「反権力」の立場で戦後を記録し、9月に94歳で亡くなった報道写真家、福島菊次郎さんの生涯が脚光を浴びている。福島さんを追ったドキュメンタリー映画の追悼上映が盛況で、若者にも共感が広がっている。

 東京・渋谷の映画館「アップリンク」。福島さんを追った「ニッポンの噓(うそ)」の追悼上映が10月末から始まり、週末は満席が続く。

 映画は2011年秋、当時90歳の福島さんが、東京の反原発運動にカメラを向けるところから始まる。広島の被爆者や成田空港建設に反対する三里塚闘争など、戦後に撮影した写真を交えながら、福島さんが当時の記憶を語る。