テレビ放送/日本語吹き替え版
吹き替えの声優
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は昔の大作らしく数多くの声優さんが吹き替えを担当しています。多くの方はテレ朝の三ツ矢版でバック・トゥ・ザ・フューチャーと出会ったため、DVDの際に山寺版だったことに違和感を感じたようです。そのテレビ放送時の吹き替えも「思い出復刻版」というシリーズで、ついにDVD化されたり、ブルーレイでいつでも見ることができるようになりました。
以下メインキャストの一覧。ちなみに、USJ内にあるザ・ライドは山寺版となっておりドクの声は青野武、ビフの声は谷口節が行っています。
| マーティ | ドク | クララ | ビフ | ロレイン | ジョージ | |
| ソフト版 | 山寺宏一 | 青野武 | 吉田理保子 | 谷口節 | 佐々木優子 | 富山敬 |
| テレビ朝日版 | 三ツ矢雄二 | 穂積隆信 | 池田昌子 | 玄田哲章 | 高島我羅 | 古川登志夫 |
| フジテレビ版 (PART1のみ) |
織田裕二 | 三宅裕司 | −−− | 島香裕 | 佐々木優子 | 富山敬 |
| 日本テレビ版 (2001年放送のPART3のみ) |
三ツ矢雄二 | 磯部勉 | 藤田淑子 | 斎藤志郎 | 日野由利加 | −−− |
| BSジャパン版 (PART1のみ) |
宮川一朗太 | 山寺宏一 | −−− | 新垣樽助 | 小林沙苗 | 加藤康之 |
これらの吹き替えは個人によって様々な意見があると思います。管理人としては山寺版が一番の好きだったりします。とはいえ多くの吹き替えがあることはそれぞれの作品に違った印象を与えるので、それはそれで魅力だったりしますね。
三ツ矢版を作ったテレビ朝日ですが初回放送後に再度放送したことは現在までにありません。PART1の初回放送は『テレビ朝日開局30周年記念 日曜洋画劇場』、PART3の初回放送は『開局35周年記念特別企画 日曜洋画劇場』という特番扱いだったみたいです。テレビ朝日版と言っても、地上波各局で放送される際はこの吹き替えがメインとなっています。特にPART2のテレビ放送はこの吹き替え版しか存在しません。
フジテレビ版は、ドク役のクリストファー・ロイドが当時のフジテレビのキャッチフレーズ「それ、世の中、動かしていますか」のキャラクターとして起用されたことにきっかけに来日。そんな中での放送だったためフジテレビが大々的に宣伝。当時の新聞のテレビ欄にも広告も載せていました。これがゴールデン洋画劇場時代の悪い癖である芸能人を声優に起用する結果を招いてしまいます(タイタニックが有名)。見ての通り視聴率が歴代最高の数字を記録してるなど、多くの注目を集めた放送だったため、その分吹き替えに対する批判がすごかったんでしょうね。この織田版は、現在もWユウジなどと言われながら多くのダメな吹き替えの代表として紹介されています。それでもフジテレビで放送される際はこの織田版で放送。この吹き替えのみ現在までソフト化はされていません。ちなみに管理人が始めてみたバック・トゥ・ザ・フューチャーは織田版でした。
日本テレビ版は確認できる限りで2001年のPART3放送時の一度のみとなっています。その後、何度か日テレでBTTFがを放送されましたが。テレ朝版に戻っています。それでも「思い出復刻版」にはしっかり収録されています。テレ朝版と同じくマーティ役に三ツ矢を起用しているのは突然の変更で批判されるのを恐れたからでしょうか。余談ですが日本テレビはPART1を多く放送しています。
最後のBSジャパン版は、数多くの作品でマイケル・J・フォックスの吹き替えを担当した宮川一朗太が念願のBTTFの吹き替えを担当をしたことで話題に。宮川本人のマーティ役への熱望は相当な物で、本編放送前のインタビューでその熱意を垣間見る事が出来ました。
吹き替えの細部考察 ・DVD編 山寺版は英語の訳が基本的に正確。しかし、やはり翻訳が大変なのかPART2・3で見られるビフの言い間違いのセリフの訳は変えています。また、字幕が必要な看板の文字などは代わりにマーティなどが読み上げているのが特徴(全てという訳ではないですが)。PART3では移民者のシェイマスとマギーは訛った日本語で喋っています。 ・テレビ朝日編
三ツ矢版の訳は基本的に正確ではありません。特にPART1でのルウの店でジョージがロレインをダンスパーティに誘う所などまったく違います。さらに、わかりやすさを優先したのか脇役などは名前は呼びません。ジョージが「ルウ」と呼ぶのを「親父」にしてみたり。
PART2ではとマリーンの声は「キテレツ大百科」のトンガリのままに聞こえます(同じく三ツ矢が担当)。PART1の翻訳が正確ではないと言いましたが、PART2になると名称や人名等は丁寧に翻訳されています。ですが、1955年ではロレインなどがカルバン・クラインと呼ぶところをマーティにしているのはPART2から見た視聴者への配慮でしょう。とはいえ、マーティの口癖「ヘビーだ」の部分は別のセリフに翻訳しています。
PART3は、シリーズ定番のセリフや名称を次々と変えています。マーティの「ヘビーだ」や、マーティとドクが互いに口癖を入れ替えて「ヘビーだ」「なんてこった」と言うシーンはまったく違う言葉を。そして、次元転移装置がコンデンサで、ミスターフュージョンが融合炉と不思議な訳をしています。クライマックスの機関車のシーンは、いちいちキロに直して速度を読み上げると表示されているマイルと誤差が出るため、キロではなくマイルで速度を言っています(前2作はキロで呼称)。
基本的に英語のセリフには忠実ではないですが、それも含めて楽しむのが吹き替えの魅力。・フジテレビ編
最近ネット上で織田版の映像を見つけたので久しぶりに観賞しました。
個人的には三宅祐司のドクの声は違和感を感じましたが、織田裕二のマーティは割と合ってるかなと思いました。
翻訳のほうは英語に忠実であり、一番印象に残るのは『次元転移装置』をそのまま『フラッグス・キャパシター』としているところですね。・日本テレビ編
わざわざ新録で録り直したのにドクのセリフをはじめテレビ朝日版と基本的に一緒のようです。 ・BSジャパン編
