解決策は空爆ではなく「対話」しかない
第一次大戦で敗れたオスマン帝国の領土、つまり中東をイギリス、フランス、ロシアという大国が「サイクス・ピコ協定」という勝手な協定を作って線引きして分割した。
それを全部、否定して、イスラムの真の独立を勝ち取るというのがISの狙いであって、これを大国の論理でねじ伏せようとするのは、逆にイスラム世界の反発を強く招くだけなのではないかという気がする。
僕はISの味方をするつもりは全くない。もちろんテロは残虐な行為だが、大国の論理では物事は決着しないと思う。
フランス、アメリカ、ロシアは空爆を強化していくことで足並みをそろえることになったが、それではこの問題は解決しない。むしろ、多くの一般市民を巻き込む空爆は、フランス、アメリカ、ロシアなどへの憎悪をイスラムの一般市民にまで広げるだけだ。報復の連鎖は何も生み出さない。
フランスもアメリカもロシアも、空爆ではなく、話し合いによって根本的な解決に挑んでほしい。
1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。1987年から「朝まで生テレビ!」、1989年からスタートした「サンデープロジェクト」のキャスターを務める。新しいスタイルのテレビ・ジャーナリズムを作りあげたとして、1998年、ギャラクシー35周年記念賞(城戸賞)を受賞。また、オピニオン誌「オフレコ!」を責任編集。2002年4月に母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生たちの指導にあたっている。
著作に『ドキュメント東京電力』(文春文庫)、『塀の上を走れ―田原総一朗自伝』(講談社)、『元祖テレビディレクター、炎上の歴史(文藝別冊)』、『日本人と天皇 昭和天皇までの二千年を追う』など多数。
近著に『安倍政権への遺言』(朝日新書)、『戦争・天皇・国家』(角川新書、猪瀬直樹氏との共著)、『人の心を掴む極意』(海竜社)がある。
Twitterのアカウント: @namatahara