小堀龍之
2015年11月22日12時11分
長崎市で見つかった恐竜の大きな歯の化石は、北米にいた史上最大級の肉食恐竜「ティラノサウルス」そっくりの特徴を持っていた。映画「ジュラシック・ワールド」のように、日本にも白亜紀後期には様々な恐竜たちがのし歩く世界が広がっていたかもしれない。
黒光りする歯の化石は、長崎市教育委員会と福井県立恐竜博物館の共同調査で、「三ツ瀬(せ)層」と呼ばれる地層から発掘された。国内初の「ティラノサウルス科」の大型肉食恐竜のものだとして7月に発表された。
数十センチ離れた石の中から見つかった2本のうち1本はほぼ完全な形をとどめる。先端から歯根部までの長さ8・2センチ。前後の幅3・8センチ、厚み2・7センチ。バナナのように太いのが特徴だ。もう1本は先端などに欠損があるが長さ7・8センチ、幅3・7センチ。完全だったらもう1本より大きい可能性もあるという。
福井県立大学恐竜学研究所の東洋一(あずまよういち)特任教授は「この太さこそティラノサウルス科の特徴。太い歯は獲物の傷口を広げ、体液を噴き出させて弱らせるためだったと考えられる」と話す。
東さんは、カナダの研究者との共同研究で、肉食恐竜の歯のサイズを比べるグラフをつくっている。縦軸に厚さ、横軸に前後の幅をとると、アフリカにいた「カルカロドントサウルス」など、ほかの大型肉食恐竜の歯はナイフのように薄いが、ティラノサウルスの歯は分厚い。
熊本県で1979年、国内で初めて見つかった肉食恐竜「ミフネリュウ」の歯の化石も、長さは約7・2センチとかなり大きいが、厚みは1・2センチだ。また、国内5カ所で「ティラノサウルス類」とされる肉食恐竜の化石が発見されているが、いずれも比較的小さい種という。
今回長崎市で見つかった歯は、ティラノサウルス科の恐竜の中でも、体長10メートル級の本家本元「ティラノサウルス・レックス」に匹敵するサイズだ。
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