【大阪ダブル選】維新完勝で都構想は動くのか? 住民投票2度目はあるのか? 府議会・市議会とも過半数割れがネックに
大阪ダブル選で大阪維新の会(橋下徹代表)が擁立した2候補が勝利を確実としたことで、5月の住民投票で反対多数となり頓挫した「大阪都構想」に向けた議論が再び動き出すことになった。
ただ、これは維新側による思惑であって、非維新側も認める都構想実現への確かな道筋ではない。
最初のハードルは大阪維新が過半数を割っている大阪府、大阪市の両議会だ。知事、市長となる松井一郎氏と吉村洋文氏はまず、新たな制度づくりの事務局組織を府市共同で立ち上げる見通しだが、地方自治法では、共同設置には両議会の議決が必要とされる。
都構想の手順などを定めた大都市地域特別区設置法に基づき、両議会の議員と制度設計を議論する「法定協議会」も置かなければならないが、これにも両議会の議決がいる。
さらに、法定協で設計図(協定書)をまとめても、両議会で承認されなければ住民投票には進めない。他会派の協力が不可欠だ。
前回の住民投票は、昨年12月の衆院選で勢いを見せつけ、公明党の協力を引き出したことで実現した。松井氏は「ダブル選で新たな民意が示されれば、公明さんには真摯に向き合ってもらえる」と自信をみせる が、公明議員の間では、住民投票でいったん「否定」された都構想への反発は強く、2度目があるかは確実ではない。
最後に、再び住民投票までこぎ着けたとしても、市民の過半数の賛成という最大の難関が立ちはだかる。
松井氏らは「3年程度かけて住民と膝(ひざ)詰め談判で新たな設計図を作る」としているものの、区名変更などの微修正にとどまるのか、区割りなどを全面的に見直すのかは白紙の状態だ。