サムライせんせい #5 2015.11.21


(佐伯真人)今日からみんなの事を面倒見てくれる武市先生です。
(桜井健斗)マジだ!やっぱマジでサムライだったんだ!
(武市半平太)離れろ!寄るな!実は私は150年前の日本から来たのです。
(崎)アギー!アザー!こいつの名は坂本龍馬ぜよ。
どうも。
こうなってくると他にもいるかもしれないね。
何がじゃ?俺たちみたいに過去から来た人間。
何…!?漆黒の武者が俺たちをこの村に呼び寄せたんだよ。
行くぞアザ。
言うと思った。
(篠原優菜)あれ?
(優菜)あった。
(物音)
(物音)
(物音)
(悲鳴)
(悲鳴)
(子供たち)1!2!
(優菜)3!
(子供たち)3!頭は動かすでない。
相手を見据えたままじゃ。
(子供たち)はい!4!5!
(子供たち)5!もとい!
(子供たち)もとい!もう一度。
武市さんこんな事も教えてるんだ。
子供らやご内儀たちから頼まれての。
へえ〜土佐の道場思い出すねえ。
おまん江戸に戻らんでもええんか?今は江戸じゃなくて東京。
まあこっちにいても仕事は出来るし。
また文明の利器か。
タイムスリップの謎を解く鍵はやっぱりこの村にあると思うんだよね〜。
だって俺と武市さん2人ここに来たわけでしょ?だからなんかこう引き寄せられた理由があるんじゃないかなって。
(戸の開く音)
(佐伯寅之助)おいおいおい!誰だ?俺の夢ぶち壊したガキは!てめえらちょっと来い!これだよこれ!誰が落書きしたんだ!?これじゃあ売り物になんねえだろ!売り物?古美術商に売っぱらって事業資金にするつもりだったんだよ。
その事業資金で何するつもりだったの?軽ワゴン改造して移動式のでんがくんのキャラクターショップ作って東京に打って出るんだよ。
マジこれバカ売れだべ。
寅之助真っ当に働くのではなかったのか?一発ズドーンと当ててサッちんの父ちゃん見返してやるんだよ。
うわ〜なんも成長してねえ。
(寅之助)こっちはな…ほらこれ見ろ!古美術商のリストまで準備してたんだぞ。
ほらどうしてくれんだよ?誰か心当たりはあるか?正直に申せ。
わしはそんなねじ曲がった心を持つ者に育てた覚えはないぞ。
(健斗)ゆ…優菜が怪しいよな。
(坪内陸)あっそうそう。
学校でも嘘ついてたし。
(子供たち)そうだよ。
優菜怪しい。
(優菜)あれは…あれは嘘じゃないよ。
なんの事じゃ?昨日の夜学校にバトン忘れちゃって取りに行ったら図工室で音がして…。
鎧を着たサムライがいたの。
(悲鳴)
(寅之助)おいそれってまさか…漆黒の武者か?多分。
漆黒の武者?俺がガキの頃からある言い伝えだよ。
えっ何それ?何それ?
(寅之助)神里小学校に真っ黒い鎧兜があるんだけどよ…。
(寅之助)うちの村でなんかあった時はその鎧が夜中に勝手に動き出すって言われてるんだよ。
(寅之助)漆黒の武者が動いた時は必ず誰かが殺される。
霊魂に操られし甲冑が人を斬る…。
まさか…そんな事が…。
どうした?チョンマゲ。
(太田垣樹)怖いのですか?何をたわけた事を…。
そんなわけがあるまい!そういえば武市さん『四谷怪談』とかオカルト系苦手だったもんね。
先生の存在自体がオカルトですけど…。
鎧が夜中に一人で動き回るなどというバカな事があるわけがなかろう!嘘じゃないよ。
本当に見たんだって。
気になるねえ。
その伝説俺たちと関係あるんじゃないか?どういう事じゃ?漆黒の武者が俺たちをこの村に呼び寄せたんだよ。
何言ってんだ?お前ら。
まあ調べてみる価値はありそうじゃない?ほら行ってみようよ。
仕方があるまい…。
ただし…暗くなる前には帰るぞ。
フフッ怖いんだ。
ハハハ!
日本が国家存亡の危機にあった幕末
有力諸藩の志士たちは立ち上がり命を懸けて戦った
それからおよそ150年
姿を変えたこの国は彼らの目にどう映るのか?

これは平成の世に迷い込んだとある幕末の志士の物語である
なんとも不気味な学び舎じゃ…。
そう?やはりこの村には何かがある…。

(春日井宗男)漆黒の武者?
(小見山喜一)まあ私もあり得ないとは思うんですがね。
なんでもやる課のほうに通報がございましてでまあ一応確認にと…。
児童たちの間でまた根も葉もない噂が広まってるんですかね?まったく困ったものです。
おっしゃるとおりです。
でもまあこうして春日井校長にお会い出来ただけでも来たかいがありました。
ん?聞きましたよ。
いよいよ村長選に向けて地盤固めに入ったそうじゃないですか。
不肖この小見山喜一一生春日井村長についていく所存でございます。
気が早いな。
私は村長ではないですよ。
春日井校長ほどの人望をお持ちのお方なら当選確実間違いなし!ねっ佐伯くん。
(佐伯晴香)はあ…。
選挙の折は我々がバックアップさせて頂きますから。
この佐伯くんなんかウグイス嬢としてもなかなか使えますよ。
村内放送とかねやってるんで。
ねっ。
…えっ!?
(小見山)ん?どうした?佐伯くん。
あっいえ…!
(せき払い)春日井宗男春日井宗男をよろしくお願い致します!
(春日井)いい声してるじゃない。
いかがでしょうか?そんな警戒しなくても大丈夫ですって。
子供たちが通う学び舎なんですから。
あっあと武市さん草履はこの下駄箱の中に入れてください。
やはり何やら邪悪な気を感じる…。
ひゃあーっ!出たな化け物!化け物?もしやおまんは晴香殿か?今きっちり私の顔を見て化け物言いましたよね?…こんなところで何をしておるのじゃ?ごまかさないでくださいよ!漆黒の武者の事について調べに来たんです。
なんでその事知ってるんですか?塾で優菜ちゃんから聞いたの。
お邪魔致す。
ああっちょっと…!勝手に入ったら怒られますよ!春日井校長は村の実力者ですからにらまれたらまずいですって。
甲冑見せてもらうだけだから。
案内致せ。
もう〜だから…。
暗くなる前に帰りたいのじゃ!もう〜なんなんですか!ホントに…見たらすぐに帰ってくださいよ?何やってるんですか?そんなに怖がらなくても大丈夫ですって。
怖がってなどおらぬ。
ただ妙な邪気を感じる…。
ああーっ!!何!?何?何?なんじゃ?あれは…!ああ内臓模型?ないぞうもけい?勉強で使うんですよ。
こんな薄気味悪いものがなぜ子供らの学び舎にあるのじゃ!狂っておる!この時代は狂っておる!もういいから早く来てください。

(子供の笑い声)なんじゃ?この笑い声は…。
フフフフフフフフ…。
フフフフ!フフフフ。
フフフフフフ…。
うわあーっ!!ちょっ…!なんなんですか?今度は。
子供じゃ!子供がおるぞ!当たり前でしょ小学校なんだから。
違う座敷童じゃ。
座敷童がわしをからかっておる。
同じ姿をした子供が駆け回っておったのじゃ。
フフフフフ…。
来た…。
フフフフ…フフ…。
普通の子じゃない。
ああーっ!!すまん!わしが悪かった!許してくれ!何謝ってるんですか?なんまんだぶなんまんだぶ…!この子たちは双子のまりなちゃんとかりなちゃんですよ。
双子?そうなんだ。
そっくりだね。
こんにちは!
(2人)こんにちは!もう暗くなるからそろそろ帰ったほうがいいわよ。
(2人)はーい!さようなら!さようなら。
気をつけて帰るんだよ。
(2人)はーい!バイバイ!やはりここには何かおるのじゃな。
だから単なる双子ですって。

(ピアノ)なんじゃ?この音は…!ピアノですね。
ぴあの?西洋の楽器だよ。

(ピアノ)なんともおぞましい音色じゃ…。
なんでこんな時間に?
(ピアノ)明らかに怖がってますよね。
晴香殿今日はもうこの辺にしておこう。
いやどの辺ですか?いったん立て直して出直すのじゃ。
意味がわかりません。
どうやらわしはこの中に入りたくないようじゃ。
なぜか心がざわつき…動揺しておる。
怖いって言えばいいじゃないですか。

(ピアノ)あれ?誰もいない。
誰もいない…?なのになぜ音が…!これはたたりか!?物の怪の仕業か?うわあーっ!!あーっ!あっ!来るな化け物め!うるさい!この方は職員の小林貞夫さんですよ。
貞夫さん!?
(小林)あなた佐伯先生のところの…。
はい孫の晴香です。
ご無沙汰してます。
ああ!そういえば佐伯先生のところにサムライの格好をした人がいるって聞きましたけどこの人でしたか。
貴様がこの不気味な音の正体か!いえいえ私は音楽を聴きながらピアノの修理をしていただけですけど。
CDっていうんだよ。
しーでぃー?スピーカーっていってあの2つの箱から音が出る。
すぴーかー?なぜこのような箱から音が出るのじゃ!貴様おかしな妖術を使いわしを脅かそうとしておるのか?
(小林)ん?ああ…なんですか?この人は。
すみません失礼します。
お邪魔しました。
は?もはや魂の限界じゃ…。
いやまだ何も起きてないんだけどね。
こっちが限界ですよ。
ホンットめんどくさい。
なんじゃと?さっきから怖がってばっかでサムライなら少しは勇気出してくださいよ。
おまんは勇気をはき違えておる。
真の勇気というのはじゃな…。
(戸を引く音)あああ…。
(手塚工平)あれ?晴香ちゃん?手塚先輩!久しぶり。
え〜!なんかどうしよう!照れるっていうかなんていうか!う〜んお久しぶりです!えっと…こちらのお二人は?あああの…私の知り合いです。
武市さんと崎さん。
手塚先輩は私と小中学校が一緒なんです。
東京の美術大学を卒業してふるさとの子供たちに絵や彫刻を教えたいからってわざわざこの村に帰ってきてくれたんです。
ほお!郷里のためにその身を捧げるとは見上げた心意気じゃ。
ああいやそんな大そうな事じゃないんですけど…。
あの…その頭は…?ああ気にしないでください。
こういう髪形が好きな変な人っていうだけですから。
あっあっあれ3Dプリンターですよね?
(手塚)ええ彫刻のレプリカを作ってるんです。
この中で形あるものが作られるのじゃな?これならわしにもわかる。
スピーカーよりよっぽど新しい技術なんだけど。
初めて見た…。
そうなのか?今日はどうして学校に?ああ黒い甲冑を見に。
甲冑を?どうして?それが漆黒の武者が出たっていう話があって。
ああ…なんかそんな話昔からあったね。
あの…もうご覧になりましたか?いえまだ。
なんの変哲もない普通の甲冑ですよ。
こちらです。
鍬形付きの筋兜か…。
立物がいいね…!ああ…。
お二人とも随分お詳しいんですね。
あっ触っちゃ駄目。
確かこれすごく価値があるんですよね?うん。
数百万円はするとかしないとか。
へえ〜…だから触んなって!この家紋は…!土佐柏!山内家ゆかりの兜という事か!?なんですか?その土佐柏って。
土佐山内家の家紋じゃ。
土佐山内家?土佐藩のお殿様の家。
土佐藩の藩士は山内一豊公から山内家が代々継いできたんだよ。
なぜ山内家ゆかりの兜がここに…?随分昔に村の住人から寄贈されたものらしいですよ。
手塚殿この甲冑を寄贈した人間をご存じではないか?いや僕が生まれるずっと前の事なので…。
ああ校長室に寄贈者リストがあるかもしれませんけど…。
(小見山)おいおいおいおいまたチョンマゲかよ。
なんですか?その格好は。
困りますよ私の許可なく学校内に入られては。
ですよねえ。
佐伯くん君何をやってるんだ?すみません。
あの…この甲冑を寄贈した人を教えて頂きたいのですが…。
恐らく土佐にゆかりのある者のはずです。
なんですかあなた方は勝手に入ってきて!教えて頂けませぬか?漆黒の武者とは何者なのですか?そんなのは単なる噂ですよ。
いるわけないでしょう。
ですよね!失礼しました。
さっ行きましょう!しかし子供は見たと言っています。
あのねいちいち子供の言う事を真に受けていたら教育なんてやっていけませんよ。
漆黒の武者なんてバカらしい!ですよねえ。
佐伯くん早いとこそのチョンマゲをつまみ出しなさい。
はい。
帰りますよ。
待たれよ。
いいから行きますよ!これ以上くだらない噂が広がらないように注意してくださいね。
村のイメージダウンにも繋がりますから。
ごもっともです。
承知致しました。
手塚先生も…いいですね?はい。
「一体どういう事なのじゃ?」「なぜ土佐の甲冑がこの村にある?」「やはり漆黒の武者とわしがこの村に来た事には何か関係があるという事か?」
(篠原理央)土佐ってどこ?高知県。
高知県ってどこ?四国の左下。
四国って…。
四国の場所は自分で調べて。
オッケー。
なんかデジャブ。
で手塚先輩に会ったの?うん。
キャロットスープの恋は?それはシー。
オッケー。
もしかしたら武市さんと同じように土佐からこの時代に来た人間が甲冑を着て歩いているのかもしれない。
「なんじゃと?それは会わねばならぬ!」…か甲冑にとりついた落ち武者の亡霊が漆黒の武者となって現代に姿を現し幕末から武市さんを呼び寄せたのかもしれない!「それは会いたくない!」
(笑い声)あのいちいちマイクでしゃべるのやめてもらえます?「スピーカーのからくりを確かめておるのじゃ。
ハッ!」サムライ先生これで私の事信じてくれた?「うん?」私本当に見たんだからね。
鎧が動いてるの。
えっ?優菜見たの?漆黒の武者。
誰も信じてくれないんだよ。
すげえじゃん。
迷いなく信じちゃってるし…。
すごいよ。
とにかくあの甲冑には何か秘密があるのかもしれないね。
やはり漆黒の武者は…。
「存在するのか」確かめよう!えっ?確かめるって?漆黒の武者は夜に動くんだよね。
今がチャンス!ちゃんす?絶好の機会!いや…それはやめておいたほうがよいのではないか。
やっぱり怖いんですね。
何を言う。
ペータ先輩おばけ怖いんですか?それちょっとしぼむなあ。
サムライなのに。
そんな事はない!
(ドアの開く音)
(小見山)「ニャンニャンニャーニャンニャンニャー…」こんばんニャンニャン。
(理央)小見山課長いらっしゃい。
おやまたこのメンツかい?佐伯くんこれまたよからぬ事を企んでおるんじゃないだろうね?いえいえ…。
(小見山)ポンポン。
よからぬポンポン。
おっ優菜ちゃん聞いたぞ。
駄目じゃないかみんなを怖がらせるような事を広めちゃ。
見ていないものを出た出たっていうのそれは駄目だ。
それは嘘つきのする事だぞ。
オオカミ少年じゃなくてオオカミ少女になっちゃうぞ。
うまい!ハハハハ…。
でも…。
でも優菜本当に見たんだもん。
嘘なんかついてないもん。
(理央)優菜?
(小見山)まあここまでちゃんと言う事は言わないとね。
(杉崎学)さあさあ歌いましょうか。
(小見山)歌いましょう。
(鳥谷聡)えーとマイクは…。
行くぞアザ。
言うと思った。
行くってどこに?確かめに行くんじゃ。
漆黒の武者の正体をな。
ペータ先輩。
(火打石を鳴らす音)魔除け。
かたじけない。
あっちょっと武市さん!結局怖がってるじゃないですか。
行くぞ。
どうぞ。
もう…。
甲冑を確かめたらすぐに戻りますからね。
(物音)なんじゃ?今の音は。
ネコ…とか?
(物音)あのような音を立てるネコがこの時代にはおるのか?いませんけど…。
行こう。
嘘…。
やっぱり動いてる。
まずいですよ。
帰りましょう!そうしよう。
帰るぞ!いや捜さないと…。
俺たちがここに来た理由がわかるかもしれない。
待て!足が…動かん。
武者震いじゃ。
それは怖いだけでしょ!別行動にしよう。
俺たちはこっち先に見てくるから。
あっ!待ってくださいよ!アザ!アザ…!
(物音)アザ!晴香殿!
(悲鳴)うわあっ…!
(赤城サチコ)うわあこんなになってるんだ。
(佐伯)あっ!駄目ですよサッちゃん。
勝手に触っちゃ。
え〜!駄目駄目。
あっ起きた。
ああ…。
大丈夫ですか?武市さん。
わしは…。
いや驚きましたよ。
昨晩崎さんと晴香があなたをうちまで担ぎ込んできたんですよ。
(サチコ)佐伯さんが看病してくれてたんだよ。
わしは…。
(悲鳴)びっくりした…。
武市さん何か思い出されたんですか?アザと晴香殿は…?学校へ行きましたが…。
武市さんまだ…!
(サチコ)相変わらず周りを巻き込む感じの人ですよね。
そうだ寅之助は?まだ寝てるみたいです。
しょうがないね…。
あっそうだ。
寅ちゃんバイトを探してるんだそうです!
(春日井)どういうつもりですか!申し訳ございません。
申し訳ございません!役場の職員だからといって夜中に学校に勝手に入るようなまねは許せませんよ。
わたくしのほうがしっかりと教育しておきますので。
春日井村長。
いやだから私は村長ではありません。
ああこれは大変失礼致しました。
あの…校長先生。
うん?あの甲冑は本当に動いていたんです。
君ねいい加減にしたまえ!そんな事を言って子供たちを怖がらせてどうするんですか!とにかくもう二度と甲冑には近づかないように。
…はい。
ああそうだ。
子供たちにも動揺が広がっていますから今日の朝礼で全て勘違いだったという事を説明してもらえませんか?えっ私がですか?あなたのせいで話が大きくなってしまったんだから当然でしょう?ごもっともです。
佐伯くん漆黒の武者は作り話だったとしっかりと伝えるんだ。
これは上司からの命令だよ。
わかりました。
これは…。
気づいた?アザ。
妙だよねこれは。
おいおいおい。
またまた何やってるんだ?今度は警察呼ばれるよ!もうこの鎧には近づいちゃ駄目なんです。
晴香殿確かめたい事がある。
(ノック)はい。
ああ晴香ちゃんおはよう。
どうしたの?こんな時間に。
御免。
武市さんがどうしても先輩と話がしたいって…。
えっ?なんでしょうか?もうすぐ朝礼なんですけど…。
手塚くんおんしがすり替えたんじゃな?何言ってるんですか?今飾られている甲冑は偽物じゃ。
武士の目はごまかせんぞ。
それでコピッたんですよね?夜な夜なこの図工室で甲冑の立体データを読み取り3Dプリンターで複製。
それを着色して偽物を作ったんでしょう?優菜ちゃんに見つかりそうになった時はとっさに脅かしてその場をしのいだ。
漆黒の武者の伝説をうまい事利用したんだ。
でも3Dプリンターも土佐柏だけは再現できなかった。
だからそれだけは手描きになっちゃったんですよね。
しまった…。
そんな…嘘ですよね?先輩。
なぜこんな事をした?おんしもしや過去から来たのではないのか?あの甲冑にゆかりのある土佐の者じゃろ?おんしは甲冑を取り戻すためにこんな事をしたのではないのか?違います。
いいのじゃ。
本当の事を申せ。
わしも土佐から来たのじゃ。
おんしも同じであろう?違うんです。
じゃあなんなのじゃ!お金のためです!金…。
(ため息)本物の甲冑を売るつもりでした。
学校の備品でもないし完璧にコピーすれば誰にも気づかれないだろうって。
そんなくだらん事にわしらは振り回されていたのか?タイムスリップは関係なかったみたいだね。
何をバカな事をしておる!?子供らを欺き私腹を肥やすとはおまんそれでも先生か?すいません。
先輩なんでそんな事…。
仕方がなかったんだよ。
校長が学校の積立金をつぎ込んで株で失敗しちゃって…。
春日井校長が?損失を補填するために甲冑の偽物を作れって命令されて…。
断ればよかろう。
春日井校長の力は絶対なんです。
逆らう事なんて出来ないんだ。
晴香ちゃんだってわかるだろ?なあ晴香ちゃん頼む。
この事は黙っていてくれないか?たわけた事を申すな。
真実を子供たちに伝えたところで校長は認めない。
とかげの尻尾みたいに僕が切られるだけさ。
僕は今回の罪について心から後悔してる。
これからは子供たちのために一生をかけて償っていきたいと思ってる。
何を勝手な事を…。
そうだね。
自分の先生が犯罪をしていたなんて知ったら子供たちは一生ショックを引きずる事になるからね。
ふざけるな!子供らの前で潔く罪を認めよ!佐伯くんこんな事ばれたら村のイメージガタ落ちだぞ。
僕らは黙っておいたほうがいいだろう。
余計な事をして春日井校長を敵に回す事はないんだから。
わかるだろ?佐伯くん。
おまんら大概にしときや。
どういてごまかそうとする?どういて偽ってまで丸く収めようとする?いつから日本人はそんなに腐ったがじゃ!どんな事情であれ日の本を担う子供らの前で嘘をついてはならぬ!わしら大人は手本とならねばならぬ。
晴香殿波風を立ててでも真実と向き合うのじゃ。
ごまかし逃げてばかりでは未来は切り開けぬぞ。
批判されようとも誰かを傷つけてしまう事になったとしても正しき道を選ぶ。
それが真の勇気じゃ。

(先生)はいみんな集まって。
列になって。
整列整列。
覚えてますか?20年前の全校集会の時の事。
えっ?夏休み前ですごく暑くて…。
給食で大嫌いなキャロットスープを食べたあとで私集会の最中にここでゲーって戻しちゃったんです。
(晴香の声)みんなが離れていって私もうどうしていいかわからなくなって…。
泣きそうになってたら…。
(手塚)大丈夫?
(晴香の声)手塚先輩が助けてくれました。
きっと先輩はもう十分悩んで苦しんでいるはずです。
安心してください。
私は黙ってますから。
晴香ちゃん…。
(春日井)はい皆さんおはようございます。
(子供たち)おはようございます。
(春日井)では早速朝礼を始めましょう。
まずねみんなが騒いでいる漆黒の武者の事について村役場の佐伯さんからお話がありますから静かに聞いてくださいね。
(春日井)じゃあ佐伯さんお願いします。
(拍手)村役場の佐伯です。
鎧兜が夜中に動くという話が広まっているようですがそれは…。
根も葉もない噂です。
みんな気にしなくて大丈夫ですよ。
晴香殿…。
(健斗)やっぱ優菜が嘘ついてたんだ。
(陸)嘘つき!私は嘘なんかついてない。
(子供たち)嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき…!優菜ちゃんが見たのは…。
それはきっと…。
じゃあみんなで佐伯さんに感謝の拍手をしましょう!
