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違法販売の「亜酸化窒素」押収 取締り強化へ
11月19日 7時34分

違法販売の「亜酸化窒素」押収 取締り強化へ
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大阪で、危険ドラッグを販売目的で隠し持っていたとして逮捕された男の関係先から、麻酔などに使われる「亜酸化窒素」が押収されたことが、警察への取材で分かりました。
違法に販売されている「亜酸化窒素」が国内で押収されたのは初めてで、警察は危険ドラッグに代わって乱用が広まっているとみて、取締りを強化することにしています。
ことし6月、危険ドラッグおよそ14グラムを販売目的で車に隠し持っていたとして、大阪・平野区の37歳の男が薬事法違反の疑いで逮捕・起訴されました。この事件で、警察と近畿厚生局麻薬取締部が男の関係先を捜索した結果、小型のボンベに入った「亜酸化窒素」が複数押収されたことが、警察への取材で分かりました。
「亜酸化窒素」は麻酔などに使われる医薬品で、製造や販売には都道府県などの許可が必要ですが、「シバガス」などの商品名でインターネットで無許可で販売されるケースが増えています。吸引すると、気分が高揚するとされる一方、海外では死亡したケースも報告され、厚生労働省が、年内にも指定薬物として規制することにしています。警察によりますと、男は「販売目的で仕入れた」などと供述したということです。
違法に販売されている「亜酸化窒素」が国内で押収されたのは初めてで、警察は、規制が強化された危険ドラッグに代わって若者などの間に乱用が広まっているとみて、取締りを強化することにしています。

「亜酸化窒素」が及ぼす影響は

マウスを使った実験では、ケースの中に亜酸化窒素を含んだガスを注入すると、およそ1分30秒後に、マウスはふらふらしながら歩くようになります。突然、飛び上がるなど激しく動くマウスもいます。さらに1分ほどたつと運動機能が低下し、1か所にとどまってほとんど動かなくなります。人間も、短時間に大量に吸うと同じことが起きるおそれがあるということです。
薬物に詳しい国立精神・神経医療研究センターの舩田正彦室長は「一過性の興奮のような作用が非常に早く出て、死に至るケースもある。世界各国で問題になっていて、吸引することはとても危険だ」と話しています。

「亜酸化窒素」ネットで無許可販売増加

「亜酸化窒素」の製造や販売には都道府県などの許可が必要ですが、「シバガス」などの商品名で、インターネットで無許可で販売されるケースが増えています。
小型のボンベ1本の値段は1000円ほどで、自転車のタイヤの空気の充填(じゅうてん)用などとして複数のサイトで違法に販売されています。こうしたサイトは、海外にサーバーを置いているケースもあるため取締りが難しく、警察によりますと、最近は、業者が直接客と連絡を取って指定した場所に届けるデリバリー型の販売も行われているということです。

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