(福島)皆さんおはようございます。
番組の案内役を務めますMBSアナウンサーの福島暢啓です。
この「らくごのお時間」では…。
さて今回は梅田・茶屋町のMBSで寄席を開催しました。
会場にはこれまで番組内に登場した私のイラストを展示しお客さんには落語三席をご覧いただきました。
本日ご紹介するのはこの方です。
(桂三幸)「セカンドって書いてましたからね」。
芸歴14年…。
三幸さんは2002年に桂三枝今の六代・桂文枝さんに入門。
今年6月に行われた「上方落語若手噺家GP」では決勝に進出しました。
さあ演目は?さて「らくごのお時間」となりました。
それではどうぞ。
(出囃子「春藤」)
(出囃子「春藤」)
(拍手)ええ〜桂三幸でございます。
いやしかしですねほんとにあれ残念でしたね。
ええあのラグビーのワールドカップ。
3勝もしたんですよ日本は。
ねっ3勝したのに決勝リーグ行けなかったことは初めてらしいですね。
選手も帰って来ましてね「五郎丸が帰って来ました」いうてね漁船が帰って来たみたいやね。
(観客たち)あははっ。
びっくりしましたけどね。
あの五郎丸がなんと名字らしいですからね。
すごい名字があるんですね。
まあ不思議に思ってたんですけどもね。
私がいちばん好きなのはサッカーがいちばん好きでしてね。
日本代表の試合はいつも見てるんです。
ず〜っと見てます。
生まれた直後からず〜っと見てます。
覚えてませんけどず〜っと見てましてね。
あの〜何が好きか言いましたらあの松木安太郎さんの解説が私は好きでね。
もうポジティブすぎるんですよ。
なんとしてもいい方向に持っていかなければという彼のその姿勢が大好きでございまして。
昔です日韓戦というのが韓国でありましてね。
北澤選手今リポーターで出てますけど北澤選手がちょうどフォワードで出てましてボールが転がってきましてねゴール前ですよ。
キーパーいないんですよ。
ちょんと蹴ったら入るんですよ。
ただ北澤選手力が入ったんでしょうね。
ドガ〜ン蹴りましてねゴールポストの上ド〜ン過ぎましてそのボールがなんとスタジアムの外に飛んでったんですね。
こんなことなかなかないみたいなんですよ。
これ実況があきれましてね「うわっスタジアムの外に飛んでってしまいました。
ちょんと蹴ったら入ったのに何してるんでしょうか?」。
でも松木さんはなんとかフォローするんですよ。
「いやっ北澤選手すごいキック力ですね〜」。
いやそこ褒めてどうするんでしょうかね。
そういう試合と違うんですよあれ。
ラモス選手がシュート打ちましてねポストにポンと当たりまして横にそれたんですよコーナーの方に。
ほなまた松木さんがね「うわっ惜しいなぁ。
さっきの惜しいやつと合わせて1点になりませんかね」。
(観客たち)あははっ。
いやそういう試合と違うと思うんですけどね。
日本対フランスという試合が昔ありましてねフランスワールドカップの前なんですよ。
初めて日本が出たワールドカップですね。
フランスと試合しまして5対0で負けたんですね。
これはもう実況も落ち込みましてね「やっぱりこの日本の力はまだ世界には及ばないんでしょうか?」。
ほな松木さんがね「いや!そんなことない。
私見たところねフランス代表1人多かったですよ」言いましてね。
(観客たち)あははっ。
そんなわけないやろと。
1人多めに言っとけみたいなんねそればれますからね。
あの大久保選手というのは17試合無得点で18試合目にやっと得点取ったんですね日本代表で。
17試合目にシュート打ちましたらキーパーの正面パッと取られたんですよ。
松木さんが必死でフォローするんです「いや!今のシュートキーパーいなかったら入ってましたよ」。
(観客たち)あははっ。
それ当たり前やろ思いながらね。
そんなん僕でも入るんちゃうかな思いましてね。
ポジティブなことはいいことですけどね。
私野球が好きでね。
ええ。
野球…よう考えたら野球がいちばん好きやったかな思いましてね。
私の母がいつも実家で野球見てたんで一緒に見てたんです。
実家が愛媛ですから「巨人」戦が多かったんですけどもね。
まあ母はあんまり野球のこと知りませんでしたね。
今でもなんかセ・リーグとパ・リーグのことセントラル・リーグとパントラル・リーグや言うてましたからね。
どこにそんなリーグあるんでしょうかね。
私はずっと見ておりまして篠塚選手が好きでした。
なかなかね子供が篠塚選手好きなことないと思うんですね。
渋〜い選手…守備がうまい選手でね。
一回ねファンレターを書いたんですよ。
で送ったんですけど帰って来たんですね。
届かんかったなっていう印象がありまして。
こないだ実家に帰りましたらその手紙が出てきましてね見たらちゃんと切手も貼ってある。
名前も書いてある。
ただ住所が違ってるんですよ。
住所のとこにね「セカンド」って書いてましたからね。
いやポジションでは届かんやろ思いましてね。
「後楽園のセカンド」やったら届いたかもしれませんね。
いろいろありますけど私はね歌が好きなんですね。
どれくらい好きか言いましたらねEXILEの追加ボーカルオーディション受けに行ったんですよ。
もうめちゃくちゃ好きなんですよ歌うことが。
EXILEに入りたいな思いまして。
ちょうど「吉本」で行こうと三人で行ったんですよ。
ちゃらんぽらんの冨好師匠と矢野・兵動の矢野さんと僕で三人で行きました。
この二人はものすごい本気でしたよ。
受付でアンケート書くんですが職業欄にですね漫才師と書こうかどうかでケンカしてましたからね。
書かない方が有利だろうとかね書いた方がいいだろうとかケンカしてましたね。
30秒歌えるんです。
行きましたらEXILEの当時5人。
HIROさんとかATSUSHIさんとかいましてねその前で30秒間歌えるんですよ。
まあ私は30秒歌いまして二人どんな歌を歌うんかな思いましてですね矢野さんが来ましてアカペラが基本原則なんですよこれがね。
原則で決まってるんですアカペラというのが。
ところが矢野さんですねラジカセ持ってきてそれでカラオケで歌おうとしてるんですよ。
「俺の話を聞け」ってやつをですね。
・チャラチャラチャラチャッチャ〜
(「タイガー&ドラゴン」)・チャラチャラチャンチャン・チャランチャンチャランチャンチャンチャンチャンチャンチャン「ありがとうございました」言われてましたね。
(観客たち)あははっ。
歌わずに帰ったんですあの人。
ほなEXILEがめちゃくちゃウケましてね。
どぅあ〜どぅあ〜いうてウケてましたね。
あないウケるんだと思ってね。
矢野さん帰って来てね「どうやった?」。
「落ちましたよ」言うてね。
通るわけないんですよほんまね。
いろんなもん好きですけど旅行が好きでねいろいろ行くのも好きなんですよ。
師匠と一緒に海外に行ったりほんと楽しくてですね去年ベトナムに行きました。
ベトナム初めて行かしていただきましてびっくりしました。
バイクがですねめちゃくちゃ多いです。
赤信号で100台ぐらいバ〜ン止まるんですね。
見たらですよお父さん子供お母さん子供いうてね4人乗りなんですよ。
「えっ?これ一体どこに向かってるんだ?」と聞きましたら目的地がないそうでございますね。
なんでかいうたら向こうは冷房の設備があんまり整ってないんです。
ですから家族4人で外を走り回ってる方が涼しいらしいですね。
だからすべての家族が走り回ってるんですよ。
あれ1日やめたら二酸化炭素減って温度下がるんちゃうかな思ってね心配したんですけどもね。
向こうではバイクのことを「HONDA」って言うんですね。
「HONDA」のバイクが戦後いちばんに入りましたから向こうではバイクのことを「HONDA」って言うらしいです。
若い方が僕見つけてね言うてくるんですよ。
「にいちゃんにいちゃんこれ見てこれYAMAHAのHONDA」。