(拍手)待ってください!鎧兜を動かしていたのは僕です。
(子供たち)えっ?優菜ちゃんが言っているのは嘘じゃない。
優菜ちゃんごめん。
手塚先輩…。
手塚くん君は何を…!僕は偽物の甲冑を作って本物とすり替えたんです。
(陸)なんでそんな事したの?売ってお金にするためです。
先生はお金に困ってみんなをだましてお金を手に入れようとしてたんです。
本当にごめんなさい。
手塚くん!なんて事をしてくれたんだ!教師の風上にも置けない男だ君は!校長先生…。
もともとこの計画はあなたが…!こんな先生がこの学校にいるなんて本当に本当に残念でなりません!おまんそれでも人の上に立つ人間がか!先生…。
(春日井)なんだね?君は!またバカみたいにサムライの格好をして勝手に入ってきては困るよ!サムライはのう世の中の上に立つ人間として手本となる人間として正しき道を踏み外した時はいつでも腹を斬る覚悟を持っておった!
(春日井)何を言ってるんだ?君は。
己に仕える者が勇気を持って正しき道を示したというのに上に立つおまんが責任逃れをするとは何事じゃ!手塚殿に卑劣なまねを無理強いしたのも貴様であろう!即刻この場で腹を斬れ!知らないよ私は。
証拠でもあるのかな?貴様…。
あっ小見山くん。
(小見山)はっ。
駐在さんを呼んでもらえるかな?手塚くんとこのサムライを逮捕してもらおう。
はっただいま。
おお…。
(物音)
(物音)「神里の村乱れし時漆黒の武者現れ血の裁きを下す」あの伝説は本当だったのか…。
本物の甲冑見つけちゃいました。
アザ…。
古美術商に片っ端から当たってみたんです。
そしたらあるご主人が証言してくれました。
春日井校長が甲冑を売却されたと。
ふざけるな!私は知らない。
私は何もやってない!この学舎で感じた邪気の正体はおまんであったか。
そこをどけ!私を誰だと思ってる。
ここの校長であり次の村長になる男だぞ!子供らを裏切った報いじゃ。
漆黒の武者に代わり成敗致す。
甲冑の亡霊に怯えてたんだろう?ほざけ弱虫ザムライが!武市さん。
(優菜)先生これ!この手で斬れるものであれば何も恐れるものなどない!
(子供たちの声援)うるさーい!クソー!わあ!
(佐伯)あっそうですか。
はいそれでは。
武市さん。
武市先生今ね駐在さんに確認を取ったんですよ。
そしたら本物の甲冑がちゃんと学校に戻るんだそうです。
ですからまあ…手塚先生が刑事罰を受ける事はなくて済むそうなんですよ。
でもまあねあの…教師としてなんらかのこの…叱責といいますか処罰を受けるかもしれないんですがでも先生という仕事を辞める事はなさそうなんですよ。
はい。
どうなさいました?武市さんなんか浮かない顔ですよ。
佐伯殿。
(佐伯)はい。
私は塾の先生を辞めさせて頂きます。
えっ…。
掛け軸に落書きをした子供がいまだに名乗り出ていません。
それは上に立つ私の責任です。
武市さん。
私は子供らに正しい手本を見せてあげられなかったのでしょう。
武市先生。
さあちょっとちょっとこちらへどうぞ。
さあさあこちらへ。
(陸)健斗貸して。
2人は?正直にね「落書きしたのは自分たちだ」って謝ってきたんですよ。
でちゃんときれいに直してから武市先生に改めて謝るんだそうです。
大丈夫ですよ。
武市先生の生き方は立派に子供たちのお手本になってます。
あっそうだ。
寅之助もねアルバイトを見つけたんですよ。
あるばいと…?見てんじゃねえよ!似合ってるよ寅ちゃん。
理央殿に感謝しつつしっかりと励むがよい。
寅ちゃん水割り。
誰の?
(理央)ママのよ。
クッソー!
(寅之助)いつかビッグになってやるからな!でも今回は寅之助くんのBIG化計画書が役立ったねー。
おまんよくあんな短い間に本物の甲冑を見つけたなあ。
あああれは学校に飾ってあった偽物の甲冑。
偽物?
(崎の声)偽物の甲冑をつけてこのリストを見せて適当な事を言ってただけ。
まあね所詮交渉なんてみんなはったりだよ。
長崎でグラバーから軍艦と7300挺の銃を買い付けた時はねもうね…もうしびれたね。
おまんはそんな事をしておったのか。
聞きたい?俺の幕末の頃の武勇伝。
いや歴史は知りとうない。
(ため息)いかがした?晴香殿。
腹でも下しのか?落ち込んでるんです。
なぜじゃ?だって私は嘘をついただけで何もしてませんから。
手塚殿を動かしたのは他の誰でもないおんしであろう。
適当にごまかさず目の前の壁に真剣に向き合ったゆえの結果じゃ。
手塚殿は後輩である晴香殿に手本を示したのじゃ。
それに倣いこれからは正しき道を歩めばよい。
おい佐伯くん。
こっち盛り上がってるんだからさお酌ぐらいしてくださいよ。
お酌ポンポン。
お酌ポン…。
イテテテテ…。
課長!いい加減にしないと訴えますよ!
(小見山)手酌でいこう訴えられる。
おやすみ晴ちゃん。
おやすみ。
ねえねえ。
あの甲冑を寄贈した人って誰なんだろうね?ああ土佐にゆかりのある者がこの地におるはずじゃな。
はい。
ありがとう。
すいませんね無理言っちゃって。
いえいえ佐伯校長には本当によくして頂きましたし。
(佐伯)私はもう校長ではありませんから。
もしかしたらその人ってその甲冑をつけたままタイムスリップしてきたサムライなのかもしれないよ。
どういう事じゃ?あの甲冑は随分昔から学舎にあったのであろう。
だから俺たちよりずっと前にこの村にタイムスリップしてきた人間がいるかもしれないって事。
わしらよりずっと前に?
このドラマの原作本1巻・2巻セットを抽選で50名様にプレゼント致します
詳しくは番組ホームページまで
過去から来た人間かもしれぬ!
(小見山)神里村に血の雨が降るぞ!武市半平太に助太刀致す!どんな事があろうとも自分の生き方を全うする。
同志を見捨てたらいかんぜよ!2015/11/21(土) 00:24〜01:24
ABCテレビ1
サムライせんせい #5[字]

幕末の侍・武市半平太(錦戸亮)が現代にタイムスリップ!坂本龍馬(神木隆之介)と時を越えた再開をし、「今の日本」を斬る!笑いと感動の“侍タイムスリップコメディー”

詳細情報
◇番組内容
  
◇出演者
錦戸亮、神木隆之介、比嘉愛未、藤井流星(ジャニーズWEST)、黒島結菜、石田ニコル、梶原善、森本レオ
◇原作
黒江S介『サムライせんせい』(リブレ出版)
◇脚本
黒岩勉
◇音楽
井筒昭雄

【主題歌】
関ジャニ∞『侍唄(さむらいソング)』(インフィニティ・レコーズ)
◇演出
片山修(テレビ朝日)、木村ひさし、植田尚
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】内山聖子(テレビ朝日)
【プロデューサー】山田兼司(テレビ朝日)、木曽貴美子(MMJ)
【協力プロデューサー】遠田孝一(MMJ)
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/samuraisensei/
☆Twitter
 https://twitter.com/samurai_tvasahi

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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