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福井12月再稼働、厳しい情勢 高浜原発異議審終結高浜原発3、4号機(高浜町)の再稼働を差し止める福井地裁の仮処分決定に対する異議審の審理が十三日に終結した。今後、仮に決定が覆っても再稼働には地元同意が必要となる。同意時期は不透明で、関西電力が目指す3号機の十二月下旬の再稼働は厳しい情勢だ。 原子力規制委員会による3、4号機の審査は十月九日に終了。これを受け、県は十一月五日に有識者でつくる県原子力安全専門委員会を開き、審査結果を検証した。委員長は課題は「まだある」と発言。今後、現地調査を含めて複数回が開かれる見通しだ。 西川一誠知事は「行政と司法の手続きは別」と述べており、専門委の意見集約や野瀬豊高浜町長の同意が済めば、同意判断に進む可能性はある。だが、異議に対する決定前だと「司法軽視」の批判は免れない。「仮処分が覆らない限り、同意判断はしない」という見方もある。 再稼働の前提で県が政府に示した五条件も壁だ。西川知事は原発に対する国民理解を「不十分」と言い続ける。県外立地を求める使用済み核燃料の中間貯蔵施設は全くメドが立っておらず、今後、関電がつくる対策推進計画は実効性の低い内容になる可能性が高い。 関電は異議審判断や地元同意の前でも、設備の性能を規制委が確認する「使用前検査」を可能な限り進めたい考えだが、知事の方針で核燃料の装填(そうてん)は知事同意の後にしかできない。同意時期は不透明で、3号機の装填時期を十一月中旬とする関電の想定は既に崩れつつある。 (西尾述志) PR情報
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