金曜ロードSHOW!特別ドラマ企画「視覚探偵 日暮旅人」 2015.11.20


(陽子)
例えばあなたから見える風景がこんな景色だとして…
あなたが酔っているならこのように見える
あなたが飼っている犬の目には…
ラーメンが好きな人には…
ちょっとエッチな人なら…
落ち込んでいる人なら…
霊感が強い人なら…
そう…あなたのそばにいる人があなたと同じ世界が見えているわけではない
私とこの人も同じ世界が見えているわけではない
(依頼人)大丈夫かよおい。
(雪路)大丈夫っすよオッサン。
オッサンだ?この野郎!アニキに任せといてください。
いいか今日中に宍戸錠さんが見つからなかったらよ会長からどんな責任取らされると思ってんだよ。
分かってますって。
おいもう1回確認するぞ。
全体的に灰色で宍戸錠さんのようにふっくらとしたほっぺをされてる。
ちゃんと「宍戸錠さん」って言わなきゃ…見ろよこの野郎!見てますって。
見てねえじゃねぇか。
チョロさんねっ。
やめろその名前!真面目にやれよこの野郎!どうした!
(旅人)いました。
えっ?よく気付いたなお前でもこれが宍戸錠さんか…。
大丈夫です。
視えましたから。
は?請求書です。
129万6000円って高ぇじゃねえかよ。
でもいつもの拉致られたお仲間の捜索やら裏切り者の隠れ家やら同じ値段でやらせてもらってますんで。
え?でも会長さんならそれも分かってると思いますけどね。
後ほど集金に伺います。
行こう。
おいちょっと待てよおいちょっと戻って来いって。
おっ!
(猫の鳴き声)宍戸錠さん。
(鳴き声)あっ…。
(鳴き声)かわいい!
五感のうちの4つ聴覚嗅覚味覚触覚を失ったまま視覚だけを頼りに探偵をしている日暮旅人という人がいる
この人にはどんな世界が見えているのだろうか
はいダイチくんさようなら。
さようなら。
さようならまた明日ね。
あっ!ちょっとヒロミ先生コウタロウくんお願いします。
ちょっとちょっと…。
先輩先輩…先輩!
(智子)あら山川先生さようなら。
さようならじゃないですよ何こっそり帰ろうと…。
こっそりじゃないわよ堂々と帰るのよ。
先輩今日遅番ですよ。
山川代われ。
え〜またですか?熱がある熱があるの熱があるんだよ〜!どうせまた合コンですよね?あ〜!何ていうかさ私を熱くさせる男が待ってんのよ。
困りますよ毎度毎度。
そうだよね困るよね。
でもさ山川。
私これ以上婚期が遅れることに耐えられないのよ。
人生デッドエンドなのよ。
合コン…行きたかったなぁ…。
分かりました私が遅番代わります。
そう言うと思ったじゃよろぴく!フフフ…ぶつかる〜うわ〜。
フフフ…くすぐったい!ガタンゴトン。
(誠司)ガタンゴトンガタンゴトン。
灯衣ちゃんだっけ?こっち来て一緒遊ぶ?百代灯衣ちゃんだよね?
(灯衣)私の名前ちゃんと覚えてないんですか?あっごめんほら先生さくら組だからりす組のみんなのことはよく…。
へぇ〜。
私はさくら組の先生の名前も知ってますよ。
山川陽子先生25歳恋人なし!すごい何折ってるの?ダイオウグソクムシです。
あれ?誠司くん?
(誠司)う〜う〜…。
(保育士)こら職員室入らはったらアカンでしょ。
倒す!お前を倒す!すいません。
もう陽子先生。
あっ!それはダメ!
(泣き声)大丈夫やで怖ないで。
(栄美)どうしました?ママ〜。
本当にすいませんでした。
ですからいいんですよ悪いことした時はちゃんと叱ってくれたほうがいいに決まってるじゃないですか。
はい…。
(栄美)じゃ急ぎますので。
ほら誠司行くよ歩いて。
(保育士)ハァ…誠司くんのママが優しいからよかったものの…。
はいすいません。
やだ何でゴキブリなんか…。
(灯衣)ダイオウグソクムシ!灯衣ちゃん外遊びの時間じゃないよ。
ちょっと…灯衣ちゃん?灯衣ちゃん!灯衣ちゃん!ちょっとどうしちゃったの?待ちきれないので帰ります。
ママが来るまで待たないとダメだよ。
私ママいませんけど。
ごめんえっと…パパ待とうよ。
パパも迎えに来ません。
えぇ〜!いつも迎えに来てるのは雪路です。
ユキジイ?あっおじいちゃん!ハァ…先生さようなら。
あっちょっと…。
えっ?痛っ!どこに行くのよ…。
いつも通っている道を一本脇に入ったら全く知らない景色があったことに…驚いた
こんな所に出るんだ。
灯衣ちゃん。
ハッ!えっ!あっ…。
灯衣ちゃん?灯衣ちゃ〜ん?ハッ!
(灯衣)それパパ。
ヒッ!何してんの?起こさないで起きないけど。
あっごめんなさい。
(電子レンジのアラーム)♪〜
(大音量のロック)♪〜♪〜帰らないんですか?♪〜あ…うん。
♪〜お邪魔しました。
♪〜すいませんお父さん起きてください。
ちょっとお話があります。
お子さんに1人で食事を…。
あのお父さん?お父さん!キャ〜!ごめんなさい!何してるの!違うの!私はただ…。
寝かせておいてって言ったでしょ!ハッ!あの!お父様ですよね?あっはい…。
今日はどうしてお迎えに来られなかったんですか?えっと…。
これ先生さくら組の。
え?あっあぁあぁ…。
日暮旅人ですいつもお世話になってます。
ですからどうしてお迎えに…。
迎えはその…。
おじいさんに頼んでいるみたいですけど。
おじいさん?でもあなたは今日お家にいらっしゃったわけですよね?どうして来なかったんですか?あ…すいません寝てました。
ですよね!お父さん灯衣ちゃんはまだ6歳です。
1人で食事をさせないでください。
はい…。
お仕事がお忙しいとか眠いとかいろいろ事情はおありでしょうけど…。
あの聞いてます?あぁええもちろん…。
ただちょっと勢いがあり過ぎて読む前にぶつかりそうで。
はぁ?何ですか?あぁそんな感じで話していただけると分かりやすいです。
からかってるんですか!うわっ!仕方ないでしょパパは言葉を目で見てるんだから。
言葉を目で?どういう意味?それよりパパにトイレさせてあげて。
えっ?あっあぁ…。
あっすいません。
雪路!えっ?ごめん!ごめんごめん保育園のお迎え行くの忘れてた!いやあのさ集金に手間取ってよごめんごめん。
ダメ雪路お仕置き!ド〜ン!ユキジって私てっきりおじいさんかと…。
誰がおじいさんだ24歳だ。
数えて数えて。
こんな大金扱わせてるんですか?えっ?もう6歳だしお家の手伝いもしないと。
いやでもこれはあなたの仕事の手伝いで…。
みんなの仕事だよ。
うん。
えっ?
