しばき隊No.2の離脱の衝撃 - 木野寿紀による卑劣な脅迫と「法律しばき」

大きな動きがあり、しばき隊のNo.2(bcxxx)が脱退した。No.2はしばき隊の中で最も発信力の大きな男であり、そして人気があり、この組織と運動を担う中枢の屋台骨だった。しばき隊のエバンジェリズムを支えていたのはNo.2で、SEALDs運動もこの男の存在がなければ「成功」していない。しばき隊の活動の場は路上とネットだが、重要なのが日常のネット発信のリズムとコードで、TwのメッセージとRTの情報に人を注目させることである。そのキーとなるポジションをNo.2が担っていた。しばき隊の周辺で何が起きているか、SEALDsを含むしばき隊の政治がどう動いていて、誰が何を言い、どういう方向に進むのか、この男のアカウントを見ればほぼ全体を掌握することができた。まさに、しばき隊の広報であり、宣伝扇動のキーマンに他ならない。今、ネットの言論空間では衝撃が走っている。しばき隊のシンボルであったこの男は、無名ながら、間違いなくSEALDs運動の原動力で推進力だったし、この3年ほど、左翼リベラルと共産党の政治に活力を与えてきた最大の功労者だった。左翼の地上の星。今、表面的にはSEALDsの表象で意識されているところの、日本の左翼の若返りと躍動感のイメージは、すべてこの男の制作物のコンセプトと個性的なアジテーションから媒介されたものだ。

右翼が血に飢えた狼のように、2chでこの男の個人情報を晒し始めた緊迫のとき、私はこの男に向けてこういうTwを発した。もう一週間前になる。「どっかで頃合を見て、しばき隊から足を洗え。しばき隊に取られていた時間を学問に回せ。革命家になりたいのなら理論を身につける必要がある。理論家にならないといけない。古典を集中的に読んで、歴史と思想史を勉強することだ。40過ぎたら人生の残りは短いぞ。悪いことは言わん。そうしろ」。上から目線の一方的な説教で恐縮ではあるのだけれど、伝える意思を140字で要約して圧縮すると、こういう押しつけの表現と口調になってしまう。物理的に140字以上は書けないから。こんなアドバイスを書いて送ったのは、このとき、しばき隊の最高幹部の中で「はすみリスト」問題の対応をめぐって意見が割れていて、No.1とNo.2の対立が起きているのではないかと思ったからだ。自らの個人情報を晒されて熾烈な攻撃を受けながら、また、被害は家族と会社にまで及びながら、なおかつNo.1と同じ立場に同調・固執して、組織防衛のために「はすみしばきプロジェクト」を擁護する主張を発信することは、本人にとって無理で耐えられないことだろうと、本人の葛藤を思い、本人にとって一番いい選択はこれだろうと説得と提案を試みたのだった。果たせるかな、それから5日後、本当にしばき隊を離脱する結末となった。大きな事件だ。

私はこれでよかったと思う。いい決断だった。もしどこかで機会があれば、共産党の「国民連合政府」の裏事情について、その真相を証言して欲しい。No.2はしばき隊の最高幹部であり、SEALDs運動を指導する立場だったから、その経緯を知らないということはあるまい。9月19日の強行採決(未明)の日に、どうして突然それが打ち出されたのか。いつからどのように準備され計画されたのか。「国民連合政府」の策略の中心で動いたのは、No.3とフェローに違いないけれど、No.2がその情報に接していないはずがないし、むしろかなり深く関与していたと推測される。さて、No.2が脱退の決断をしたことで、「はすみしばきプロジェクト」は不当であり錯誤であるということが決定的になった。しばき隊の最高幹部がこの事件の責任をとった形になる。最早、これ以上、しばき隊がこの件で正当性を言い張り、「だいたいの正義」だの何だの、虚勢と独善を貫き続けることは難しい。No.2は「ネット私刑」の仕打ちを受け、一言も言挙げせず、会社退職という人生の激痛に甘んじて身を引いた。十分に責任をとった。責任をとらずに逃げているのは、No.1の野間易通とNo.3の木下ちがやと顧問弁護士の神原元である。No.2は「はすみリスト」とは無関係で加担も幇助もしなかったのに、彼らはNo.2に責任を負わせ、「ネット私刑」の屈辱の目に遭わせ、卑怯にも知らん顔をして逃げている。

