朴大統領 アキノ会談と会談=韓国人安全対策強化など議論

【マニラ聯合ニュース】アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するためフィリピンのマニラを訪れている韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は18日(現地時間)、フィリピンのアキノ大統領と首脳会談を行い、両国の実質的な協力やフィリピン在住の韓国人の安全強化などについて協議した。

 朴大統領は会談で「年間160万人以上の人的交流や、結婚による1万人を超える韓国への移民者は両国関係発展のための土台となっている」とした上で、「活発な人的交流を続けるためには両国国民が相手国で安全に滞在することが重要だ」と話した。またフィリピンで相次いだ韓国人殺害事件に対して懸念を表明し、フィリピン政府が韓国人の安全を強化するためさらに努力するよう求めた。

 アキノ大統領はフィリピン南部ミンダナオ島のサンボアンガ市付近でイスラム過激派アブサヤフに1月に拉致された70代の韓国人男性とみられる遺体が先ごろ見つかった事件を取り上げ、哀悼の意を示した後、「これまで韓国人が集まっている地域を中心に安全対策強化措置を取ってきたが、今回の事件を機に措置を全地域に拡大する案を検討していく」と述べた。

 これに関連して朴大統領は「東南アジア諸国連合(ASEAN)内の開発格差緩和を支援するというレベルでフィリピン側の関心分野である保健医療、交通インフラ、農業および水資源開発を中心に実施している個別型(開発協力)支援を継続していく」とした上で、「来年度から新規(開発協力)事業としてフィリピン警察の捜査レベルの強化事業を推進する」と明らかにした。

 朴大統領はまた、フィリピン政府が計画しているインフラ事業に韓国企業が参加できるよう協力を求め、アキノ大統領は「韓国が空港の新設や海岸道路建設など多くのインフラ分野で協力してくれたことを感謝する」とした上で、「韓国企業の積極的参加を期待する」と答えた。

 両首脳は韓国とASEANの自由貿易協定(FTA)の追加自由化交渉でも協力することにした。

 朴大統領は両国の保健当局間で締結を推進している保健・医療協力了解覚書(MOU)に基づき、両国の保健医療や医学分野での協力基盤作り、公共保健政策、新種の感染症を含む疾病管理、医療機関間の遠隔医療などの分野で協力を強化するよう提案した。

 アキノ大統領は「フィリピンは群島国家であり不便な場所が多く、医療問題解決のためには携帯電話などを活用した遠隔医療が必要だ」とした上で、「韓国との協力を期待する」と話した。

 また両首脳は9月の軍事秘密保護協定締結や韓国製の軽攻撃機FA50に関する事業履行など、国防・防衛産業分野での協力が順調に進んでいると評価した。 

 フィリピン政府は韓国政府の北朝鮮政策に対する支持を再確認した。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース