米雇用統計を読む
本日の為替予想 - 2015年11月06日 (金)
いよいよ米国利上げの可能性を左右する注目の雇用統計が発表される。
市場予想は18.5万人と20万人には届かないものの、前月の14.2万人を大きく上回るものだ。前日のイエレン議長やフィッシャー副議長の発言ではかなり利上げに前向きな姿勢が示されている。少し数字が下振れしようが利上げの状況に変わりはないという意思が感じられる。利上げの可能性を残す境目は前回の数字と予想の中間となる16万人程度だろう。この数字を下回るようであれば一時的にドル売りが強まるだろう。ただ、市場は次の11月雇用統計が待ち構えておりドルの下値は限定的となる。
反対に、予想を上回り、前月分も上方修正されるなど好結果となれば、前回の結果は一時的なものとの見方に変わる。そうなれば、ドルはユーロや円に対して中期的な上昇トレンドの始まりになるだろう。
昨日の株と為替の動きをみるとリスクオンによる円安の動きは見られない。株価の上昇で円を売る動きは見られず、ドル主導の相場展開が続いているという事だ。
ただ、雇用統計というイベントが終了すれば、次は再び円やユーロに市場の注目が集まることになるだろう。
今回利上げ期待が高まった時にNY株価がどの程度下落するかで、今後の円の動きが見えてくる。
今の動きをみると、株式市場は金融相場から業績相場に少しずつ移行しているとみられる。もし、一時的な株価が下落したとしても、円との連動性が薄くなっており円買いの動きも限られるだろう。
いずれにしても、今日の米雇用統計の結果はドルの方向性を見極める重要なポイントになることは確かだ。