このところ相次いで、女性が一人で経営する個性的なカフェを取材。
我孫子駅北口そばの「絵本カフェ DEMI」。
絵本カフェとは一体…と戸を開け「ごめん下さい。朝日れすかと申しますが…」とれすかを差し出すと
「あらっ! れすか!」と店主の藤井秀美さんはびっくり。
と、言うのも、藤井さんは昔、朝日れすかのオリジナル童話に作品が採用され、以来絵本のカフェを開きたい、自分の作品を本にしたい……と夢を追い続け、ちょうど、それを実現したところだったとか。
「でも、朝日れすかって、まだやってたんですね!」
ええっ? 朝日新聞に毎月20日折り込みで、1986年からずーっと、300号を越えて発行されてますよー、ほら、読者オリジナル童話コーナーも健在ですー
なんていうやりとりをし、当時掲載されたというれすかも見せてもらい、帰社して早速調べたところ見当たらない…もしかして、と一時期発行されていた「朝日れすか茨城版」を探すと、あった!
藤井さんは茨城県の方で、(すみません、紙面で守谷とご紹介してしまいましたが、取手市です)れすか茨城版の休刊とともに、もうれすかは発行されていないものと思われていたのですね。
その、採用された号が、まさにちょうど20年前の12月20日発行号!不思議な縁を感じずにはいられません。
その作品を自費出版して、うれしそうに語る藤井さん。
オリジナル童話コーナーは、1月から再開です。
藤井さんにも、ぜひご投稿ください〜と申し上げました。
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同じく我孫子駅北口から徒歩10分ほど、坂道の途中にあるハンドメイドカフェ「CAFE DOCK」さんにもお邪魔。
こちらは、我孫子市の空き店舗活用補助金制度第一号として開店し、順調に成長しているとのことで、開店への道筋等を伺いました。
店主の堀江妙子さんは……どの女性起業家にも言えますが、まことに聡明で、自分の考えをしっかりと持ち、堅実に物事を進めています。
茨城出身の堀江さんは、10代からロンドンパブのようなコミュニティの場になる店を作りたい、と夢を持ち、和洋のレストラン、ケーキ屋などで働き、技術を身につけながら、しっかり資金を貯めていました。
今のお店は、昔親戚がお店を開いていたこともあり、ちょっとした御縁があったとのこと。
「実は、この制度があったから開店したわけでなく、ちょうど開店しようと話を進めていたら、近所の方が制度を教えてくれたんです」
とのこと。
まあ、それって理想的な話。
お金が助けてもらえるから、というような力と覚悟では、せっかく店を開けても続きませんよね。
ちゃんとしたプランのもとに、市に頼り切ることなく頑張る人を、そっと助ける制度でないと、税金の無駄遣いにもなりかねません。
助成を受けられる店はいろいろ条件がありますが、堀江さんの店はばっちり。
それと、市の商店会や、そこの商店会に加入することが義務付けられています。
…最近は、商店会のお付き合いをしたがらない人もいるようですが、堀江さんは
「私にとってはラッキー! 喜んで! 仲間に入れてくださいって感じで」
積極的に商店会の人、地元の皆さんと交流を持ち、すると地元の人もいろいろ手を貸してくれて……人が集まり、繋がり、輪が広がっていく、という理想の展開に。
シンプルなお店ですが、見るとパンダの置物があちこちに。
「私がパンダが好きだと言ったら、お客さんが持ってきてくれるんです。時には食べ物のお土産も…ほら、これ」
招き猫みたいなどっしりしたパンダの貯金箱。
「持ってみてください」
おおおお、ずっしり。
「これ、罰金箱なんです(笑)」
工工エエェェ(´Д`)ェェエエ工工
お店はいろんなお客さんがいて美味しいお酒にご機嫌なお客がついつい下ネタを話すと
「ここ、カフェなんで、罰金100円です♪」と徴収。
なかには「500円入れるから言わせてよ〜」と、むしろご機嫌になっちゃうお客も。
楽しく、和やかな様子がうかがえる、罰金箱のお話でした。
「DOCK」の名は、船着き場であり、航海を続けてきた船が休んでメンテナンスをするところから命名。
疲れた人、さびしい人が元気になれるように、と価格設定も
「回転率をあげないような設定です。ゆっくり、寛いでほしいです」
……世知辛い時代に、まことに素晴らしいお言葉。
ここの商店会は、現在12店舗しかなく、今はお祭りや福引などもできなくて、さびしい状態。
堀江さんが入ったことで、この通りが少しでも活気を取り戻せますように。
小川原記

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