NHK高校講座 地理「ここに注目!中国」(2) 2015.11.20


国家を安定させるために社会主義を弾圧する一方労働者の保護や学校制度の整備を行った。
こんにちは中田敦彦です。
山田彩です。
さあ前回に引き続き中国がテーマです。
前回何か印象に残りましたか?やっぱり眉毛ですかね。
眉毛がつながってる事が美しいとされる民族がいるよというね。
ほかにも魚の皮を着る民族がいたりね。
多様な民族がいるという事なんですけれども。
そんな中国なんですが近年はですねこちらをご覧下さい。
急速な経済発展が話題になってるんですね。
2000年辺りからですね急速に経済を成長させてまして2010年に日本をついに抜きましてですね第1位のアメリカに迫る勢いであると。
日本は抜かれちゃったんですねもう。
そうなんですよ。
さあこのですね急激な成長は1970年代末の経済政策の転換から始まるものらしいんですよ。
経済政策に注目しながら中国の戦後史を見てみたいと思います。
現在の中国。
中華人民共和国が成立したのは第2次世界大戦後1949年の事です。
毛沢東の指導の下社会主義国家としてスタートした中国は国家が管理する計画経済によって経済成長を達成しようとしました。
目標はアメリカイギリスを追い越す事。
しかし1958年に始められた大躍進政策は無理な計画がたたって失敗に終わります。
また政治や思想文化などあらゆる面における改革を目指した…結果として武装闘争などを招き社会の混乱を引き起こしてしまいました。
第2次世界大戦の終了から30年近く経っても期待された経済成長は実現しなかったのです。
そんな中1977年に政権を握った小平は文化大革命の終結を宣言すると翌1978年改革開放政策を発表しました。
改革開放政策とは政治的には共産党の一党独裁体制を維持しつつ経済においては自由主義資本主義の原理を導入するというものです。
その後の変化の中で政治においても自由化民主化を求める学生労働者に対して武力弾圧を行うという事件が起き中国は国際社会からの非難を浴びます。
しかし事態が落ち着いた1993年以降中国は急激な経済成長を遂げていきます。
その急成長を象徴する町深。
改革開放前は小さな漁村でした。
1980年に経済特区に指定されると外国企業が多数進出。
瞬く間に1,400万を超える人口を擁する世界的な都市へと変貌したのです。
改革開放政策っていうのが大きな転機となったんですね。
ねえそれまでいろんなう余曲折を経ましたけれどもそれをきっかけに大きく変わりましたよね。
そうですね。
でも中国って社会主義国じゃないですか。
それなのに経済では自由主義資本主義を取り入れる…原理を取り入れるっていうのはどういう事なんですかね?ちょっと難しいところですよね。
それは専門家の先生に聞いてみましょうか。
高橋宏先生よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
本来社会主義体制の下では経済活動は原則として全て国営で国家の管理の下で行われる訳です。
例えば農民は決められた作物を決められた数だけ作って国に納める。
そうすればそれを前提にして国家からの保証を受ける事ができるという事です。
しかしこのやり方は…確かにそうですね。
私事ですけどもやっぱり給与的なものでいうと歩合なんですよ。
やればやるだけお金が頂けるというね。
これが一定になってしまうとねやっぱり私もえ〜笑いを生む量をね怠ける事になるだろうなっていう予感はしてます。
社会主義そのものの限界あるいは欠点という事もできますね。
そこで小平は……という資本主義の原理を取り入れる事によって経済発展を図っていこうとしたんです。
また深などの特区ですね。
経済特区では税金面などで優遇策を取る事によって外国企業の投資を国家が強力に後押ししてきた訳です。
それで急激な経済成長が実現したという事ですね。
そのとおりです。
経済成長の要因としてやはりもう一つ1978年に始まった一人っ子政策という事も挙げるべきだろうと思います。
こちらをご覧下さい。
1950年これは山型ピラミッド型のきれいな形をとっています。
ところが2010年はどうでしょうか。
おっ。
釣り鐘型ですね。
そうですね。
出生数の劇的な減少によって32歳以下の人口が少なくなりました。
生産年齢人口は多いんですけれども扶養すべき子供の数が減ったと。
また高齢者もまだ少ないですね。
そういう状態になっています。
今の状態はいいですけれどもこのままだと2050年つぼ型になって労働人口が減り高齢者が多い状態になってしまいますけれども。
それがまさにこれからの課題の一つです。
今後急速に高齢化が進んでいくためにその対策が急務になっています。
なるほど。
夫婦のどちらかが一人っ子の場合は例えば2人目の出産を認めるとかですねそういった事を対策として取り始めているところです。
