(あさ)失礼致しますお父様。
ご相談したい事があるんだす。
(正吉)そろそろ来る頃やと思うてましたんや。
え?銀行だすやろ?はぁ…ご名答だす。
びっくりぽんや。
そしてそのころ京都ではあさとはつの実家である今井の家は思い出の詰まった京都から旅立とうとしていました
・「朝の空を見上げて」・「今日という一日が」・「笑顔でいられるように」・「そっとお願いした」・「時には雨も降って」・「涙も溢れるけど」・「思い通りにならない日は」・「明日頑張ろう」・「ずっと見てる夢は」・「私がもう一人いて」・「やりたいこと好きなように」・「自由にできる夢」・「人生は紙飛行機」・「願い乗せて飛んで行くよ」・「風の中を力の限り」・「さあ心のままに」
(よの)お前様ところてん出来ました。
うん。
お邪魔やったかいなぁ。
いやいや…もう話は終わったとこや。
ほな私も考えときます。
お願い致します。
お忙しいとこ長い事話聞いてもろておおきにありがとうございました。
うん。
お前様。
何を話してましたんだす?ああ…。
榮三郎は今いくつになったんやったかいなぁ?う〜ん…ああ今年で正太郎が亡うなって8年だすよって榮三郎はじき16だす。
はぁ…もうそんなになりましたんかいな。
うんおいしい。
(亀助)ほんなら雁助さんは炭坑が不服なんだすか?
(雁助)そらそやろ。
わては両替屋の番頭だっせ。
炭坑なんてな事言われてもどないな仕事か考えもつかへんわ。
(亀助)そない言わはるんやったら…よっしゃわてが教えてあげまひょ。
え〜炭坑いうのはこない…こな〜いなこな〜いなこう大きい山があってだすなぁそこにこないなこないなこう穴があって。
穴?そこになぁおっちょちょ…こないなつるはしいうの持ったこうふんどし締めた男やなぁこう入って…こなんしてフンッてこなんして石炭こう削り取ってやなぁ。
(弥七)ああああ…ここ…こないだっか?そんな事してへん。
ちゃうって!
(うめ)そうちゃうそうじゃなくてこなんして。
いやいや…。
なるほどなぁこなんしてこないして…。
ちゃうって!これでよう分かるか!アホ。
分からへんわ違うわ。
違うがな!わては別にそない思い浮かべたい訳やあらへんねん。
そないに見当もつかへん仕事すんのはよう分からん言うてますのや。
はぁなるほど。
何やそれやったらそない言うてくれな。
わて教え損だすがなぁ。
それにこの加野屋は大阪で一番いうてもおかしない生っ粋の両替屋だっせ。
その名門が何でそないな両替と関わりのない事せんならんのや。
雁助はんはこのお店に誇り持ってはんのだすなぁ。
当然だす。
この店の大番頭任されて誇り持たへんはずがあれへんがな。
時代の流れで多少グラつく事はあってもそれさえ乗り越えたら加野屋は加野屋のまま必ずやっていけたはずなんや。
そやのに…。
いや…若奥さんを悪う言うつもりはあれへんのやで。
けどなぁ今のがわての本音だす。
(弥七)ほんで近頃ず〜っとああやってご機嫌斜めさんなんやなぁ。
気にしたらあきまへん。
あらやきもちだすわ。
ほら最近旦さんえらい若奥さんを重宝しはるもんやさかい。
はぁそうだすか。
ほんでもまあこの加野炭坑がうまい事いって本業の方もあんじょういくようなったらまた雁助さんののれん分けいう話も出てくるかも分かりまへんしな!そしたら亀助はん大番頭だっせ。
わてが大番頭!?いやっ…アハッ。
あかんてお前そないなええ事言うてやなぁ…。
そないなったらわても早うかいらしい嫁はんもらわなあかんしやなぁ…。
あっ!またざん切り頭や。
近頃増えてきましたなぁ。
へ?ほんまだすなぁ。
そういえばついこの間天子様も断髪あそばされたとかで…。
いやっ…あれもしかして!
