沖縄県教育委員会は6月30日、米軍キャンプ・シュワブの海岸沿いで発見された石は琉球王朝時代の船舶用の重りの「碇石(いかりいし)」であると鑑定し、文化財と認定したと発表した。名護市は文化財保護法に基づき、発見された区域の調査を求めていく方針で、政府が進める新基地建設作業に影響を与える可能性が高くなった。
遺跡や文化財が見つかった付近を工事する際は、文化財保護法に基づき段階的な調査が必要になる。調査完了前の工事は同法96条で禁じられている。
翁長雄志知事は30日、記者団に対し「米軍、沖縄防衛局は貴重な文化財の調査に積極的に協力いただきたい」と求めた。
県教委は鑑定で、発見された石に人工的に加工した溝があることを確認し、過去に見つかった碇石と比較。県内の砂岩で作られており、県産の碇石としては5例目、本島東海岸で見つかったのは初めて。
碇石は琉球王朝時代に船のいかりの重りとして使われた。その存在は発見された海域に船の往来があったことを証明し、当時の交易文化を知る手掛かりとなるという。
海域調査の実施は名護市教委が最終決定する。