意味分からないですもん。
「YAMAHA」の「HONDA」やて?ほな「HONDA」の「HONDA」もあるんかな思ってね心配なりましたけどもね。
まあいろんな好きなこと…多趣味でございますからね僕ギャンブルもなかなか好きでねボートレースなんかもまあ好きなんですよ。
いろいろやるんですけどもねまあ今日はこの博打の話で一席おつきあい願いますけどもね。
まあちょっとしゃべる動物が出てくるというそんなお噺で一席おつきあい願いますが…。
「お前かいな。
昼間の狸っちゅうのは」。
「へい。
昼間危ないところ助けていただきましてどうもありがとうございました」。
「いやほんまに危ないとこやったで。
わしがひょっと通りかかったさかいええけどもな通りかからんかってみ?今時分狸汁かなんかなっとんたん違うか?」。
「ありがとうございました。
穴に帰りまして早速親に話しましたらそんな恩を受けたんやったらはよ返してこいってなこと言われまして寄してもらいました」。
「恩返し?やめてくれそんなん。
そんなつもりでやったん違うで。
もう帰り帰り」。
「せやけどわたいね恩返ししまへんことには家へ入れてもらわれしまへん」。
「ほう厳しいんやなお前とこの親は」。
「はい。
恩を受けたら必ず返さんとあかん。
恩を受けて返さんのやったら人間と一緒やないかこない言いまんねん」。
「きついなお前とこの親。
いやせやけど狸にしてもらいたいこというてもないけどなぁ。
あっきつね狸っちゅうのはなんにでも化けられるって聞いたで。
あれほんまかいな?」。
「いやわたい子狸ですのでなんにでもっちゅうわけにはいきまへんけど大概のもんやったら化けられると思います」。
「おおそうか。
ほなお前なわしの金もうけの手伝いやってくれるか?」。
「あの〜お金もうけと言いますと?」。
「いや実はなわしまともな仕事にも就かんと博打ばっかりやってる博打打ちやねん。
せやから博打の手伝いやってもらおうかなと思って」。
「わたい何ができまんの?」。
「まあ博打いうてもいろいろあるからな。
まあいちばん儲けのええのは競馬やなぁ。
なんちゅうても法に触れへんさかいな。
お前馬に化けられるか?」。
「はい。
馬でしたら同じ動物ですので化けられると思います」。
「そうか。
お前ないちばん人気のない競走馬に化けてくれるか?でその馬の馬券をわしが買うやろ。
でお前がレースで1着になってがっぽがっぽ儲けるっちゅうのこれはどないや?」。
「それあかんと思います」。
「なんで?」。
「なんで?ってねわたい馬の格好には化けられますよ。
せやけど化けてるのがわたいですさかいね。
わたい馬よりはよ走れるぐらいやったら狸やってまへんわ」。
「そうやな。
それもそうやわ。
あっ野球賭博なんざどないや?」。
「わたい何ができまんの?」。
「お前がボールに化けるやろ。
でわしが賭けたチームの攻撃になったらバッターに思いっ切り打たれる」。
「死んでまいまんがなそれ。
なんで昼助けてもうたか分かりません」。
「まあそれも理屈やな。
難しいもんやな。
あっサイコロ博打なんざどないや?」。
「あの〜丁とか半とかいうやつですか?」。
「お前子狸のくせによう知ってるな。
今はそういうのはやってないねん。
今サイコロ1個を使ってな1から6の目に張って当たったらなんぼか返ってくる。
外れたら親が持っていくっちゅうそういう簡単なやつやってんねや。
お前がサイコロに化けるやろ。
わしが親をやるわ。
わしが言うた目をお前が出してがっぽがっぽ儲けるっちゅうのこれはどないや?」。
「それでしたらできると思います。
でもそういうのって夜遅うなるん違いますの?」。
「まあそうやな。
徹夜でやることもあるわ」。
「わたいね子狸ですので夜遅うなったら勝手に目がつむってきよんですわ。
夜遅うならんようにだけ頼んます」。
「おう分かった。
ほな夜遅うならんようにしとくわな」。
