問題に火が付いたのは、先月14日の記者懇談会で大鐘賞主催者サイドが「国民と共にある映画祭で代理受賞は望ましくない。出席しない俳優には賞を与えない」と発表したことだった。受賞者A氏が授賞式に来られない場合、次点のB氏に賞を与える、という警告だった。賞を受ける側の名誉ではなく、賞を与える側のメンツを重視したという点で、見る者の目には一種の「上から目線」と映った。「大鐘賞が『出席賞』に転落した」と皮肉られたこともあった。
大鐘賞側も、女優キム・ヘジャに対し、当初は「奉仕賞(ナヌム和合賞)の代理受賞はダメ」と言っていたところ、立場を翻して代理受賞も可と言い出したが、最終的に受賞そのものを取り消した。
「老害の品格」。ユ・アインは20日午後5時、ツイッターに突然このような書き込みを行った。大鐘賞映画祭を念頭に置いたものと推定されている。大鐘賞を受賞したことがある女優の1人は「俳優は誰でも、出席とは関係なしに堂々と賞をもらいたい」と語った。授賞式ボイコットは、映画人をばかにしていることへの抗議、というわけだ。
公報部(現在の文化体育部。省に相当)主管で1962年に始まり、92年からは映画人協会が主催するようになった大鐘賞は、映画関係者が運営する唯一の映画賞だ。青竜賞、映評賞と並び韓国を代表する映画賞だが、公正さの面で長年論争が絶えなかった。大鐘賞を受賞した映画会社に外貨収入の一部割り当てを行っていた1990年代中盤までは、ロビー活動で賞を取るケースが頻発した。96年には、封切り前のい映画『エニケーン』が作品賞・監督賞・女優主演賞まで受賞するなど、信頼は大きく損なわれていた。