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 東京電力福島第一原発事故で汚染された指定廃棄物を運び込む処分場建設をめぐり、環境省は19日、宮城県内の候補地を絞り込むための現地調査を年内は断念すると県に伝えた。降雪時期が迫っているためだという。村井嘉浩知事は、米軍普天間飛行場の移設計画を引き合いに出しながら「(国は)沖縄では頑張っているじゃないか」と述べ、住民の反対で調査に入れない国の姿勢を批判した。

 環境省は昨年から、県内3カ所の候補地で調査を試みているが、住民に阻まれて着手できていない。村井知事は、住民の反対にかかわらず、一貫して国の方針を支持してきた。

 この日、村井知事は井上信治環境副大臣との会談後、普天間飛行場の移設計画の是非については明言を避けたが、「住民が反対しているから何もやらないというのなら、沖縄もやめるべきだ。矛盾している」などと述べた。

 指定廃棄物は、放射性物質で汚染された下水汚泥や稲わらなどで、1キロあたり8千ベクレル超のもの。12都県に計16万6千トンあり、自治体などが保管している。国は宮城県のほか栃木、茨城、千葉、群馬の各県にも1カ所ずつ処分場をつくる方針だが、住民の反対などで調整が進んでいない。(森治文)