第2期事業では商業コンセプトとして「みんなテラス」というテーマを掲げている。第1期事業により完成した二子玉川ライズ・ショッピングセンターは約1万坪、二子玉川ライズ・オフィスは約6千坪で、第2期事業では商業施設が3千坪、オフィスが約2万坪建設される。商業施設「二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット」には核テナントとして、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)の出店が決定。「代官山T−SITE・代官山蔦谷書店」で得たノウハウをベースに、二子玉川らしいライフスタイルを提案する。また、10スクリーン約1,700席の世田谷区初のシネマコンプレックス「109シネマズ二子玉川」や、エリア最大級のマシンジムと25mの本格的プールを完備した総合型フィットネスクラブ「アトリオドゥーエ二子玉川」、放送スタジオ・多目的ホール「iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ」といった時間消費型施設が出店する計画だ。また、高層棟にはオフィスの他に、地元の人々の要望を取り入れたホテル「二子玉川エクセルホテル東急」も誘致。ホテルは、ビジネス客の宿泊はもちろん、多摩川を眼下に眺めるバンケットなど、二子玉川の新たな名所となることが期待される。
「低層部の屋上に整備される緑あふれる憩いの場や、従来の街にはなかった新しい施設を追加することで、住む人や働く人、訪れる人、みんなが、そこで時間を過ごし、楽しんでいただけるエリアにしていきたいと考えています。」(太田)
さらには、「屋上緑化を施しているビルは増えていますが、これほど大規模な屋上緑化は前例がほとんどないと思います。これも効率ではなく、周辺の自然環境と調和した街づくりのために工夫している部分です」と、江口もことばに力を込める。

街の魅力は、利便性や機能性だけではない。何もせずにブラブラと歩いたり、天気の良い日にのんびりとベンチに座って過ごしたりする回遊性があってこそ血の通った街となる。
江口が今、頭を悩ませているのは、駅前から街区全体を貫き、二子玉川公園を経由して多摩川の河川敷まで歩いていくことができる「リボンストリート」の演出だ。II-a街区の部分は、幅17~18m、長さ100mに及び、車道とは分離された歩行者専用道路で、散歩を楽しみながらショッピングができるオープンタイプの商業ゾーンにもなっている。
「リボンストリートの演出は、施設の魅力を決める上で大切な部分です。植栽や休憩できるベンチ、イベントができる広場など、施設の価値を高めるためにはどのような仕掛けを施すか、すでにできている計画への細部上積みを検討しています」(江口)
また、にぎわいの中心となる施設として計画されているのが、II-a街区中央の広場に面してできる、放送・収録機能を備えた放送スタジオ・多目的ホール「iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ」だ。高橋は、このスタジオの企画開発を担当している。
「スタジオの計画は当初からありましたが、具体的に何をするかはまったく白紙の状態でした。制約が多い中、2年近くをかけて、いろいろな意見を集め、現在も手探りで計画を進めています」(高橋)と、苦労を語る。
第2期事業で計画される施設はどれをとっても、「二子玉川ライズ」のコアとなる要素だ。2015年春の竣工・開業を目指して、施設の詳細や運営計画などを詰める作業も佳境に入り、ライズ全体に息を吹き込む最終段階に差し掛かっている。
※二子玉川東第二地区市街地再開発組合作成パース。
※二子玉川東第二地区市街地再開発組合パンフレットより。