(灯衣)ここにみんなで住んでみんなで仕事してんの。
えぇ〜…。
こっちが129個でこっちが6個。
正解!数えるの早くなったな。
ほら先生に取られちゃう前に早くしまっちゃいなさい。
は〜い。
失礼します。
あのキーホルダーには人には言えない思い出があった
(男の子)たぁくん行こう
(保育士)陽子ちゃんママがお迎え来たからお片付けしよっかうん
まぁこれでようやく忘れられるってことかな…
ハァ…。
(園長)はいでは次の…。
(智子)家まで行ったの?そうですよ大変だったんですから。
(智子)そうかそうか早くもそこまで進展したか。
進展?
(智子)でどう?あのチンピラ。
「どう?」と言いますと?あっもしかしてあの探偵のパパにも会った?あっちはたまにしか送り迎えに来ないレアキャラだよ。
先輩まさか…。
そうよあんたがまるで男っ気がないから灯衣ちゃんがいる日にあえて遅番代わってあげたの。
じゃ合コンっていうのもウソ?合コンは行ったけど。
それがさテレビ関係の男がわんさかいてさ…。
あぁはいはい…。
しかしまさか家まで押し掛けるとは…。
あんたも顔に似合わずいやらしい…。
いや顔もよく見ると結構いやらしい…。
(園長)注意を呼び掛け…そこの2人!はい。
はい。
私の話聞いていましたか?ええ。
最近幼児を対象とした誘拐事件が全国的に増えています。
この町内でも不審者を見掛けたという通報が増えてるので十分気を付けましょうというお話でした。
それを踏まえて私から暗くなってからのお迎えは正門を施錠し職員玄関で対応するという提案をさせていただきます。
提案ありがとう。
はい続きまして…。
いつの間に聞いてたんですか?目の前の男とも向こうのテーブルの男とも会話できなきゃいい男は捕まえられないわよ。
なるほど…。
山川先生!はい!聞いてませんでした!
(戸を叩く音)でも私灯衣ちゃんのパパにそんなこと頼んでないし。
とにかく先生から言ってやめさせて。
私や雪路が言うだけじゃやめてくれないから。
うん。
あっ…。
アニキ先生来たぞ。
あぁ大丈夫ですよ。
すぐに見つけますからキーホルダー。
私がキーホルダーなくしたことどうして知ってるんですか?今朝灯衣を送る際にこの道を通ったら後悔の模様が視えたんですその模様が昨日あなたのチェーンだけのキーホルダーから視えたものと同じ模様だったので。
ここは昨日探したけど見つかりませんでしたけど。
うんこれでだいぶ絞り込めます。
はい?だったら模様の薄いこのどれかだな。
あのさっきから模様模様って何の話ですか?はい?だからさっきから模様模様って何の話ですか?あぁ僕感情が模様で視えるんです。
はぁ?だから…。
説明します例えば今僕にはここからあそこまで焦りの感情が視えています。
キーホルダーを持って行った人間が焦りながら走って行ったのかもしれません。
はぁ…。
試しにその模様を追ってみましょう。
あっ…あぁ…。
正体はこれでした。
ここで感情の焦りから快楽の模様に変わっています。
何だかうっすら濡れているような…。
ええ立ちションベンの跡です。
ヒィ!アハハハ…。
ここまで焦りながら走って来てここで気持ち良く出すもの出したんでしょう。
あの…!ってことは…あっあったこれかな。
あのどこまで行くんですか?聞こえてないのかな…。
そりゃそうだ耳が聞こえてねえんだから。
えっ!でも普通に会話を…。
ついでに言っとくと匂いも分かんねえ。
触覚っていうの?触った触られたっていうのも分かんねえ。
マニキュアしてんのもピンクの靴履いてんのも手足が意識通り動いてるか見るためだ。
へっ!?あっちょっと…。
水が冷たいかどうかも分からねえ。
その代わりそれらの感覚を全て目で見てるんだわ。
あの…池の中入ってますよ。
でもそれってどうやって見えるんですか?さぁ。
ありました。
(灯衣)うわ〜!さすがパパ!はい。
うわ…あぁ…。
少しは信じられた?パパのこと。
なぁ仕事以外の探し物はやめてくれっつったろ?あんなきったねぇキーホルダー池の中のほうがお似合いなんだからなっほれ。
ちょっと待ってください!は?日暮さんあなたが言ってることが本当なら私がこのきったないキーホルダーにどんな感情を抱いているのかも見えているってことですよね?そりゃアニキならな。
それも全部ウソでみんなで私をからかっているだけなら今の発言含めて謝ってもらってもいいですか?何でだよ?何でだよおい…。
郷愁や後悔それと少しだけ幼い愛情も交ざった模様が視えました。
郷愁や…後悔…。
どんな感情もそれに価値があるかどうかはその人だけのものです。
立ちションベンがしたいという感情も宇宙人の侵略からこの星を守るための立ちションベンだとしたらかけがえのないものになりますしね。
とはいえ雪路は暴言でした。
すいません。
行こう。
この時はまだその不思議な能力を信じてはいなかった
ただ日暮さんの目を見ているとウソをついているようにも思えなかったのだ
これ持って行きます。
(保育士)はい。
(智子)山川山川…。
今日は遅番代わりませんよ。
そんな話じゃないわよ〜。
そう言っていっつも合コンに…。
今は男いるんだよ〜。
ええっ!?東大卒のテレビディレクターで今も『午後はHONNEDEぶっちゃけまSHOW』…っていう情報番組担当してて。
マジっすか!?マジや。
東大?ぶっちゃけ?ぶっちゃけ。
それよりあれを見なさい。
あっ灯衣ちゃんすごいうまい。
今家族の絵を描いてもらってるんだけどねほらみんなパパとママを描いてるのに灯衣ちゃんはパパだけなの。
まぁそういう事情の家庭ですから。
どう思う?どうって?あの探偵パパを落とすならここは母親代わりをするのが狙い目よ。
は?そもそも灯衣ちゃんとあの探偵パパは本当の親子じゃないからね。
そうなんですか?事情は知らないわよ。
でもとにかく愛情には飢えてると思うわけ。
灯衣ちゃんやたらマセてるけど甘え方知らないって感じだしさぁ。
灯衣ちゃんには母親が必要なのよ。
(看護師)・イヤ〜ン!・おいおやっさん。
(看護師)イヤ〜ン…。
(榎木)あぁお前らか。
今ちょっと忙しいんだよ。
ほら行けよあっち!イヤ〜ン!
(榎木)あっ定期検診の日か。
イヤ〜ン。
(男の子)だっておかしいじゃん!何でママを描かないんだよ?時間がなかったから。
あっ!誠司もパパ描いてない!何で?誠司。
誠司くんも時間がなかったんだよ。
変だよ!ほ〜ら!お外でお遊びだよ。
は〜い。
誠司くん灯衣ちゃん。
行こう。
新しいの入れたのか。
この後仕事だろ。
だいぶ疲労はたまってるようだが一応数値は適正の範囲内だ。
前みたいに実は骨折してたとかねえだろうな?レントゲンも撮った大丈夫だよ。
アニキは痛みが分かんねえから骨折したの自分じゃ気付かねえんだぞ。
雪路先生だってそんなことは分かってるよ。
こら!手を離せ!イヤ〜ン。
まぁ仕事量は調整することだな。
ヤクザ相手の探偵事務所じゃただでさえ気苦労も多いだろうし。
ヤクザ相手の自由診療に比べたらな。
ありがとうございます。
さようなら。
(智子)灯衣ちゃん今日もすごくいい子でした。
は〜いまた明日さようなら。
先生あばよ。
すいません!な…何?ちょっといいですか?お礼です。
この間のキーホルダーの。
(智子)灯衣ちゃんには母親が必要なのようっあぁ…。
オエっ…。
ごちそうさま。
わぁ完食!ありがとうございます!ごちそうさまでした!じゃあ私も。
ちょっとちょっとおふたりまだまだ残ってますよね?仕方ないだろう。
まずいんだから。
まずいわけないでしょ!このハヤシライスは有名な洋食屋をやっている私の父直伝のネットでもおいしいと評判のハヤシライスなんです。
このハヤシライスをバカにするのは父とネットを敵に回してるのと同じことですからね。
極端だな。
だって…。
先生もう帰ったら?ホントに帰んの?帰るんじゃありません。
みんなで行くんです。
うんめぇなぁ!おいしい!でしょ〜!父の味です。
生きててよかった。
ほらこの笑顔ですよこれが大事なんです!大事MANブラザーズバンドか!うるさい!やっぱり言おうこの笑顔見てたら私言う!言っちゃう!
(陽一郎)聞いてあげてください。
えっ?こういう時の陽子の話は聞いてあげてください。
どういうことですか?この子は小さい頃から誰かの役に立ちたいと思ったらもうカッカカッカ燃えて来て暑い!って首元を伸ばしちゃうんですよ。
お代わり!は〜い。
いいですか灯衣ちゃんのことをちゃんと考えているなら頑張って温かい食事を用意する掃除もちゃんと。
だからアニキはこれで精いっぱいなの。
なんせ目しか…。
あなたもするんです!っていうかその目のことですけどどこまで信じてあげたらいいか迷ってます。
パパはウソつきじゃないけど。
あっいやそういう意味じゃなくて…。
私が言いたいのは難しいなら私が園に内緒で手伝いますってことです。
いいんですか?そんなこと頼んで。
私イヤだよ。
灯衣ちゃん…。
あんたの料理はもう勘弁ってことだ。
何でですか?これすっごいおいしいでしょ?だからあんたがさっき作ったやつはブ〜!父のレシピ通りですからそんなはずありません。
まぁまぁ…ただ先生のハヤシライスとこれは何か違うような気もしますけど。
えっ?う〜ん…。
何かが2つ足りてなかったように視えます。
いえいえ…牛肉タマネギニンジンニンニクローリエショウガマッシュルームグリーンピースケチャップにウスターソース中濃ソースローリエ…。
バター赤ワインクルミグリーンピース全部同じです。
ローリエとグリーンピース2回言ったよ。
うるさい!あの目に見える食材ではなくて先生のハヤシライスには視えなかったものが2つほどお父様のほうには視えるんです。
何か教えてもらっていない隠し味みたいなものがあるんじゃないでしょうか。
分かりました。
じゃあそれを当ててみてくださいそしたら私信じます。
でももし外れたら私はこれからも灯衣ちゃんのお世話をしに事務所にお邪魔しますから!えっ?お父さん。
私に教えてない隠し味ある?えっ!あるのね?あるんだ。
ちなみに僕に視えているものは食材そのものではありません。
食材の匂いです匂いが色になって視えています。
ほら来るよ〜。
その色の数が先生のハヤシライスとお父様のハヤシライスでは違うんです。
う〜ん…。
本気出していいかな?ここでかいやちょっ…ア〜ラン・ドロン。
あぁ…そこですね。
え?ちょっとすいません。
あっ!これはちょっと…!何が?何が?あ〜。
これが隠し味だと思います。
え?何?それ。
どうして分かったんですか?あぁ視えたんです。
ん〜…カカオの匂いが。
えっ?ハァ…そうです。
私のハヤシライスは隠し味に少量のチョコを使ってるんですよ。
チョコを使うことによってデミソースを作る時に風味が出るんですね。
そしてカカオの芳醇な香りと苦味がハヤシライスのコクをつくってるんですよ。
コクがねぇ。
どうして私に教えてくれなかったの?あっそれは…。
それは?まぁまぁ…正解が出たんだしな余興はおしまいだ大丈夫か?帰るぞ。
そうだこれ先生のおごりなごちそうさん。
すいません!何だよ?勝負はまだです日暮さんは先ほど足りない食材は2つあるって言ってました。
もう1つ当ててもらわないと私の勝ちです。
あんた子供か!約束ですから。
いいですけどでももう1つは食材じゃありませんよ。
いやでもさっき…。
何かが2つと言ったんです。
もう1つは…感情です。
感情?
(ドアベル)ゲッ!山川?先輩!何してるんですか?私はもちろんデートだけど…。
あんた達…あら!あららら!違いますよここの店私の父のお店なんです。
で偶然灯衣ちゃんのパパ達が…ねぇ?ねっ?
(智子)いいのよ偶然でも何でも恋の始まりには十分よ。
何言ってるんですか。
この人東大出のテレビマン。
『午後はHONNEDEぶっちゃけまSHOW』って番組の!そうそう!で同僚の山川と年長組の灯衣ちゃん。
(朝井)よろしくね。
さぁ奥どうぞ。
(朝井)あぁいいお店ですね。
今度僕の番組で取り上げてもいいですか?えっ!ぜひぜひ!でもうちで取り上げるとお客さん押し寄せて来ちゃいますけど大丈夫ですか?やだすごい…。
(智子)すごいのよこの人いろいろと。
すごいんです僕いろいろと。
(智子:朝井)ハハハハハ…!
(朝井)ハヤシライスください。
(智子)大盛りで。
何かすいません結局話も途中で。
いえ…あの気にせずに事務所のほうにもいらしてくれませんか?いいんですか?パパのこと信じられないんなら来ないで。
え?信じてない人がそばにいるとパパがかわいそう!ん?灯衣?すいません。
あっあの…ひとつ聞いてもいいですか?お父さん?私のハヤシライスにはもう1つ感情が感じられたっておっしゃってましたよね?もういいから…。
ええ。
よかったら教えてくれませんか?正直に答えてもいいんでしょうか?はい。
軽い嫉妬が視えました。
えっ?ありがとう。
これからも陽子をよろしく。
ごちそうさまでした失礼します。
どういうこと?陽子。
お前に隠し味を教えなかった理由だけどな。
あぁうん。
あの味は常々この店を継いでくれるヤツに教えたいと思ってたんだ。
まぁお前は保育士になったし教えるとしたら義理の息子しかいないかなと思っててね。
はぁ?がいざお前が未来の旦那候補を連れて来たらつい嫉妬しちまったんだよ。
あれだけの洞察力を持った男なら許可するしかないな。
お父さんの洞察力なさ過ぎ。
(陽一郎)陽子幸せになれよ。
違う…違うよ!おはようございます!じゃあよろしくお願いします。
は〜い。
おはようございます。
あぁ。
昨日はすいませんでした。
あぁいやこちらこそ。
灯衣ちゃんの絵ですか?はい。
あの…この模様は何ですか?パパが見てる景色…だそうですよ。
こんな感じなんですか?ん〜フフフ…う〜ん…。
この絵は?あぁこれは誠司くんの絵ですね。
あっ今ちょうどお母さんと。
(栄美)いい子にしててね。
(栄美)じゃお願いします。
(智子)は〜いじゃ行こう。
お母さん仕事掛け持ちしてて誠司くんのこともおひとりで育ててるみたいで。
あらおふたりさん昨日はどうも〜。
あれからどうしたの?どうもしないですよ。
私はね〜…。
聞きたくないです。
あの…何か?ギャっ!何すんの!日暮さん!
(園長)悲しみ…ですか?はい。
それがこの絵から?ええとても強い悲しみの模様が視えます。
この絵を描いた…。
須藤誠司くん。
誠司くん…誠司くんは家庭で何か重大な問題を抱えているのではないでしょうか。
日暮さん。
はい。
あっ日暮さんはですね感情とか匂いとかあと音?今園長先生がしゃべっている言葉も目に見えているそうなんです。
つまり…。
山川先生。
少し外してもらえますか。
あ…はいすいません。
(園長)主任先生。
閉めて。
あっはい。
さて日暮さん。
はい。
うちの保育園では子供達に集団生活の基礎を学んでもらっています。
同じ花を同じようにきれいだと思うことで協調性を学びます。
個性はその後で伸ばせばいいと思っています。
どうでしょうこの絵は優しいお母さんの絵だと私は思うのですが間違っていますか?みんなが思うきれい優しい美しいそんな価値観を灯衣ちゃんにも教えてあげたいと思っています。
(店長)空揚げ弁当いっちょう!おおきに!
(栄美)おおきに!
(店長)おいアジフライ弁当まだか?
(栄美)はいただ今。
(店長)早せんかい!弁当1個盛り付けるのにどんだけ時間かかっとんねん!ハリーアップハリーアップ…。
(栄美)はいアジフライ弁当上がり!はいはいはい…はいアジフライ弁当ね。
(店長)おおきに!
(栄美)おおきに!
(店長)おいお前キャベツの量多いねんキャベツのみの弁当になるやないかい!はい何しましょう?
(智子)「6ヶ月の謹慎をくらっている番組もクビこれからの僕たちの未来にも暗雲…」。
(智子)「朝井さんとはお付き合いしているつもりはありませんでした」。
(智子)ハァ…旦那候補は左遷か…。
ツイてないわぁ…。
誠司くん?誠司くん?
(戸が開く音)いない!ここもう1回探そう。
どこにもいない…。
どないしましょう?警察に…。
まさか…誘拐ってことですか?分かんないけど不審者情報も多かったし…。
どうしよう…。
あの!何?灯衣ちゃんが誠司くんが連れて行かれるとこ見たって。
誰に!?ハァ…。
ああっ…。
日暮さん!一体どういうつもりですか!シ〜!今昼寝中です。
ハサミ!?
(テーブルを叩く音)誠司くんに何をしたの!?勝手に連れ出したのは謝ります。
ただこれを見ていただきたくて。
あっ…!誠司がいなくなったって…。
大変申し訳ございませんでした私が目を離してる隙に…。
誠司はどこにいるんですか?います大丈夫です見つかりました。
よかった…。
誠司こっち来なさい。
誠司?誠司!誠司くんをお返しする前にひとつ質問させてください。
あ…あの百代灯衣ちゃんのお父さんとそれからえっとあの…チンピラの…。
あぁ!?あぁ…。
お返しって言われても誠司は私の子ですから。
ええそうですあなたの子です。
あなたおひとりで育てている。
それが何か?あんた今恋人は?シングルマザーだと分かるとすぐ恋人がいるのか気にする人がいますね。
育児と恋愛の両立は可能なのかと言いたいんですか?はっきり言ってセクハラです。
で恋人は?いないわよ。
そうですか。
ではこの傷はやはりあなたがつけたものですか?傷?誠司くんの頭からいくつもの痛みと悲しみの感情が視えました。
それでもしやと思って髪を切らせてもらいました。
ハァ…。
それについては謝りますすいません。
でもこうしないと誰にも信じてもらえなかったので。
家庭によってしつけの方針はいろいろだと思います。
お仕事は大変でしょう。
でも子供に苛立ちをぶつけるのはしつけではありません。
苛立ちかどうかあなたに分かるんですか?すいません。
視えるんです。
適当なこと言わないでください!信じてもらえるとは思ってません。
ほら誠司帰るよ。
まだお話終わってませんから。
ちょっと離してください!待て待てほら。
触るなチンピラ!あんたな…。
(栄美)勝手に子供の髪なんか切って許されると思ってるの!落ち着けよ…。
離して!僕が自分から切ってほしいってお願いしたの。
だから灯衣ちゃんのパパ達は悪くないから。
誠司…。
でもママは悪くないの。
僕のお行儀が悪いから僕がママを困らせるからそれがいけないだけでママは悪くないから。
ママ…。
ママ!ママママ…。
ママ!ごめん離して…。
ママ!やめて誠司!ママ!やめて!
(園長)須藤さん!
(誠司の泣き声)こういうことなんです。
こういうこととは?こうしてこの子は無条件で私を信頼してます。
仕事で疲れて帰った時もそれでつい怒鳴ってしまった時もママママって…。
どんなに強く叱ってもママ好きだよって…。
愛されてるじゃないですか。
でしたらそれを…。
だって!私…こんなに信頼されてもそれに応えてあげられるほど強くないんですよ。
この子の愛情に応えてあげられる余裕が今の生活ではないんです。
あなた達には分からないでしょうけど。
大変かもしれません。
でもこの日暮さんだって1人で灯衣ちゃんを育てているわけできっと皆さんそれぞれ苦労を…。
確かに僕には分からないのかもしれません。
えっ?灯衣とは血のつながった親子ではありません。
もちろん娘のように思ってますが…。
でも本当の子供が血のつながった本当の親を無条件で本能で信頼するということ。
そしてそれに本能として応えようとすること。
僕と灯衣の親子ごっこでは意味としては分かっていても本能としては分かっていないのかとも思います。
そんなことありません。
灯衣ちゃんと日暮さんは十分親子です。
いや視えるんです僕には。
感情と本能は違う。
だとしてもどっちのほうが優れているかどうかの話ではなく…。
だからこそ僕はあなたがうらやましい。
もっと胸を張って本能で誠司くんに愛されてください。

(泣き声)
(誠司)ママ泣かないでママ泣かないで。
(栄美の泣き声)誠司くんのママ髪の件はもういいと言っていました。
それと「ありがとうございます」とも。
私からもお礼を言います。
ありがとうございます日暮さんのおかげです。
いえ僕は何もしてませんただ視えただけです。
十分ですよ。
いえ視えたものをうまく伝えられなくて何だか大ごとにしてしまいました。
すいません。
えっ?おいアニキ!アニキ!何?日暮さん?おい!
(榎木:ギターの音マネ)おっ!起きたか?起きた…。
何だ?起きた?起きたか?今一瞬目を覚ましたんだがな。
寝て起きて寝て起きての繰り返しだな。
仕事量を考えろって言ったろ。
最近は控えてたよ仕事は。
ほぉ〜銭ゲバのお前にしては珍しいな。
何だその言い方…。
金のためなら見知らぬ子供も預かるチンピラってな。
その話はやめろ。
いいのか?灯衣と旅人はどんどん親子みたいになって行くがそもそもはお前の仕事の…。
だからさその話は…。
昨日言った通りだこのままでは旅人は…。
おっ!灯衣!おいおいどうしたお前1人で帰って来たのか?ううん先生が送ってくれた。
灯衣ちゃん走っちゃダメだよ。
あっどうも。
さっ手を洗おう。
重かった〜わっ葉っぱいっぱい。
灯衣元気ないな話聞かれてたんじゃないか?いやここんとこずっとあんな感じだよ。
(榎木)何かあるのか?アニキもずっとあんなんだしな。
さぁ冷めないうちにどうぞ。
いただきます。
(榎木)いただきます。
あっ灯衣ちゃん髪食べちゃってるよ。
ちょっと待って。
かわいいでしょ?
(榎木)ハハハ…。
えっ?ダメですか?いろいろ考えたんです。
本当は園児のお家にお邪魔することも誰か1人を特別扱いすることもおかしいですし。
でもやっぱりこうしてこれからも食事をしに来たり遊んだり灯衣ちゃんにしてあげたいんです。
ん〜〜…。
(榎木)ん〜〜…。
いい申し入れじゃないか雪路。
分かったアニキに聞いてみろよ。
えっでも…。
あの日暮さんお休みのところすいません。
ダメだよアニキは呼び掛けても聞こえねえんだから。
じゃあどうやって…。
あんた結局アニキのこと何にも分かってねえな。
(榎木)もういいだろう雪路。
失礼しました。
お分かりのように旅人は一度寝たら外部から起こすことは不可能です。
自発的に起きるのを待つしかありません。
唯一の感覚である「目」を閉じることは旅人にとってきっとすごい恐怖だと思います。
でもそんな旅人に我々は何もしてあげることはできません。
そして今その視力も失われつつあることが分かりました。
えっどうして?あんたのせいだよ。
そう決め付けるのはまだ…。
もともとアニキの能力を生かすためにつくった探偵事務所だけどな今はアニキの目のことを考えて仕事も最小限にして来たわけだ。
けどなぜか他人のあんたのためにアニキは本気の目を何度も使った。
それは…。
それはあんたが無理に使わせたわけじゃねえ。
でもアニキはあんたを気にしてる。
(榎木)ほれたのか…。
えっ?いや違うと思う。
ただあんたのことをう〜マン棒だと思ってる可能性はある。
う〜マン棒?アニキがこのお菓子を好きなのは味を覚えてるからだ。
アニキは生まれながらにこの状態だったわけじゃねえ。
味覚を失う前に食べたものは記憶を頼りに味わうことができるらしい。
それと私とはどういう…。
アニキは…あんたの何かが懐かしいのかもしれねえ。
とにかくあんたがそばにいるとアニキは目を使っちまう。
悪いが少し距離を置いてくんねえか。
おやすみなさい。
あっじゃ今日はパパの代わりに俺が絵本読んでやろっか。
大丈夫1人で寝れる。
酒臭いし。
あ…。
雪路私もなるべくパパに迷惑掛けないようにするから。
どうした急に…ん?灯衣。
う〜ん…。
う〜んない。

(ドアが閉まる音)
(灯衣)牛乳ください。
カムサハムニダ。
ありがと。

(男)ちょっとお譲ちゃん。
♪〜♪〜あんた結局アニキのこと何にも分かってねえな
(着信音)はい。
今誰かと一緒か?今は…。
灯衣と一緒じゃねえんだな?灯衣ちゃん?え…何かあったんですか?起きたらもういなかった。
1人で牛乳買いに行って来るって書き置きがあったけど遅過ぎる。
まさか事故とか…。
いやそれはもうチェックしたこの辺りで特に事故は起きてない。
だとすると…。
日暮さんには?いや…今のアニキに頼めるわけないだろ。
私達で探しましょう。
おやっさん頼みたいことが…。
灯衣ちゃん?灯衣ちゃん…。
灯衣ちゃん?何ですか?これ灯衣ちゃんの…!昨日灯衣ちゃんに…。
灯衣!灯衣ちゃん!灯衣!
