韓国:「帝国の慰安婦」著者を在宅起訴 名誉毀損罪で
毎日新聞 2015年11月19日 12時47分
【ソウル大貫智子】韓国のソウル東部地検は18日、慰安婦問題を扱った学術書「帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い」の著者、世宗(セジョン)大の朴裕河(パク・ユハ)教授を名誉毀損(きそん)罪で在宅起訴した。
元慰安婦らは昨年6月、朴氏が慰安婦について「売春婦」「日本軍と同志的関係にあった」などと記述したことから、元慰安婦を侮辱したとして刑事告訴した。
検察は、河野官房長官談話や、2007年に米下院が日本に慰安婦問題で謝罪を求めた決議などを基に「元慰安婦は性奴隷に他ならない被害者であることが認められている」と指摘。著書の内容は「虚偽」と判断した。
同書は韓国語で13年8月に出版された。元慰安婦らが出版差し止めの仮処分を申請し、ソウル東部地裁は今年2月、一部箇所の削除を求める決定を出した。
同書は日本語でも出版されており、今月、アジア太平洋地域の政治・経済・文化などに関する優れた本を著した研究者に贈られる「アジア・太平洋賞」特別賞を受賞した。