「ありがとうございます。
ほな早速化けますさかい手拍子3つお願いします」。
「きっかけがいんの?おもろいもんやな。
ほないくでひのふのみっつと。
おお〜おっと…。
あっ化けた。
えっ?子狸のくせに本物そっくりやないかお前。
よう出来てあるで。
ちゃんと1から6の目は打ってある…。
おいおいおいおいおい!あのなサイコロっちゅうのは1から6適当に打ってあんのちゃうねんで。
1の裏は6。
2の裏は5いうて足して7になってんねん7に。
変わってみ。
変わったか?見るさかいな1の裏は6。
おお〜。
2の裏は5。
おお〜。
7。
うん…7!?」。
(観客たち)あははっ。
「もしかして7の裏は…0。
なぶってんのやあらへん。
1から6言うたやろ?変わった?ほな振ってみるさかいないくでよっ…おっ!2が出たで。
2っちゅうのはなかなか出にくい目やさかいな。
おっまた2が出たで。
ええなぁ。
また2が出た。
ほうほうまた2や。
えっ?また2や。
また2?また2…なんでそんな2ばっかり出んねん。
うん2は楽な目?楽な目っちゅうのがあんの?2はあおむけに立って目開けたら2?これ目玉かいな。
ほな見えてんのんかいな。
いやでも2ばっかりではあかんさかい今度はなピンを出してみ。
1や。
ほないくで。
よっと…おっ!ピンが出た。
これはどないしてあんねん?うんこれはあおむけに立って目閉じて口開けたらピン。
ほう〜今度は口かいな。
おお〜おもろいもんやなぁ。
さあ次は何が出るかなと。
3が出た…お前3が出たはええけど横一列ってなことあるかいな。
サイコロはな2でも3でも斜めやねん。
変わってみ変わってみ。
ぎゅ〜っと…。
おお〜言うてすぐ変わんのやなぁ。
いや〜おもろいもんやね。
まあ口でも目でも開いた所がサイコロの目になるっちゅうそういう勘定かいな。
うんうん。
ちょっと待てよお前4はどないすんねん?4は。
うん4はいっぺん三つ目小僧に化けてから口開ける?」。
(観客たち)あははっ。
「えらい手間やねんなお前すっといかれへんのんかいな。
まあまあええわ任しとくわ。
ほな早速行くさかいな。
頼んだで。
言うた目出してや。
ほな行くで。
よしっと…。
お〜いいてるか?お〜いいてるか?ええサイコロが手に入ったぞ。
お〜い!」。
「ガラガラ」。
「あほ!大きい声出すなお前。
法に触れることやってんねや。
黙って入ってこんかい」。
「ああ〜すまんすまん。
(小声で)始まってるか?どんな調子や?お前」。
「お前ほんまのあほやな。
外で大きい声で中で小さい声でどないすんねや?」。
「すまんすまん。
あのな今日ええサイコロが手に入ったんやな。
胴取らしてほしいねん。
親やらしてほしいねん」。
「何言うてんねんお前金も持ってないくせに偉そうなことぬかすな」。
「今日は持ってるさかい言うてんねんで。
このサイコロがええねん」。
「お前けったいなもん持ってきたん違うやろな」。
「持ってくるかいな。
仲間内でやってんのやで」。
「ほなちょっとこっちに貸してみ。
うん。
うわっ!なんじゃこのサイコロけったいなサイコロやなこれ。
なんやぬくいで」。
(観客たち)あははっ。
「ぬくい?あっそれはな体につけてきたからやと思うわ」。
「そうか?生ぬくいけどなこれ。
ほんでお前これぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅ…硬いんか軟らかいんか分からへんでこれ。
何で出来てんねやろ?骨かなぁ?ぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅあ〜ん…」。
「かんだらあかんでかんだら。
かんだら向こうからかみよんで」。
(観客たち)あははっ。
「なんでサイコロがかむねん。
意味分からんことを言うなほんまにもう」。
「ビタッ」。
「えっ?」。
「ビタッ」。
「えっ何?このサイコロ」。
「ビタッ」。
「これあかんで」。
「なんで?」。
「なんで?ってお前これビタッて全然走らへんやないかいな」。
「何してんねんほんまにもう。
ちょっと!ずぼらせんとちゃんと走らなあかんで」。
「誰に言うてんねんお前。
気持ちの悪い。
走らへんさかい走らへん言うてんのにやな…」。
「ビタッ」。
「ズゥ〜」。
「おい!見た?今。
サイコロ2が出て転がらんと横へず〜っと行ったで。
気持ちの悪いサイコロや」。
「いやちゃんとやったらうまくいくさかいにもう一回やってみ」。
「なんやねんちゃんとやったらってお前。
ちゃんとやってるやろ?いくで」。
「ビタッ」。
「ゴロゴロゴロゴロ…ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…ゴロ…ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…」。
「お達者で〜」。
(観客たち)あははっ。
「どっか行ってもうたやないかいな」。
「大丈夫やちゃんとやったら」。
「いやどっか行ったやんか」。
「どっか行ったって…そこにあるやない」。
「そこにある…うわっ!帰って来てるこれ。
どないなってんねんこのサイコロ。
なんで…。
何?こいつが金持ってるの珍しいから親やらしたれ?お前らほんまに言ってんのかそれ。
分かった分かった。
おい皆が言うてるからなお前親やれ」。
「ええの?おおきにおおきに。
ありがとう。
ちょっと胴を貸して胴を。
うん。
うわっこれ初めて持ったわ。
これが胴か。
あっサイコロ持ってきてサイコロ。
うんうんうん。
おかえりおかえり。
ははははっ。
さあいくでこれをいっぺんやってみたかったんやと。
さあ大きに張ってこなあかんで。
なんべんもやらへんさかい。
うんこっちは4かいな。
おお〜でこっちが5かいな。
2に3に1かいな。
ということは6が空き目やな。
よしよしんんんん!まずはなたぁちゃん…」。
「待てやお前。
たぁちゃんって一体なんのことやねん?」。
「こっちのことやないかい。
かめへんかめへん。
たぁちゃんええか?まずはないちばん数字の大きいやつや。
6や。
なっいちばん数の大きいやつやで。
6やで。
7あかんでたぁちゃん。
7出たらばれるよ。
7は絶対あかんで。
6ね。
6!頼んだで。
いくで。
3つずつ2列2つずつ3列!」。
「何を言うてんねんお前。
はよ開けろ」。
「よ〜しいくで。
6666…ほ〜れ6が出た!この金皆わいのもんやと」。
「おいあいつ今6言うて言うた目出しよったで」。
「いやいや最初やさかいこういうツキがあんねん。
なっ大丈夫大丈夫」。
「いや今日のツキはなかなか変わりまへんでと。
さあ大きに張ってこなあかんで。
なんべんもやれへん。
また6かいな。
えっ?お前6好きやな。
うん。
ほんで裏目狙いのピンかいな。
うん。
6に1に2に4に5かいな。
うん。
ということは3が空き目やな。
よしよし。
んんんんんん!たぁ〜〜ちゃん」。
「おい!なんやねんそれは」。
「うるさいやつやなお前。
たぁちゃんええか?次はな3や。
さっきの6の半分やさかいな。
4の裏やでちなみにな。
頼んだで。
いくで。
顔上げや。
目開けや。
口開けや。
あっ3は斜めやで」。
「何を言うてんねんお前。
なんで3の説明してんねん」。
「ほないくで。
3333!ほ〜れ3が出た。
この金皆わいのもんや」。
「うそやろあいつ。
また3言うて3出しよった」。
「落ち着け落ち着け。
すぐ変わる」。
「いやいや今日のツキは最後まで変わりまへんでと。
さあ大きに張ってこなあかん…また6かいな。
好きやなお前。
えっ?6に4に5に2に3かいな。
ということは1が空き目やな。
よしよしたぁ…」。
「おい!おい!」。
「うわっびっくりした。
なんやねん?」。
「お前なその数言うのやめぇ」。
「数ぐらい言うたかてかめへん」。
「かめへんことあるかいな。
お前が6言うたら6が出るしな3言うと3が出とんねやないかい」。
「そやけど数言うたかて中の目変わるわけやおまへんで」。
「変わっても変わらんでもあかん。
だいたいこういうもんな6!3!いうて大きい声出してやるもんちゃうねんど。
魚市場やないさかいにな黙ってやれ黙って」。
「ほな数さえ言わなんだらかめへん?」。
「おう。
数さえ言わなんだらかめへんわ」。
「へへへっ。
こっちには暗号があるさかいな暗号が。
ええっ?さあたぁちゃんいくで。
次はな口や。
そうそうそう口や。
頼んだで。
決めてくれや。
顔上げや。
目閉じや。
口開けや!」。
「お前がはよ開けろほんま。
何してんねん」。
「さあいくで。
口口口口!ほ〜れピンが出た。
この金皆わいのもんや」。
とやれば勝てるのが分かってますさかいこの男夜が更けるのも忘れて博打に熱中しております。
「さあこれを最後にしようかなと。
さあ大きに張ってこなあかんで。
これが最後やさかいなまた6かいなお前。
好きやな。
えっ?6に5に1に3に4かいな。
ということは2が空き目やな。
よしよしよしよし」。
「おい!おいって!」。
「なんやねんなお前」。
「これが最後やったらなこのある金皆ピンにいかしてもらうわ」。
「ええ〜!?皆ピンにいくの?気の毒やなぁ」。
「何が気の毒やねん。
開けてみな分かれへんやないかい。
そのかわり言うとくぞもしピンが出たら今まで負けた金全部返してもらうからな」。
「ああそう。
ピンが出たら返したらええねんな。
よしよしんん…たぁちゃんええか?最後や。
決めてくれよ。
最後はな目玉や。
いくで。
目玉目玉目玉!」。
と開けますとなんと中はピンでございます。
「目玉目玉!ほ〜れ2が…あれ?たぁちゃん?うそ!?なんで!?今までうまくいっとったのに。
えっなんで最後に間違うねん!」。
よう見ますとサイコロ夜が更けたもんですさかい目閉じて口開けてがぁ〜寝ております。
(拍手)
(受け囃子)桂三幸さんの落語をご覧いただきました。
三幸さんといいますと三枝さん…今の文枝さんのお弟子さんということなんですがなぜプロの落語家さんになろうと思われたんですか?僕小・中・高とずっと漫才をいろいろやってましてですね…。
漫才が先だったんですか?漫才が先です。
ずっと漫才してまして漫才師なりたいなと思ってたんですよ。
で大学入りまして落語研究会入ったら漫才できるよっていう情報がありましたんで…。
どこからか入ってきたんですね。
はい。
漫才しようと思って落語研究会入ったんです。
ほな部員全員漏れなく落語をしなくてはいけないということで…。
ルールがあったんですね。
ルールがあったんで年に2回落語をする機会がありましてそこから落語を始めましたね。
これでもどうしてそこから漫才師にならずに落語家になったんですか?その漫才師になるのはどうしたらええか分かんなかったんです。
愛媛県でしたから。
知り合いがちょうど今の文枝師匠の事務所の住所知ってる人がいたんですよ。
ほう〜。
「手紙書いて相談乗ってもらったらどうですか?」って言われて。
こんなん無視されるんちゃうかな思いながら「漫才がしたいんですけどどうしたらいいでしょうか?」という手紙を出したんです私失礼にも。
落語家さんのところに。
後々考えたらおかしいですよ。
上方落語協会の会長のところに。
ありえないんです後々考えたら。
一応送ったんですよ。
ほな数日後にですね兄弟子から電話ありまして「師匠が今NGKに出てるから来たらどうですか?と言っております」と。
「それでは明日行きます」っていうことでフェリー乗ってすぐ行ったんです。
はあ。
NGKの…トントンって…楽屋「失礼しま〜す」ってガチャっと入ったら…。
って言われましてね。
(一同)ははははっ。
「えっ?あれ?」っていう。
あれ?入門!?
(一同)あははっ。
「何?入門って」と思いまして。
入門って結構難しいって聞きますよね。
何回も断られて…ねっ。
兄弟子がいましたから「ちょっと僕漫才師やって伝えてもらえますか?」言うて「ほな言うとくわ」って言うて最後師匠の車の窓がバ〜ンって開いて「井上君…」。
「また来たら?遊びに来てね」って言うてブ〜ンって出てったんですよ。
じゃあたまたま落語の道を選ぶことになった?まあそっからあの…たまたまですねこれも「M−1グランプリ」の…第1回「M−1グランプリ」があったんですよ。
僕も大学生同士で組んで出てまあなんとか2回戦行ったんですけどなんにもウケないですもう。
シ〜ンとなったままで。
これはやばいぞと。
でそうすると僕も自分では落語の方が向いてるんちゃうかなと思ってたんで師匠に弟子入りして一から勉強しようかなというちょうど時期が重なってですね…。
なるほど。
落語しようという。
で師匠に頭下げて4月から入門しました。
へえ〜!文枝師匠から教わったことで何か一番心に残っていることってありますか?いつもとにかく言われるんですよ「新しいことやれ」と。
だから僕は入門して終わったらですねいろいろやりましたよ。
出囃子でしゃべりながら出てきたりね。
出囃子の音楽乗せてしゃべりながら出てきたりとか。
えっ座る前にですか?座る前に。
「どうも〜皆さんこんにちは〜。
ええ天気ですね」とか言いながら出てきたんですけどね。
繁昌亭の舞台に腰掛けて歌ったりねいろいろやりましたけど…。
ほう〜。
座布団から立って腰掛けてピンスポ当てて歌ったりとか。
いろいろなことをね今後やっていかれるんだろうなというふうに思うんですけど。
そうなんです。
師匠にね最初車でウィ〜ンって開いて「落語の方が向いてるよ」って言われたんですよ。
3年後にね修業終わるときに「三幸お前修業今日で終わりや」。
って言われましてね「はっ?」って。
あはははっ。
「落語やいうて入ったんですけど落語じゃないんですか?」みたいな。
「落語が向いてるよ」って…。
入ったのに「じゃないよ。
もっと短いのも君は奇抜やからやりや」みたいな。
背中を押してくれたんですよ。
「R−1」にもご出場で…。
ちょっとずつ成績上がってるんですよ。
あっそうなんですか。
6年連続1回戦落ちして3年連続2回戦でやっとこないだ3回戦行くことができまして。
徐々に上がってきている…。
徐々にちょっとやっぱり見えてきたもんあるなぁという感じですね。
今後の目標としてはどういったことをやりたいと…。
「落語GP」も来年もありますから。
「噺家GP」もそうですし「R−1」もそうですしもう常にチャレンジして…もうしてもいいです別に。
もうあかんって言われたっていいし常にチャレンジしていってまあいつか花開いたらええなという。
これからいろんな舞台でおそらく見ることが増えるのではないかと思いますが。
三幸さんにお話を伺いました。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
次回は12月27日放送。
お楽しみに。
2015/11/22(日) 05:00〜05:30
MBS毎日放送
らくごのお時間[字]
<第30回>桂三幸◆「狸賽」▽演奏月1回、第4日曜の朝に本格的な落語を一席。
詳細情報
◎この番組は…
月に1回、寄席小屋を訪れて、脂の乗った落語家の落語を1席お届けします。
番組内容
今回「狸賽」を披露する桂三幸さんは、六代桂文枝さんの弟子。
今年6月に行われた「上方落語若手噺家グランプリ」で決勝に出場しました。
出演者
【落語】
桂三幸
【案内人】
福島暢啓(MBSアナウンサー)
公式HP
■番組HP
http://www.mbs.jp/rakugotime/
おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。
ジャンル :
劇場/公演 – 落語・演芸
バラエティ – お笑い・コメディ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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