(着信音)灯衣ちゃん!ちょうど今着いた。
灯衣はどうだ?いやこっちもいない。
分かってるよ旅人が起きて来たら適当にごまかしとくから。
バカ!ウソと女の扱いだけはうまいんだよ!任しとけじゃあな。
あっ!旅人!旅人じゃないか!そっか起きたか。
あ〜よかった〜。
先生どれぐらい寝てました?んっ?あっえ〜っと…。
灯衣は?迷惑掛けませんでしたか?灯衣?あぁ灯衣な。
灯衣は大丈夫だ。
全然大丈夫なんじゃん?榎木先生何か隠してます?全く…。
♪〜野球するなら♪〜こういう具合にしやしゃんせ♪〜投げたらこう打って♪〜ランナーになったらエッサッサ灯衣はどこですか?灯衣な。
あ〜灯衣…灯衣は…。
あっそう灯衣は今確か1人で花やしきに…。
(咳込み)あっしいたけ茶でも飲むか。
え〜っと…。
どこ…どこ行く?ちょっとそこまで灯衣の居場所が視えたんで。
先生灯衣の居場所が分かるとそんなに安心しますか?俺を試すなよ。
本当は灯衣の居場所を知らないんですね?あの子は迷子になるような子じゃありません。
何があったんですか?雪路がいないのは探しに行ったからですか?お前にウソはつけないな。
そうして内側の感情を読み取れるのもお前の素晴らしい能力だ。
だがな旅人。
内側の感情だけが真実じゃないぞ。
お前は今のままでは失明する。
それが心配で俺は灯衣は大丈夫とウソをついたんだ。
ウソのほうにだって大事な感情がこもっとる。
それをちゃんと読み取ってくれ。
すいません。
灯衣を探します。
おい!旅人!アニキ!気を付けろよ!すいません。
アニキ大丈夫か?日暮さん休んでてください。
そうだこれ以上は俺達がやる。
聞いてんだろ?失明するぞ!恐怖が視える。
灯衣のもんか?分からない…でも急ごう。
待てってアニキ!その目が見えなくなったらてめぇの声も聞こえねえ真っ暗な箱の中で一生暮らすのと同じことになるんだぞ!それでも構わない!俺が構うんだよ!仲間をそんなとこに置き去りにはできねえ!なぁ雪路僕がこの目で視る一番好きな光景は何だと思う?灯衣の笑顔だよ。
それをもう一度視るためならこの目を失っても構わない。
矛盾してるだろ見るために目を失うなんて。
そもそも灯衣の笑顔が視れないなら他に何が視えようが意味がないんだよ。
他に視たいものなんかない。
分かったよ。
案内してくれ。
ありがとう。
おいアニキ大丈夫か?近くにいると思う。
えっ?もしかしてこのマンションのどこかに…。
アニキ頑張らせていいかどうか分かんねえけど…。
大丈夫ただ…。
ただ?どれが灯衣の恐怖なのかちょっと分からなくなった。
とにかくアニキが分かんないんじゃもうお手上げだよ。
それは?えっ?ポケットの中の…。
あっこれは…。
それ灯衣の?いえこれは私ので昨日灯衣ちゃんにあげたうちの1つで…。
アニキ?アニキどうしたんだよ?先生これをどんな感情で灯衣につけてあげたか覚えてますか?えっと…。
愛ですよ。
あなたは灯衣に愛情を持ってヘアピンをつけた。
このヘアピンには愛情の模様が視えます。
そして同じ模様が…あの部屋からかすかに視える。
どうしましょう…。
あっ!すごい!どうやったの?よい子はマネすんなよ。

(鍵が開く音)えっ!どうやったの?マネすんなよ。
何使ったの?アニキ。
灯衣ちゃん?灯衣ちゃん?おい!おい!灯衣ちゃん?灯衣ちゃん…。
♪〜日暮さん。
これ…。
やっぱり。
日暮さん?あの…。
何で先輩の写真がこんなに…。
(着信音)先輩。
先輩?テレビ!えっ?テレビつけて!早く!はい。
(朝井)爆弾だからなでこれがスイッチだよ。
押しちゃうぞ!押しちゃうからな!ハハハ!おいおいおい!このスタジオなんてすぐぶっ飛ばせんだからなこの爆弾は。
どうなってんだよ…。
じゃあフラれた腹いせですか?それだけじゃないみたいだけど…。
ああっ!いいねドキュメンタリーだね。
でも何で灯衣ちゃんが…。
分からないの!でもとにかく詳しくは放送中に説明するって言って切れちゃったのよ!タクシー!タクシー!とにかくすぐ向かいます。
(男)あんたら味噌おでん食わん?
(子供達)ヤバいヤバいうわ〜!
(警官)ちょっとすいません。
(警官)確かに似てますよね。
(男)ちょっと待て俺じゃないって!似とらん似とらん似とらん…。
日比谷の全日本テレビまで。
いいか1人でも逃げ出せばすぐにこのスイッチを押すからな。
あ…朝井…朝井君マズいよそれは…。
(朝井)いいんだよ!おいこれちゃんと流してんだろうな?じゃないと…。
分かってる!分かってるからさ。
(尾本)何でこうなるの!次CXあるんだけど…。
(朝井)うるせぇよ尾本!
(編成)おい警察も来るぞ。
(太田)っていうかどうするんですか?これ放送。
(編成)そりゃお前すぐに中断…。
中断するんですか?えっいやでもマズいだろ…。
放送しないと爆破するって言ってますもんね。
そう…だよな?そうだよ。
人命のためだよ数字のためじゃない。
よし放送しろ。
はい。
おい堤落ち着け!
(街頭ビジョン:朝井)バ〜カ!お前のコメントで子供が救われるならな世の中誰も困ってないよ視聴者はもっと実用的なコメントを期待してんだよ!
(生島)思い出した君あの東大なのに飛ばされたコだよね?何だよ生島君じゃねえよ朝井だよ。
朝井君今ね君自律神経のバランスが崩れてるから深呼吸して深呼吸…。
どうせスタッフの名前もろくに覚えてねえんだろうな大物司会者様はよ!
(尾本)とにかく子供を巻き込むのだけは…。
子供だけじゃないよこれが爆発すればあんたら全員吹っ飛ぶよ。
おい2カメ寄れ。
すごいことが起きますからね。
チャンネルはそのまま!ムリムリもう付き合ってらんない。
(菊地)いやいやどこに…。
アハハハ!子供を置いて1人だけで逃げるなんて教育学者が聞いてあきれんな。
いいか!この中の誰かが逃げようもんならその瞬間にドカ〜ン!
(まやま)イヤ〜!まやま君落ち着いて。
はい注目してくださいあちらの尾本さんと菊地弁護士実はあの2人はこの番組がきっかけで不倫関係にあるんですよ!
(菊地)バカなことを言うな!訴えてやる!そうよ!隠してもムダですよ。
ここにいるスタッフ大体知ってますから。
えっいや…断じて私達はそんな関係じゃない。
第一私はまやまアナのような若くてきれいなのがタイプだ。
ちょっとそれどういうこと?いや…。
どういうことですか?いや熟女も好きなんです。
信じらんない!おいおいおい!何勝手に痴話ゲンカしてんだよ?勝手なことすると…。
(まやま)イヤ〜!
(灯衣)ちょっと!大人でしょ?落ち着いてくれません?私死にたくないし。
その通り間違いない皆さん落ち着きましょう。
(朝井の声)ハハハ!おいおい押しちゃうからな絶対押すぞ俺は!おいこれ爆弾だからな。
朝井。
おっとボスのお出ましだ。
おはようございます。
話は聞いてやる放送もしてる。
だからその子を放せ。
話はちゃんと聞いてもらうよ。
あんたじゃなくて全国の視聴者の皆さんにな。
あんたが何をしたかをさ。
えっ?俺が?何の話?まやまこれを読め。
(まやま)はい?分かりやすいようにフリップにして来たんだよはい3カメ寄って!それいつ発注したんだよ?ふざけてんのかお前。
どんなに難しいことでも簡潔に伝える。
あんたの教えを忠実に守ってるだけだよ俺は。
おい読めよ!はい!取材ディレクター朝井権の生放送ジャックその訳は…。
お前も盛り上げろよ生島いつも通りに!ちゃんとやってくれる?はい。
皆さん生島ヒロシです。
それでは今週のスポットライトその1!当番組チーフディレクター太田宏幸の命令で領収書の不正な精算を行わされた…えっ?
(まやま)不正総額31万7000円。
ゲッ!はい続けて。
(生島)その2不正がバレなぜか私が責任を取らされて現場からはずされた。
(まやま)ガーデンセンターバッティングセンター担当に飛ばされた。
ゲゲっ!
(生島)その3その結果バカな保育士小野智子が私を振った…え〜っ。
(警官)突撃だ!
(警官)野郎どもよ〜く聞け!警視庁の名に懸けて犯人の好きにさせてはならない!断固として人質を…!違う違う…女の子の家族だから!俺もぶっちゃけ太田チーフのことは嫌いだ。
いやぶっちゃけここにいるスタッフみんなが嫌ってるよ。
何だよ?だからってさぶっちゃけこんなことしてもしょうがないだろ!何でこんな些細なことで…。
些細だと?俺はな将来をめちゃくちゃにされたんだぞ。
悪いけど三流大学出のあんたらとは失った将来の大きさがまるで違うんだよ!変わらないわよ朝井君。
出身大学で将来が保証されるわけじゃないんだし努力すればもっとチョベリグな道を切り開くことができるんだから。
うるせぇよ何がチョベリグだよ!保証されるっていうから必死で受験勉強して来たわけだから!あんたらもさ俺がどこに異動になろうと関係ないって思ってんだろ?何でこんなこと巻き込まれてんのかなって。
けどな俺が不正に通した領収書はあんたらの接待費なんだよ知らなかったろ?全部個室の高級レストラン西麻布!どんだけ個室好きなの?一般人そんな嫌いか?特にバブル世代の方!接待の範囲超え過ぎです領収書落ちません!っていうかテレビがジャブジャブお金使える時代終わりました。
おい2カメここメッセージです寄って寄って寄って寄って!あんたら上の人のお楽しみのツケを払わされてる人間がいるんだよ!自分達が無自覚でやってることがどれだけ他人に迷惑を掛けてるか思い知れ!!その子には関係がないじゃないか!ぶっちゃけちゃんと話し合おう。
だから!迷惑は連鎖するんだよ!自分達のしたことがいかに無関係の人間にまで被害を及ぼすのか身に染みて分かったろ!
(警官)はい朝井君落ち着きなさい!その子を放しなさい!こちらの君の先輩に当たる社長様も君のことは考えるとおっしゃっています!即刻投降しなさい!!はい!はい!それ以上来るとスイッチ入れますよ。
国家権力の方お下がりください。
いや〜すごい放送になりましたね。
これは視聴率夢の100%かもしれません。
私頭がいいものですからIQ200超えですからこの局史上最高の視聴率を史上最悪な汚点で成し遂げる…。
あ〜こりゃ痛快だ。
ねぇ東大。
朝井だよ。
朝井。
呼び捨てかよ。
私子供だからよく分からないんだけどさおじさんのしてることって…。
お兄さん。
八つ裂きって言葉で合ってるんだっけ?このガキが…。
それを言うなら八つ当たりな。
八つ裂きじゃなくて八つ当たりって自分で言っちゃったよ。
お前なんかぶっちゃけ八つ裂きだ!何!?通せっつうんだよ!おら!人質の関係者だ!パパ!家族だよ!灯衣!灯衣!灯衣ちゃん!あら〜これはこれはイケメンのお父様の登場だ。
ダメだよ来ちゃ危ないよ爆弾あるよ。
朝井君十分だろ!もうやめなさい!あら〜まだ分かってないねお仕置きが足りませんか…。
はいはいはい…じゃこうしよう。
誰かこの子の身代わりになってやれ。
俺と一緒に爆発したいヤツいるか?お前らはいいんだよ。
俺はこいつらの化けの皮をはがしたいんだよ。
偉そうなこと言ってても誰も身代わりになれないんだろ?全国の皆さんに見てもらえ薄情なお前らの姿をよ!おい誰もいないのか?おいどうした?なぜ答えない?誰もいないのか?お前どうなんだよ?お前だよ!怖いのか?誰もいないのか?あぁ?誰もいないのかって言ってんだよ!いいよ身代わりいらない灯衣が死ぬよ。
灯衣ちゃん…。
みんなきっと家族がいるんでしょ?死んだら家族が悲しむよ。
灯衣はほら家族いないから。
灯衣が死ぬのが一番いいよ。
何言ってんだよ!俺もアニキも…。
雪路もパパも本当の家族じゃないもん。
パパだってそう言ってたじゃん誠司くんのママに…。
灯衣とは血のつながった親子ではありません聞いてたの?て…灯衣…そんなこと…。
誤解しないでパパが嫌いなわけじゃないから。
そういうわけで身代わりいらないです。
お…おっ?灯衣…灯衣聞いてくれ。
何を言われてもパパが本当のパパじゃないことは変わりないから。
私迷惑掛けたくないんだよ。
なぁ灯衣。
今までありがとう。
スイッチ押して。
灯衣!パパはパパが視えてるものが本当のことなのかどうかいつも自信がないんだよ。
声や匂いが目で視える…そんなことパパだって今でもウソじゃないかって思ってる。
でもでもね信じてくれる…信じてくれる人がいるから…。
信じてくれる灯衣や雪路や先生がいるから本当なんだって思えてる。
だからさ灯衣…。
信じ合おう。
パパと灯衣は…親子。
2人で親子だって信じ合おう。
本当より…本当の親子になろう。
うお〜!何じゃこの深イイ話は!聞き入っちまったじゃねえかよ!あ〜あ!気が変わったもう爆破するわ。
待て待て待て…!俺が見せたいのはこういうことじゃない!10!早えぇよ!9!待てって!8!止まれ〜!逃げたら今すぐ押すからな。
誰も逃げなければあと7秒はみんな生きられるヘヘヘ…。
7!ハハハ…。
6!ハハハハ…。
アハハハ…ハハハハ…。
(生島)お巡りさん!お巡りさん!撃って!撃って!撃ってちょうだい!
(朝井)おっ!お前はすごいこと言うな。
いやいや撃ってもいいけど流れ弾で爆発だけはさせんなよハハハ…。
5!どうするアニキ!4!すいません!すいません皆さん!一瞬でいいですから僕が言うものを想像してみてください!日暮さん?宍戸錠という名前の猫がいます。
さてどんな猫でしょうか?何言ってんの?はいありがとうございます。
あっ?えっ?マックス訳分かんねえ!3!雪路突っ込め!いいから突っ込め!アチョ〜!
(朝井)1!イテテテ…ああっ…。
ゼロ!
(一同)うわあっ!爆発しない…どういうこと?あんた…あんた何で分かったんだよ?あぁ…目いいんですよ僕。
は?なのであなたに殺意がないのが視えました。
代わりにたくさんの後悔と自分のことを情けないと嘆いているのも視えました。
そうです。
これとこれは偽物でした!アハハハ…。
まぁお前らの醜さを放送するためであり俺の目的は達成…。
確保〜!
(尾本)早く捕まえて!
(朝井)痛い!ギャ〜ハハハ!ギャラクシーもらった!
(生島)おっ!まやま再開だ再開。
生島ヒロシです今生放送です。
実はですねこのスタジオを占拠しておりました犯人これが実はこの番組の…。
灯衣!灯衣!灯衣!灯衣ちゃん大丈夫ですよ。
何だったんだ?宍戸錠って。
彼に…殺意があるかどうか視たかったんだ。
でもみんなの殺意が邪魔してなかなか確認できなかった。
それで一瞬宍戸錠で気をそらして…。
彼には全く殺意がなかったよ。
ハァハァ…。
パパ。
そうだよ灯衣。
灯衣のパパだよ。

(朝井)離せよ!生島菊地尾本絶対お前らも許さねえからな!
(朝井)俺には双子の兄弟がいるんだぞ!見てください。
みんなホッとしていい笑顔ですよ。
女の子にくくりつけられていた爆弾ですが今現在爆弾処理班が…。
もしかして見えてないんですか?すいません僕には「ざまあみろ」という感情ばかり視えてしまってみんなの笑顔がよく視えません。
え?パパ。
灯衣はパパを信じるよ。
日暮さん?
(灯衣)パパ!アニキ!日暮さん?
(灯衣)パパ!アニキ!日暮さん?
(灯衣)パパ起きて!アニキ!日暮さん!
(灯衣)パパ!日暮さん!アニキ!うわ〜こんな所にいたんですね。
今どきこんなうさんくせぇ診療所でも喫煙所は端に追いやられてるわ。
タバコやめたらいいんじゃないですか?アニキ見て来た?はいまだ眠ったままですけど気のせいか顔色は良くなったような気がします。
俺も良くなったと思うよ。
そうですかね?そうですよね?妙に確認するね。
最近自信がないんです。
自分が感じたことが正しいのかとっても自信がないんです。
俺もだよ。
ショックだったからな。
ですよね。
みんなホッとしたいい笑顔だと思ったのに日暮さんだけは…。
私と同じ光景を見ているようでまるで違う世界にいるんだなぁって。
でもまぁ暗い顔するのはやめようか。
え?俺もさあれからあらためてアニキがいっつも俺の感情を見てたんだなって思ったんだよ。
だったらよなるべく明るい感情を見せてやりてぇよ。
自分の周りに汚ねぇ感情がウヨウヨウヨウヨしてたらアニキもうんざりしちまうだろ。
でも…日暮さんはちゃんと見てたんだと思いますよ。
灯衣ちゃんや雪路さんが本当の意味でどういう人間かってことを。
そして一緒にいることを選んだんです。
うらやましいです。
うらやましい?だって2人とも口は汚いですけどきっときれいな模様をしてるんですよ。
特に雪路さんは仕事も口も格好も髪も顔も全部汚いですし。
あっ俺それ思った…おい!あ〜あ!私ももっときれいな模様の人間になりたいです。
おおお…見えてるよブラが水色ブルー…。
見ないでくださいこの変態スケベ野郎!お前が勝手になぁビロ〜ン…。
(看護師)あの!日暮里さんが…。
日暮!日暮!
私の目には今幸せそうな2人が映っている
誰が見ても日暮さんと灯衣ちゃんは幸せに見えるのだろうか?
もしそうだとしたら私はとてもうれしい
もう本当に世界中の誰がどんなふうに見ても幸せな光景というものを今私は見たいのだ
本当ですか?はい。
旅人は生まれながらああいう人間だったわけではありません。
5歳の時からです。
以前雪路さんからも聞きました。
病気か何か?いえ…とある事件に巻き込まれましてね大人でも耐えられないような環境でしばらくの間監禁されていたそうです。
えっ?彼の耳も鼻も皮膚も実は正常に機能しています。
しかし幼い時のその過酷な環境に耐えるために深層心理でそれらを感じることを拒否しているんだと思います。
そうでもしないととても正気を保って行けなかったんでしょう。
しかし前向きに考えれば体は正常なんですから気持ちさえ変えることができれば彼の感覚は元に戻るんです。
はい。
私はそれはあなた次第だと思っています。
は?長年旅人を見て来ましたがあなたには特別の感情を抱いています。
あいつと仲良くしてやってください。
それであいつの中で何かが変わると私は信じています。
(看護師)・イヤ〜ン!・泣き声どうしたの?陽子ちゃん先生あのね私ねキーホルダー取っちゃったのそっか…正直に話してくれてありがとうじゃあ先生と一緒に返しに行こうか誰のなのかな?あのねたぁくんのたぁくんって誰だっけ?え…たぁくんだよあ…あぁそのたぁくんかそっかえっとねたぁくんは…確か引っ越しちゃったのえっ?昨日急にえったぁくん…?たぁくん…。
旅人…。
たぁくん…。
まさかね。
外食でいいだろうが〜。
(灯衣)ダメパパの退院祝いなんだからパパの好きなものだけ食べるの。
でもなぁ夕食にう〜マン棒はなぁ〜。

私は今あらためて頭をかすめた思いについて自分はどこまで本気なんだろうと考えている

灯衣ちゃん達ともっと一緒にいたい
もっとかかわって行きたい
できれば家族のような存在になりたい
こんなに食べられないだろ。
(灯衣)う〜マン棒!う〜マン棒!
とにかく信じることから始めてみよう
時間はかかるだろうけどこの思いはいつか届くと…
2015/11/20(金) 21:00〜22:54
読売テレビ1
金曜ロードSHOW!特別ドラマ企画「視覚探偵 日暮旅人」[解][字][デ]

松坂桃李、多部未華子、濱田岳、北大路欣也ら個性派キャスト陣×映像の魔術師・堤幸彦監督!感情が目で視える探し物探偵・日暮旅人が事件を解決するヒューマンミステリー!

詳細情報
番組内容
松坂桃李、多部未華子、濱田岳、北大路欣也ら個性派キャスト陣と映像の魔術師・堤幸彦監督がタッグを組むヒューマンミステリー!五感のうち聴覚・嗅覚・味覚・触覚の四つを失った日暮旅人(松坂桃李)は、唯一残された、感情を視ることができる視覚を駆使し、相棒の雪路(濱田岳)と探し物探偵を営む。娘の灯衣(住田萌乃)が通う保育園の保育士・陽子(多部未華子)と運命的な出会いを果たす旅人だが、ある日、灯衣が誘拐され…。
出演者
松坂桃李
多部未華子
濱田岳
木南晴夏
住田萌乃
臼田あさ美
落合モトキ
橋本マナミ
木下ほうか
久世星佳
菊地幸夫
生島ヒロシ
中野英雄
山崎一
木野花
北大路欣也ほか
原作・脚本
【原作】
『探偵・日暮旅人の探し物』山口幸三郎(メディアワークス文庫 刊)
【脚本】
福原充則
音楽
ESME
ハタヤテツヤ
suble
【テーマ曲】
『夢の中へ』井上陽水(ユニバーサル ミュージック)
監督・演出
堤幸彦
制作
【チーフプロデューサー】
神蔵克
【プロデューサー】
荻野哲弘
神康幸
小林美穂
【製作著作】
日本テレビ
【制作協力】
オフィスクレッシェンド

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – その他
映画 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
主音声ステレオ
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
副音声ステレオ
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32725(0x7FD5)
TransportStreamID:32725(0x7FD5)
ServiceID:2088(0x0828)
EventID:7147(0x1BEB)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: