きょうの健康 うつ病を知ろう「高齢者のうつ病」 2015.11.12


「きょうの健康」今週は「うつ病を知ろう」。
昨日に続いて今日も歌手のマルシアさんがご一緒です。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願い致します。
ご自身うつ病を経験されたと昨日伺いましたけれども。
うつ病はまさかですよね。
ただただ苦しい。
何かが苦しいとか。
でもその段階というのはね自分でうつ病だと分かんないのが怖いんです。
実はその高齢者の方もなりうるという事なんですね。
今週のラインナップご覧頂きますと今日4日目です。
4日目は…お話は…どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
うつ病のきっかけはストレスという事でしたけれども高齢者の方もやっぱりストレスでなるんでしょうか。
同じストレスでも高齢者のストレスの場合喪失体験ですね。
今まで持っていたものを失ってしまう。
家族を失う仕事を失うといったような事が引き金になる事が多いですね。
ただし高齢者のうつ病の場合にはそういったストレスに加えまして脳の老化という事が関係している訳ですね。
うつ病はそもそも脳の病気でありますので年を取れば誰でも体の機能が低下していきます。
当然脳も同じように老化するという事ですね。
高齢になると動脈硬化で脳の血流が悪くなって感情や意欲に関わる部分などの機能が低下したり脳がストレスに弱くなってしまうと。
その事によってうつ病が発症しやすくなるのかもしれないと考えられます。
ストレスという事ですが具体的にその高齢者の方の特徴としてはどうなんですか?もちろん高齢者の方でも若い世代のうつ病と同様のうつ病がいろいろある訳ですがそれに加えまして高齢者のうつ病では若い世代とは違った特徴気を付けなければいけないポイントというのもあるんですね。
それがこの血管性うつ病。
そして仮性認知症この2つです。
まず血管性うつ病からご説明したいと思います。
こちらの画像をご覧下さい。
これは高齢のうつ病の患者さんの脳のMRIの画像なんですがマルシアさん何かお気付きの点ありますか?えっ?ほかは黒いんだけどこの辺り…。
何か白い点がある。
そうですね。
これは脳梗塞のあとなんですね。
脳梗塞というのは脳の血管がつまる病気で血管が塞がれて血流が滞ってしまうと発作を起こして倒れたりする事があります。
脳卒中の症状はないけれども脳画像を撮ってみるとこのように血管がつまった所が多くの方で見られるんです。
これがあるから異常というほどではないんですけれども高齢になってからうつ病になった患者さんでは実はかなりの割合でこういう状態が認められるんです。
脳卒中発作のあとにうつ状態になった場合には脳卒中による抑うつというふうに診断されましてこれはうつ病とは診断されません。
ところがうつ病と診断されたあとMRIを撮ってみたらこういうものが見つかったというのが血管性うつ病です。
多くの方は脳梗塞脳卒中の発作はないんだけれどもうつ病の症状があってMRIでこのようなあとが見られるという事なんですね。
それではマルシアさんこの血管性うつ病というのはどうしたら予防できると思いますか?えっ…。
血管。
血管のほら…。
正しい生活とちょっと運動とか食べ物も注意するとか。
おっしゃるとおりですね。
え〜そうですか?この血管性うつ病の方に共通して認められる特徴としては高齢であるというのはもちろんですけれども高血圧とかコレステロールが高いとか糖尿病こういったいわゆる生活習慣病の方ですね。
高齢というのは避ける事ができない点でありますけれども生活習慣病を予防する事によってうつ病の危険も減らす事ができると考えられます。
また生活の乱れもうつ病の発症につながるため規則正しい生活リズムを作るという事も大切ですね。
母は高血圧で糖尿病なんですよ。
ええ。
ちょっと…今日電話しときますね。
ちゃんとして下さいと。
ええ。
血管性うつ病という事です。
もう一つの難しいですね仮性認知症。
仮性認知症。
これはどういうものですか?これは認知症ではなくうつ病の事なんです。
うつ病なんですか?はい。
認知症といいますとご存じのとおりもの忘れから始まってだんだん判断力の低下などが出てくるアルツハイマー病による認知症などが代表的なものなんですけれども…これは65歳の女性Bさんの例です。
