよね。
起こったことで動くんですもんね。
だから何も起こってない状態で予測は難しいという…。
だから今みんな知ってる事はすでに反映されてるんだからこうこれから上がるというのは新しい…。
本当予言者的な要素になってくるからね。
なるほど。
「大竹又吉の兜町ぶらり散歩」。
続いて2人が向かったのは?先生神社がありますね。
ここはね兜神社っていうんですよ。
あっそうなんですか?で兜町の名前の由来になったそうですよ。
え〜!あっこの神社から兜町に。
はい。
あっ!誰かいらっしゃいますね。
そうですね。
2人を待っていたのは兜町の不動産会社に勤めている高橋さん。
証券の街兜町の歴史と文化を保存し街を活性化する活動をしています。
(高橋)こちらの兜神社という神社で場所柄ですね東証の北側にあるというのもあって「証券界の守り神」と呼ばれている神社です。
投資をやってる証券マンとか投資家の方って非常にこう理性的でいろいろ計算してやってるという側面がもちろんあるんですが実は縁起とか神様みたいなものを非常に大切にしてるのがあって熱心にお参りされてる方とかもいらっしゃるんですよね。
面白いですねぇ。
ねぇ。
はい。
縁起やゲン担ぎを大切にする証券マンが足しげく通うというお店があります。
いいですか?どうぞ。
はい。
こんにちは。
こんにちは。
創業67年になる老舗のうなぎ屋さん。
「うなぎ上り」という言葉にあやかってこの特上を頼む人が多いんだそうです。
経済紙の記者さんなんかも取材に訪れたりするのは日本でこのお店くらいなんじゃないかなと思うんですけれども。
記者さんなんかご主人お見えになるんですよね?
(店主)ええ結構来ますよ。
日経新聞とかね。
へぇ〜!それはここに来ると何か景気がわかるんですか?まあそういうこともあるでしょうね。
やっぱしうなぎって結構お高いですからね。
景気がよくなれば皆さん召し上がるでしょ。
うん。
「うなぎの量はどうですか?」とか「いいの出てますか?」ということを聞きに来ますよね。
なるほど。
まあ1つのバロメーターになってるかもしれません。
なるほどね。
召し上がっていただいて今後の資産運用に景気づけして…。
そうですね。
お口に合うかどうか。
じゃあいただきます。
いただきま〜す。
おいしいですね。
おいしいです。
う〜ん。
本当においしそうですねぇ!うな重の売れ行きで景気のよしあしがわかるなんて兜町ならではなんですねぇ!おなかすいた。
先生そもそも株っていうのは何のためにあるんですか?いい質問ですね。
一般にはね株式投資の目的っていうと売買でもうけるために株があるんじゃないかと思ってる人いるかもしれないんですが。
はい。
もともと株が生まれたというのは新しい事業を始めたい起業家がいると。
新しい工場を作りたいけどお金がないとか新製品の開発をしたいんだけどお金がない。
又吉さんどうします?お金がないとき。
お金借りるしかないですよね。
そうですよね。
借りるのが普通ですよね。
はい。
で借りるというのは金利が決まっててお金を借りたら今度はその金利分を加えて定期的に返すというやり方ですよね。
はい。
それとは別の方法に株というのがあって「株を買ってください」という形で調達する。
そのときにじゃあその調達した出資してくれた人に何かお礼しなきゃいけないですよね。
借りたら金利っていうお礼があるわけですけれども株の場合は配当金なんです。
はい。
出資と配当金の関係がこちら。
会社は株主へお金を出してくれたお礼として定期的に配当金を支払います。
配当金は出資額に応じて変わります。
また会社の利益が増えれば増えるほど配当金は増えていきますが逆に会社が利益を出せなければ配当金も減り場合によっては0になってしまう事もあるんです。
会社の経営者からしてみたらね又吉さんが例えば工場を建てるとか新しい事業を始める時にしばらくこうもうけ出ないかもしれない。
はい。
だけどその10年たったら大もうけする。
そしたら又吉さんがね最初お笑い芸人になったときに出資するという人がいたときにこれから10年ちょっと苦しいかもしれないけど10年後には芥川賞も取るしすごい事になると予想してそれに出資してくれる人がいたとしたらですね又吉さんは10年間こう資金援助を受けて返さなくてもいい訳ですよ。
はいはい。
大もうけしたときに返したらいい。
ああ!なるほど。
…いうのがその配当金で返すということなんですよね。
そういうことですよ。
怖いねぇ。
それはしょうがないね。
でも。
でも会社が潰れないかぎりは0にはならないからね。
預けた分は。
いや。
でもまあ下がる可能性はありますよ。
0にはならないかもしれない。
0になることもありますよ。
でも預けた分以上は損はしないですよ。
だけど事業をする側としてはそういうお金の調達のしかたって魅力あるでしょ?ありますね。
ねぇ。
はい。
そっかそれがだから本来なら今お金を貸してもらえたら活動ができて数年後返せるけどそれがないと何もできないという状況はまあありますもんね。
はい。
そのためのシステムやったんですね。
もともとは。
そうなんです。
ああ。
ええ鎌倉にやって参りました。
え〜今日は天気もいいですし散歩するにはいい気候ですよね。
観光客でにぎわう古都鎌倉。
この鎌倉に今金融業界でひときわ注目を浴びている会社があるそうです。
ええ株の会社と伺ってきたんですけどこちらですかね?株の会社という雰囲気ではないですが…。
(鎌田)どうもいらっしゃいませ。
すいませ〜ん。
どうもお待ちしておりました。
失礼します。
どうぞ。
鎌田と言います。
よろしくお願いします。
又吉です。
よろしくお願いします。
どうぞお上がりになって下さい。
こちらは会社なんですか?はい。
会社です。
え〜!すごい雰囲気があってすてきな。
少し奥まってますからとても静かで。
ああ!いいっすね。
うわ〜!あっ確かにこの部屋は会社っぽいですね。
少しね。
あのプロジェクターがあったり。
ここはもう全然会社に見えないというか。
へぇ〜!昭和初期の建物ですから85年ぐらいはたってるかなと思うんですけどね。
でもすばらしい建物ですよね。
へぇ〜!しかも株の会社?ここはですね投資信託の運用と販売をしてる会社なんです。
投資信託ですか。
はい。
投資信託とは投資家から集めたお金を1つの大きな資金としてまとめ専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品のこと。
資金を託された専門家はどの企業とどの企業の株を組み合わせるのか?どのタイミングで株を売買すると利益が出るかなどを考え運用しています。
日本国内で取り扱われている投資信託はおよそ6,000ほどですが中でも鎌田さんの会社が手がけているものは社会的に意義のある会社に投資する「応援する投資」。
一体どんな投資なんでしょう?そのう投資ということだけ聞くと例えばこうまだあんまり知られてないけどこれからガンガン上ってよくなっていくのを早めに投資しといて。
で上ってきて値段ついてきたら次落ちる前に売るみたいな。
はい。
もう僕らはちょっとそれとは全然違う。
はい。
こう短期的に利益を上げていくというようなものとかあのたくさんこう分配金を出していこうとかそういうあの短期志向ではなくって日本にはすばらしい会社がたくさんありますので。
はい。
そういういい会社を丁寧に見つけてきて売ってもうけるというよりも共にこう発展を応援する事でお客様のお金を増やしていくと。
…をやってるんですね。
具体的にはどういった会社に投資されてるんですか?例えばこう障害者を雇用しながらそれを戦力化して会社の利益に結びつけてるようなそういう企業さんもあるんですね。
へぇ〜!彼らはあのうトレーをリサイクルしてもう一回トレーに作り替えるというリサイクル工場のあのう業務に関わってるんですね。
で皆さん正社員で雇用されていて彼らが一生懸命こうトレーの峻別作業をやってくれる事によってその会社のリサイクル率は高まって利益が安定していくんですね。
へぇ〜!他にも林業を再生するために…ニートやフリーターのいわゆるゲームオタクを正社員として雇い…更には日本を代表するものづくりの匠がいる会社など社会的に意義があると感じる会社に投資しているんだそうです。
あのうその会社が本当に社会に必要であると判断したらそれは赤字であろうが株価が下がろうがやっぱり長い目線で投資をして応援するんです。
でもお客様にはたくさんのリスクを負わせるわけにはいかないのでそういう会社に投資をする時には一方で利益を出して安定している会社と組み合わせてやることが投資信託の場合はできるんですよね。
まあ林業再生の会社なんかに投資をするときは最初赤字でしたけどもでもその会社がなくなると日本の林業というのは今後どうなるんだろうかというふうに考えるとものすごく社会的なリスクはあるわけですよね。
はいはい。
そこをどう天秤にかけるのかということを運用会社としてはそういうところに投資をするときにはしっかり伝えていかなきゃいけないと思うんですね。
なるほど。
お話を伺ってきたんですけどちょっとあのう株のイメージが変わりましたね。
はい。
ゲーム的な事ではなくて応援をする。
その会社の経営方針とかやろうとしてることを応援したいというのでそのなんですか?投資するというやり方もあるんやなというのが。
あの僕も始めた当初はね株価の上がり下がりで一喜一憂して「ああ!ああ!」とかいろいろあったんだけどだんだんやってるうちにね自分が本当に好きな会社じゃないとなんかあの意味がないわけではないんだけどそういう何ニュースとかに踊らされすぎてあんまり知らない世界のこととか。
例えばじゃあ「ロボット産業がこれからくるぞ!」とか。
いろんなニュースが入ってくるわけ。
だからそういうのを知らないところの世界のやつを急に買うっていうことよりも自分が知ってる会社で応援したいなぁと思えるところを僕は…。
