おはようございます。
7時になりました。
初めは、アフリカ西部マリの首都バマコで、武装したグループがホテルを襲撃して、宿泊客など170人を人質に立てこもった事件についてです。
マリ軍の部隊がホテルに突入し、人質を救出しましたが、ホテルの中で27人が遺体で見つかり、多くが宿泊客と見られています。
マリの首都バマコにある高級ホテル、ラディソンブルホテルで20日朝、銃や手投げ弾で武装したグループが押し入り、外国人などの宿泊客と従業員およそ170人を人質に立てこもりました。
午後になって、マリ軍の部隊がホテルに突入して、救出作戦に乗り出し、人質はすべて、ホテルの外に避難しました。
しかし、国連の当局者や現地の治安当局者によりますと、ホテルの中で27人の遺体が見つかったということです。
遺体には、外国人も含まれていると見られていますが、国籍などは明らかになっていません。
軍が突入した際に、武装した2人が死亡しましたが、欧米のメディアは、治安当局者の話として、ホテルの上の階には、まだグループの一部が立てこもっていると伝えています。
襲撃のあと、国際テロ組織アルカイダとつながりのある武装組織、ムラビトゥンがツイッターで犯行を認め、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、この組織のメンバーとされる男の声で、欧米諸国が預言者ムハンマドを侮辱したことなどへの報復だと、犯行を認める声明を放送しました。
パリの同時テロ事件から1週間がたちました。
死亡した実行犯のうち2人が、ギリシャを通過していたことが分かり、地元メディアは、いずれも難民に紛れて、ヨーロッパに入り込んでいたと伝えています。
事件から1週間。
テロに屈しない。
市民は連帯を強めています。
パリで最大のモスクです。
集団礼拝のあと、テロへの抗議集会が予定されていましたが、人が多く集まるのは安全上望ましくないとして、当局の要請を受けて中止となりました。
フランスにとって、戦後最悪となった同時テロ事件。
けが人の1人が死亡し、犠牲者は130人となりました。
議会上院では20日、テロ対策の強化を目的に、非常事態宣言を延長するための法案が可決されました。
非常事態宣言は、これまでの最大12日間から、3か月間にまで延長されることになりました。
実行犯の足取りも分かってきました。
パリの検察当局は20日、事件現場の一つのサッカースタジアム周辺で、自爆した実行犯のうち、身元が分からなかった男について、先月3日、ギリシャで検査を受けた際に採られた指紋と一致したと発表しました。
別の実行犯も、ギリシャで難民申請をしていたことが分かっていて、地元メディアは、捜査筋の話として、2人はいずれも難民に紛れて、ヨーロッパに入り込んできたと伝えています。
EU・ヨーロッパ連合は、緊急の内相会議を開催。
事件の容疑者が、シリアからヨーロッパ各国を経て、フランスに入った可能性があることを重く見て、域外との国境審査を厳しくすることなど、テロ対策を強化することで一致しました。
国境審査を厳格にする動きは、すでに始まっています。
マケドニアとギリシャの国境では20日、シリアとイラク、それにアフガニスタンからの人だけが通過を許されるなど、多くの人が厳しい寒さの中、身動きが取れなくなっています。
UNHCR・国連難民高等弁務官事務所などは、人道的にも法的にも認められないなどとして、強い懸念を示しています。
同時テロから1週間。
事件の影響はフランスだけでなく、ヨーロッパ各地に広がっています。
最も多くの人が亡くなったコンサートホール。
今も、犠牲者を悼む大勢の人が訪れています。
セドリック・モーデュイさん。
ロックが大好きなセドリックさんは、あの日、アメリカのロックバンドのコンサートを見るため、このホールに足を運んでいました。
ところが、ロックを楽しむ人たちで盛り上がる会場は一変。
テロリストらによって、凄惨な現場となりました。
セドリックさんの弟のマチューさんです。
4歳違いの兄のことを、小さいころからいつも頼りにしていたといいます。
事件後、連絡が取れなくなった兄を捜していたところ、亡くなっていたことが分かりました。
悲しみに暮れ、眠れない毎日を過ごしていたマチューさん。
しかし、せめて最後の葬儀には、セドリックさんに喜んでもらえるようにと、大ファンだったロックスターを招きたいと考えました。
フェイスブックなどを使って呼びかけたところ、それを支援しようという人の輪が広がっていきました。
現地で、事件発生直後から取材を続けている、堀記者に聞きます。
堀さん、テロから1週間がたちました。
今、テロの現場、どんな様子でしょうか?