Bさんはある日を境に家族が何を聞いても「わからない…」と言うようになりました。
そのうち返事も返ってこなくなってしまいました。
そこで医療機関を受診したところ軽度のアルツハイマー型の認知症というふうに診断されて精神科を紹介されたという事です。
精神科で再度診察したところ確かに脳に軽い異常もあるしやはり軽度のアルツハイマー病だろうというふうに診断されたのですがしかしどこか認知症と違う様子があったという事なんですね。
話しかけてもなかなか答えないんだけれども何となく苦しそうな表情をしていて答えたいんだけれども答えられない頭が回らないと。
そんなような感じを受けるという事ですね。
そこでご家族から病歴を詳しく聞いたところ実は何年か前にうつ病になった事があるという事が分かりました。
一見認知症に見えるけれどもこれは実はうつ病ではないかというふうに考えて抗うつ薬を処方したところ1か月ぐらいたつと自然な笑顔が見られるようになってきたという事なんですね。
それで質問にも答えられるようになってきて2か月後にはほとんど正常に戻ったという事なんですね。
認知症と思われていたのが実はうつ病だったという事ですよね。
お年を召した方がそうやって「う〜んわからない」と言われちゃうといわゆるそのちょっと…。
認知症でいらっしゃるかな〜と…。
勝手に思っちゃいますよね。
このBさんのようなケースが仮性認知症では本当によくある例なんですね。
高齢者の場合うつ病でもの忘れなどの症状が一時的に出たりするので認知症と間違われやすい訳ですね。
このようにうつ病なのに一見認知症に見える場合を仮性認知症というふうに呼んでいます。
仮性認知症の厳密な定義は特にないんですけれどもBさんのように動きがゆっくりで考えが進まない状態で返事もできないというようなケースというのが典型的でしょうね。
年を重ねれば動きがゆっくりになったりだとか反応がね何となく速くなかったりとか本当そういう方って多いですよね。
はい。
それではうつ病の診断基準を改めて確認してみましょう。
うつ病によって起きる症状はこの9つがあるんですけれどもまずこの抑うつ気分あるいは興味・喜びの喪失。
こういった症状が一日中毎日毎日2週間以上続くという事ですね。
それに加えて…こういった症状の中からこの最初の2つのどちらかを含めて5つ以上が毎日毎日一日中2週間続くとうつ病が強く疑われるという事になります。
うちの母も50ぐらいから散歩とか。
いや健康でいいんですよ。
そういう…。
ただ長くは寝れないと。
そういう場合本当に老化なのかあるいは病気なのかうつ病なのかってなかなかその境目が分かりにくいですよね。
年とともに朝早く目が覚めるようになるのは誰にでもある本当に自然な事なんですね。
ですから鑑別のポイントとしては普段と違うのかどうかという事とそれが生活の中で障害になって苦痛に感じているかと。
そういう事だと思いますね。
なるほど。
今までと違う事になっていくという事が…。
いつも5時起きだったらじゃあお母様いい訳だ。
そういう意味ですね。
そういう事ですね。
苦痛も伴わないと。
それからうつ病の高齢者の方の場合には身体症状が強く出るのも特徴です。
こういったような体の症状が出やすいですね。
そしてこういった体の症状がまた不安要素となって自分はもう治らない病気にかかってしまったというふうに妄想を抱いてしまう場合もあるんですね。
その妄想という事も認知症でもね妄想を抱くとそういう事もありますよね。
はい。
妄想といってもうつ病と認知症とでは違いがあります。
うつ病の妄想では…うつ病で見られるその罪責感自責感のようなものが高じて妄想になってしまったと。
そういうタイプの妄想ですね。
この物とられ妄想の方は誰かに物をとられたといったようなタイプの妄想です。
この物とられ妄想ですねこれはどこから来るんですか?実はこれはもの忘れがもともとあって物をどこに置いたか覚えていないそれが人にとられたんじゃないかというふうにもの忘れを補う形で出てくるタイプの妄想なんですね。
ただしこのうつ病を発症したあとに認知症になるという人もいるため実際には医師でもうつ病と認知症の鑑別というのは難しいのが現状ですね。
ですから現在このうつ病と認知症に関しましては世界中で私たちも含め研究を進めておりまして更に研究を進める事によって診断法とか予防法の開発という事につなげていけるように私たちも頑張って研究していきたいと思っています。