だからさっき言ってた投資に近い感覚になってきてますね。
(大竹又吉)なるほど。
こういうふうにね株というのは会社が資金集めをするために始まったシステムなんですけど。
でもねこの…ああそうなんですか?はい。
確かにね日常会話では株式を買うことを「投資」と言いますよね。
天野さんも投資しているって。
投資している。
はい。
そうなんですけどもでもね経済学で投資という概念を正確に言うとこうなるんですよ。
この考え方では店舗や工場の建設だけではなく子どもの教育への出費や将来の職業につながるような習い事。
あるいは健康のためのジム通いなども投資になると考えるんです。
じゃあ株を買うこと自体の…売買する事は投資じゃなかったら何なんですか?これはねまあ運用ですね。
資金運用ですね。
運用。
はい。
すでにあるものをまあね右から左に動かしてるだけじゃないですか。
別に工場設備が…。
投資が行われてるというわけじゃない。
先を見据えた事とは違うという事ですね。
そうですね。
又吉さんは生産能力が上がる投資って知ってます?まあそのうもともとあんまり僕人とお酒飲んだりとか積極的に二次会とかに参加するタイプじゃなかったんですけど人とこう話すことによっていろんな知識とかを得られたりすることに気付いてからはできるだけ会うようにしてますけどね。
なるほど。
これ投資ですかね?そうですね。
あの人は単に遊んでるだけと見るかもしれないんですけど。
たまに自分でもわからんようになる時あるんですよ。
何のために。
又吉さん今はそうやって人と会ってることは実は楽しくないんだけれども投資のためにやっている?
(笑い声)やめてくださいそんな。
違います。
違います。
今見てる人は「ああ俺投資のために会われてるんだ」って。
(笑い声)そういう事じゃない?僕後輩2人と住んでるんですけどそいつらが一番…。
だから一緒に住んでるんだって思われますから。
そういう事じゃないんです。
はい。
投資にもなっている。
投資にもなってます。
かもしれないです。
そうですね。
投資というとなんかこのビジネスっぽいですけどそうじゃなくて自分を成長させるということですよね。
いい言い方ですね。
はい。
はい。
(笑い声)じゃあ天野さんもご自身の生産能力を上げるために。
俺のね生産能力というよりも相方にはね結構お金を貸したりとかしたんでね。
コンビ別れずやってきたのはウドちゃんには投資した感じがあると思いますね。
基本的に同じ仕事をなさってるのになんで天野さんがウドさんに貸すことになるんですか?あのうちょっと大人のお店が好きだったりとかするからね。
なるほど。
Eテレで何の話してんだ!アハハハハッ!コンビの関係をよくするための投資というのはやっぱりあるんですか?経済学では「関係特殊的投資」と言うんですけど。
関…なんすか?その又吉さんにだけにしかメリットがない投資です。
アハハハッ。
ああ!はいはい。
相方に対しての。
はい。
例えばね家をよくするという時に誰もが住んで楽しくなるような家の修理のしかたというのはリフォームのしかたってあるじゃないですか。
誰もがこれはいい家だって。
だけどその人しか面白くないようなデザインにするというのはその人だけのための投資でしょ?それは他の人には何の価値がない。
家そのものの価値を上げるんじゃなくて自分にとっての。
僕でいうとすごいもう壁一面を本棚にするというのは僕にとってはいい家になるけど家そのものの価値は売ったりするときに「これ要らんな」ってなる可能性がある。
それ関係特殊性。
だから一生懸命相方さんに投資したとしますよね。
でも相方さんの能力が伸びたことは天野さんとの関係だけにしか役に立たない。
アハハハハッ!はぁ〜!なるほど。
はぁ〜!そういうことか!相方さんがどこかに行って1人で能力が上がるという訳じゃなくて天野さんとペアでやって初めてこう能力が高まるような投資なんですよ。
なるほど。
そういうことか。
わかりやすい。
う〜ん。
何でしょうね。
楽屋の弁当を先選んでええよみたいな。
(笑い声)それは関係特殊…。
いやだからあうんの呼吸を高めるような何かあの訓練をしたとしますよね。
それは又吉さんとの関係以外には役に立たない…。
はいはい。
だけど誰とでもうまくやるような訓練もあると思うんですよ。
だから例えばお笑い養成学校だと「こういう時はこうしなさい」とかというのはどこのノウハウ言っても大丈夫でしょ?だけどこの人にしか役に立たないノウハウもあるじゃないですか。
ありますね。
お笑いそれ一番大事だったりもしますからね。
はいはい。
なるほど。
(父)じゃあ父さんがやってきたフラメンコも投資だったって事だなぁ。
(母)何言ってんの?お父さんのはただの趣味じゃない。
(父)そのことなんだが昨日辞表を出してきたんだ。
父さん今日からフラメンコダンサーになる!
(母)えっ!お父さん!?オオレッ!先生あの僕からひとつ聞いてもよろしいでしょうか?はい。
何でしょう?あのうまあ投資をねやってるとだんだん人間が見えてくるっていうかね自分が見えてくるみたいなところあるんですよ。
はいはい。
例えば株価がこう上がってってで1回下がるじゃない。
で下がった時には「あっあの時に売っときゃよかったなぁ」って思うわけじゃない。
人間って。
で次もしこの値段になったら「売ろう!」って決めるわけ。
そこで。
下がったときに。
実際こう上がっていくじゃない。
でまた上がってこの間売ろうっていった値段になる!これ売らないんだよね。
人間って。
ああなるほど。
あのときああ思ったはずなのに1回痛い目に遭ってんのに売らないの!すぐそいつが現れる訳。
別の自分みたいなのが。
「もうちょっと上がんじゃねえか?」みたいな。
これがだからそういうことで言うと株価が下がったときにその「損切り」っていわゆる損を…。
そこで売ったら損を認めることになるわけじゃない?はいはい。
それがまた人間ってねしにくいのよ。
これはできないんですよ。
よくある失敗なんですよ。
へぇ〜!これおっしゃったとおりね経済学では…そういう事になるわけ。
これがね冷徹にできたらすごいね。
まあこれね実験してみたらよくわかるんですよね。
私たち人間は損を異常に嫌う傾向があるというためにそれを示す実験をやってみたいと思います。
はい。
ヘヘヘヘッ!どちらですか?迷うなぁこれ。
アハハハハッ!これ迷います?アハハハハッ!アハハハハッ!普通に考えたらAですよね。
Aですね。
やっぱり天野さんも?そうでしょうね。
ここはAを取らないとね。
リスクがないですから。
バラエティーの番組になった途端Bって言わざるを得ないみたいな。
そうね。
あと最初の人とは違う答えを言わきゃいけないとか。
まあこの番組バラエティーではございませんので。
じゃあAですね。
まあAでしょうここは。
じゃあちょっと次の質問にいきましょう。
質問2です。
…200万円を維持できます。
フフフフッフフフフフッ。
急にニュアンス変わるね。
う〜ん。
変わりますね。
なんか…どうよ?どうですか?やっぱりその没収されない…されないことに賭けたくはなりますよね。
そこのBにね。
Bでいって。
Bですか?Bの匂いがしますね。
これはまあ実際いろいろ実験してみても1番目の質問ではA2番目の質問ではBという人が多いんですね。
結果は同じ…。
そうなんですよ!ねぇ。
これは結果一緒ですよね。
うん。
皆さんは気が付きましたか?実はこれ同じ質問の言い方を変えているだけなんです。
どちらもAを選ぶと確実に100万円もらえます。
一方Bは200万円もらえるか全くもらえないかのギャンブルです。
ではなぜ同じ結果になるのに質問1ではAを選び質問2ではAを選ばないのでしょうか?フフフーン。
1の質問では0円から100万円もらうことで「得した気」になりますよね。
一方2の質問では一度200万円を手にしたことによって100万円プラスの結果だったとしても「損した気」になっちゃうんですね。
この損したくない気持ちが働きBを選択してしまうんです。
こちらも0から200万円もらう前から考えたら一緒なんですけど基準がもう200万円もらったあとになってるんですね。
なんか損した感じになるわけね。
そうなんですよ。
だからそうすると損を嫌う。
これを嫌うためにギャンブルをしてしまう。
フフフッ。
いや〜そうですね。
面白いですねこれ。
だから一歩前に前の段階まで戻ってみたらこういうふうなフレーミングに変えることができてすごく安全な投資ができるはずなのに。
ねえ直前の状態。
まあこういうことあんねやろうなぁ。
(笑い声)こういうことあるわ。
ねえありますよね。
まあこういう損失を大きく嫌う現象というのを「損失回避バイアス」って言うんですよね。
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの研究によると同じ金額でも…だから1万円なくしてガッカリしたら2万5,000円もらわないとねぇちょうどイーブンにならないという感じです。
そういうことか!じゃあ株でこんだけ負けてたって言った額の2.5倍もうからないと幸せにはならない?そう。
恐ろしいこと聞いちゃった!だから損したって思わないほうが大事なんです。
だからその前の段階から考えると損だってならないから。
先生そうは思えないんです。
(笑い声)なるほどね!そうなんだ!そうなんです。
子どもの頃なんか家族でふだんじゃあ家族で御飯食べに行こうって。
それだけで本来うれしい事やのにおばあちゃんち行くはずやったのが急きょ行けなくなってみんなで食事になったらその食事も楽しくないんですよ。
ああ。
最初から食事やったら楽しかったんですよ。
なるほど。
それになんか似てんなと思いましたね。
うん。
だからすごいこう基準というか参照点というんですけどそれが上がったらマイナスになるわけですよね。
はい。
そうすると本当はプラスマイナス0のはずなのに悲しさの方が大きくなってしまう。
むしろプラスであったとしてもってことですよね。
2.5倍。
2.5倍でちょうどいいぐらい悲しかったですね。
アハハハハッ!アハハハハッ!しっかり感じ方として。
だからそれだけ損が嫌いだから損を確定するのが嫌なので損をしそうなときにギャンブルをするんですよ。
そうね。
こういうのから逃れる方法というのは何だと思います?こういうのから逃れる方法はやっぱり最初っからそういう自分が性格やとか性質やというのをわかっとくとちゃんと判断できるんじゃないですかね。
そうですね。
それからねぇ…うん。
いくらか下がっちゃったらもう必ず売るんだという指し値的なねそういうのをしとくとか。
はい。
たまにそれで損切りしなくて奇跡的に上がってきてこういう事もあんねやとか体験したらもう駄目ですよね。
それをね何回か体験したんだよね。
(笑い声)うん。
まだ判断が難しくなりますよね。
すぐ希望的観測が出てくるわけよ。
もうそういう自由度をなくすんですよね。
多分ね奥さんに全部全部やってもらう。
(笑い声)決めとくと。
はい。
なるほど。
では又吉さんもこれから株をなさるときはルールを作ってということですね。
最初に作っておいたほうがいいんすね。
やる事なったんですか?僕は。
(笑い声)
(娘)そうよね。
つきあった時より別れた時のほうがきついのよね。
天野さん。
今日は天野さんがふだんなさっている株式投資というのを経済学の視点で見てきましたけれどもいかがでした?改めて株は奥が深いなぁと思うしまあ今はその10年ぐらいやってきてまだ続けてるというのは本当単純に世の中のことをあの真剣に見るようになるというそこの…それが結果ね自己投資にもなってんだなぁというところで続けてるみたいなところはちょっとありますね。
う〜ん。
やっぱり一石二鳥という感じなんですか。
そういうね。
あの最近は一石二鳥にはなってないですけどね。
この株価で…ええ。
自己投資の部分だけは残ってる。
それは大きいですね。
それは大きい。
世の中のいろんな事に気付くという。
又吉さんはいかがでした?僕はそうですねやっぱり株というとそういうまあゲーム的なことの印象が強かったんですけど応援したい会社の株を買うというやり方もあるんやということがわかってなんとなく全体がちょっと見えてきたというかあっそういうことなんやってわかりましたね。
じゃあ又吉さん結局資産運用どうするんですか?資産運用ですか?はい。
この印税というね資産が膨らみましたから。
こんなテレビで大々的に発表する。
(笑い声)まず半分はこちらで。
アハハハハッ。
又吉さん今回は何を学んだんでしょうか?「またよし学習帳」。
2015/11/20(金) 00:30〜01:15
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「株って何のため?投資の経済学!」[字][再]
マネーゲームのイメージをもたれがちな、株式取引や投資。でも、お金儲けだけが、その目的ではないんです。投資通・天野ひろゆきさんとともにその本質を学びます。
詳細情報
番組内容
株式取引や投資には、とんと縁がないという又吉さん。素人が安易に手を出すとヤケドする、マネーゲームのようなイメージなのだとか。実のところはどうなのかというと?芥川賞受賞で“又吉株”が上がったことで、実際に書店などの株価が上がったことからもわかるように、株や投資は私たちの生活の意外と身近なもの。芸能界きっての投資通・天野ひろゆきさんと一緒に、損得だけではない投資のいろいろな側面を、基本のキから学びます
出演者
【ゲスト】天野ひろゆき,【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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