(cache) サーチナ|ネットで1元プレゼント、熱中してスマホ片手に運転  ゲットして興奮、BMWの愛車が街路樹に激突=中国 




ネットで1元プレゼント、熱中してスマホ片手に運転  ゲットして興奮、BMWの愛車が街路樹に激突=中国


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 運転中だが、男性は我慢できなかった。突然の外出が決まる前に自室でやっていた、スマートフォンを利用した「現金プレゼント争奪戦」だ。金額はわずか1元(約19円)。しかし取り損ねたのではくやしい。そこでスマートフォンを取りだし、「片手はハンドル、片手はスマホ」状態で愛車のBMWを運転することにした。銭江晩報が伝えた。  男性は、浙江省・義烏市で商売をしている。16日夜には自室で、テレビを見ながらもSNSを利用した「紅包(ホンバオ)」の争奪戦に備えていた。要するに「現金プレゼント」で、「紅包が配られました」との表示された瞬間に、獲得するための操作を行わねばならない。  と、友人から電話がかかってきた。「出てこいよ。遊ぼう」と言われた。特に予定があったわけでない。気軽に「いいよ。そうしよう」と返事した。  約束の場所にはBMWの愛車で行く。「あ。運転するのか」と、男性はハッとした。先ほどまで待ち構えていた「紅包」が気になって仕方ない。テレビを見ながら気もそぞろに、いつでも操作できるよう身構えつづけた。取り損ねるのは悔しくてならない。  そこで、スマホを片手で持ちながら運転した。座った足の上に置くようにして、握り続ける。時おり、視線を下に向けて、画面を確認する。  しばらくして、スマホが音を立てた。「紅包が配られました」の表示が出た。男性はすばやく操作した。やった! 1元ゲットした!! ―――  喜ぶ間もなく、車が突然スリップした。雨が降っていたことも影響したらしい。中央分離帯にぶつかった。その反動で道路の反対側に方向を変え、街路樹に衝突。「ドン!」という音と同時に、男性の体が前のめりになった。頭をフロントガラスにぶつけた。  同事故を検分した警察官によると、BMWはバンパーやボンネット部分が変形するなどしていた。「そうですねえ、修理に1万元(約19万2400円)はかかるでしょう。ドライバーさんは頭から血を流していましたよ。幸いにして、たいしたけがではありませんでしたけどね」という。 ********** ◆解説◆  「紅包」は日本でいう「ご祝儀」に相当する単語で、「お年玉」や「臨時ボーナス」も「紅包」と呼ばれる。SNSなどを利用する「電子紅包」は、「現金プレゼントの争奪ゲーム」と考えればよい。まず「出資者」が、「紅包」の総額や「1本当たりの金額」などを設定し、画面を通じて入金する。  企業が実施する「電子紅包」は金額も大きい。「紅包を撒く」時間も事前に予告されているなどで、多くの人が「本気で取りに来る」という。別の特徴があるのが、SNSのグループ内で行われる「電子紅包」だ。対象者に限りがあり、1本あたりの額も「1元から」と、個人としても出費はそう多くない。  グループゲーム感覚で楽しむもので、結局はメンバーが次々に「紅包」を配っていくことになるので、一方的に儲けたり損をすることは、あまり考えられないという。  「電子紅包」は2014年の春節期(旧正月)にSNSの運営会社などが始めた、15年に中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)が放送した年越し番組「春節聯歓晩会(春節パーティー)」が「電子紅包」のコーナーを設けて「さあ、今、スマホを振ってください!」などと呼びかけたことで、人気と注目度が急上昇した。ちなみに同番組を見てスマートフォンを振ったりクリックした人は延べ8億8000万人に達したという。  インターネットでは「電子紅包」攻略法を紹介する記事が次々に発表された。「不要なアプリはすべて閉じる」、「電波状態を確認。通信状態のよいWi-Fiを利用するのも方法」といった内容だ。さらに、「電子紅包」の獲得アプリも登場した。ダウンロードして立ち上げておけば、自分が操作しなくとも自動的に必要な操作をしてくれるという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)