昔むかし山の中に鬼婆がすんでいた。
村の人が山に入るととっつかまって食われてしまうものだから村人は誰も山に入らなくなっていた。
おぉ。
栗ご飯食いてえ。
(読経)和尚様。
なんじゃな?オラ栗拾いに行きてえ。
ならん。
え〜なんでじゃ?オラ栗いっぱい拾ってきて栗ご飯を…。
山には鬼婆がすんでいる。
お前が鬼婆に食われてしまうのだぞ。
大丈夫じゃ鬼婆のいる山奥には絶対行きませんから。
和尚は朝から晩までお寺の仕事をやってくれる小僧に1日栗拾いをさせてやりたかったが山にすむ鬼婆に食われてしまうのではないかと心配した。
明日なら栗拾いに行ってもよいぞ。
うわ〜和尚様ありがとう。
和尚は小僧がもし鬼婆につかまってもこの3枚のお札が助けてくれるように夜遅くまでお経を唱え続けた。
では和尚様いってきます。
うむ今朝渡したお札は持ってるだろうな。
大丈夫ですちゃんと持ちました。
鬼婆につかまったらそのお札に願い事をするのじゃ。
必ず助けになる。
わかりましたではいってきます。
気をつけてな。
あちこち歩いたが栗もキノコも何もとれなかった。
そしていつの間にか山の奥に入っていってしまった。
うわ〜栗がたくさんある。
うわ〜。
うっ夜か?うわ〜!ウハハハハ。
どっひゃ〜!イヒヒ久しぶりの人間じゃうまそうじゃのう。
うわ〜!逃げてもムダじゃ。
あ〜食われてしまう。
鬼婆につかまったらそのお札に願い事をするのじゃそうだ和尚様のお札に助けてもらおう。
鬼婆よオラ厠に行きてえ。
そこでやってもええ。
やだオラ人に見られてると出るもんも出ねえ。
え〜いめんどくせえ小僧じゃな。
鬼婆はしかたなく小僧を太い縄で縛って外の厠に連れていった。
厠に入った小僧は縄をほどいて柱に結わいつけお札を1枚貼った。
オラの代わりに返事をしてくれ。
そして厠の裏から逃げ出した。
こら小僧まだか!まだまだ。
まだかまだか?まだまだ。
え〜いまだか!やや逃げおったか。
小僧は必死になって暗闇の中を走った。
こら待て逃がさんぞ。
うわ〜。
お札お札大きな砂山になれ。
小僧の願ったとおり大きな砂山が現れた。
小僧。
ひゃ〜!待て小僧!ひゃ〜助けて。
小僧は3枚目のお札を出した。
大きな川になれ。
突然鬼婆の前に大きな川ができた。
うわ〜。
なんのこれしき。
和尚は小僧の帰りが遅いので心配して寝ずに待っていた。
和尚様助けて!小僧か。
帰ったか心配しておったぞ。
鬼婆が追ってくる。
なんと早くお堂の中に入れ。
小僧うまそうな小僧はどこじゃ?やい和尚小僧が来たろ小僧を出せ。
わしの飯はどこじゃ?隠してもすぐわかるぞ。
クンクン匂うぞクンクン匂うぞ。
小僧の匂いじゃ。
ハハやい和尚。
あの高いところにある行李を開けてくれ。
ダメじゃ。
むっ開けろ。
ダメじゃ。
開けろ。
ならわしの願いを聞いてくれたら開けてやる。
何じゃ言ってみろ。
そんなにでかくては話しづらい。
普通の大きさになれるか?なんじゃそんなことかお安いご用じゃ。
どうじゃこんなのへでもないわい。
おぉたいしたもんじゃ。
ギャハーこんなもんで褒められるとはこそばゆいのう。
さぁ早く小僧を出せ。
待て待てところでもっと小さくなれるのかな?なにもっと小さくだと?どれくらい小さくなりゃいいんだ?これくらいまでは無理だろうな。
ギャハハハこの鬼婆になれないものなどないわい。
見てろよ。
どうじゃ?おぉ見事見事。
どうじゃこの紙の上に乗れるか?そんなのたやすいことじゃ。
喝!ななんと動けん!ギャー!
