先どり きょうの健康「これって月経異常?」 2015.11.21


「きょうの健康」です。
今日はテーマをご紹介する前にまずこちらをご覧下さい。
女性たちが集まって何やら話に花を咲かせています。
何を話しているのでしょうか?そう話していたのは生理月経についてでした。
今回は「これって月経異常?」をテーマに知っておきたい月経の異常についてお伝えしてまいります。
お話は…産婦人科医の…どうぞよろしくお願い致します。
はいよろしくお願いします。
なかなかその月経の悩みをみんなで話し合うという機会は少ないと思うんですけどでも自分の月経がね正常か異常かって事知っておく事大切ですよね。
本当にそうですよね。
皆さんはよく生理という言葉を使われるんですけれども正式には月経という言葉なんですね。
今日は月経という言葉を使わせて頂きます。
月経異常は体の異変を知らせるサインの一つなんですよね。
ですからそのサインを知らないであるいは知ってても放置してしまいますと今の健康だけでなくて将来の健康障害を起こしたりそれから場合によっては不妊につながる事もあるんですよね。
ですから自分の月経が異常かどうかそれを知る事は注意してる事は大切な事です。
今日は正常な月経と異常な月経について知っておいて頂きたいと思います。
それではまずA子さんの例からです。
社会人になったばかりの22歳のA子さん。
親元から離れ初めての一人暮らしです。
仕事もいまだに慣れずにストレスの多い生活である月は月経がありませんでした。
その後ちゃんと月経があったもののいまだに3〜4日遅れたり早まったりする事があります。
…というA子さんですけどA子さんの場合どうなんでしょうか?月経が1回なかったという時は少し注意が必要だったと思うんですけれどもその後毎月来てるようですので特に医療機関を受診する必要はないと思うんですね。
はい。
正常な…。
これは正常な月経を知るための4か条を示しますけれどもその一が月経周期なんです。
月経周期というのは月経が始まった1日目から次の月経が始まる前の日までの日数の事をいいまして25から38日の間というのが正常です。
多少の6日以内ぐらいのズレでしたらば問題ないというふうにいわれている訳なんですね。
月経周期というのはいろいろなちょっとしたストレスでズレてしまう事もある訳なんですけれどもその仕組みなんですけれども月経周期を調節しているものというのは実は脳の中の視床下部という所なんですね。
これが大本です。
ここからホルモンが出されて脳の下垂体を刺激し下垂体からホルモンが出て卵巣を刺激します。
そして卵巣から排卵が起きたりとか女性ホルモンが出される訳なんですね。
この女性ホルモンが子宮に働く事によって月経が出てくる訳です。
ところがストレスが起きてきますとストレスというのは頭で判断するものですのでこの脳の中にあります視床下部のホルモンが乱れてきますので全体的にホルモンが乱れそして月経が乱れるという事です。
ですから先ほど1か月に1回月経が飛んでしまったという事ですけど一年に1回くらいそういうふうに飛んでしまう事も時にはあるかと思います。
注意は必要だけどそうしますと受診をする必要はないかもしれないという事なんですね。
では今度はB子さんです。
B子さんは大学1年生の19歳です。
失恋を機に痩せようとダイエットを始めました。
体重は順調に減り3か月で−5キロに成功。
友達に「かわいくなったね」と言われてうれしくて更にダイエットを続けていたら最近髪に艶がなくなって肌も荒れ気味です。
月経が3か月続けてありません。
B子さんはどうでしょう?月経が3か月以上ない場合を続発無月経といいます。
これは受診が必要ですよね。
特に若い女性が急激なダイエットをしたりとか最近はスポーツの種類にもよるんですけど過激なスポーツトレーニングなどをしますとこの無月経になる事があります。
無月経になるというのは女性ホルモンが不足したり出なくなってきたりするために起こる訳ですので女性ホルモンによって保たれていますこの肌の艶とか髪の艶とかこういうようなものが荒れてしまう訳ですね。
そして大切な骨この骨がもろくなってしまう骨粗しょう症のリスクになるんですね。
そして当然排卵なども抑制されますので不妊症にもつながります。
なるほど。
これは骨量の事を示していますが女性はこの18歳ぐらいまでの所で女性ホルモンの影響で骨量が上がってきますね。
これ正常な月経の時です。
そしてここで最大骨量に達してこの値を維持して女性ホルモンが低下してくる閉経の頃に骨量が下がってくるんです。
