おいしそうなメロンですね〜
実は私大好物なんです
とろけるような果肉にコクのある深〜い甘み
果物の王様と言われるメロン
作ったのはなんと町工場の社長
常識破りのメロンが実った
育てたのは農業の素人たち
不況にあえぐ町工場が生き残りをかけ生み出した
いよいよ今年…
勝負の年
果たしてその味は?
Ihaveadream
東京の郊外町田市
ここまちだテクノパークは町工場が集まる工業団地
その一角に林の会社がある
主力製品は…
どういうものなのだろう?
たっぷり濡らした段ボールをエアノズルに当てると…
なんと一瞬で乾いてしまう
これで乾かしているという
続いて取り出したエアノズルは
噴射口が高速回転
これがすごい威力
今までのエアノズルでは吹き飛ばせなかった小さな水滴も
林のエアノズルを使えば…
あっという間に吹き飛んでしまう
これまで林は空気の流れを自在に操ってきた
そして今畑違いのメロンを作っている
それも最高級のマスクメロンだ
会社から車でおよそ5分
ここが林のメロン作りの舞台だ
見上げてみると…
まるで空から降り注ぐように無数のメロンが
これおいしい絶対おいしい
この日は収穫前の味見
芳醇な香りが広がり
果肉はきめ細かい
うまいよこれ
しかも皮ぎりぎりまで食べられる
高級メロンの基準14度を超える
林はこのメロンをどうやって生み出したのだろう?
苗木を見せてもらった
すると…
そこには土が一切使われていない
あるのは町工場さながらの装置
実はこれメロン用に開発した水耕栽培装置だ
これにより通常1つの木から数個しかとれないメロンが
60個も実る
まるでメロン工場のよう
町工場生まれのメロン
その名は…
この夏いよいよ売り出される
初出荷を控えこの日お披露目会が開かれた
このメロンを…
林の夢に町田市も積極的だ
これがブランド化されていくということであれば何らかの形で市としても…
商店もまちだシルクメロンを新たな名物にしようと
商品開発に乗り出した
フランス料理のシェフも本気モード
地元の大学教授たちも集まった
林の夢に多くの人たちが引き寄せられている
夢をかなえるにはそれなりの苦労も伴うっていうことですだから最後ですよホントにこれが
今61歳の林
転機となったのは2008年のリーマンショック
これで町工場は注文が減り大打撃を受けた
生き残りを懸け林たちが選んだのは畑違いの農業
挑むのは…
成功例が少ないこの水耕栽培を事業化できれば
町工場の希望にもなる
メロン作りプロジェクトがスタートした
ところが…
次々にメロンは腐り町工場の希望は無残な形となった
これで終わったなってほとんどの人が思ったわけですこの話はこれで終わりだろう
町工場の生き残りを懸けメロンの水耕栽培に挑むも
収穫する前にすべてが腐ってしまった
リーダーの林にかけられた言葉は…
慰めの言葉ですよそういう言葉が出るだろうなとは予測してたんですけどだんだんストレスがたまってくるんですよね聞くたびに
仲間が去っていく中林だけは諦めなかった
結果を出すのがエンジニアの仕事だ
メロンが腐った原因は根腐れだった
当時導入した装置は水が一直線に流れた
根は一方向にだけ向かって成長したため
固まり腐ったのではないか
もしそうなら…
メロンの根にふさわしい水の流れを作ればいい
ヒントはエアノズルにあった
空気をまんべんなく当てるように
メロンの根全体に水を当てれば
根は固まらず成長してくれるのでは?
林は新たな水の流れを作る
栽培装置の開発に取り掛かった
そして出来上がったのは…
ただの平板の正方形の板をコーナーをこういうふうに切り落として曲げただけ
このシンプルな鉄板が水の流れを劇的に変えた
新たな水の流れはこう
まず給水口を真ん中へ
そこへ林の開発した鉄板を置くと
切れ目から4方向の流れが起きる
ゆったりとした水の流れは壁にぶつかり大きな渦となる
こうして水槽に8つの渦が生み出される
同時に無数の小さな渦も発生し
複雑な水の流れとなる
こういう渦がどうやればできるかっていうのは経験みたいなものから出てくるんでしょうけど
水の流れを一方向から渦に変えたことで
本当にメロンは根腐れせず成長するのだろうか
小さな実が出来上がった
そして…
根は腐ることなく水槽いっぱいに隙間なく広がった
元気な根はツルをぐんぐん伸ばし
葉っぱを生い茂らせていく
太陽の恵みを受けついにメロンは収穫できるまでに育った
その数に驚いた
通常のメロンは1つの木に数個
林のメロンは…
さらに林は甘さを追求
独自の肥料をブレンドし少しずつ糖度を上げていく
去年極限まで甘さを引き出した
糖度21.5度
それは果物で出せる最高レベルの数値
町工場の技術が作り上げた
まちだシルクメロンがここに誕生した
ずうっと甘さを追求してきたみたいなところがあって甘いのが特徴になっちゃいましたね
メロン作りに取り組んで6年
この夏念願の初出荷を果たした
ネットなどを通じておよそ300個を販売
1年を通して生産できるのが水耕栽培の強み
年末にも出荷を予定している
もちろん土で作るメロンもおいしい
甘いメロンの作り方を教えてもらいました
…ということで収穫していきます
重要なのが間引きと呼ばれる作業
仕上げは…
甘くするために手間暇かけて大事に育てるメロン
果物の王様と言われる理由です
東京で一番の青果市場
仲買人たちが日本中から集まる果物を競り落とす
仲買人の中島さんはメロンの目利き
まちだシルクメロンを評価してもらった
かなりおっきいですよね見ため的には正直言いますとこの青さあとは形の悪さが結構気になりますよね
肝心の味はどうだろう?