私は、最も多くの犠牲者が出た、パリ中心部のコンサートホールの前にいます。
こちらは、金曜の夜11時を回ったところですが、この時間でも追悼に訪れる人がいます。
そして、追悼のろうそくがともり、テロに屈しない姿勢を示す寄せ書きも見られます。
犠牲者への連帯と、テロリストへの怒りを示す市民もいる一方で、新たなテロへの不安も広がっているというのが、率直な印象です。
ことし1月にパリの新聞社が襲撃された事件のあとには、多くの市民が、抗議のデモを行いましたが、今回は非常事態宣言が出されていることもあり、大規模な集会は行われていません。
イスラム教徒の移民の割合が高いフランスでは、イスラム社会の中から、テロをきっかけに再び移民への差別が広がり、社会の分断が進むのではないかという懸念の声も出ています。
堀さん、事件についてですが、今も実行犯が逃亡していますが、今後の捜査はどんなところが焦点になるんでしょうか?
フランスの当局は、事件の首謀者と見られる、アブデルハミド・アバウード容疑者の関係先を捜索し、銃撃戦の結果、アバウード容疑者の死亡するなど、捜査には一定の進展が見られます。
しかし、犯行グループの詳しい足取りなど、不明な点はいまも多く残っています。
今後は今も逃亡している実行犯の行方の捜査など、犯行に関わったグループの実態の解明が焦点になります。
一方、当局が警戒の対象にしていたアバウード容疑者がヨーロッパに入ったという情報を把握したのは、事件の3日後で、テロ対策が不十分だったことも露呈しました。
20日に行われたEUの緊急内相会議では、域外の国境審査を厳しくすることや、シリアなどで過激派組織に加わった人物の情報を、各国が共有することなどで一致しました。
今後、関係各国がこうしたテロ対策を徹底することができるのかが焦点になります。
ここまでパリ同時テロ事件についてお伝えしました。
次はスポーツ、向井アナウンサーとお伝えします。
おはようございます。
昭和の大横綱が亡くなりました。
大相撲の元横綱で、日本相撲協会の北の湖理事長が、昨夜、福岡市内の病院で亡くなりました。
62歳でした。
13歳で初土俵を踏み、怪童といわれた北の湖理事長。
史上最年少の21歳2か月で横綱に昇進しました。
立ち合いの強烈な当たりや、左四つからの力強い攻めで相手を圧倒し、憎たらしいほど強いと評されました。
寄り切り、北の湖の勝ち。
横綱の強さをまざまざと見せつけました。
横綱・輪島との白熱した対戦は、輪湖時代と呼ばれ、歴代5位となる24回の優勝を成し遂げました。
そして、今の東京・両国の国技館で初めて開かれた、昭和60年初場所を最後に現役を引退しました。
平成14年には、日本相撲協会の理事長に就任。
力士の大麻問題などを受け、平成20年に辞任し、4年後から再び理事長を務めました。
しかし大腸などの病気のため、入院と手術を繰り返すようになりました。
そして昨夜7時前、直腸がんと多臓器不全のため、62歳で亡くなりました。
北の湖理事長が亡くなりました、号外です。
号外です。
ふるさとで暮らす、5歳年上の姉は。
日本相撲協会は、きょう、理事を務める親方が集まって、今後の対応を協議します。
元横綱・北勝海の八角親方が、理事長代行となる見通しです。
以上、スポーツでした。
政府は、TPP・環太平洋パートナーシップ協定の大筋合意を受け、TPP政策関連大綱の素案をまとめました。
平成32年に、農林水産物と食品の輸出額を1兆円にすることなど、具体的な数値目標や、農産物5項目の対策などを盛り込んでいます。
TPP関連政策大綱の素案によりますと、農林水産業は、農政新時代ともいうべき新たなステージを迎えているとして、平成32年に、農林水産物と食品の輸出額を1兆円にすることを目標に掲げ、攻めの農林水産業に転換するための体質強化策や、農林漁業者の将来への不安を払拭するための、農産物5項目の対策を盛り込んでいます。
このうちコメは、主食用のコメの価格下落を防ぐため、アメリカなどから新たに増える輸入量に相当する国産のコメを、政府が備蓄米として買い入れ、備蓄米の保管期間を原則5年から3年程度に短縮するとしています。
牛肉と豚肉は、畜産農家が赤字経営になった場合に、赤字額の一部を、国と農家で作る積立金から補填する制度を法制化して、恒久的な措置にするほか、補填の割合を、現在の8割から9割に引き上げるなどとしています。
また新輸出大国を目指し、高速鉄道などのインフラ輸出を平成32年までに30兆円にすることや、世界的な投資拠点を目指し、平成31年度までに少なくとも470件の外国企業の誘致を達成するなどの数値目標を掲げています。
政府は今月25日にも、TPP総合対策本部を開き、政策大綱を決定することにしています。
さあ次は、料理やお菓子作りに欠かせないバターについてです。
これからクリスマスケーキなどで、需要が高まる季節を迎えますよね。
迎えますね。
依然として一部では、品薄の状態が続いています。
品薄の大きな理由がこちらです。
バターなどあらゆる乳製品の原料となります、生乳の生産量が減少していることです。
高齢化などで、全国の酪農家の数が10年前の3分の2と減っているからです。
それだけではありません。
取材を進めて行くと、酪農が抱える構造的な要因が見えてきました。
東京・三鷹の洋菓子店です。
バターが手に入りにくいため、ことしのクリスマスケーキには、バターを使わないことを決めました。
風味が足りなくなる分、チョコレートやマロンで味を引き立たせる工夫をしました。
この店に問屋から届くバターの量は、月に13キロほど。
必要な量の7分の1に過ぎません。
街のスーパーでも、品薄状態が続いています。
こちらがバター売り場になります。
陳列棚はこのとおり。
バターの入荷は、1日10個ほど。
客には1人1個までとお願いする貼り紙を貼っています。
なぜ、バターの品薄が解消されないのか。
それを知るには、乳製品が出来上がる仕組みを理解する必要があります。
バターなどの原料、生乳のほとんどは、酪農家から生産者団体に集められます。
そして牛乳、バターなど、用途別に乳業メーカーに販売されています。
このとき、牛乳、生クリームなど、鮮度を求められるものほど、高い価格がつき、取り引き量も多くなる傾向があります。
バターは保存が効くこともあって、価格も安く、後回しになります。
さまざまな乳製品を作る乳業メーカーにも事情があります。
業績を上げるために、メーカーとしては、バターよりもヨーグルトなど、収益性の高い商品を作りたいという意識が働きます。
品薄の背景には、原料の生乳が、バター用に行き渡りにくいという、構造があったということなんですね。
そうなんですよね。
もう一度、この図でおさらいしていきますと、生乳は鮮度によって、優先度合いが異なります。
その上、バター用は、牛乳に比べて価格が安く取り引きされているんです。
その価格差は、4割近くにもなります。
バターを増やすためには、生乳の生産量そのものを増やすことが必要となります。
生産現場では、また別の課題も見えてきました。
バター用の生乳のほとんどを生産している北海道。
北海道上士幌町で酪農を営む、小椋幸男さんです。
小椋さんは、生乳の販売を地域の生産者団体であるホクレンに委託しています。
この生産者団体、全国に10あり、ほとんどの酪農家が作った生乳の販売を任せています。
酪農家がまとまることで、乳牛メーカーとの価格交渉が有利になります。
およそ50年前から続いてきた制度です。
一方で、納めた生乳を牛乳にするのか、バターにするのかは、酪農家自身は直接は決められず、生産者団体任せです。
小椋さんは、生乳の買い取り価格が上がり、生産量を増やすことができれば、バター不足解消に貢献できると思っています。
しかし乳業メーカーとの交渉は、生産者団体に依存するしかなく、このままでは限界があると感じています。
生産者団体の枠組みを活用しながら、差別化に取り組む酪農家も現れています。
高野英一さんです。
遺伝子組み換えをしていない餌を使っています。
特別な生乳に限り、高値で取り引きできる制度を使うことで、高価格帯の牛乳を大都市圏で販売することに成功しました。
一方、長く続いている生産者団体の枠組みに見切りをつけた酪農家もいます。
三津橋菊郎さんです。
生産者団体ではなく、群馬県の卸売り会社に生乳を買い取ってもらっています。
先月から出荷を始めた生乳は、すべて飲用牛乳として、10%程度高く売ることができています。
何に使われるのか分かり、やりがいも感じています。
では、ここからは経済部で農林水産省を担当している山根記者に聞きます。
山根さん、こうした事態に、国はどう対応しようとしているんでしょうか。
国もバターが、全国隅々に行き渡るよう、対応を急いでいます。
輸入は国が一元的に管理する国家貿易となっているんですけれども、バターの品薄を解消しようと、ことし5月には1万トンを追加輸入することを決めました。
また、これまで輸入品のすべてが、1個25キロの大きな塊で輸入されていましたが、規模の小さな洋菓子店などでは、すぐに利用できないという声を受け、新たに1個当たり1キロから5キロほどの小物バターの輸入も始めました。
ただいかんせん、牛肉や豚肉、果物など、ほかの農産物と違い、民間企業どうしの自由な取り引きではないため、どうしてもタイムラグが生じがちです。
なるほど。
私たちの生活にとっても身近なバターですけれども、どういったシステムで生産されているのかというのは、今回まで知らなかったんですよね。
とても複雑なんですね。
確かに複雑ですよね。
酪農家が生産者団体に生乳を売るといった、こういった仕組みは、昭和41年に作られたものです。
酪農家が安心して生産に取り組むことで、供給を安定させるというメリットがありました。
しかし、それから半世紀が過ぎ、酪農を巡る景色も大きく変わりました。
担い手不足で酪農家の数は減り、経営体力でも、大規模化が進んだ北海道と本州との間で、大きな開きが出てしまいました。
この仕組みの下では、経営の自由度が発揮できないという指摘も出ているんです。
いろんなところでひずみが生じてしまっている状態で、消費者のニーズを満たせているのかという疑問が突きつけられています。
消費者の皆さんには、バター不足の背後には、こうした構造的な問題があるということを、ぜひ知っていただきたいと思います。
そして酪農家は、経営マインドを持って、自分たちの製品に新たな付加価値を作り出し、国はそのために、必要な支援策を考える、そういう転換期に来ているように思います。
ここまで、バター品薄、その背景についてお伝えしました。
では次です。
厚生労働省のホームページが、昨夜から閲覧できない状態になっています。
国際的なハッカー集団、アノニマスを名乗る人物が、ツイッターで、大量のデータを送りつけるサイバー攻撃を行ったことを示唆する投稿をしていることが分かりました。
厚生労働省によりますと、昨夜10時半ごろから、ホームページが閲覧できない状態になったということです。
インターネットのツイッターには、国際的なハッカー集団、アノニマスを名乗る人物が、大量のデータを送りつけて、通信量をあふれさせる、DDoSと呼ばれるサイバー攻撃を行ったことを示唆する投稿をしていることが分かりました。
厚生労働省は関連を調べるとともに、ホームページの復旧作業を進めています。
続いて気象情報です。
きょうはお出かけ日和となる所も多くなりそうですね。
南さん。
きょうは太平洋側を中心に晴れる所が多いでしょう。
現在の広島は宮島の様子、ご覧ください。
五重の塔が見えていますが、その前のいちょうの木が、きれいに黄色く色づいています。
きょうの広島は、午前中を中心に晴れ、そして最高気温は20度ぐらいまで上がって、きょうの日中は行楽日和になりそうです。
さて、3連休という方も多いと思いますが、これから月曜日にかけての天気の大ざっぱな予想です。
きょうは北海道は雪が降りますが、太平洋側を中心に晴れる見込みです。
そしてあすになると、全般に雲が多くなり、九州南部は雨が降るでしょう。
その雨が、月曜日になると、広い範囲に広がって、北海道はまた雪が降る見込みです。
後半になるほど、雨の降る所が多くなる見込みです。
そしてきょうは北海道、雪が降る見込みです。
午前3時の天気図です。
北海道の付近に低気圧があって、この低気圧の影響で、北海道は現在、内陸部を中心に雪が降っています。
また北陸など、日本海側は、雨の所が多くなっています。
きょうの天気の移り変わりです。
きょうは太平洋側は晴れる所が多いでしょう。
北陸などは午前中を中心に雨が降る見込みです。
北海道は午後にかけても、雪が降ったりやんだりの所が、特に内陸部屋日本海側などを中心に続く見込みです。
今夜からあすにかけても北海道は雪の降りやすい天気が続きそうです。
2015/11/21(土) 07:00〜07:30
NHK総合1・神戸
NHKニュース おはよう日本[字]
▼世界に衝撃を与えたパリの同時テロ事件から1週間。捜査についての最新情報▼EUは緊急に内相会議を開き、テロ対策を協議▼バターの品薄が続く原因は?背景に迫る。
詳細情報
番組内容
▼世界に衝撃を与えたパリの同時テロ事件から1週間。捜査についての最新情報。▼EUは緊急に内相会議を開き、テロ対策を協議。▼料理やお菓子作りに欠かせないバター。国内では品薄状態が依然として続いている。クリスマスなどで需要が高まる冬場、十分な量が出回ることになるのか?そもそもの品薄の原因は?酪農の現場、乳業メーカー、厚生労働省など、各方面への取材から、バター品薄の背景に迫る。
出演者
【キャスター】近田雄一,上條倫子,【スポーツキャスター】向井一弘,【気象キャスター】南利幸
ジャンル :
ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
スポーツ – スポーツニュース
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