【コラム】「訪朝レガシー」で大統領の座も…二兎を追う潘基文氏

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 国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が近く北朝鮮を訪問するとのニュースが相次いで報じられている。この問題について国連の報道官は16日「訪朝の具体的な計画について話すことはない」とした上で「潘事務総長は韓半島(朝鮮半島)の平和の持続と対話の雰囲気醸成のため、いつでもその役割を果たす準備ができている」とコメントした。韓国政府関係者からも「北朝鮮の雰囲気を見ると、今年5月に潘事務総長の訪朝を拒否した時とは少し状況が違っているようだ」などの見方も出始めている。

 この日は韓国の政界でも潘事務総長の訪朝が話題になった。潘事務総長が2017年の大統領選挙に出馬するとの見方については、もう誰も隠そうとさえしない。政界の一部では「潘事務総長を大統領候補として迎え入れるべき」といった声は常に語られており、世論調査でも潘事務総長を支持するかを問う項目がずいぶん前から出始めた。本人も出馬を明確に否定したことはない。

 もし潘事務総長の訪朝が実現すれば、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記と実際に会う可能性は間違いなく高い。国連のトップが加盟国を訪問したにもかかわらず、その国の指導者に会わないケースなどめったにないからだ。場合によっては北朝鮮の6カ国協議復帰など、非核化に向けた交渉が進展するかもしれない。

 そうなると潘事務総長は「同じ民族ではあるが国際社会の頭痛の種」でもある金正恩氏を説得し、世界の平和に貢献したという、まさに国連事務総長として大きな実績を残すだろう。また潘事務総長に大統領選挙出馬の考えがあるのであれば、候補者としての実績あるいは「スペック」を積み上げる大きなチャンスにもなる。潘事務総長としては「実績の積み上げ」と「大統領就任」のいずれにも大きなプラスになるのだ。

政治部=黄大振(ファン・デジン)次長
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