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 年末恒例の「ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート50語に、今年は政治関連の言葉が半数近くも選ばれた。読者アンケートを参考に、「現代用語の基礎知識」編集部が選んだものだが、安全保障法制をめぐる与野党の大論戦もあり、1年を通して政界が注目を集めたようだ。

 ノミネートされた言葉には、9月19日に成立した安保法制にちなむ言葉が多い。「存立危機事態」「国民の理解が深まっていない」「早く質問しろよ」……。与野党の激しい論戦を反映した格好だ。

 その中の一つ「自民党、感じ悪いよね」は、石破茂地方創生相が審議が衆院で大詰めを迎えた7月に発言した。憲法学者が安保法制を「違憲」と指摘し、世論の反発も強い中、「政権から下野したときを思えば、自民党は決して傲慢(ごうまん)になってはいけない」と自戒を込めて発した一言だった。

 これがネットやツイッターで拡散。政権批判の材料となって、国会前に集まった反対デモでプラカードに使われた。

 「レッテル貼り」と「戦争法案」は社民党の福島瑞穂氏と安倍晋三首相の国会論戦などから選ばれた。今春、参院予算委員会で安保法案を「戦争法案」とした福島氏に、首相は「レッテルを貼って、議論を矮小(わいしょう)化していくことは断じて甘受できない」と反論したことが発端だ。福島氏はノミネートについて、「『戦争法案』という言葉がメジャーになったことはよかった」と歓迎する。