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 業界団体や労働組合の系列政治団体から、参院比例区に擁立した2人の「組織内候補」の後援会に、別の団体を経由して総額で年5千万円を上回る寄付が移っていたことがわかった。政治団体間の寄付の法定上限は年5千万円。団体は「政治資金規正法にのっとり適切に処理している」とするが、専門家は「迂回(うかい)寄付と同じ」と指摘する。

■民主・直嶋氏側 3団体同じ住所

 寄付を受けていたのは、直嶋正行・元経済産業相(民主)の「直嶋正行後援会」(直嶋後援会)と藤井基之・前文部科学副大臣(自民)を支援する「全国藤井もとゆき薬剤師後援会」(全国後援会)。直嶋氏はトヨタ自動車系の労組、藤井氏は日本薬剤師会の政治団体「日本薬剤師連盟」(薬連)の組織内候補として、2010年参院選で比例区から当選した。

 政治資金収支報告書によると、トヨタの労組系の政治団体「全トヨタ政治に参加する会」(全ト参政会)は10年3月15日、直嶋後援会に4千万円を寄付した。

 3月24日には3500万円を直嶋氏の資金管理団体「パラダイムチェンジを進める会」(パ会)に寄付。パ会は直嶋後援会に5月17日に2500万円、6月21日に1千万円を寄付した。