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 環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する12カ国は18日、フィリピンのマニラで大筋合意後初めて首脳会合を開き、協定の早期発効をめざすことなどをうたった声明を採択した。アジア太平洋経済協力会議(APEC)加盟国でTPPに関心を示すのはフィリピンなど5カ国・地域に達し、拡大の機運が広がる。

 会合には、日本の安倍晋三首相や米国のオバマ大統領ら12カ国すべての首脳が参加した。日本側同行筋によると、インドネシア、韓国などからも加盟の意向が示されていることに、複数の首脳が言及。安倍首相は「TPPへの求心力を維持するためにも、参加国・地域の拡大をめざすべきだ」と述べ、「新規加盟に向けて協力や話し合いも推進すべきだ」との意見が出た。タイも関心を示している。

 声明では「TPPが署名後速やかに検討、承認されることを期待している」と記し、各国が早期の署名・発効に取り組むことを確認した。非参加国の参加検討の表明にも触れ、TPPが「新しく魅力的なモデルを創造している」との認識を示した。

 また、フィリピンのアキノ大統領は同日午前、オバマ大統領と会談し、フィリピンのTPP参加への支援を要請した。同国政府関係者によると、オバマ氏からも参加の意欲を歓迎する発言があったという。APECの台湾代表の蕭万長(シアオワンチャン)・前副総統も16日、ブリンケン米国務副長官に「TPPの交渉への参加を希望している。加入は台湾、米国双方に有利になる」と伝えている。非加盟国が参加するには、発効後に参加12カ国の了解を得る必要がある。

 APEC首脳会議は18日午後に開幕。19日にパリの同時多発テロ事件を強く非難する声明を採択して、閉幕する。(マニラ=清井聡、佐々木学)