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祖父、叔父、父も元大阪市議。政治家の家系に生まれながらも、心の原風景は実家が営む酒屋の立ち飲みで、コップに吸い付くように酒をすすり上げる労働者の姿だという。
西成区山王。故郷は「大阪の縮図のような街」だ。高い生活保護受給率や貧困、治安の不安といった課題を背負う。一方で、ノスタルジーを誘う長屋と細い路地、木津川沿いの工場群、南東エリアは閑静な住宅街が広がる。「魅力的な場所を広く知ってもらいたい」。自転車でくまなく街を回り、議会では生活保護の適正化について積極的に発言。「縮図」の言葉には、愛郷心こその歯がゆさがにじむ。
25歳の時、父の豊氏(享年59)が視察先の北海道・釧路市で急死。「導かれるように」政治の道へ進んだ。
「ガツガツ前に出るのは苦手。人をつなげる接着剤的な役割」と自任していたが、住民投票では反対派の旗頭として知名度を上げた。「市民間の軋轢(あつれき)」を感じていたからこそ、否決の結果に表情を崩せなかった。
ピアノ演奏や作曲が趣味。大阪フィルの桂冠指揮者・大植英次氏の前で自作の曲を演奏したこともある。「個性的な曲ですねと言われました」と苦笑い。
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