野間易通と神原元の責任は、単に「はすみリスト」の個人情報晒しよる一般市民への人権侵害に止まらない。何より、しばき隊の組織と運動に与えた打撃が深刻で、身内の者への右翼による残忍な人権侵害を抑止できなかったことが重大だ。当事者である「闇のあざらし」と石野雅之が攻撃を受けた時点で、すぐに自分たちの「ネット私刑」の愚を悟り、敗北と失態を自覚し、その正当化をやめるべきだった。素早く自己批判の態度に出て収拾を図っていれば、被害は最小限に止まり、No.2と家族の個人情報にまで延焼することはなかっただろう。また、それ以上に、No.2の脱退を招いたことは、しばき隊にとってほとんど組織崩壊の危機に直面したも同然で、隊員やシンパの動揺は大きく、ポーカーフェイスを装っているが呆然自失の状態だろう。No.2には人気があり、若い共鳴板を引っ張る力があった。その分、しばき隊の敵からは憎悪が集中するシンボルでもあった。No.2の役割と実力を代替できる人間はしばき隊の中にはいない。No.1とNo.2のコンビがあってこそのしばき隊であり、No.2を欠いた後は片肺飛行の不安定な運営とならざるを得ず、本業であるマイノリティ事業部にNo.1が専念し、シールズ事業部やエキタス事業部はNo.3が直轄して、二つに静かに分裂する方向へと向かうだろう。No.3には人望がなく、卑しい俗物の臭気が漂い、とてもNo.2の穴をカバーできるとは思えない。この男には資質がない。

前回の記事を上げる直前、11/15に木野寿紀という男から不快なTwがあり、「『世に倦む日日』のツイッター読んでみたが面白い(笑)こいつこそちゃんと住所割って訴状送らんといかんのでは」と脅迫を受けた。しばき隊の隊員で野間易通の直参子分らしい。委細は知らないが、狂信的な私的制裁主義の思想の持ち主らしく、ネットにその事実を証拠づける情報が上がっている。今回のTwは明白な脅迫だ。脅迫とは、「他人に恐怖心を生じさせる目的で害を加えることを通告すること」と定義がある。神原元から内容証明を郵送されることは、誰にとっても恐怖だろう。しばき隊の場合、このように、少しでも自分たちの気にくわない主張をする人間を見つけたら、即座に直接の脅迫で言論封殺を図ってくる。挨拶がわりにこの行動をとる。萎縮させようとする。こうやって、まず鉄砲玉のチンピラが難癖をつけ、相手が罠に嵌まって応答すれば、待ってましたと誹謗中傷の暴言を乱発、さらに個人情報晒しの嫌がらせに持ち込み、ネットの衆目を集めて騒ぐ。そこへ後続のしばき隊員が次々と襲撃に参加、執拗なリンチで血祭りに上げるというシナリオだ。しばき隊の常套手段。暴力団の手法。要するに相手を脅迫して不愉快にさせ、殴り合いをしようとしているのであり、最初から議論や対話などする気がない。この男とその仲間は、これまで幾度もその手口で武功を上げ、優秀な隊員として野間易通に認められ栄達したのだろう。

飢えた野獣が反射的に獲物に飛びついたような木野寿紀の脅迫Twは、しばき隊の行動パターンを典型的にあらわしており、サンプルとして残し、意味を整理し、よく記憶しておくべき事実材料だろう。「住所割って訴状送らんといかん」という、関西やくざの口調を思わせる文言には、こちらには神原元の法曹権力のバックがあり、プロバイダに請求して個人情報を開示させ、おまえの住所を割り出し、訴状を送りつけることができるぞという法的係争の含意が所在する。それが嫌なら、訴訟を起こされて面倒な思いをしたくないのなら、しばき隊に逆らうのはやめろという威圧と強制がある。いわゆる「法律しばき」である。彼らが得意とする武器であり、ネット言論での凶器であり、しばき隊の暴力装置だ。ここでは具体的に紹介しないが、現実に、この暴力装置はきわめて有効に機能して、今日のようにしばき隊がネットの言論世界を制圧し、批判者を黙らせ、屈服させ、嫌がらせに泣き寝入りさせる大きな要因になってきた。「法律しばき」で制裁された被害者は、在特会や右翼とは無縁な普通の市民も幾人もいる。私は、今、神原元の懲戒請求を審査している横浜弁護士会に、ぜひこの「法律しばき」の実態と概要を調査してもらい、参考にしてもらいたいと思う。できれば、その是非を判断していただき、被害の再発防止に繋がる対策を願っている。しばき隊の暴力を禁止し、しばき隊の脅迫と威嚇からネット市民社会を解放してもらいたい。

前回、高岡豊が説明したテロリズムの定義を紹介した。「暴力を使って自分たちの政治的要求を通す、あるいは自分たちの主義主張の正しさを世の中に広める行動様式」。しばき隊のテロリズムが認められて横行する空間では、言論の自由はあり得ない。誰もが、尊師たる野間易通の顔色をうかがい、びくびくしながらSNSを利用しなくてはいけない。彼らが、「ネット私刑」の誤りを自ら認めようとせず、木野寿紀のような私的制裁を神聖化する狂気の徒輩がいる以上、弱い市民としては弁護士会の理性と裁定に頼るしかなく、弁護士会の権力で悪を一掃して正しいルールを敷いてもらうしかないのだ。



by yoniumuhibi | 2015-11-30 23:30 | Trackback | Comments(0)
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