それではうつ病と診断された場合治療としてはどうなってくんですか?基本的にはどの世代でも同じ治療でありましてこういった治療法があります。
ただし特に高齢者の場合にはこの抗うつ薬の副作用が出やすいという問題がありますね。
種類と量によってはもうろうとしてしまうとかあるいは転んで骨折してしまうと。
そういう危険を高める場合がありますので薬の選択とか量の調節というのは慎重に行う必要がありますね。
またこの高齢者の場合はもともと抱えている体の病気の治療薬を服用されてる方も多くいらっしゃいますのでそういった薬にも注意が必要です。
例えば胃炎などでよく使われる薬の中にはうつ病で使われる薬と全く同じ作用メカニズムのものがあったりしますのでこれを知らず両方のんでしまうと副作用が強く出てしまう場合もあるんですね。
大変ですね。
はい。
皆さん本当にお薬手帳は持ってた方がいいですよね。
そうです覚えてませんもんね。
はい。
処方薬局を1か所にまとめて常にそこでもらうようにしてると薬剤師さんの方で「ああこれとこれはのみ合わせがよくないですね」とチェックしてくれますよね。
高齢者の方の場合にはね薬の管理ってやっぱりなかなかご自分では難しいですよね。
そうですね。
高齢者の方の場合は薬物療法以上に実はご家族の対応とか環境づくりというのが大切になってくると思いますね。
そもそも高齢者の方の脳はストレスに弱くなっていてうつ病を発症しやすくなっているという事がありますのでできるだけストレスを減らせるような環境づくりというのが必要になってくると思います。
そのためには…こういった事が大切だと思います。
また親と離れて暮らしているようなお子さんはまめに電話をしてお話をするなど心がけると更によいかもしれませんですね。
電話します今日。
ブラジルですからね。
なかなかそんな毎日はできないんですけども。
時差もあるし。
だけどやっぱり電話すると母はすごい喜ぶんですよね。
そういうの大事ですね。
ねえそうですよね。
自分の時もねお母様がね随分サポートして下さったんですもんね。
母のおかげですから。
はい。
改めて感想いかがでいらっしゃいましたか?2日間。
自分で気付かないところって残念ながらそういう病気だと思うんですよ。
だから周りのサポートで一人の命をそうやって前進させる事が大事かなと思って是非周りのみんなつながってるので私もそういう時期もあったんですけどその時はもう全然分からなかったけど本当に周りのおかげで周りのひと言で私はこうやって今ここにもいられるしこうやってお伝えできるので。
うつ病にかかられた場合にはこのつらい症状が一体いつまで続くのかと絶望的になる方もいらっしゃると思うんですけれども諦めずに治療を続けていれば多くの場合は改善して元の生活に戻る事ができるんですね。
そのためには周りの方々のご協力も大切だと思います。
うつ病は誰でもかかる可能性がある病気ですので他人事とは思わないでうつ病を正しく理解して社会全体でうつ病を減らすような社会に変わっていくというふうになれば一番いいなというふうに思います。
どうもありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
2015/11/12(木) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 うつ病を知ろう「高齢者のうつ病」[解][字]

高齢者のうつ病では若い世代と異なる特徴を持つものもある。脳の血管の中にできた小さな血栓が原因の「血管性うつ病」、一見認知症と間違われやすい「仮性認知症」とは?

詳細情報
番組内容
高齢者のうつ病では、若い世代と異なる特徴を持つものもある。一つは、脳の血管の中にできた小さな血栓が原因で起こる「血管性うつ病」。脳梗塞の発作を起こした後にうつ病のような症状が見られるものとは区別される。もう一つが、認知症と間違われやすい「仮性認知症」。専門医でも鑑別が難しいが、もの忘れと妄想の症状では異なる特徴がみられる。仮性認知症の場合は、適切な治療をすればもの忘れなどの症状も改善される。
出演者
【ゲスト】マルシア,【講師】理化学研究所脳科学総合研究センター副センター長…加藤忠史,【キャスター】桜井洋子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:1117(0x045D)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: