まさに映画の中にいる気分! ジブリ映画『ポニョ』のモデルといわれている港町「鞆の浦」に行ってみた
「ポーニョ♪ ポーニョ♪ ポニョ♪ さかなの子♪」 さかなの子・ポニョと5歳の少年・宗介の物語を描いたジブリ映画『崖の上のポニョ』。実はこの映画、宮崎駿監督がある町からインスピレーションを受けて、制作したと言われている。その町とは、広島県福山市の港町・鞆の浦(とものうら)。
瀬戸内海のほぼ中央に位置する鞆の浦には、いろは丸事件の際に坂本龍馬が身を隠したとされる『桝屋清右衛門宅(ますやせいえもんたく)』や朝鮮通信使が「日東第一形勝(対馬より東で一番美しい景勝地という意)」と賞賛した景色を見れる『福禅寺・対潮楼(たいちょうろう)』など歴史的な建造物が数多くあり、町を歩いていると、昔の時代へタイムスリップした錯覚を覚える。
また瀬戸内海を一望できる風光明媚な港町としても鞆の浦は有名であり、ドラマ『流星ワゴン』や映画『潔く柔く』『ウルヴァリン:SAMURAI』のロケ地としても使われてきた。
・きっかけは社員旅行
そんな景勝地・鞆の浦に、スタジオジブリのスタッフが社員旅行として訪れ、宮崎監督がいたく気に入ったとのこと。それからしばらくして、宮崎監督は鞆の浦の古民家を借りて滞在し始め、ポニョの構想を練っていったようだ。
・映画の中に入った感覚が味わえる
ポニョの誕生に大きく影響を与えたとされる鞆の浦がどんな場所なのか見てみようと、実際に行ってみたところ、正直驚いた。映画そのままの世界がそこに広がっていたからだ。
ノスタルジーを感じさせる古民家の数々、様々な形の船が浮かぶ大きな船着き場、そして近くの山から見下ろした時に見える美しい町並み。あらゆる場所にポニョの世界観を感じることができ、そこにいるだけで不思議と楽しい気持ちになってくる。
・町にすっかり溶け込んでいた宮崎監督
鞆の浦の人たちに話を聞いてみたところ、宮崎監督はよく一人で町を散歩していたようだ。またすごく気さくな方で、町の人たちからとても親しまれていたとのこと。町には宮崎監督が協力を依頼されてデザインしたお店もあり、その親睦の深さがうかがえる。
いや〜、こんな素敵な港町があっただなんて知らなかった。ポニョのインスピレーションの地として訪れたけれど、これは普通の観光地としても十分すぎるぐらい魅力的な場所である。
ポニョの世界観を体験したい方、どこか懐かしく優しい空気が溢れる港町で癒されたい方、ぜひ一度鞆の浦に足を運んでいただきたい。そしてこの感動をぜひとも味わっていただきたい!!
Report:田代大一朗
Photo:RocketNews24.