フランスの怒りが炸裂した。129人が犠牲となった、過激派組織「イスラム国」(IS)によるパリ同時多発テロを受け、オランド大統領は演説で「わが国は戦争状態にある」と宣言し、IS掃討のため、シリア空爆をさらに強化することを表明したのだ。全面戦争を覚悟したのか、原子力空母「シャルル・ドゴール」を中東に急派させる。一方、ISは新たなビデオ声明で「ワシントンにある米中枢を攻撃する」と恫喝した。
オランド氏は16日午後(日本時間17日未明)、パリ郊外のベルサイユ宮殿で上下両院合同会議を緊急招集した。
毅然とした表情で、「わが国は世界を脅かすテロ、過激主義と戦っている」「国は全力を挙げて国民を守る」「フランスはテロに破壊されない。フランスがテロリストを破壊する」などと演説し、IS壊滅のため、全世界的な反撃を呼び掛けた。近く、米露首脳と協議するという。
さらに、国家の非常事態に対応するため、(1)2年間で警察官など5000人を増員(2)フランス生まれのテロリストから国籍の剥奪を可能にする−考えを示し、非常事態宣言の3カ月間延長や、憲法改正も提案した。
フランス国会は通常、下院はブルボン宮、上院はリュクサンブール宮で行う。ベルサイユ宮殿での開催は異例。AFP通信によると、フランス大統領が上下両院合同会議で演説を行った例は、過去150年以上さかのぼっても今回を含め2度しかない。
「IS掃討」への強い決意の表れといえ、演説を聞き終わると、議員らはフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」を熱唱した。同国の国歌には、《武器を取れ 市民らよ 隊列を組め 進もう 進もう! 汚れた血が われらの畑の畝(うね)を満たすまで》という歌詞がある。
フランスの強い決意を示すように、同国が誇る原子力空母「シャルル・ドゴール」が今週19日、地中海に面したトゥーロンの海軍基地から、中東に向けて出撃する。