みんなのためのバリアフリーバラエティー…２週にわたってお送りしている…ゲストにこの方を迎えた。
監督が世界一愛している好きな番組は何ですか？前回は三池監督が一番好きなキャラクター大久保健一さんの香港の旅を密着ドキュメント。
更に寝たきり芸人あそどっぐの新作コントをプレゼントした。
第２弾の今日は…サプライズいう事ですけどマジで三池さん何にも聞いてませんか？言ったらサプライズなんないでしょと言われて。
そうなんですよ。
うちの番組怖いんですよ。
さあその贈り物を用意したのは怪しい怪しいこの方でございます。
５年前に「バリバラ」が始まった頃からさまざまなコーナーをプロデュースしてきた桂福点さん今回は一体何を？私もですよ三池監督の作品にですな魂を揺さぶられた人間でございますからね。
こちらを！オレ電球としよか？満を持して三池監督に贈る大胆不敵なサプライズ企画！よ〜いスタート！
（カチンコの音）回りました！回った！福点が一手に引き受け短編映画に挑んだ！鬼の住む所はある。
テーマは「鬼」。
鬼だ〜！わしは違う！鬼を通して障害者の心の闇と光を描く。
目が見えない福点のイメージを映像化すべくＮＨＫスタッフがサポート。
主人公は中途失明の中年男。
高校時代に視力を失った福点自身を投影している。
福点の指示の下闇の中に光がうごめく視覚障害の世界の表現に挑戦した。
福点はショートムービーの題名を粘土で作り上げた。
「鬼は外」。
一体どんな作品に仕上がったのか？お〜なんとショートムービーという事でございまして。
三池さんどうですか？直球ですよね。
そもそも福点さん。
監督いう事はその演技を見たり何やして「あ〜もう一回やり直し！」とかねそういうのは見えないじゃないですか。
それは適当にやった。
うそうそうそ！それは事細かくフィードバックしてもろて…。
あと気配とかね空気とかそういうのを嗅ぎながらこの辺はこんなもんかと。
ほんでね見えへん世界を具体化するのに照明さんとかカメラさんとか必死でね僕に見えるように逆に手探りでやってくれはったですね。
あれはうれしかったな。
ある意味これは珍しい映画になるんじゃないですか？じゃあ早速三池監督にご披露しましょうよ。
まあまあちょっと待って。
まだじらすの！？いやメーキングＶどうぞ。
メーキング先見んの？そう。
福点は２人の子どもにも恵まれ一見幸せそのもの。
しかし心の中に不吉な何かが潜んでいるという。
それが鬼。
その正体とは？よ〜いスタート！物語は視力を失い思い悩む男が橋の上で美しい女の鬼と出会い次第に心が解きほぐされていくというもの。
ちょっと…。
ちょっと！福点は女の鬼の配役にこだわった。
そして抜てきしたのが…ふだん「バリバラ」のスタッフとして働いている八尋。
生まれつき左腕がなく右手は指が３本だがパソコン入力はお手の物。
いつも笑顔で明るい彼女を福点はなぜ鬼の役に選んだのだろうか？八尋は６年前から大阪で１人暮らしをしている。
（ディレクター）うん。
あっ皮むき？八尋は子どもの頃から親に腕を隠す服を与えられてきた。
今も人前で半袖を着る事はない。
福点はそんな八尋の中に鬼を見たという。
今回のショートムービーでは障害のある体をあらわにするシーンが出てくる。
２人は稽古を始めた。
「鬼は外鬼は外鬼は外」。
「あんたに何が分かる？」。
稽古を重ねるごとに福点が八尋の中の鬼を引き出していった。
「鬼は外。
アハハッ鬼は外！」。
（一同）「鬼さんこちら」。
物語には鬼の行列百鬼夜行も登場。
こちらは障害を物ともしない陽気で楽しい鬼の集団だ。
子どもから大人まで障害者たちがそれぞれの特徴を生かして鬼を演じる。
大久保健一は旅先の香港から駆けつけた。
寝たきりのお笑い芸人あそどっぐは棺桶の中から指令を発する鬼のボス役だ。
（拍手と歓声）スタート！
（カチンコの音）ショートムービー「鬼は外」。
三池監督をうならせる事はできるのか？カット！
（カチンコの音）なるほど。
お〜真剣に見てらっしゃいましたけどもどうですか？メーキング。
映画でもそうなんですけど…監督がそれ言っちゃっていいんですか？例外もありますからね期待してます。
あの〜八尋ちゃん。
いつもねスタッフとしてこまごま動いて下さってますけどもそれこそあれでしょ？初演技でしょ？初演技です。
私ができるかっていうすごいプレッシャーやった？もうすごくプレッシャーで何か私でいいのかなとかすごい恥ずかしかったとかもあったんですけどでも何か実際演技するとすごく楽しくて何か出し切れてるみたいな。
福点さんやっぱり最初から何か感じてはったんですか？八尋ちゃんに。
握手した時にね指の爪にネイルアートしてあったんよ。
ちょっとどんなネイル…。
今日もアートしてますね。
かわいらしい。
この手ってやっぱり障害によって見せとなかったやろなというのとじゃあその見せとない手に何でネイルアートしはんのや。
見せたいんやなっていう相反する気持ち感じましてね。
その真ん中にきっと自分を憎んだ鬼がいてるって思たんですよ。
それやったら千秋ちゃんやったらやってくれるんちゃうかなと思て。
ただね僕らとしての疑問は香港にいたはずの大久保君帰ってきてたんですね。
そうか。
さあそれじゃあ福点さんいよいよお披露目して頂けますか？隣に監督おるのはちょっとプレッシャーがありますね。
ものすごい心臓ドキドキしてます。
ショートムービーの上映時間は…よ〜いスタート！
（傘をつく音）
（下駄と鈴の音）淡路島通う千鳥の恋の辻占。
辻占いいかがですか？「家ごとになやらふ声ぞ聞こゆなるいづくに鬼はすだくなるらむ」。
鬼の住む所はある。
あんた誰や？淡路島通う千鳥の…。
ちょ…ちょっと待って！恋の辻占。
（太鼓の音とにぎやかな声）
（一同）百鬼夜行じゃ。
よ〜いよい。
鬼さんこちら。
ようお前も行くんだろ？誰や？どこ行くねん？百鬼の祭りだろうが！いらっしゃ〜い。
オ…オレ関係ないで。
・「太鼓太鼓心のビートお前これやれ」
（一同）鬼さんこちら。
（太鼓の音）
（一同）お〜！そろそろ行くぜ。
百鬼夜行じゃ〜！百鬼夜行じゃ。
よ〜いよい。
（一同）鬼さんこちら。
（太鼓の音）鬼さんこちら。
鬼さんこちら。
お祭りかな？何なんこれ？新しい宗教なの？楽しい事はいい事〜！オーハッピーデー！アハハハッ！わしはこんな事しとない。
してる場合やない。
じゃあどんな場合なの？おじさんは鬼じゃないの？わしはただの障害…。
（一同）シ〜ッ！・「それ古いＹＯＹＯＹＯ！」本当の幸い探しに行こう！よ〜し。
テンポアップでいこう！
（一同）お〜！何すんの！どこの子やほんまに！
（２人）要らん要らん要らん！うわっきっしょ！誰でも一匹ぐらい心の中に鬼を飼っているものさ。
乾杯！
（一同）お〜！鬼だらけっていいわよね。
イッタ〜！鬼だ〜！鬼！鬼だ〜！鬼〜！鬼だ〜！鬼〜！わしは違う！
（鈴の音）
（鈴の音）淡路島通う千鳥の恋の辻占。
（鈴の音）あんたは誰や？あん時に何で…。
死に神が見えた？わしの事分かるんか？あんた。
なあもう一枚辻占くれへんか？なあもう一枚もう一枚やがな。
なあ！何が知りたい？闇は怖くない。
何が分かるねん…。
あんたに何が分かるねん！お…鬼や！鬼は外。
鬼は外鬼は外。
フフフッフフフッ…鬼は外。
フハハハッ…鬼は外鬼は外鬼は外。
フハハハッハハハッ…。
あんた見られんのが怖いんとちゃうか？なあそやろ？あんた人の目が怖いんや！ぐわっ！「年ごとに人はやらへど目に見えぬ心の鬼はゆく方もなし」。
どこにも行けない鬼がいる。
わしは…鬼や。
あん時から鬼になってしもたんや。
やりたかった事もわしの全て…みんなこのよどみの底に沈んでしもうたわい！何で…。
わしの中の鬼がわしを食い尽くしてしまいそうなんや。
心に住む鬼は誰にも追い払えない。
そやな。
おんなじやな。
わしは見えん鬼。
あんたは見られとうない鬼や。
鬼さんこちら。
鬼さんこちら。
私は鬼。
鬼やない。
（鈴の音）あんたも鬼だよ。
一緒に行かねえかい？鬼さんこちら。
（一同）鬼さんこちら。
鬼さんこちら。
鬼さんこちら。
百鬼夜行じゃ〜！
（一同）よ〜いよい！鬼さんこちら。
（太鼓の音）百鬼夜行じゃ。
よ〜いよい。
（一同）鬼さんこちら。
（太鼓の音）それ！
（一同）百鬼夜行じゃ。
よ〜いよい。
それ！
（一同）鬼さんこちら。
（太鼓の音）
（一同）百鬼夜行じゃ。
よ〜いよい。
（鈴の音）
（拍手）いや〜三池さんどうでしたか？いやいやこれは…いい作品ですよね。
心の中を映像化する訳ですよね。
福点さんの世界を何か自分も少し体験できたような気がして…。
ある意味フィクションなんだけどドキュメンタリーっていう強さはありますよね。
ていうかそういうのを突き抜けたすごさ迫力はありますよね。