宮川さんの吹き替えは、映画公開から数十年経ってまた新たな魅力を引き出したと思います。翻訳自体はネットで騒動にならないように当たり障りのない翻訳で終始しているかなと感じました。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』テレビ放送履歴
関東地方の地上波ゴールデン放送時と宮川版を掲載。
| 年月日 | 作品 | 放送局 | 番組 | 声優 | 視聴率 | 備考 | ||
| 1989/02/05 | PART1 | テレビ朝日 | テレビ朝日開局30周年記念 日曜洋画劇場 |
三ツ矢・穂積 | 23.1% | ※PART1初回放送 | ||
| 1990/04/07 | PART1 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 織田・三宅 | 24.9% | ※シリーズ最高視聴率 | ||
| 1992/03/28 | PART1 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 織田・三宅 | 20.7% | |||
| 1992/10/04 | PART2 | テレビ朝日 | 日曜洋画劇場 | 三ツ矢・穂積 | 22.7% | ※PART2初回放送 | ||
| 1993/04/02 | PART1 | 日本テレビ | 金曜特別ロードショー | 三ツ矢・穂積 | 17.8% | |||
| 1993/10/10 | PART3 | テレビ朝日 | 開局35周年特別企画 日曜洋画劇場 |
三ツ矢・穂積 | 21.5% | ※PART3初回放送 | ||
| 1994/04/02 | PART2 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 三ツ矢・穂積 | 14.0% | |||
| 1994/11/11 | PART1 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 三ツ矢・穂積 | 17.2% | |||
| 1995/01/07 | PART3 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 三ツ矢・穂積 | 23.6% | |||
| 1995/12/08 | PART2 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 三ツ矢・穂積 | 13.8% | |||
| 1997/09/20 | PART1 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 織田・三宅 | 18.3% | ※2週連続放送 | ||
| 1997/09/27 | PART2 | フジテレビ | ゴールデン洋画劇場 | 三ツ矢・穂積 | 20.6% | |||
| 1997/11/28 | PART3 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 三ツ矢・穂積 | 21.1% | |||
| 1999/03/04 | PART3 | テレビ東京 | 木曜洋画劇場 | 三ツ矢・穂積 | 9.3% | ※カット放送 | ||
| 1999/06/17 | PART1 | テレビ東京 | 木曜洋画劇場 | 三ツ矢・穂積 | 8.9% | ※2週連続放送 ※カット放送 |
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| 1999/06/24 | PART2 | テレビ東京 | 木曜洋画劇場 | 三ツ矢・穂積 | 12.2% | |||
| 2001/03/16 | PART3 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 三ツ矢・磯部 | 18.0% | ※唯一の三ツ矢・磯部 | ||
| 2001/09/14 | PART1 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 三ツ矢・穂積 | 14.8% | ※「同時多発テロ」の影響で 「ダイ・ハード3」から代替放送 |
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| 2002/11/22 | PART2 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 三ツ矢・穂積 | 13.6% | ※カット放送 | ||
| 2003/02/07 | PART3 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 三ツ矢・穂積 | 13.0% | |||
| 2003/05/16 | PART1 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 三ツ矢・穂積 | 16.2% | |||
| 2005/09/22 | PART1 | テレビ東京 | 木曜洋画劇場 | 三ツ矢・穂積 | 6.1% | ※シリーズ最低視聴率 ※カット放送 |
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| 2005/10/06 | PART2 | テレビ東京 | 木曜洋画劇場 | 三ツ矢・穂積 | 7.7% | ※カット放送 | ||
| 2005/11/17 | PART3 | テレビ東京 | 木曜洋画劇場 | 三ツ矢・穂積 | 9.8% | ※カット放送 | ||
| 2013/05/29 | PART2 | TBS | 水曜プレミア | 三ツ矢・穂積 | 7.4% | |||
| 2014/08/08 | PART1 | BSジャパン | シネマ・アディクト | 宮川・山寺 | --% | ※宮川版初放送 | ||
| 2014/11/09 | PART1 | BSジャパン | シネマ・アディクト | 宮川・山寺 | --% | |||
| シリーズ平均視聴率 |
| 約16.2% |