<木曜劇場>オトナ女子 #05 2015.11.12


(文夫)足りないですね。
波乱が。
(亜紀)波乱?
(文夫)普通の恋愛も波乱がないと前には進めませんよ。
「いけない!」と拒絶する女。
(文夫)「いいじゃないか」男は女を抱き寄せる。
「ああ!?」
(くしゃみ)
(純一)一番好きだ。
(美和)それ私にも言ってましたけど。
(沢田)応援してくれる人がいるって励みになるんです。
(池田)どうしても今日会いたくて。
前川君さ。
ポスターの件デザイン部に指示しといてくれる?
(亮介)分かりました。
あと展示用のアプリってどうなってた?
(美和)納品されてます。
じゃあ進行状況は問題なしと。
(圭子)何か予定どおりさくさく進んでますね。
企画がいいから各部署ねノリノリなの。
(亮介)社内でも期待されてるってことですね。
(沙織)やっぱり高山さんに監修してもらったことがよかったんですかね。
(圭子)ああ。
私個人的にも高山さんに恋愛指南してほしいな。
(玲奈)私も私も。
あんな偉そうなのにさああだこうだ指示されたいの?
(美和)あれ?中原さん。
高山さんと仲いいんじゃないんですか?ちょっと。
勘弁してくれる?仕事で監修頼んでる間柄ですから。
(沙織)彼氏一筋なんですよね?何?ほれ。
仕事仕事。
はい。
これやって。
(亮介)中原さん順調みたいですね。
(沙織)あんたの思い込みでしょ?だいたいさ何でそんな年上がいいの?
(亮介)いや。
別に。
年上だからってことじゃなくて。
(沙織)じゃあ何?
(亮介)いや。
な…何って別に。
そんな…。

(一同)お疲れ。
お疲れさまです。
お疲れさまです。
(美和)うん?うん?うん?何?何かあったの?
(沙織)えっ?いや。
こないだ前川君に酒飲まして相談乗ってやったんですけど結構中原さんにマジみたいですよ。
(玲奈)いつの間に飲みに行ってたんですか?
(沙織)えっ?いや。
だってあいつが相談したいっていうから。
中原さんに彼氏がいるっぽいって。
(圭子)えっ?でも相談乗るうちにどうこうなるってよくあるパターンじゃないですか。
(玲奈)あるあるあるある。
(沙織)いやいや。
そりゃない。
(玲奈)えーっ。
ありそう。
(美和)そっか。
中原さんは恋も仕事も順調ってことか。

(店内のBGM)面白いじゃないですか。
(文夫)そうですか?まだ冒頭ですけど。
(池田)続きは?それだけです。
(池田)えっ!?いや。
言いたいことは分かってます。
「これだけ時間をかけてたったそれだけか」って。
いや。
ずいぶん先には進んでたんですけど何か違うような気がして捨てたんです。
(池田)分かりました。
気長に待ってます。
どうも。
(池田)ところでご覧になってたんでしょ?こないだ。
えっ?ああ。
トイレに隠れて子供のころに戻ったようで懐かしかった。
(池田)すみません。
いや。
いいんですよ。
これで2人の関係も軌道に乗ったんじゃないですか?
(池田)はあ…。
何か問題でも?恋愛がうまくいきはじめて普通なら幸せいっぱいの時期じゃないですか。
(池田)だからです。
こんなにうまくいっていいのかとふと不安になるんです。
ふーん。
何がそんなに不安なんですか?「自分にはそもそも女性に向ける愛情が足りないんじゃないか?」という気持ちがずっとあるんです。
これまでもそれでうまくいかなかったんじゃないかって。
うーん。
前こうだったから次はこうしようと考えるのはいい。
でも恋愛はそのたびに相手が違うんです。
前駄目だったから今回も駄目だとは限らないしその逆も同じでしょう。
僕みたいな人間はどうしたらいいんでしょうか?映画の有名なせりふでこういうのがある。
「愛とは決して後悔しないこと」聞いたことがあります。
『ある愛の詩』でしたっけ?後ろを向いていてもしかたがない。
前を向くしかないんじゃないですか?そうですね。

(ドアの開く音)あっ。
(賢三)いらっしゃい。
あっ。
どうも。
(池田)あっ。
どうも。
こんにちは。
あのう。
高山さんにちょっと仕事の話があって。
(池田)じゃあどうぞ。
僕は終わりましたんで。
はい。
約束してたんですか?ええ。
この後ちょっとご飯食べに行こうかなって。
いつもいつも人の仕事場をデートの待ち合わせ場所に使わないでほしいな。
(池田)すいません。
(賢三)いいんですよ。
自由に待ち合わせしてください。
ありがとうございます。
まあマスターが言うなら仕方ないか。
(賢三)フフフ。
すぐに済みますから。
(池田)あっ。
どうぞ。
ゆっくり。
ありがとうございます。
ちょっとこのね…。
うん。
訂正したところの原稿見ていただきたいなと思って。
こちらとこちらとあと…。
すごい奇麗ですね。
こんな奇麗なとこあったんですね。
(池田)はい。
よく一人で来るんですここに。
えーっ?いやぁ。
でもホントに奇麗。
(池田)夜景って見てると不思議な気分になります。
うん?
(池田)あの光の一つ一つに誰かの人生があるんだなって。
そうですね。
(池田)世の中にはあんなにたくさんの人がいるのにどうして僕は運命の人に巡り合えないんだろうと思ってました。
でも今は違います。

(一同)お先失礼します。
お疲れさまです。
お疲れさま。
(純一)よう。
(萠子)「よう」って何よ?
(純一)まだこないだのこと怒ってんの?
(純一)そりゃそうだよね。
まあ何ていうか…。
あれは確かに間が悪かった。
(萠子)「間が悪かった」便利な言葉ね。
(純一)今日もすごく間が悪いことがあってさ。
ちょっと前に付き合ってた女の子が妊娠したって言ってきたんだ。
責任取って結婚してくれって。
(萠子)えっ?
(純一)嘘だよ。
その子と付き合ってたの1年以上前だし。
計算が合わない。
(萠子)じゃあ突っぱねればいいじゃない。
(純一)まあそりゃそうだけど下手に騒がれても困ると思ってね。
(萠子)自業自得よ。
(純一)そう突き放すなよ。
ねえ。
あまり騒がれずにお引き取り願うってどうしたらいい?
(萠子)知らない。
だいたい何で私が他の女の相談乗らなきゃいけないのよ?
(純一)だよね。
何か君って頼りになる感じでさ。
ごめんね。
(萠子)頼るよりも…。
(萠子)愛してほしい。
頼るのも愛の一部だろ?腹立つな。
もう。
(純一)うん?だって相談されてちょっとうれしかった。
ムカついてんのにうれしいって何?それが愛。
この…。
(純一)うっ!?痛ててて…。
(萠子)もう。
(一同)わーっ!はい。
じゃあ面白謎掛け。
謎掛け?
(みどり)ねえねえ。
陵。
碧。
(陵)えっ?何?
(みどり)宿題やったの?
(一同)宿題?
(碧)何それ?おいしいの?
(昴)バカ。
(みどり)もう。
ちゃんとやってよ。
(昴)何やってんだよ。
(陵・昴)やれよ。
(メールの着信音)
(男性)どうしたんだよ?
(沢田)別に。
(男性)どんな子だよ?あっ。
こないだの合コンのミホちゃん?
(沢田)違うよ。
(男性)ホントかよ?抜け駆けすんじゃねえぞ。
(沢田)分かってるって。

(碧)絶対母ちゃんに言うべきだって。

(陵)俺もそう思う。
大事なことじゃん。

(昴)絶対あり得ねえって。
ってかそんなこと簡単に言えるわけねえだろ。
バカ。
バカ。
(陵)痛い。
(昴)ふざけんなよ。
(みどり)どうかしたの?
(昴)うん?ううん。
何でもない何でもない。
なあ?
(陵・碧)ああ…。
うん。
(昴)さあリポートリポート。
(一同)しゅ…宿題やった?そうそう。
宿題な?宿題。
(美和)じゃあ本日の会議は以上です。
(一同)お疲れさまでした。
はい。
お疲れさまでした。
(バイブレーターの音)よいしょと。
(萠子)「みどりが話したいことがあるって」
(バイブレーターの音)「こっちにも来た。
何だろう?」
(一同)ありがとうございます。
(萠子)「みどりがそんなこと言うなんて珍しいね」「何かあったのかな?」うーん。
ああ。
もう無理。
食べたやつが出てきちゃいそうこれ。
(萠子)オリーブオイルってね血の巡りがよくなって新陳代謝がよくなるから美容にもいいんだって。
抗酸化作用もあるから若返り効果もあるんだってよ。
何だか萠子。
元気出てきたね。
何かいいことあった?
(萠子)ちょっとね。
(みどり)彼と仲直りした?そうなの?
(萠子)まあね。
っていうかさみどりが女子会の招集かけるって珍しくない?
(みどり)えっ?だって子供の世話ばっかじゃ息が詰まるでしょ?何でも愚痴は聞きますよ。
(みどり)うん?うん。
愚痴っていうかね。
まあまあ。
いいのいいのいいの。
何?
(萠子)何?呼んどいてさ。
(みどり)亜紀は?池田さんと1mmぐらいは進んだ?1mmかどうか分かんないけど…。
聞きたい?
(みどり・萠子)うん。
キスした。
(みどり)おっ。
ついに?うん。
まあちょっとね。
(みどり)へえー。
あれ?萠子のリアクションがない。
ない。
(萠子)っていうかこの年でキスした程度でどうリアクションしろっつうのよ?
(みどり)いいじゃん。
小出しで楽しめてさ。
着実って言ってくれる?
(みどり)すいません。
でどういうシチュエーションで?
(みどり)聞くんじゃん。
まずはですね夜景が見えるところで…。
(みどり)おお。
ロマンチック。
うん。
でどうだったの?どうだったって何が?感じよ。
キスの相性とかさ。
そりゃまあ…。
うーん。
よくなかったんだ?そうかもね。
それ大問題じゃない。
それで具体的にどうだったの?私はさ最初にキスするときに奥まで舌突っ込んでくる男駄目なんだよね。
最初はさこうお互い探り合いながらちょっとずつ距離をこう詰めていきたいじゃん?
(みどり)分かる。
分かるよ。
でもあんたの話はいいから。
まあね。
質問の答えになってるかどうか分かんないんだけど何かね…。
普通だった。
(みどり)普通?まあ私が思うキスってさ何かこうちょっとドキドキしたり体が熱くなったりするもんじゃない?そういうふうに思ってたんだけどでも何かあんまりそういうんでもないっていうか。
キスした後も何か普通の会話に戻っちゃったんだよね。
それってまずくない?だってキスは日常業務じゃないんだよ?だよね。

(物音)ちょっ。
やっ。
ちくわだ。
まったくあいつは。
何やってんの?ちくわ。
(萠子)あらら…。
こら。
(萠子)亜紀に男ができたからすねてんじゃないの?このこの。
この野郎。
ちくちゃん。
そうなの?・
(物音)
(みどり)あーあ。
ちょっ。
駄目駄目。
何?そんな変な飲み方して。
(みどり)ああ…。
大丈夫?何かあった?
(みどり)うん?
(萠子)何か話があるから呼んだんでしょ?言ってごらん。
実は…。
(萠子・亜紀)えーっ!?ちょっと。
子供の先生とやったってこと?
(みどり)やった。
…かどうかは分かんないんだけど。
ちょっと。
ちょっちょっ…。
(萠子)何でまたそんなことになっちゃったの?
(みどり)何でだろう?色々考えたんだけど出合い頭というか勢いとしか…。
あるよね。
そういうことさ。
ないよ。
子供の学校の先生だよ?何でブレーキとかかけないの?いや。
かけるよ普通はさ。
じゃあ何でかけなかったの?何でだろう?色々考えたんだけど出合い頭っていうか勢いとしか…。
ちょっと待って。
話がループしてるっつうの。
(みどり)しかもさ何か子供たちが気付いてるっぽいんだよね。
(萠子)えっ。
何で?何か私の方見てこそこそ話してるし。
それはさ自分がやましいことやってるからさ被害妄想とかそういうことなんじゃないの?そうかもね。
でもねもうこの件は終わったの。
それホント?うん。
これ以上は絶対ない。
あのときはすごい酔っぱらってたから。
あれは事故だったの。
ねえ。
でさどういう先生なの?
(みどり)すごくいい先生だよ。
まだ頼りなさげなところもあるけど若いなりに一生懸命頑張ってて。
で男としてはどうなの?
(みどり)いや。
そういう目では見られないよ。
それよりも私は…。
(メールの着信音)あれ?
(みどり)うわ。
来た。
(萠子)えっ?隠し事なしだよ。
見せて。
うん。
うん。
うんうん。
(みどり)はい。
(萠子)「どうして連絡くれないんですか?」「あなたに会いたいです」だって。
ちょっと。
(萠子)向こうも超前のめりじゃない。
どうすんのよ?あんた。
もう会わない。
(萠子)いやいや。
だって会わないわけにはいかないでしょ?子供の学校の先生なんだからさ。
そうだよ。
行事とか面談とか面接とか色々あるでしょ。
これから。
(萠子)そうそう。
(みどり)ああ。
私ってもう最低な母親だ。
子供たちに顔向けできない。
(萠子)いやいや。
泣くことないって。
これはめでたいよ。
バカたれ。
めでたいかよこれが。
(萠子)だってお互い独身なんだしめでたいじゃん。
めでたくないよ。
子供のことちゃんと考えてごらんよ。
(萠子)亜紀は常識的過ぎんだよもう。
常識がね一番大切なの。
みどりはね母親なんだよ?分かってんの?考えよう。
少し。
そうだよね。
亜紀の言うとおりよ。
私母親なのにさ。
だけどさ自分でもどうしていいかよく分かんなくなっちゃったんだもん。
何であんなことになっちゃったのか。
(みどり)ああ…。
酔った。
私今日は帰るね。
ごめんね。
私から集合かけといて。
(萠子)みどり。
(みどり)うん?亜紀はみどりのことを思って言ってるんだよ。
分かってるよ。
じゃあね。

(ドアの開閉音)・
(碧)今日こそさ母ちゃんに話そう。

(昴)バカ。
男女のことだぞ?無理だって。
話しにくいよ。
(陵)でもあのう。
男女のことだからこそちゃんと話さないと。
俺たち家族なんだしさ。
(碧)そうだよ。
(昴)そうだけどさ。
話す。
(一同)えっ?話すよ。
(みどり)やっぱり家族に秘密はよくないよね。
(昴)そうだよな。
(みどり)まずは言いたいこと言って。
母ちゃんも正直に答えるから。
(昴のせきばらい)
(昴)あのう。
妊娠…。
えっ?いや。
まだしたかどうかも分からないのに妊娠なんてそんな…。
(碧)えっ?「したかどうか」って何?
(みどり)えっ?
(陵)母ちゃん。
誰の話してんの?
(みどり)あれ?えっと…。
君たちは誰の話をしているのかな?
(昴)俺だけど。
(みどり)えっ?何であんたが妊娠するのよ?
(昴)させちゃったんだよ。
彼女を。
(みどり)えーっ!?
(陵)うん?
(碧)いや。
何の話だと思ってたの?
(みどり)えっ?えっ?いや。
えっ?えっ?何?あのう。
ほら。
付き合ってたゆかりちゃんとかいう子?
(昴)ああ。
それ元カノ。
今カノのまどか。
(みどり)聞いてないよ。
まどかなんて。
(昴)まあ最近だから。
(みどり)もう。
何でちゃんとしなかったの?母ちゃんそういうことはちゃんとしろって言ったでしょあれほど!
(昴)ごめん。
(陵)あのう。
どうしてそもそもそういうことになったの?弾み?
(みどり)弾みだなんてあんたそんないいかげんなこと。
…はあるな。
うん。
うんうん。
弾みはある。
(陵)どうかした?
(みどり)えっ?あ…あんたあっちの部屋行ってなさい。
(陵)えっ?やだ。
(みどり)大人の話なの。
(碧)ああ。
いや。
ほら。
陵も家族なんだしさ。
それにもうこういう話も…。
ねえ?知ってた方がいいじゃん。
(みどり)そうかな?
(碧)そう。
で俺ら兄ちゃんに相談されてさどうしようって。
なあ?
(みどり)それでその妊娠は確かなの?
(昴)うん。
(みどり)まあ…。
ああ。
どうしよう?えっと。
まずはそうそう。
ねっ。
相手の親御さんとお話をちゃんとして。
えー。
それからあ…あんたの大学にもちゃんと話をして。
えーっと。
それからそれから…。
ああ。
ああ…。
もう。
(昴)ごめん!
(賢三)はい。
ごゆっくりどうぞ。
(純一)どうも。
(萠子)どうも。
でどうだったの?妊娠騒ぎは。
(純一)ああ。
やっぱり嘘だった。
(萠子)そんなことだろうと思った。

(ドアの開く音)
(純一)ご心配をおかけしました。
別に心配なんてしてないけど。
(純一)ああそう。
(賢三)いらっしゃいませ。
(純一)ふーん。

(田代)あれ?萠子さん?あら。
久しぶり。
田代さん。
(田代)ホント久しぶり。
(萠子)でどうしてるの?最近。
(田代)ああ。
最近はスコセッシの新作を少し手伝ったりとか。
(萠子)わあ。
すごい。
(純一)映画関係のお仕事ですか?
(田代)ええまあ。
ハリウッドと行ったり来たりですね。
最近は中国市場の拡大もあってビジネス環境もだいぶ変化してますから。
(純一)ほう。
やっぱり中国ですか。
(田代)ええまあ。
(萠子)この人仕事柄映画や本のことはすごく詳しいのよ。
(田代)いやいや。
(純一)そうですか。
僕ももっと映画を見たいと思ってたんです。
仕事に役立つかと思って。
でもなかなか時間が取れなくて。
(田代)映画っていうのは何かの役に立てようと考えて見るものじゃありませんよ。
「考えるな信じろ」『燃えよドラゴン』のせりふですよ。
(萠子)わあ。
すごい。
ねえ。
そういう話もっと聞きたいな。
そうだ。
今夜にでも。
(田代)でもいいのかな?僕も他の女の子と会ってるから君を止める理由はないよ。
あっ。
そう?
(田代)じゃあ僕の知り合いのいい店があるんでそこにしましょうか。
(萠子)わあ。
楽しみ。
(純一)じゃあ僕は会議があるからお先に。
(賢三)はい。
じゃあこれお釣りです。
(純一)ごちそうさまです。
ごゆっくり。
(賢三)ありがとうございました。
(田代)どうでした?
(萠子)駄目。
何にも感じてないよ。
あの人。
(田代)えっ?
(萠子)レンタル彼氏なんて頼むんじゃなかった。
高い金払って損したわ。
すみません。
あのう。
どの辺が駄目でしたかね?あなた全然ハリウッドで仕事してる人に見えないんですけど。
(田代)あっ。
「映画のせりふ言え」とか言うからネットで調べたんですけど。
何かいんちきくさいのよね。
こうもっと知性がある感じじゃないと。
すいません。
いや。
そのつもりだったんですけどね。
ああ。
知性っていうのはこう内面からにじみ出るもんだから。
あっ。
あの店に居座ってる脚本家の人でこう妙に小難しいこと言うんだけど様になってる人がいるのよね。
(田代)あっ。
その人見てこうまねればよかったですかね?もういいわ。
嫉妬させる作戦は失敗。
うまくいけば母親の前でも彼氏のふりしてもらおうと思ったんだけどね。
(田代)あのう。
もう一度。
もう一度だけチャンス頂けませんか?お母さんの前では頑張りますんで。
(萠子)無理よ。
うちの母は手ごわいの。
私の彼氏だなんて言ったら徹底的にチェックされるわよ。
それはやめておいた方がよさそうですね。
ホントご期待に沿えず申し訳ありませんでした。
ご苦労さま。
ギャラは振り込んどくから。
(田代)またご利用ください。
(萠子)もう利用しないと思う。
(田代)ありがとうございました。

(池田)あっ。
今度の日曜の予定なんですけど。
あのう。
もう少しだけ…。
(池田)えっ?いや。
あのう。
もう少しだけ余韻に浸ってもらえますか?
(池田)あっ。
そうですよね。
すいません。
中原さんといると時間が惜しくてついせっかちになってしまうみたいです。
これからは気を付けます。
あっいえ。
そんな…。
(池田)じゃあ仕切り直しで。
えっ?ほっ。
「じゃあ仕切り直しで」「あっ。
そんな。
ちょっと。
んー」何か違うんだよなぁ。
うん?どこが口なんだ?お前は。
(みどり)このたびはうちの息子が申し訳ありませんでした。
(まどかの母)謝れば済む問題じゃないでしょ?うちの娘の将来はどうなるんですか!
(まどかの父)まだ学生の分際で無責任ですよ。
いったいお宅ではどういう教育をされてるんですか?それは…。
(まどかの父)これだから母子家庭は。
申し訳ありません。
(みどり)確かにさ昴は悪いよ。
悪いんだけど…。
母子家庭なめんなよっちゅうの。
(バイブレーターの音)
(バイブレーターの音)
(みどり)もしもし。
(沢田)よかった。
出てくれて。
(みどり)あのう。
何でしょう?
(沢田)すいません。
実はそのう…。
陵君がまたケガをしてしまって。
(みどり)えっ?・
(ノック)・
(ドアの開く音)
(沢田)すいません。
お忙しいのに。
(みどり)いえ。
陵は?
(沢田)ケガは大したことなかったんで授業を受けています。
(みどり)そうですか。
(沢田)実はお話ししたいことがあって。
(みどり)この前のことでしょうか?
(沢田)いえ。
陵君の担任としてお話ししたいことがあるんです。
はあ…。
(沢田)どうぞ。
(みどり)はい。
(沢田)実は…。
いや。
これはまだはっきりしないことなんですが。
そのう…。
(みどり)あのう。
はっきり言ってください。
(沢田)すいません。
もしかすると同級生にいじめられてるんじゃないかって。
(みどり)えっ?
(沢田)最近ケガが多いので気にはなっていたんです。
本人は転んだとか自分でやったようなことを言うんですがそれとなく周りの生徒に聞いてみたんです。
そしたら彼を目の敵にしているグループがいるらしくて。
どうして?
(沢田)おそらく理由なんてないんです。
ストレス解消にしたいだけなのかもしれません。
(みどり)そんな。
どうしてうちの子がストレス解消に使われなきゃいけないんですか?
(沢田)本当にすいません。
担任なのに今まで気付かなくて。
どうしよう?どうしたらいいの?どうしたらいいんですか?
(沢田)これから連絡を密にしてそのう…。
あのう。
この前は何もありませんでしたから安心してください。
(みどり)えっ?とにかく陵君のことは必ず解決します。
ありがとうございます。
よろしくお願いします。

(ドアの開く音)
(賢三)いらっしゃい。
あっ。
どうも。
何でしたっけ?今日は。
あっ。
修正原稿の件でお伺いしたんですけれども。
エピローグのところちょっと直してみました。
お願いします。
あっ…。
話聞きましょうか。
えっ?何か話したいことがあるように見えたんで。
お願いします。
ありがとうございます。
(賢三)ごゆっくり。
あなたたち2人はお互いに気を使い過ぎなんじゃないかな。
いや。
相手を思いやるのはもちろんいいことです。
でもこのままじゃどこまでも他人行儀のままじゃないですか。
じゃあどうすればいいんですかね?一度思いっ切り甘えてみたらどうですか?甘える?甘えるというのは恋愛において重要な要素ですから。
そりゃそうですけど…。
そういうの苦手でしょ?まあどっちかっていうと人に甘えちゃいけないって思いながら生きてきた方だったから。
他のことと恋愛は分けて考えないと。
いや。
何でもいい。
弱みを見せて相手に弱音を吐くんです。
向こうの都合なんかお構いなしでね。
向こうが怒りだすんじゃないかと心配になるぐらいに。
やってみるかな。
今日はずいぶんと素直ですね。
ありがとうございます。
礼を言われるのも妙な感じだな。
フフッ。
(沙織)何で期日どおりできないの?今日中って言ったでしょ。
(亮介)すいません。
一生懸命頑張ってみたんですけど。
(沙織)ハァ。
しょうがないな。
宣伝部には私の方から連絡しとくから。
前川君はデータの方急いでよ。
(亮介)はい。
(亮介)何か?うん?いや。
前川君って甘え上手だなと思って。
僕ですか?どうしたらそうやって上手に甘えられるのかな?
(亮介)えっ?僕そんなに甘えてます?ほら。
(美和)中原さん。
ちょっと問題が。
何?
(美和)このパンフレット価格間違えてます。
えっ!?
(美和)ゼロが一つ。
やだ。
ホントだ。
ねえ?これ明日のイベントで配るやつだよね?
(圭子)値段が間違えてるようじゃどうしようもないですよ。
パンフの件は広報部に任したはずなのにな。
まっ私も最終チェック見逃しちゃったっていうのもあるんだけど。
ねえ?印刷のやり直しって今日中にできる?
(美和)いや。
無理でしょう。
そっか。
訂正シールだけ作れば間に合うかもしれない。
全部で何部だっけ?
(美和)1万部です。
(圭子)あしたまでなんて無理なんじゃないですか?みんなでやれば何とかなる。
分担すれば間に合うかもしんない。
ねっ?よしやろう。
みんなで作ってるアプリを完成させるためにも。
ちょっと私行ってくるね。
(一同)はい。
すいません。
(従業員)いらっしゃいませ。
これプリントお願いします。
(従業員)お預かりします。
ちょっと急ぎめで。
大丈夫かな?
(従業員)お待たせしました。
すいません。
ありがとうございました。

(純一)あっ。
ちょっと。
えっ?
(純一)萠子さんってさハリウッドの仕事してる男と付き合ってた?何ですかそれ?やっぱ偽者だよな。
ちょっと時間ないんで。
すいません。
(純一)おい。
(玲子)社長。
何かご心配事でも?
(純一)いや。
プライベートだから。

(美和)ホントえらい迷惑よね。
中原さん。

(圭子)何で私らまで残業しなきゃいけないんですかね?・
(玲奈)そうそう。
広報部のミスと中原さんのチェックミスでしょ。
そんなのに付き合わされる義理ないですよね。
しょうがないでしょ。
おんなじチームなんだから。
(沙織)いや。
そりゃ仕事だからやるけどさ「みんなで作ってるアプリ」とか仲間みたいな感じ出されると引くよね。
誰も仲間だなんて思ってないっつうの。
(一同)ホントですよね。
確かに。
(美和)そろそろ戻ろっか?中原さん。
戻ってくる前に。
(一同)はい。
ただいま。
(一同)お疲れさまです。
今ね広報部から連絡があって全部向こうで対応してくれるって。
(玲奈)そうなんですか?だから今日は皆さん。
帰っていいよ。
大丈夫。
(亮介)ホントに大丈夫ですか?ホントにホントに大丈夫。
(沙織)よかった。
(美和)じゃあよろしくお願いします。
はい。
お疲れさま。
(一同)お疲れさまです。
お疲れさま。
(亮介)お疲れさまです。
よいしょ。
(一同)お先に失礼します。
お疲れさま。
お疲れさまです。
痛っ。
ああー。
痛…。
よし。

(沙織)《そりゃ仕事だからやるけどさ「みんなで作ってるアプリ」とか仲間みたいな感じ出されると引くよね。
誰も仲間だなんて思ってないっつうの》よし。

(亮介)中原さん。
どうした?
(亮介)いや。
あっ。
おなかすいてません?どうして?
(亮介)どうしてでしょうね。
何か中原さんのことは全部分かっちゃうんですよね僕。
何だそれ?
(亮介)手伝いますよ。
大丈夫。
もうすぐ終わるから。
(亮介)手伝います。
(亮介)一人で全部抱え込まないでくださいよ。
中原さんはもっと甘えた方がいいと思いますよ。
一緒に頑張りましょ。
うん。
ありがと。
じゃあおにぎりでも食べよっかな。
(亮介)おっ。
食べます?はい。
焼きジャケ。
あとサンドイッチもあります。
うん。
ありがと。

(純一)この間の田代さんとのデートうまくいった?
(萠子)もちろん。
楽しかった。
ハリウッドの話もたくさん聞けて。
(純一)そう。
あっ。
「信じろ」じゃなくて正確には「感じろ」だよ。
えっ?
(純一)『燃えよドラゴン』のせりふ。
「考えるな信じろ」じゃなくて「考えるな感じろ」下手な小細工することないのに。
(萠子)バレてたんだ。
あっ。
だってほら。
ねえ。
(純一)君って結構めんどくさい人だね。
もっと大人かと思ってた。
「まだ起きてますか?」
(バイブレーターの音)
(池田)「起きてますよ」
(呼び出し音)
(池田)はい。
あっ。
あっ。
夜遅くにすいません。
(池田)いえ。
何かあったんですか?あっ。
あのう。
(電話の着信音)
(池田)あっ。
あっ。
あれ?
(電話の着信音)まだお仕事ですか?・
(池田)ええ。
少しお待ちください。

(池田)はい。
はい!えっ!?ホントですか?ありがとうございます。
分かりました。
ではあしたにでもお伺いします。
はい。
本当にありがとうございます。
失礼します。
あっ。
お待たせしました。
あっ。
お忙しそうですね。
ご迷惑でした?
(池田)いえ。
実は去年出版した作家さんの作品がとても好評で。
(池田)新作を出したくてずっと交渉してたんですがようやく実現しそうなんです。
そうなんですか。
よかったですね。
(池田)ありがとうございます。
何か中原さんと付き合い始めてから仕事がいいこと続きで。
(池田)まあそのおかげで大忙しなんですけど。
そんな。
そんなときにすいません。
(池田)いえ。
一息入れようと思ってたとこですから。
どうかしました?あっ。
私も仕事が順調で気付いたらこんな時間になっちゃってて。
(池田)そうですか。
いつも前向きに仕事を頑張っていてすごいと思います。
僕も見習わなきゃ。
あっ。
あのう。
頑張ってください。
(池田)ありがとうございます。
一段落したらまた食事行きましょう。
はい。
じゃあ失礼します。
ハァ。

(賢三)いらっしゃい。
あっ。
どうも。
(賢三)つうかもう終わりなんですよ。
ああ。
でもちょっとだけ高山さんとお話があって。
こんな時間にどうしたんですか?
(賢三)うん。
じゃあ鍵締めといてください。
ほら。
ああ。
いやぁ。
ホントにマスター。
ホントすいません。
(賢三)いいえ。
ごゆっくり。
ありがとうございます。
すいません。

(ドアの開閉音)よいしょ。
駄目だった感じですか?駄目だったって感じです。
甘えようと思ったんだけど向こうもすんごく大変そうで。
何だかそんな感じじゃなくなっちゃって。
そんなことお構いなしに甘えなきゃ。
んなこと言われたってもう。
男はそれが結構うれしかったりするもんですよ。
そうなんですか?男は女に甘えられたりわがまま言って振り回されたりするとうれしいもんなんです。
はい。
どうぞ。
どうも。
でも私にはそんなことできそうにもないな。
あなたらしくないな。
そんな簡単に弱音吐くなんて。
えっ?一つ質問してもいいですか?何ですか?また急に。
池田さんとキスはしましたよね?はい。
じゃあもう一つ質問です。
あなたが考える大人のキスの定義は?定義?いや。
あなたの客観的な意見が知りたいだけです。
それはもう何ていうか…。
こう。
濃厚で相手の気持ちが伝わるような熱いキスでそれはもう急いでなくて時間をかけてゆっくりとゆっくりとこう何度でも何度でもこうやってうーんって。
まあそんな感じですよ。
あなた勘違いしてますね。
はい?大人のキスに回数や時間は関係ないんです。
それはもっと瞬間的で情熱的なものなんです。
あなたには分からないでしょうけど。
あなたはいつもそんなことばっかり。
何ていうか頭でっかちの言葉ばっかりで偉そうなこと言ってホントは何も知らないし何にもできないんじゃないですか?そう見えますか?はい。
そんな感じですよ。
ちょっ。
何するんですか?言葉だけの男じゃないって示したかっただけです。
2015/11/12(木) 22:20〜23:14
関西テレビ1
<木曜劇場>オトナ女子 #05[字][デ]

「大人のキス」
篠原涼子 吉瀬美智子 鈴木砂羽 谷原章介 江口洋介ほか

詳細情報
おしらせ
「2018FIFAワールドカップアジア2次予選日本VSシンガポール」延長の際、放送時間繰り下げの場合あり。
番組内容
 亜紀(篠原涼子)と池田(平山浩行)は交際を続けていた。順調すぎで逆に不安を覚えているという池田に、愛とは決して後悔しないこと、前に進むしかないと助言する高山(江口洋介)。
 萠子(吉瀬美智子)のフラワーショップにやってきた栗田(谷原章介)は、以前付き合っていた女の子から、妊娠したので責任を取ってほしいと言われて困っていると相談する。交際していたのは1年以上前なので、つじつまは合わないが、下手に
番組内容2
騒がれても困るというのだ。栗田の言動に腹を立てていたはずの萠子は、相談されたことが嬉しくてつい彼を許してしまう。
 一方、三男・陵(浦上晟周)の担任でもある沢田(千葉雄大)とベッドをともにしてしまったみどり(鈴木砂羽)は、亜紀と萠子にその件を告白する。しかも、子どもたちがそれに気づいているかもしれないらしい。そんな話をしている間にも、沢田から「あなたに会いたい」というメールが届き、困惑するみどり。
番組内容3
萠子は、「もう会わない」と言って自分を責めるみどりに、お互い独身なのだから何も悪くないと告げる。それに対して亜紀は、子どもたちのことや立場も考えるべきだと言い出し…。
 そんな折、高山のもとを訪ねた亜紀は、どこかしっくりいっていない池田との交際について相談する。高山は、亜紀たちはお互いに気を遣い過ぎだと指摘し、一度思い切り甘えてみてはどうかと提案する。
出演者
中原亜紀: 篠原涼子 
大崎萠子: 吉瀬美智子 
坂田みどり: 鈴木砂羽 
栗田純一: 谷原章介 
高山文夫: 江口洋介 

工藤美和: 市川実和子 
立花沙織: 平山あや 
前川亮介: 吉沢亮 

沢田健太: 千葉雄大 
池田優: 平山浩行 

山岡伸治: 斎藤工(友情出演) 

霜田賢三: 池田成志 

スタッフ
【脚本】
尾崎将也(『結婚できない男』『梅ちゃん先生』他) 

【プロデュース】
中野利幸(フジテレビドラマ制作センター『ディア・シスター』『ラスト・シンデレラ』他) 

【演出】
田中亮(フジテレビドラマ制作センター『医龍4』『ラスト・シンデレラ』他) 
関野宗紀(『ディア・シスター』『医師たちの恋愛事情』他) 

【主題歌】
中島美嘉「花束」 

【制作】
フジテレビジョン

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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