いや名作だと思いますよ。
福点さんどうですか？うれしいですね！監督ありがとうございます！
（拍手）うれしいねや！うれしいねや！ほんまこういうお言葉頂けてまあオレも世界が呼んでるかな…。
てれ隠してれ隠し！いや何より聞きたいのは三池監督にこの映画で一番印象に残ったシーンとかどういうところでしょうね？やっぱりあの…２人だけになる空間あるじゃないですか闇の中で。
何か視覚的には主人公の男の視覚というバリアを超えて心の中でフッとこう２人が対峙してそこで何か癒やされていく彼女の笑顔というかフッと何かから解放されるっていうのがやっぱりねすごく演技じゃない心地よさっていうのがきれい。
きれいな顔だなと思いましたね。
むっちゃ緊張しててすごく恥ずかしかったので…。
まあ緊張するでしょうね。
あの時すごく緊張しました。
すごいですよね。
やっぱその人にしか出せない瞬間。
今見た映像のあれに勝る演技をする女優さんっていうのはこの世に多分いないと思いますよ。
この世にいない。
「オレは見えん鬼。
お前は見えとうない鬼」という印象に残るセリフがありましたけども玉木さんなんかどういうふうに見てた？鬼っていうのは自分と向き合えるかどうかっていうそういうのがごっつい大きなテーマとしてあんのかな思て。
…というのが率直な感想かな。
なるほどね。
そういう意味ではグレース。
あなたの中にも鬼はいますか？そうですね。
私の場合は中途障害というのがあって柔道のやってたというのもあって…。
そこからいらないと言われた事が一番の引っ掛かってる事で。
やっぱりそういう意味では必要のない存在って言われるのが言われてしまうのが怖いっていう自分が鬼だと思うんです。
大久保君。
大久保君の中にも鬼はいますか？鬼ねえ…欲望！それは鬼ですね。
でも映画ってやっぱ面白い。
映画っていうか今の作品も含めてですけど面白いものでやっぱ一人じゃできないんですよ。
だからあの百鬼夜行のシーンで感じるのは描こうとしてるそのシーンと思いと逆にそこに集まってきた人たちのつながり…友情というかこの番組で出会った事によってそこにみんなワ〜ッと自分を解放してそこに役者として存在できるっていう。
奇跡のような喜びも同居してる訳ですよね。
どうっすか？三池監督と映画なんて作れたりっていう夢が広がるんではないか。
口約束は嫌ですよ。
本当ですか？まずじゃあ何をやるかっていうところをみんなでワイワイエンターテインメントとして楽しんでもらえるっていう。
やっぱりこれ何か作ると面白そうだよねっていう…お〜！という事で今日は三池監督ありがとうございました。
（拍手）
（パーカー）
きょうりゅうがいたころよりもずっと昔。
2015/11/22(日) 00:29〜01:00
ＮＨＫＥテレ１大阪
バリバラ〜障害者情報バラエティー〜・選「ファン感謝祭！第２弾」[解][字]
番組ファンを公言する映画監督の三池崇史を迎えてのサプライズ企画第２弾。全盲の落語家・桂福点が監督・脚本・主演・音楽を手がけた「ショート・ムービー」に三池監督は？
詳細情報
番組内容
ゲストに「バリバラ」ファン代表・映画監督の三池崇史を迎えてのサプライズ企画第２弾は、監督・脚本・主演・音楽、全て障害者による「ショート・ムービー」！旗を振るのは全盲の落語家・桂福点。自らの体験を元に書き上げた脚本のテーマは「鬼」。腕のない女性がヒロインを演じ、個性的な障害者たちが商店街で「百鬼夜行」の行進を繰り広げる。奇想天外なショート・ムービーは、三池監督をうならせることができるのか？
出演者
【ゲスト】映画監督…三池崇史，【出演】大橋グレース，桂福点，【コメンテーター】玉木幸則，【司会】山本シュウ，【リポーター】大西瞳，【語り】神戸浩
ジャンル :
福祉 – 障害者
情報／ワイドショー – 健康・医療
バラエティ – トークバラエティ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード（ステレオ）
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード（ステレオ）
日本語（解説）
サンプリングレート : 48kHz
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