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【大相撲】

白鵬、ヤジに負けずに11連勝 猫だまし再挑戦?「また逢う日まで」

2015年11月19日 紙面から

稀勢の里をはたきこみで破り全勝を守った白鵬、左は復帰した式守伊之助=福岡国際センターで(佐藤厚撮影)

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◇九州場所<11日目>

(18日・福岡国際センター)

 横綱白鵬(30)=宮城野=は大関稀勢の里を落ち着いてはたき込み、11戦全勝で単独首位を堅持した。稀勢の里は3敗目で優勝争いから脱落。横綱日馬富士が関脇栃煌山を押し出し、ただ一人1敗で追う。2敗は平幕の松鳳山だけとなった。

 横綱鶴竜は大関琴奨菊を肩透かしで転がし、ともに7勝4敗。大関照ノ富士は小結嘉風を小手投げで退けて白星を先行させた。かど番の大関豪栄道は逸ノ城と取り直しの末に突き落とされ、痛い5敗目を喫した。

 白鵬が土俵に上がると、歓声に交じってやじが飛ぶ。「猫だましすんなよ!」「横綱らしい相撲を取れ!」。稀勢の里との大一番を前に、それでも白鵬は平静を保った。というよりもリラックスできていた。

 「いつもより、気合入ってなかった。宣言通り楽しんでますから。こんな気持ちは初めてですけど」

 立ち合いは左から張って、右から強烈なかち上げ。いなされてバタついたが、すぐに体勢を立て直して押す。動きが止まったところで、右から張って、流れるような動きでその右からのはたき込み。

 「まあ、考えて出るもんじゃない。日ごろの稽古がね、次々に出ますから。それで、最後にきちんと反応した」

 全勝を守り、北の湖理事長(元横綱)は「白鵬に絞られたね。13、14日目に(優勝が)見えるのではないか」と千秋楽を待たずしての優勝を予想する。

 10日目の猫だましについて理事長は「横綱は正々堂々といく、というのが見方。下位の者がどうしようもないからやる技」とあらためて苦言を呈したが、白鵬は「楽しみにしてる人がひとりふたりいるはず。その楽しみをなくさず、またいつか。あの歌、『また逢う日まで』」と再チャレンジを約束。「勝つとかより一度やってみたいという素直な心。そういう技があるのだから、本当に効くのか効かないのか試したかった。今場所のやぐら投げ、猫だましは記録じゃなく記憶に残るでしょうね」と続けた。

 「土俵に上がる喜びがありますから」という白鵬。残り4日間。きょう琴奨菊に勝てば、自己記録を更新する9年連続9度目の年間最多勝が確定する。その先に白鵬が見据えているのは全勝優勝ではないだろうか。休場明けで全勝優勝すれば、1987年11月場所の千代の富士以来28年ぶり。記録にも記憶にも残る優勝となる。 (岸本隆)

 

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