(テーマ音楽)「一億総白痴化」などさまざまな流行語を生み出した評論家の大宅壮一さん。
毒舌と反骨に徹し昭和の言論界をリードしました。
大宅さんは明治33年大阪で醤油造りを営む家に生まれました。
大正3年茨木中学に入学。
時代は大正デモクラシーの高揚期。
社会主義など新しい思想に刺激を受けた大宅さん。
大正7年富山の米騒動が大阪神戸に飛び火すると持ち前のヤジ馬精神から現場に駆けつけ生徒日誌にいわばルポルタージュを書き記します。
「群衆は鬨の声をあげて突撃してガラス窓を破った。
しかし騎兵が馬頭をそろえて進んできた時はどうすることもできなかった。
群衆の一人が言った。
『あの兵隊や巡査の中に親兄弟や妻子の飢えている者がたくさんあるだろう』。
なんという悲惨な言葉だろう」。
体制に刃向かう「赤い中学生」のレッテルを貼られた大宅さん。
中学を退学に追い込まれますが検定試験を受ける事で京都の三高そして東大へと進学します。
大正14年。
東大を中退した大宅さんは文筆生活に入ります。
歯に衣着せぬ痛快な人物評論で名を上げました。
戦時中は従軍ジャーナリストとして活動しますがその後しばらく筆を折り農業に打ち込みます。
大宅壮一復活を印象づけたのは昭和31年「無思想人宣言」の発表でした。
「無帽子無宗教無主義。
頭の上にのせるものは私は何でもきらいである」。
大宅さんは思想イデオロギーにとらわれず舌鋒鋭く右も左も斬りまくりました。
時代を読み解く名医は突出する若者文化の本質もクールに診断してみせました。
昭和40年代に吹き荒れた学園紛争。
大宅さんは戦後日本で最も遅れているのは大学そして政治の世界だと言います。
大宅さんは新しい言葉をつくる名人でもありました。
中国の文化大革命では中学高校生中心の紅衛兵が毛沢東支持を叫ぶ姿を見て「ジャリ革命」。
タダで北京をおのぼり観光する「レジャー革命」と斬って捨て文化大革命を批判しました。
更に戦後にわかに数が増えた大学を「駅弁大学」。
ブームに沸くゴルフを「緑の待合」と名付けました。
反骨と毒舌。
言葉を武器に時の権力や社会と格闘を続けた人生でした。
2015/11/21(土) 05:40〜05:50
NHK総合1・神戸
NHK映像ファイル あの人に会いたい「アンコール 大宅壮一(評論家)」[字]
「一億総白痴化」「太陽族」などさまざまな流行語を生みだしたジャーナリスト・大宅壮一。比喩のうまさ、造語の名人と言われた大宅の発想の原点が語られる。
詳細情報
番組内容
「一億総白痴化」「口コミ」「駅弁大学」「太陽族」などさまざまな流行語を生みだしたジャーナリスト・大宅壮一。「マスコミの帝王」と言われ、昭和の言論界をリードした。比喩のうまさ、造語の名人と言われた大宅壮一の発想の原点が語られる。
出演者
【出演】評論家…大宅壮一
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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