ところが無月経の場合は女性ホルモンが低いので最大骨量が低くなってしまいますので将来骨粗しょう症のリスクを持つという事になる訳なんですね。
無月経というのは自覚症状があまりないかもしれませんけどやっぱり将来の健康障害につながるものですので注意しなくてはいけないですね。
不妊にもつながるおそれがあるとおっしゃってましたもんね。
さあ今度は30歳C子さんの例です。
C子さんですけれどもナプキンが1時間もたないという事は月経の量が多いという事なんですね。
そうしますと日常生活に大変支障を来してくる訳です。
こういうものを過多月経というふうにいいます。
過多月経というものになるという事は月経の出血量が多いという事になりますので体の中で貧血になってくるという事が重要な事ですしそれからあとその過多月経の原因となる子宮の病気が隠れてる場合があるんですね。
でもなかなかその自分の量がいつもいつも多いとそれは正常かどうかというのはなかなか…。
異常かどうかという事分からないですよね。
一応自分で量る方はいないと思うんですけれども正常な月経4か条のその二は月経の量は20mLから140mLというふうになっています。
目安があるんですね。
これは目安で実際に量りません。
ただやはり1時間や2時間もたない状況とかそれがずっと続くとかレバーのような血の塊が1日2日以上続くというような事になりますとやはり過多月経というふうに判断されます。
そしてこの子宮の病気ですけども代表的なものは2つあります。
病気が隠れている可能性があるという事なんですね。
そういう事ですね。
それの一つが子宮筋腫で子宮の筋層壁の中にこぶができてくる。
良性のものですね。
そしてこちらはちょっと聞き慣れないかもしれませんが子宮腺筋症という病気で子宮の壁が厚くなる病気です。
どちらも過多月経が来ますので治療が必要になってきますね。
子宮腺筋症はい。
これ放っておくとどうなるんでしょうか?貧血も心配ですけれどもやはり不妊につながってくるというような疾患ですね。
日常生活もね本当になかなか大変になってまいりますよね。
そこでその三になってまいりますね。
これは月経の量とは違うんですけれども月経がいわゆる出血の持続日数というのはやはり3日から7日以内が正常というふうになっています。
これも大体目安…。
目安です。
8日の人もいるかもしれない。
はい。
はい分かりました。
さあ今度は月経中の痛みがひどい30歳D子さんです。
D子さん痛みがひどく月経中は家事や仕事もままなりません。
こういう方周りに本当に多いような気もするんですけどここで正常な月経のその四になりますね。
実は月経痛というものは軽いものも入れますと70%以上の女性が経験するといわれてるんですね。
ただその日常生活に困るような強い月経痛が出る方こういうものを月経困難症というんですけれどもこういう方は4人に1人以上ぐらいいらっしゃるんですね。
その月経困難症には器質性のものと機能性のものがあるといわれています。
器質性と機能性の月経困難症。
まずなかなか聞き慣れないんですけれども器質性の月経困難症これはどういうものなんでしょうか?これは原因となる病気があるという事なんですね。
その代表的なものが子宮内膜症という病気なんです。
これは原因は不明なんですけれども月経のある女性の10%ぐらいに認められる病気なんですね。
そしてその女性の90%ぐらいにほとんどの方ですよね月経困難症があります。
これが子宮の模式図なんですけれどもこちらに断面図を示していますが子宮の内側の粘膜を子宮内膜というふうにいいます。
女性ホルモンの影響で厚くなって離れて月経になる所ですね。
この子宮内膜とよく似た組織が子宮以外の場所にできてくるものを子宮内膜症といいます。
こちら見て頂きますとこれ子宮からぼうこうの上これ腹膜なんですけれどもこの上にこの赤い血まめのようなごま粒のようなものがありますよね。
それから卵管の上とか卵巣の上にもできています。
月経のたびにここに出血を繰り返して炎症も起きますし癒着も出てきています。
ですので大変強い月経痛が出ます。
月経困難症の状態なんですね。
最近…若い人に多いと聞きますけども。
これは実は20代から40代まで広く女性に見られるんですけど若い人に増えてきています。
そういう点が問題なんですけどあとここの…若い人という事は将来の不妊症につながりやすい。
内膜症としては非常に軽くても不妊症につながりやすいので注意が必要なんですね。
痛みはどうしたらとれるんでしょう?痛みに関してはやはり痛み止めもそうなんですけれどホルモン剤による治療というものが必要になってきますよね。
我慢しないで頂きたいと思います。
それからこれ卵巣の深い所に子宮内膜症ができますと卵巣のう腫チョコレート色の卵巣チョコレートのう腫というんですけれどもそういうものができますとこれは卵巣がんに変わるリスクを持つものですので手術などが必要になる場合もありますね。
病気を治せばある程度痛みはとれるという事ですね。
病気を治す事が大事ですね。
もう一つのタイプですが。
こちら機能性の月経困難症です。
これについて説明させて頂きますと思春期の若い女性に多いんですね。
そのどうしてこういうものが出るかといいますと実は月経の血液というのは子宮の中に出てくるんですけど子宮が収縮してそれを押し出すというのが月経なんです。
この子宮の収縮が非常に強い人は痛みが出やすいという事で機能性月経困難症になるんですね。
年齢とともにだんだん軽くなっていくのが普通なんですけれどもしかし注意しなくてはいけないのは将来子宮内膜症に進行する場合があるといわれているんです。
子宮内膜症に進行するのを抑えるものとしてはホルモン剤。
低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤という…配合薬というのがあるんですがそういうものを継続すると子宮内膜症の進行を抑える事ができるといわれています。
あとこれ異常かどうかその…月経の前に例えばちょっと気持ちが動いたりとか感情がコントロールできにくいと。
そういう場合もあると思いますがそれはどうなんでしょうか?それは月経前症候群というふうに呼ばれるものなんですけれどもPMSというふうにも呼ばれていますね。
これはむしろ月経の時に状態が悪くなるというよりは月経の前に出てくる症状なんですね。
20代から30代の方に多くて年齢とともに軽くなってくる事が多いです。
からだの症状とこころの症状があるんですけれども…これも非常に症状の強い方治療が必要な方が5%ぐらいいらっしゃるという事なんですね。
この原因なんですけれども月経が始まる4〜5日前ぐらいに女性ホルモンが一時的に下がるんですけれどもそれに反応してこういうからだとこころの症状が出やすいというふうにいわれていましてそういう機序とかメカニズムを自分が分かりますとこの症状がだいぶ軽くなってくる方もいらっしゃるといわれています。
そういう事もあるんだという事を知っておくという事になりますね。
いずれにしても本当に自分の月経が正常なのかあるいは異常なのかという事を知っておく事が非常に大切だと今日は思いましたけれども。
自分のやはり月経の異常があるかないか。
そういう事に関してはサインを見逃さないで頂きたいですしそれから是非今日お話ししたような月経の異常がある方は産婦人科の方にいらっしゃって頂いていろんな相談に乗って頂ければと思います。
今日お話ししました正常な月経4か条。
こちらの方に示しておりますけれども是非覚えておいて頂きたいと思います。
ありがとうございました。
ありがとうございます。
2015/11/21(土) 04:15〜04:30
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「これって月経異常?」[解][字][再]

月経異常には続発無月経、過多月経、月経困難症、月経前症候群などがある。子宮の病気が隠れていることもあるので注意が必要だ。治療が必要な場合は、産婦人科で可能だ。

詳細情報
番組内容
月経がきちんとあるかどうかは、女性の健康状態を知るバロメーターの1つだ。正常な月経には、月経周期・経血量・出血持続日数・月経中の痛みについての基準範囲がある。また月経異常には、続発無月経・過多月経・月経困難症・月経前症候群などいくつかタイプがある。タイプによっては子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症などの病気が隠れていることも。全て産婦人科で生活指導や薬を中心に治療ができるので、早期受診が勧められる。
出演者
【講師】総合母子保健センター愛育病院副院長…安達知子,【キャスター】桜井洋子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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