(友厚)去年には国立銀行条例が制定されました。
この条例はアメリカの銀行を模範として作られた条例で大名相手に自分のお金を貸すのではなく志のある商社事業に対してお金を集めてそれを貸し付け利益をもらう。
これが新しい両替商の…。
(小声で)まだやってますのんか。
あないな話長い事聞いててよう退屈せぇへんなぁ。
へぇそれに今日は旦那様も来てくれはりましたさかい。
かいらしい事言うてくれるがな。
ほんまの事だす。
旦那様が一緒に聞いてくれてはるだけで何や不思議に力が湧いてくるんだす。
まあわていっこも聞いてまへんけどな。
ん?・
(うめ小声で)おあさ様!うめ?どないしたんや?しかも洋装の男はん連れて…。
あっ!びっくりぽんや。
今から東京に向かいます。
そうだすか。
そらお忙しいとこおおきに。
(久太郎)あさ姉口開いたままやで。
はぁ。
そやけど…何て言うかようお似合いだすなぁ。
ほんまびっくりぽんや。
余計なお世話や。
久太郎の方はいまいちやけど。
それこそ余計なお世話や。
僕名前変わったんや。
これからは今井忠嗣や。
忠嗣て!えらい立派な名前もろてそれもまたあんたに似合わへんわ。
おあさ様。
堪忍。
忠嗣もあとひとつきでもうアメリカや。
そうだすか。
久太郎ええか?体だけは気ぃ付けるんやで。
異国のお方らは食べるもんも違ういいますさかい何でも口に入れたらあきまへん。
そんな事するかいな。
ドントウォーリーアイムファインや。
何やのそれ…。
そやけどお父はんも久太郎も今井はみんな新しい旅立ちだすな。
せやなぁ。
そやけど新次郎さんこの頭思てたより軽うて楽どっせ。
新次郎さんも早やってみはったらよろし。
いやいやわてざん切り頭はどうも…ハッハッハ。
今井さん。
いよいよご出発ですか?五代さん。
はい行ってまいります。
あさ。
へぇ。
はつに漬物うまかったでゆうて伝えといてくれ。
へぇ必ず。
こうして今井家の人々は皆東京へと旅立っていったのでした
(栄達)う〜んそうかぁ。
今井屋さんお江戸へ行きはりましたんか。
(惣兵衛)江戸やあれへんでお父ちゃん。
もう東京や。
おう…。
新しい商い始めるいうて旅立ちはったんやて。
めでたい話や。
へぇ。
こら藍之助。
落ちたもん拾たらあかん。
(菊)そやで藍之助。
あんたもなぁ世が世なら浪花一の山王寺屋の長男坊や。
な?卑しい事したらあかん。
また言うてるわ。
ごちそうさん。
ほな行ってくるで。
ん。
旦那様。
ん?いつ言いだそうか迷ってたんだすけど…。
どないしましたんや?おはつさん。
ああその…。
分かった。
ややこやろ?2人目ができたんやな?ほうか。
そらえらいめでたい話やないか。
ええ!おい藍之助。
お前お兄ちゃんになるんやて。
どないしたんや?あ…いいや。
そうか。
ほな行ってくるわ。
へぇ。
はつは家族みんなで和歌山に移り住みたい事をなかなか言いだせずにおりました。
そしてそのころ九州では…
(宮部)サトシさん。
今日もあんたん組だけ石炭掘る量少ないけんどどげんしたと?いや…気張ってくれとるとやらええとやけど。
(治郎作)おかしいのう。
サトシの組は今までそげんこつんなる事はいっぺんもなかったとに。
なしそげん今掘られんとやろか?
(サトシ)すんまっせん。
俺は根っから大阪者が好かんでどうも新しか持ち主んために働く気がせんとやが。
まあそんでも明日っからは気張らしてもらいますき。
そしてあさは…
やっぱり銀行はあきまへんか?いや頭ごなしにあかんと言うてる訳やおまへんのやで。
ほんな事言うたらまたあの五代様が「大阪の商人は頭が固い」てな事言うて怒られますがな。
ただなぁ時を見極める勘どころというのはこれは大阪の商人に大事な事なんだすわ。
つまり今はその時やあれへんいう事だすか?そやなぁ。
私の勘だけで申し訳ないんやけれども炭坑の話を聞いた時にはピンと来るもんがありましたんや。
けど銀行にはそれがない。
御一新で東京に出て大成功をしはった今井さんとこのやっとこさっとこ商売を続けているうちとは時の見極め方というもんが違うのかもしれまへんなぁ。
はぁ…ほんまだすなぁ。
そないゆうたらお父様の言わはるとおりだす。
炭坑の仕事も始まったばっかりやいうのにうちゆうたら…。
すんまへん。
うちはいつも思い立ったら突っ走ってしまうたちで。
それでよろしいのや。
あさちゃんはそれでよろし。
そやけどお父様に相談してほんまによかった。
まあ私がおらんようになってもあささんの話を聞いて相談に乗ってくれるというような人があったらよろしいのやけどなぁ。
へ…?・
(弥七)旦さ〜ん。
お客さんお見えでございます。
ああそうか!おお…来はったんや。
これが日本人が初めて売り出したビールです。
び〜る?あの…堂島の渋谷はんが作らはったというのはこれ?はい。
西洋のお酒やて。
どないな味しますのやろ?ほれあさ。
へぇ。
おおっ…。
(正吉新次郎あさ)うわ〜っ!えらいこっちゃ!
(正吉)置いて置いて!え?え?え?置きなはれ。
何やこれ?え〜っ?うわ〜!
日本中が新しい時代に向かって走り始めた時代
これがビールです。
あさの冒険もまだ始まったばかりでした
2015/11/21(土) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 あさが来た(48)「京都、最後の贈り物」[解][字][デ]
あさ(波瑠)は銀行経営をはじめたいと正吉(近藤正臣)に相談する。父、忠興(升毅)があさを訪ねてやってくる。その姿を見たあさは…。
詳細情報
番組内容
あさ(波瑠)は、銀行経営をはじめたいと正吉(近藤正臣)に相談する。雁助(山内圭哉)は、両替屋が炭坑経営をすることに納得いかないことを亀助(三宅弘城)たちに話す。偶然聞くうめ(友近)。あさの父、忠興(升毅)が東京へ向かう途中に挨拶にくる。その姿をみたあさは…。九州の炭坑では、サトシの働きぶりが…。そして、五代は、ある物を持ってあさを訪ねてくる。
出演者
【出演】波瑠,玉木宏,寺島しのぶ,升毅,柄本佑,ディーン・フジオカ,三宅弘城,山内圭哉,友近,竹下健人,興津正太郎,北口裕介,富田靖子,長塚圭史,山崎銀之丞,梶原善,萬田久子,辰巳〓郎,風吹ジュンほか
原作・脚本
【作】大森美香
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:7905(0x1EE1)