典型的な熊本吟醸といえる大吟醸酒を誕生させる蔵。透明感のある特有の香り、蜂蜜を水で溶いたような上品な甘みは飲む人を魅了します。蔵は菊池千本槍で歴史的にも有名な菊池市にあります。熊本からバスで約1時間、以前は電車もありましたが、今は途中まで。現社長のお父さんは地元の商工会議所会頭や菊池電鉄の社長も勤められた方ですが、その葬儀の際には寺のすぐ脇を通るすべての電車が長く警笛を鳴らして追悼の意を表したのが印象的でした。公職にある間は決して大工を自宅や蔵に入れることなくご自身をきつく戒められる方でした。市内のそこここに有田家の功績が残っている感じです。現社長もおごることなく、地道にまじめに酒造りを守っておられます。熊本吟醸を後世に残し伝えるために、あえて全国新酒鑑評会受賞のためだけの酒造りをせず、去年のお酒よりもさらに素晴らしいお酒をと、菊の城流をつらぬき、飲む人を喜ばせるお酒を造っています。杜氏の木村さんは、今年高齢のため隠退された先代の末永清太郎さんの下で副杜氏を15年勤めた方で、末永流の酒造りのただひとりの継承者です。
後継者がなく、すでに製造は中止され、現在蔵にある在庫が切れた時点で廃業となる予定です。
(株)菊の城本舗
熊本県菊池市 隈府

蔵元:有田 幸令氏
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杜氏:木村 敏晴氏 (福岡杜氏)
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前杜氏:故末長清太郎氏
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