幕からの連勝11に伸ばしました。
(香村)おやじは俺の療法の副作用で心臓が破裂して死んだ。
おやじ…。
佐久間はこの心臓破裂を悪用し大量の老人を殺そうとしている。
(佐久間)死を前にジタバタする老人たちを正しい方に導いてあげて下さい。
(厨)あっ!サトさんサトさん!被験者ナンバー4。
(芹沢)被験者ナンバー1ナンバー6死亡。
私はこの療法を絶対に世に送り出す。
どんな手を使っても操れない。
あんな男初めてだ。
(公子)珠季が残したものよ。
対立する暴力団事務所のネタと交換したみたい。
(香村のうめき声)終わりました。
(小池)よしやれ。
よっ。
よし。
(クラクション)あちゃ〜。
(香村のうめき声)松野先生の方にも手を回しましたのでご安心を。
ご無事ですよ。
なぜ助けた?もちろん先生に死んでもらいたくないからですよ。
相思相愛でしょ?私たち。
フフフフ…。
既に警察がマークし始めてるんですよ。
暴走したバカをね。
福祉ぐるうぷ寿会の小池。
上川珠季を殺したやつか。
これ以上余計な後始末はごめんですから。
だが上川珠季が残したものを奪うのは黙認した。
シ〜。
(時報の音)
(ラジオ)「6時のニュースです。
安楽死の合法化に向けて超党派の議員連盟が発足しました。
近く設立総会が開かれ今国会中にも安楽死関連法案が提出される見込みです。
衆議院の」…。
プロジェクト天寿の最終目的は安楽死の合法化か。
俺の研究を悪用したところでせいぜい100万人しか老人の数は減らせないからな。
老人たちを死と苦痛の恐怖から解放する。
そしてこの国を救う事にもつながる。
でも安楽死というと抵抗を感じる人も多いでしょ。
だから考えました。
よりよく死ぬ事はよりよく生きる事。
命の自由を保障する法案自由死法案ってのはどうです?ハッハ。
殺人法案だろ。
うう〜過激だなぁ。
忠告しておきますがもう止められませんよ。
お前の指図は受けない。
見届けて下さい。
プロジェクト天寿でこの国がどう救われていくか。
私の人生を懸けたプロジェクトだ。
誰にも邪魔はさせない。
潰してやるよ俺が。
無事か?大丈夫よ。
そっちは?大丈夫だ。
ただ上川珠季が残したものは破棄された。
お金の流れを追ってみる。
佐久間と福祉ぐるうぷ寿会の補助金の流れや法人の登記なんかあたってみる。
止めても無駄よ。
これは珠季の弔い合戦。
分かった。
俺は俺で動く。
俺と佐久間は似ている。
互いに敵が多い。
だが敵の敵は味方だ。
使える駒はいくらでもある。
長い間休職していたが今日から復帰する。
治験の資料はどこだ?心の病にでもなって厨にストーカー行為をやってるなんて吹き込まれたか?
(研究員)厨先生にすぐに連絡を!この病状管理終了の本当の意味お前たちは知ってるのか?治験成功でもう経過観察の必要がないと判断した患者です。
まるで逆だ。
治験の副作用で心臓破裂で突然死した患者だ。
確か被験者ナンバー4の田中サトさんってセンターで突然死したんですよね?何なら残りの2人も調べてみろ。
(ざわめき)
(木下)田中サトさんとは介護施設が同じだったんです。
連絡を取ったら少し前に突然亡くなったとか。
木下さん。
個人情報については…。
治験には心臓に負担をかける可能性があるんでしょ?落ち着いて下さい。
(木下)もしかしたらそのせいでサトさんは死んだんじゃ?気になって眠れないんです。
ええ分かりました。
マニュアルどおりに。
(呼び出し音)はい。
(厨)木下さんを相談室にお連れして。
はい。
ここで何を!?警備員を呼べ。
早く!
(2人)はい。
今どんな気持ちだ?自分が施した治療で人が次々と死ぬのは。
私は苦しむ老人のためにやってる。
これは医療革命です。
お前は佐久間にでもなろうと思ってるのか?お前がやってる事は安楽死じゃない。
ただの殺人だ。
マニュアルって何だ?何も話す事なんてありません。
医療ミス…遺族に非を認めたよ。
研究を取り戻し実用化したら俺は医者を辞める。
え?それが考え抜いて選んだ俺の医者としての在り方だ。
お前も頭を使え。
(林田)治験は中止!中止だ!
(城)次官落ち着いて下さい。
研究員たちが香村先生の言うとおり調べたら既に3名突然死しているそうじゃないか!因果関係はまだ調査中です。
全ての責任を私に押しつけてスケープゴートにするつもりなんだな。
ハッハッハッハ…。
香村先生にいろいろ吹き込まれたようですが…。
(芹沢)週刊誌に出そうになったのでこちらで止めました。
(林田)これは…。
私と香村先生のどちらを信じますか?しかし…。
今更治験を中止なんてしたら伊達先生がどうおっしゃるか。
大丈夫ですよ。
私を信じて下さい。
ご子息が暴力団相手に事故を起こした時だってお守りしたでしょう。
(城)大丈夫ですよ次官。
香村鷹一郎何度潰しても立ち向かってくる。
センターの研究員たちに動揺が広まっています。
そっちはお前が対処しろ。
事務次官の方は城官房長の力で抑え込んでおいて下さい。
法案を提出するまでで結構ですから。
無理だ。
やるんですよ!うまく操れるからこそ私があの男を次官にまで押し上げてやったんです。
欲しくないんですか?事務次官の椅子。
お願いしますよ。
失礼な物言いはお目こぼし下さい。
主任企画官まともに寝てさえいないんです。
君は優秀な部下だな。
え…。
(沢)「花はいつか散る。
どうせ散るなら美しく散りたい。
よりよく生きよりよく死ぬ。
PPPぴんぴんポックリが私の理想です」。
・「あなたも私も元気です」・「スッキリさよならぴんぴんポックリ」・「仲よしこよしで元気です」・「これが自慢のぴんぴんポックリ」
(沢)私ぐらいの年になると死との距離が近いんです。
そうなるとあとはどううまく死ぬかっていう事ですね。
(伊達)日本人は潜在的にポックリ死を肯定的に捉えてるんじゃないでしょうか。
そもそもユーモラスな響きですよね。
ぴんぴんポックリ。
(笑い声)
(司会)伊達先生ありがとうございました。
家族に迷惑はかけられませんからね。
日本人は怖いですね。
あっという間にムードに流される。
あなたたちが作ったムードでしょう。
私は一歯車にしかすぎませんよ。
逃げ道は常に用意しておく。
実に官僚らしい官僚だ。
で私に何の用です?もうすぐ林田事務次官が引責辞任する。
そしてあなたがその椅子を手に入れる。
だが林田同様今度はあなたが佐久間に操られる番だ。
話が見えないのですが。
私の見込み違いですか?香村先生ギャンブルをなさいますか?私はやらない。
不確実なものには手を出さないと決めているんですよ。
(木下)こんなに元気になったのに死ぬなんてごめんですよ。
前にも申し上げましたが田中サトさんはたまたま亡くなっただけで…。
でも副作用かもしれないんでしょ。
もちろん調べていますが副作用かどうかは…。
不安だな…。
やっぱり不安でしかたないですよ。
説得しても納得しない被験者には病状管理を徹底する名目で隔離入院させ外部との接触を遮断して下さい。
マニュアルどおり。
分かりました木下さん。
木下さんのご不安を解消できるよういろいろと検査しましょう。
私が責任を持って行います。
ご指摘はごもっともです。
これからご説明に伺います。
失礼します。
(芹沢)失礼します。
主任企画官ご指示どおり香村周辺を調べたら…。
今法案反対派議員のバカどもの懐柔で時間がない!それがかなり面倒な事で…。
(ため息)話せ。
香村は恩師がいるジューン・ホスキンス大学で随分前から副作用の改善をしていたようです。
既にイヌの実験に進んでいて本当に改善してしまえば…。
対応策を考える。
それともう一つ面倒な事が…。
(厨)やはり隔離入院とはいかがかと…。
手術で心臓破裂を回避できる可能性もあります。
せめて死にたくないという老人たちには手術という選択肢を…。
厨先生。
はい。
いつかお渡ししようと思っていました。
これは?睡眠薬です。
え?致死量の倍はあるでしょう。
まずはお母さんから楽にしてあげて下さい。
厨先生既に何百人と治験を行ったでしょう。
必ず突然死が起こる事を承知でね。
自分の身内にはできないとでも?これは厨先生の通過儀礼だ。
もはやあなたに引き返す道はない。
自分が正しいと信じた道を貫いて下さい。
(公子)福祉ぐるうぷ寿会に関与してる会社で法人登記されているけど実体のないダミー会社があった。
このダミー会社を通して国民生活省から不正に補助金を受け取ってる。
よくつかめたな。
これまで佐久間に飛ばされた官僚たちが協力してくれた。
有力な証拠だがこれだけじゃプロジェクト天寿は潰せない。
もう一手必要だ。
(ノック)
(呼び出し音)
(呼び出し音)厨。
(厨のすすり泣き)厨!厨今どこだ?医者になんてならなきゃよかった。
しんどいなぁ…。
しんどいなぁ!厨よく聞け。
今からそっち行く。
場所を教えろ。
いくら考えても答えなんて出せないよ!
(叫び声)厨落ち着け。
どこにいるんだ?結局佐久間さんにも香村先生にもなれないんだ…。
厨…。
(叫び声)厨!厨!厨〜!治験の副作用を疑った老人は心臓が破裂するまで隔離病棟に閉じ込める。
これが大規模治験の実態だ。
何が行われているかあんたもうすうす知っていたんだろ?表沙汰になったらあんたの首も飛ぶ。
(ため息)それで私にどうしろと?当たり馬券をやる。
(公子)これは国民生活省から福祉ぐるうぷ寿会への補助金不正交付の証拠です。
使い方はあんた次第だ。
(拍手)現在林田事務次官は安楽死が合法化された欧米各地に赴き視察中です。
次官から資料を渡されていますので私が代わりにお話しさせて頂きます。
いよいよ週明けには国会に法案提出する運びになりました。
名称は自由死法案。
生の自由と死の自由を国が保障する。
これこそが究極の福祉です。
超高齢化社会を迎える2025年までに日本は自由死先進国にならなければなりません。
失礼します。
(ため息)
(ざわめき)座れ!どうせこれから蜘蛛の子を散らすようにみんな逃げ出すんでしょ?ハッハッハ!あんたたちはいつだってそうだ。
考えた事があるんですか?あんたたちの無責任無為無策がどれだけ国民を苦しめるか!目の前の風船はこのままでは破裂する。
分かっているのに何もしない。
あんたたちは確信犯だ。
ハッハ。
みんな私を泳がせていたでしょう。
私が裏で何をやっているか知っていたはずだ。
自分に責任が及ばなければいいってね。
いいですよ。
それでこの国が救われるなら私はいくらでもブラックボックスになりますよ。
いくらでも!先生そろそろ…。
医療は本来効率や利益を優先してはいけない。
分かっていますよ。
誰がすき好んで弱者を切り捨てる?社会のかじ取りとして泥をかぶるのは誰だってごめんだ!考えて考えて考えて考えて人生をささげる覚悟で答えを出した!間違ってるなら教えてくれ!タイムリミットまであと9年。
高齢者が3,500万人を超え医療介護の人材不足は80万人以上。
医療給付費は1.5倍介護給付費は2倍に膨れ上がり国の借金はGDPの2倍以上。
あのギリシャよりもひどい赤字国家だ!ほかに解決する手だてがあるなら教えてくれ!俺が導き出した答えよりいい方法があるなら教えてくれ!もう時間がない!今手を打たないと手遅れになる。
この国を救う答えを持っているやつはほかに誰ひとりいないのか!?誰ひとり…!ね…。
国民生活省主任企画官佐久間和尚さんですね。
警視庁捜査二課です。
福祉ぐるうぷ寿会関連の事で警視庁まで同行願います。
おいどうした?動かすな!おい佐久間!分かるか!?脳卒中だ。
救急車を。
呼んでくれ。
はい分かりました。
あとAEDも準備してくれ。
頼む。
(小池)パンケーキお代わりまだ?
(店員)あはい。
少々お待ち下さいませ。
小池清だな。
補助金不正受給の容疑で逮捕する。
あちゃ〜。
お代わりしなきゃよかった。
「15日早朝奥多摩の山中で遺体が発見された国立ネオ医療センターの医師厨忠彦さんの死因は多量の睡眠薬によるものと判明しました。
自殺と見られています」。
一部の被験者たちが治験の結果に不信感を抱いた。
あなたたちネオ医療センターを訴えたいと言ってきた。
その弁護団長を引き受けた。
手加減するなよ。
当然よ。
どうぞ。
(直輝)あっお父さん。
おう。
これだぞ。
(彰子)香村先生。
ご無沙汰してます。
せっかくの蓮さんの晴れ舞台ふさぎ込むのはもうおしまい。
でもちょっと派手すぎました?誰だっていつかは死ぬ。
生きてる限り蓮さんのように人生楽しんで全うしないと。
「おお〜っ!」。
「おお〜っ!」。
「戦争が終わった途端みんな別人みたいになっちゃった。
もう何も信じられないよ」。
「ア〜ッハッハ!そうだよなぁ。
この先いい事があるなんてとても思えないよな。
あ?ハッハッハッハッハ」。
「これから何度も裏切られるぞ。
独りぼっちになるかもしれない。
でもな負けて泣いちゃ駄目だ!あ?」。
「ハッハッハハッハッハッハ。
戦え!殴られても蹴られてもはね飛ばしてやるんだ!あ?ハッハッハ」。
いいぞ蓮さん!蓮さん最高!日本一!日本一!
(ノック)
(ドアの開閉音)俺はネオ医療センターに復帰する。
被験者には突然死の可能性を改めて知らせた。
あらゆる手だてを尽くして救える命は救う。
そして近い将来必ず研究を実用化させる。
お前が減らそうとした100万の命を俺は救ってみせる。
この国は…破裂する。
たとえそうだとしても俺にはそれしかできない。
私はどうなりますか?体の麻痺の回復の見込みは…極めて薄い。
殺してくれ。
頭を使え。
そうやって目と耳も使えるだろ。
お前が絶望した未来がこれからどうなるか見届けるんだ。
ほかの誰でもない。
俺はお前に生きて最後まで見届けていてもらいたい。
(ドアの開閉音)やっぱり医者はバカだ。
(笑い声)
(城)福祉ぐるうぷ寿会への補助金不正交付は林田事務次官と佐久間主任企画官の2人が独断でやった事でした。
(記者A)内部告発があったそうですが。
(記者B)ほかに関与された方は?
(記者C)新しく事務次官になられるとか。
国民の皆様の信頼回復に向けて全力で職務を全うさせて頂きます。
「ヨウイチロウ」。
すぐに分解酵素の生成に入るぞ。
(一同)はい!副作用の改善のめどがつきました。
近いうちに全ての被験者に分解酵素を投与してみます。
(北川)いよいよだな。
はい。
ただ被験者の心臓の状態によっては緊急にオペをお願いする事もあるかと思います。
その時には…。
全力を尽くすよ。
こっちは私に任せてくれ。
はい。
さあ準備開始だ。
(一同)はい。
香村先生!ロビーが大変な事に!スタッフ全員集めろ!はい!皆さん落ち着いて下さい。
先生こっち助けて下さい!香村先生助けて下さい!香村先生!先生!先生お願いします!うちの人を診て下さい先生!慌てないで。
落ち着いて下さい。
状態の厳しい方から順番に手分けをしてきちんと検査をしますから。
香村先生。
会議室を全部あけろ。
はい。
早く治して下さい!順番にご案内しますので係の者の誘導に従って下さい。
もう時間がないんです。
お願いします!大丈夫です。
すぐに…。
ゆっくりお進み下さい。
突然死の可能性もあるって本当なんですか?大丈夫ですよ。
ちゃんと治療しますので。
ゆっくりお進み下さい。
落ち着いて。
皆さん落ち着いて。
先生。
あちらへゆっくりお進み下さい。
先生…。
死なせて。
2015/11/21(土) 22:05〜22:50
NHK総合1・神戸
土曜ドラマ 破裂(7)[終][解][字]
佐久間(滝藤賢一)の「プロジェクト天寿」が最終段階を迎える中、香村(椎名桔平)は公子(坂井真紀)と共に佐久間の身辺を洗い、厨(甲本雅裕)らに揺さぶりをかける。
詳細情報
番組内容
香村(椎名桔平)を命の危機から救ったのは、意外な人物だった。安楽死法案の国会提出を目前に佐久間(滝藤賢一)の「プロジェクト天寿」が大詰めを迎える中、ネオ医療センターでは突然死におびえる被験者が出始め、厨(甲本雅裕)ら職員たちにも動揺が広がる。事務次官の林田(佐戸井けん太)は治験の中止を命じようとするが、佐久間に弱みを握られ身動きが取れない。そんな中、香村は公子(坂井真紀)と共に佐久間の身辺を洗う。
出演者
【出演】椎名桔平,滝藤賢一,仲代達矢,坂井真紀,甲本雅裕,佐野史郎,キムラ緑子,嶋田久作,モロ師岡,佐戸井けん太,正司歌江,水野久美,天宮良,水橋研二,里村洋
原作・脚本
【原作】久坂部羊,【脚本】浜田秀哉
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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日本語(解説)
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