(読経)
(読経)
(2人)わ〜い栗拾うぞ。
行っていいぞ今晩は栗ご飯炊いておくれ。
はい。
こうして鬼婆がいなくなった山は子供たちも安心して山菜とりができおいしい栗ご飯が食べられるようになったということだ。
(カラスの鳴き声)
(子猿の心音)昔むかしある日のこと山奥に1人の男が薪を取りにやってきました。
(お腹が鳴る音)ほいぱっくん。
おぬしやるな。
キキキキキ。
ほれまだあるぞ。
ぱっくん。
そう言って男は自分の弁当を全部子猿にやってしまいました。
男は家に帰ると子猿のことを女将さんに話しました。
まだ小さいのに母親とはぐれたらしいんじゃ。
まぁそれは不憫だこと。
愛嬌のあるやつでな。
何でもオラのやること真似すんだ。
その子猿もあんたのことを慕ってるんじゃないのかい?ん?おっ。
キキキキ。
ありゃお前ついてきちまったのか。
キキキキキ。
さあさあ一緒に夕飯を食べましょう。
ハハハまいったな。
フフフフ。
それ以来子猿は夫婦と一緒に暮らすことになりました。
さるやさるやご飯だよ。
キッキーッ!キーッ!!あ〜!フゥ。
さるや。
キキキキ。
夫婦は子猿をさるやさるやと呼び実の子供のようにかわいがりました。
子猿はそのうちに男の手伝いをするようになりました。
お前は働き者だな。
キッキッキッ。
馬に草を積んだ男はもっと草を刈っておきたいと考えました。
おいさるやお前馬を引いて先に帰ってくれないか?キキキキキキ。
(鼻歌)
(子猿の鼻歌)あっ。
あらさるやだけかい?まぁあの人とそっくり。
子猿は男がいつもしていることを見ていたのでどうすればいいかちゃんと覚えていたのでした。
フフフフ。
ただいま。
あらあんた聞いとくれよ。
さるやがね…。
さるやのことを聞いた男は女将さんと大笑いをしました。
お前。
本当に役に立つやつだなハハハハハ!やがて養蚕の季節になりました。
養蚕とは蚕を育ててできた繭から生糸を作ることです。
またねずみの仕業だわ。
またか困ったもんじゃ。
これじゃ大事な蚕がどんどん取られてしまうわ。
この年はねずみが多く夫婦は困り果てていました。
翌朝夫婦がやってくると蚕はみな無事でした。
おぉ今日は無事のようだぞ。
でもおかしいわね。
昨日までは毎日のようにやられていたのに。
(2人)もしかしてあの子が…。
(ねずみの鳴き声)そこには子猿がねずみを追っ払っている姿がありました。
(ねずみの鳴き声)私たちの話を聞いていたんだねぇ。
子猿は夫婦のために毎夜蚕の番をしていたのです。
こうして子猿のおかげでねずみの被害にもあわず立派な繭が出来上がりました。
こんなにいい繭になったのもお前のおかげだ。
さるやありがとうね。
子猿は長い間この夫婦と仲よく暮らし蚕の番も欠かしませんでした。
さるや桜がきれいだね。
お前が来てからもう何年になるんだろうな。
ニッ!やるなおぬし。
〜さるや…。
さるや…〜夫婦の腕の中でさるやは永い眠りにつきました。
悲しんだ夫婦は墓をたてました。
いつしかその墓にある小石をもらっていくとねずみの害を除いてもらえると言い伝えられその石はさるやの石と呼ばれるようになったということです。
昔むかしねずみの夫婦が暮らしておりました。
しばらくして夫婦に娘が産まれそれはそれは大事に育てました。
やがてその娘も年頃になり夫婦は相談をしました。
なあ母さんそろそろうちの子にも婿さんをもらわにゃと思うんじゃがどんな婿さんがよいかの?そうですねぇ。
あんなええ娘じゃから仲間のねずみたちではいかんしなぁ。
わしらねずみよりもっと偉いもんがあるに違いねえ。
誰がいちばん偉いんじゃろ?お父さんいちばん偉いといったらそりゃお日様じゃろ。
なんたって空から世の中を照らしとるんじゃから。
ということで話がまとまり次の日。
お父さんねずみはお日様のところへ向かいました。
〜お日様お日様失礼ですがあんたはこの世でいちばん偉い方だと思うんじゃけどぜひとも私の娘の婿さんになってくれませんか?そりゃまあ婿にはなりたいがわしよりもっと偉いもんがおるぞ。
そりゃお日様誰ですか?それはなぁ雲じゃ。
雲がやってきたらいくらわしがカンカンに照っていてもあっという間に真っ暗になってしまう。
雲にはかなわんなぁ。
しかたなくお日様を諦めてお父さんねずみは雲さんのところへ向かいました。
途中のどの渇きを癒やし枯れ枝に乗って小川を下りました。
〜雲さん雲さん。
あんたは世の中でいちばん偉い方だと思うんじゃがどうか私の娘の婿さんになってくれませんか?な…な…婿じゃと!?はい。
しかしなぁ。
あ〜世の中でいちばん偉い者といったら風じゃなぁ。
風が吹いてきたらわしらいっぺんに吹き飛ばされてしまう。
あ〜ちょっとややや…あ〜風には勝てんな。
またまた雲さんを諦めてお父さんねずみは風さんのところへ来ました。
いいお天気でんな。
いい湿り具合ですな。
かかか…風さん風さん。
世の中でいちばん偉いというあんたに私の娘の婿さんになってもらいたいんだがお願いできませんか?そりゃあ無理じゃ。
しかしわしよりもっと偉いもんがおるぞ。
それは誰ですか?壁じゃ壁がおったらいくらわしが通り抜けたくても通ることができん。
壁はわしよりずっと偉い。
壁さんですねあ〜っ!町にやってきたお父さんねずみは壁さんを探し回りました。
壁さん壁さん。
世の中でいちばん偉いあんたに娘の婿さんになってもらいたいんじゃが。
どうか婿さんになってくれませんか?そうだなぁ。
だがわしよりももっと偉いもんがおるぞ。
そそれはどなたですか?何を言っとるそれはあんたたちねずみじゃ。
ねずみにガリガリかじられたらわしらひとたまりもなく穴を開けられてしまう。
ねずみにはかなわんなぁ。
えっねずみが!?あっちゃ〜。
そんなこんなでお母さんねずみのところへ帰ってきたお父さんねずみは…。
なんとお前婿を探していろいろと歩き回ったがうちの娘の婿さんはやはりねずみにせんといかんな。
世の中でいちばん偉いのはねずみなんじゃと。
はぁ〜。
それで結局娘さんの婿はねずみにすることに決まったということです。
めでたしめでたし。
2015/11/22(日) 09:00〜09:30
テレビ大阪1
ふるさと再生 日本の昔ばなし[字]
「三枚のお札」
「さるやの石」
「ねずみの婿取り」
の3本です。お楽しみに!!
詳細情報
番組内容
私たちの現在ある生活・文化は、昔から代々人々が築き上げてきたものの進化の上にあります。日本・ふるさと再生へ私たちが一歩を踏みだそうというこの時にこそ、日本を築いた原点に一度立ち返ってみることは、日本再生への新たなヒントになるのではないでしょうか。
この番組は、日本各地に伝わる民話、祭事の由来や、神話・伝説など、庶民の文化を底辺で支えてきたお話を楽しく伝えます。
語り手
柄本明
松金よね子
テーマ曲
『一人のキミが生まれたとさ』
作詞・作曲:大倉智之(INSPi)
編曲:吉田圭介(INSPi)、貞国公洋
歌:中川翔子
コーラス:INSPi(Sony Music Records)
監督・演出
【企画】沼田かずみ
【監修】中田実紀雄
【監督】鈴木卓夫
制作
【アニメーション制作】トマソン
ホームページ
http://ani.tv/mukashibanashi
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32118(0x7D76)
TransportStreamID:32118(0x7D76)
ServiceID:41008(0xA030)
EventID:47114(0xB80A)