たぶん糖度はかなりあると思います味的にも全然問題ない
土で作られた高級メロンも吟味する
筋もなくて色的にも最高ですねうまいですよ食べたときの食味あと口に残る風味っていうか香りっていうかかなり残りますよね正直言って…やっぱり風味口にふくんだときずっと残るよ幸せだなみたいな感じですよね
幸せを感じられるかどうか
それがメロンのおいしさ
林のメロンにも幸せな味を育んでくれるパートナーがいる
こんにちは
障害のある子どもたちに学校外の活動の場を提供したり
その家族をサポートしている
みんなこれヤギみたいだって触るんだよな
林がプラナスの子どもたちや家族と出会って3年
一緒にいると時を忘れるという
一方で子どもたちが置かれた厳しい現実も知った
お母さんたちの不安を耳にした
「それなら…」と林は笑顔で返した
ここに運ばれてここから出荷していくというシステムができるんです
それはメロンの栽培だけでなく
出荷のための箱詰めなど
子どもたちができる仕事を作っていこうという提案
自立していくためにはどうしたらいいかすごく考えてましたのできっかけ作りになってすごくよかったなと思っています
ここで働くプラナスのお母さんたちなしには
この夏の初出荷もあり得なかった
お昼ご飯食べて帰ってくるとこれぐらい伸びてるとかね子どもの活動の場に将来つながればいいなと思っているのでその場を与えてあげられるのはやりがいがあるなと思いますこういう作業はこの程度の障害のある子はできるなとか重い子だったらこれができるってアイデアが浮かんでくるので将来そういう子たちのお仕事になっていくといいなと切望しています
もとは町工場のために始めたメロン作り
これからは社会を支援する役割も果たしたい
いろんな人とつながっていろんな出会いを繰り返していくと同じ方向を向いてくれる人がいるわけですよねこういう事業は簡単に終わってしまいますので終わるときはたぶんそれが私の…
林の新たな夢
それは子どもたちやお母さんの仕事を作ること
みんなを幸せにするメロンを作ること
まちだシルクメロンの真価が問われるときが来た
秋…
町田市の工業団地で地元の祭りが開かれた
およそ7000人が集まり大賑わい
町工場生まれのまちだシルクメロン
その味を多くの人に知ってもらいたい
初めて店頭販売を行う
果たしてその反応は?
ありがとうございますお待たせしましたありがとうございますおいしい2つ目おいしかったですよきめ細かくってね地元なんですけどちょっとおばあちゃんに町田のお土産ということで送ろうと思いまして
飛ぶような売れ行きだ
あっという間になくなっちゃったよみんないらっしゃ〜い
そこにプラナスの子どもたちがやって来た
みんなのお母さんたちも一緒に作ったメロンなんですよはい食べてみましょういただきます
(一同)いただきま〜すおいしい?食べたい人フォークちょうだい
この子たちがまちだシルクメロンの未来の担い手になるかもしれない
町田で根付いてほしいというのがまず最初の目的ですただ私の世代ではどこまでいけるかわからないんで基本はたぶんこの子たちだと思ってますんでみんなメロンとおんなじでカワイイ子なんで…
祭りから2週間後
子どもたちがメロンの絵を描いていた
林への贈り物だという
サプライズなの?すばらしいすばらしいずうっと飾りますよ
子どもたちの心に映った林のメロン
一つ一つが幸せな味にあふれている
こういうメロン作らなきゃ
次回は流れ星を人工的に作って輝かせる
そんな夢のプロジェクトを進める
ベンチャー企業の社長がいる
彼女のもとに宇宙工学のプロが引き寄せられている
好きなときに好きな場所に流れ星を
世界の夜空を彩るプロジェクトに密着
ナレーターは彼にバトンタッチ
撮影秘話やプラスな情報をご紹介
詳しくは番組ホームページまで
2015/11/15(日) 18:00〜18:30
MBS毎日放送
夢の扉+[字]【中井貴一▼不況にあえぐ町工場に“希望の光”〜常識破りのメロン作り】
“果物の王様”が1株から60個!?〜東京発“シルクメロン”
詳細情報
番組内容
東京・町田市に、農業の常識を覆す画期的な「メロン農園」が誕生した!
通常メロンは、1株から数個しか収穫できないが、そこでは1株から60個も収穫でき、しかも、高級品に負けない“糖度”を誇る。
ヒミツは、その栽培方法・・、従来メロンには不向きとされていた『水耕栽培』が行われている。
仕掛けたのは、町工場の社長、林大輔。
農業経験のない林が、いったいどうやって『メロンの水耕栽培』を成功させたのか!?
番組内容2
その大きなカギとなったのは、林が専門とする“流体”=水の流れだった。
『メロンを町田の特産品として定着させたい』
不況からの生き残りをかけて始まったメロン栽培。苦節6年の時を経て、林は、人と人とをつなぎ、町田市全体が協力する事業に成長させた。
そして今夏、初めて一般販売された『まちだメロン』。果たして、その評価は?
出演者
【ドリーム・メーカー】大浩研熱株式会社 社長 林大輔(61歳)
【ナレーション】中井貴一
音楽
小田和正「やさしい雨」
関連URL
■番組HP
http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/
■twitter@yumetobiplus
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■facebook
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制作
【制作協力】TBSビジョン
【製作著作】TBS
おことわり
番組の内容と放送時間は変更になる場合があります。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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