酸化のメカニズム

活性酸素は老化を加速させる

私たちの体を細菌などの異物から守ってくれる免疫細胞。その活躍を支えているのは活性酸素です。
酸素には鉄をサビつかせ、ぼろぼろにしてしまうほどの酸化作用がありますが、活性酸素はその作用がより強力になり、毒性を強めたものです。消毒に使われるオキシフル(過酸化水素水)も活性酸素の一種、といえば、その威力がわかるでしょう。
私たちの健康維持に役立っている活性酸素が、実は老化を加速する原因でもあることが明らかにされています。

息をしている限り体はサビる

私たちは生きているかぎり、酸素をとりこみ続けています。
酸素は、肺から血液中に入り、全身の細胞に運ばれ、ミトコンドリアという小さな器官でエネルギー代謝に利用されますが、その代謝の過程で酸素の一部が活性酸素に変化します。
体にとりこんでいる酸素は1日700〜800リットルといわれますが、その1〜2%が毒性の強い活性酸素に化けるのです。

酸化ダメージは加齢とともに増大

活性酸素は、細胞内のミトコンドリアや核のDNA、さらに細胞膜を酸化させ、傷つけます。使い古しの酸化した食用油は異臭がしますが、細胞膜もデリケートな油でできており、活性酸素の攻撃にひとたびさらされると、酸化の連鎖反応が起こり、細胞膜の機能を果たせなくなり、細胞は死んでしまいます。
活性酸素の発生源となるミトコンドリアをはじめ、細胞の内外には、SOD(スーパーオキサイドジスムターゼ)という酵素が存在し、活性酸素を速やかに分解し、無毒化していますが、SODの活性は加齢に伴って低下するといわれています。
こうして活性酸素の攻撃とSODによる防御のバランスが崩れると、細胞が酸化によるダメージを受け、老化が少しずつ進行すると考えられています。

抗酸化×抗糖化で老化に歯止めを

酸化ストレスと抗酸化力のシーソーバランス

ストレス、たばこ、紫外線などは、体内の活性酸素発生量を増大させますので、老化を一段と加速させます。
老化にブレーキをかけるには、生活習慣を見直すとともに、SODの活性を高めるエクササイズや抗酸化食品をとり入れることが必要になります。
また、SODが糖化されると活性が低下することが知られていますので、抗酸化と抗糖化のプログラムを同時に行うことで、老化のスピードをゆるめる相乗効果が期待されます。