このように生産への意欲を高めた事また扶養すべき人口が減ったという事更には外国企業を積極的に誘致した事こういった事によって中国は高度経済成長を成し遂げて21世紀に入ると世界の工場と呼ばれるまでになりました。
そして更に現在…。
はいはい…!あらどうしたの?はい先生そこから先は私が調べてきました。
トリプルGが…服のタグよく見てごらん。
(山田)
以前こんな話をした事覚えていますか?
(山田)おっ「MADEINCHINA」。
チャイナ。
そうだね。
(ドミニク)あっ中国産。
書いてある。
日本人の着る洋服の8割が中国産ともいわれているんだね。
服に限らず中国から輸入されているものは私たちの身の回りにたくさんあります。
100円ショップ。
皆さんもよく利用していませんか。
並んでいる商品は多くが中国製です。
それから家電製品。
外国企業が中国の工場で作るほか中国メーカーの製品も最近は増えています。
冷凍食品や生鮮野菜なども中国からの輸入が多くなっていますよね。
まさに…
でも最近では工場つまり生産地としてだけでなく消費地市場としても注目されているんです。
高度経済成長によって今中国ではすごい勢いで富裕層が増えています。
若い世代が多くて購買意欲も旺盛なんだとか
それから13億という人口そのものが巨大なマーケット。
そこで日本の食品メーカーが力を入れているものの一つが日本の国民食カレーライスです
ただし日本で売っているものをそのまま持っていっても売れない事があります。
そこで中国料理でよく使われる八角という香辛料を加え辛さもちょっと強めにしました。
そしてカレーを浸透させるため企業や工場の社員食堂のメニューに加えてもらったり親子を対象にした料理教室を開いたりとさまざまな策を練っています
カレーライスが中国でも人気メニューになる日はそう遠くないかもしれませんね
う〜ん13億人がカレーを消費するようになったらものすごい消費量が一気に上がるよね。
一気に増えますね。
でもその可能性をカレーは持ってると思いますよ。
そうですよ。
すごいおいしいし。
めちゃくちゃおいしいもんね。
日本のカレーも本当おいしいですよね。
自信持ってね届けたいよね。
何かカレー以外にもコンビニとか教育産業とかも中国を市場としてものすごく注目されてるんだそうです。
そうなんですね。
中国の注目度は高まるばかりですか?先生。
そうですねそのとおりです。
ただその一方で中国の経済成長による弊害影の部分にも目を向けなければいけないと思います。
影ですか。
例えば環境問題。
これは工場廃水や大気汚染などですね。
それから粒子状物質PM2.5と呼ばれるものですけどもそれによる北京の大気汚染。
これはニュースでもよく流れました。
更には…中国は石炭に頼る傾向が顕著なんですけれどもこれは30年から40年程度で枯渇するという予測もあるんです。
また製品の品質。
特に食の安全性といった事もよく取り上げられる問題ですね。
環境問題とか食の安全性っていうのは私たちの生活にも大きく関わってきますよね。
そうですね。
確かにそうですよね。
中国の大気汚染が日本にも流れてきますし中国がエネルギーをたくさん使ったらそれも値上がりしますしね。
どれも無関心ではいられないですね。
そのとおりです。
また真の意味で世界の市場となるためには中国国内での経済格差これを解決する必要があります。
そこで次のパターンちょっとご覧頂きます。
これは先ほどご覧頂いたGDPの動きのほかにですね棒グラフで一人当たりを表したものです。
中国の方が日本に比べると相当低いという事になっています。
随分日本の方が多いんだ。
多いですね。
やっぱり中国は人口が日本の10倍だから一人当たりで計算するとこうなってしまうという事ですね。
そのとおりです。
前回地形や気候を分ける東西のラインを引きましたけれどもそれは産業の発展度合いを分けるラインでもあるというお話をしたと思います。
東部の沿海部と西部との格差これが大きいのですね。
あとは特に都市部と農村部との所得格差これは年々実は大きくなってるんです。
都市部の富裕層は高級自動車を買ったりとぜいたくをしていましたけれども農村の人々はどうなんでしょうか?中国南東部の大都市広州。
1月の下旬広州駅はふるさとを目指す人々が集まり大混雑していました。
この時期は中国人が最も大切にしている…農村から都市の工場などに出稼ぎに来ている人たちもそれに合わせて帰省します。
中には10時間以上立ったままという人も。
広州駅の周りは夜になっても列車の切符を買うために泊まり込む人などでいっぱいです。
農村から都市への出稼ぎ労働者は農民工と呼ばれ現在中国全体で1億5,000万人前後いるといわれています。
その多くが月給1万円以下という低賃金で働いていてしかも給料の遅延や不払いといった問題も指摘されているのです。
農民工の増加に伴って問題となっているのが…出稼ぎに行った親と離れて故郷の農村で暮らす子供の数が年々増えているのです。
留守児童は精神的に不安定になり勉強が遅れがちになったり犯罪に巻き込まれたりする事もあるといわれています。
この女の子の両親は上海に出稼ぎに行っています。
娘を一緒に連れていきたくてもそうできない事情があるのです。
中国では農民と都市に暮らす人とで戸籍が分かれていて農村戸籍を持つ農民は基本的に都市への移住が禁止されています。
子供を転校させようとしてもほとんど認められないのが現状です。
2014年には政府が戸籍を統一する方針を発表しました。
しかし農民を受け入れるための住宅や仕事先の準備など問題は山積みです。
う〜ん…何か農民工の人とか出稼ぎの労働者が安い賃金で働いてるから中国製のものは安いのかなってちょっと思うといろいろ考えるところがあります。
確かに複雑な気持ちになります。
しかも同じ国民なのに戸籍が違うっていうのも…。
びっくりしました。
それは。
聞いた事なかったですけれども。
先生戸籍を統一する方針だという事なんですがうまくいきそうなんでしょうか?確かにいろいろと解決しなければならない問題がたくさんあります。
例えば年金などの社会保障ですけれども現在は都市戸籍を持ってないと十分に受けられません。
戸籍を統一した場合激増する社会保障費をどう工面するのかという事が問題になりますね。
更に都市への人口集中が急速に進むとインフラの整備や教育施設の建設などが追いつかなくなります。
また農民工ですけれども内陸部の出身者が多い訳ですから……という事も必要になってきます。
これらとあわせて政府が今後どのように対処していくのかっていう事が注目されているところです。
実現するのは結構難しそうですね。
そうですね。
その上もっと難しい問題もありましてそもそも政府や地方の高官などにカネ至上主義という事がまん延してましてモラルが低下しているという問題もしばしば報告されています。
許認可権限を持つ者や政府幹部の汚職が発覚したものだけでも年間4万件あるという報告がありますね。
年間4万件という事は一日当たり100件以上も!?そうですね。
そのほかにも人権の問題政治制度や社会問題また周辺国との領土や領海を巡る対立などが中国の抱えてる問題ですけどもたくさんあります。
地政学的に影響を受けずにはいられないのが日本ですからその日本は中国に対してどう対応していくのか高校生の皆さんにも是非関心を持ってもらいたいと思います。
先生今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございます。
さあ2回にわたって中国について見てきましたがどうでした?やっぱり経済発展著しい中国ってすごく話題になってますけど影の部分っていうのがあるのはあんまり知らなかったのでもっと目を向けていかなければいけないなって感じました。
そうですよね。
人口がとにかく多いからパワーもエネルギーもあるんだけどコントロールする事もすごく難しい。
そうですね。
私の知らない中国がたくさんありました。
ありました?やっぱり地理の情報とかそういう知識があるとちゃんとした興味を持って視野が広がってっていうのが大事な事ですよね。
それではこれからも世界中のあんな事…。
こんな事…。
(2人)いっぱい知っちゃおう!建国以来思うように経済成長が進まなかった中国。
21世紀に入る頃には世界の工場と呼ばれるようになりました。
更に現在では13億の人口を背景に世界の市場として注目を集めています。
しかし…国内の格差是正などへの対応が求められています。
2015/11/20(金) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 地理「ここに注目!中国」(2)[字]

人・モノ・情報が地球規模で行き交う現代。国や地域を越え、多様な社会や文化を理解し合うことが不可欠。“世界の今”を読み解く「地理」は、未来を切り開く力となる。

詳細情報
番組内容
それぞれの国や地域ごとに掘り下げて現代世界を考察する。自然環境や民族、文化、産業、経済など、さまざまな視点で学ぼう! 「ここに注目!中国2〜経済発展と問題〜」 (1)改革開放と高度経済成長 (2)「世界の工場」から「世界の市場」へ (3)高度成長と人々の暮らし
出演者
【講師】東京国際大学教授…高橋宏,【出演】中田敦彦,山田彩,【語り】安元洋貴

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 大学生・受験

映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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