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【政治】

臨時国会見送り批判 早川弁護士「少数政党の権利無視」

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 元自民党衆院議員で弁護士の早川忠孝氏が、臨時国会召集の見送りを表明した安倍政権をブログで批判し、注目を集めている。早川氏に批判の理由や、パリ同時多発テロを受けて政府・与党内で再浮上している「共謀罪」について聞いた。 (安藤美由紀)

 −野党が憲法五三条に基づいて臨時国会の召集を要求したが、政府・与党は応じていない。

 「少数政党の憲法上の権利を無視したことになり基本的人権レベルで問題。『要求があった日から二十日以内に臨時国会が召集されなければならない』と規定した自民党の改憲草案とも矛盾している」

 −代わりに安倍政権は、来年の通常国会召集を例年より大幅に前倒しし、一月四日に召集する方針だ。

 「求められているのは臨時国会だ。通常国会を開くからいいとはならない。秋の臨時国会は、来年度予算編成に向けて国民の意見を広く集める意味もある。十月に内閣改造もしており、新閣僚の所信表明と質疑もできないままだ」

 −外交日程が詰まっていることを理由にしている。

 「外交日程があるから臨時国会を開催しなくていいとなると、今後『選挙が近い』『大規模災害があった』など、多様な理由で開かない可能性が出てくる」

 −犯罪の実行前に、話し合って合意しただけで罪に問える共謀罪の法制化が、テロ対策を理由に再浮上している。かつての与党の担当者としてどう思うか。

 「当時は参院で野党が過半数を占め、国民の批判も強かったので、政府案より対象犯罪を絞り込んだ修正案をまとめた。今の『官邸一強』の政治状況では、官邸の一部の人の考えが、そのまま法案になる恐れがある。与党内や国会での議論が不十分なまま成立したら危険だ」

<はやかわ・ただたか> 1945年、長崎県生まれ。東大卒。自治省(現総務省)を経て2003年から2期、自民党衆院議員。共謀罪導入の関連法案をめぐる与党の担当者として修正協議などに臨んだ。09年衆院選で落選し、政界を引退。弁護士。

 

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