猫のしっぽ カエルの手・選「カラダにおいしい」 2015.11.15


ススキの穂が白くなる頃空気が澄んだ色に変わる。
刈り取りが終わった田んぼに吹く風が冷たくなる。
秋と冬の間山里に流れる静かな時間。
ベニシアさんが暮らす築100年の古民家。
丹精込めて造ったコテージガーデン。
淡い色や小さな花が次々と咲いて秋の落ち着いた風情を漂わせている。
ベニシアさんのガーデニング。
これからは来年のための準備がほとんど。
今日は球根を植える作業。
来年の準備にチューリップをやりたいと思います。
ちょっと広い感じの植木鉢がいいと思うのね。
あと土と堆肥と。
チューリップは結構簡単に植えますけどでもちょっとだけデザインの事を考えたらより美しく見える方法がありますね。
でそのために球根ね赤の球根と黄色い球根準備しましたね。
あと最後に使う物はビオラ。
これも赤と黄色いのそれを使います。
チューリップの球根を植えるのにビオラの苗。
大体半分ぐらい入れたら球根ね。
これ赤ですから…赤こうして次は黄色い…。
でちょっとこの周りに場所空けます。
最後にビオラ入れますから。
秋にチューリップの球根を土へ埋め込むのは冬の寒さを十分に感じさせるため。
そうすると春の暖かさが訪れたその時きれいな花を咲かせてくれるという。
球根を植えたら周りにビオラを植える。
結構ビオラも大きくなるからね。
冬に強いのねビオラは。
冬の間ビオラの花を楽しむ事もできるし春に咲くチューリップの色の目印にもなるという訳。
チューリップの植木鉢だけでも「ああこれから春が来るんやな」という気持ちになるんやね。
何かこの年になるとあと何年ぐらいいるんかなと思う時があるんですよ。
だからホントに1年間大事に使わないといけないと思いますよね。
植物に触れていると命について考えるようになる。
大切な事が見えてくる。
来年も元気な花が咲きますように。
去年の今頃から気になっていた事がある。
ベニシアさん自転車をグイグイこいでとある畑を探している。
辻さ〜ん。
(辻)こんにちは。
ここで畑やってるんですか?そうなんですよ。
え〜!ここでショウガ作ってるのか。
そうですよ。
でもこんなもうすごい…。
去年のあのおいしいショウガ食べてからどこでショウガ作ってるのってちょっと思ったんだけどすごいたくさん。
そうですね。
辻フサエさん。
毎年この畑で無農薬のショウガを育てている。
すごいな。
ちょっと掘ってみましょうかどんなん出てくるか。
よいしょよいしょ。
ベニシアさん去年辻さんから手作りのショウガのお菓子を頂いた。
あまりのおいしさに感動したという。
すごいすばらしい。
何かこのショウガ見たら思い出すけど辻さんからショウガのお菓子もらったのねあの時もうホント忘れない。
おいしかったから〜。
あっそうなんですか?あの時思ったのは絶対辻さんにまた連絡して教えてほしいなと思ったの。
私でよかったらまたお伺いします。
ああお願いします。
ベニシアさんにとってショウガは食卓に欠かせない。
特にこれからの季節は体を温めてくれる大事なハーブ。
こんにちは〜!は〜い。
あ〜!来てくれて〜!こんにちは〜。
わ〜ありがとう。
わ〜すごい。
ショウガお持ちしました。
え〜!こんなすごい立派。
私の庭のショウガあとで見せますよ。
多分こんな大きくなってないと思うけど。
いや大丈夫だと思います。
早速裏庭に案内する。
ベニシアさんが育てたショウガを見てもらう。
ここでショウガね初めてやったから。
でも初めてでもすごくよく出来てますよ。
ホント?もう採っても大丈夫だと思います?もういいでしょう。
葉っぱがちょっと黄色くなってきてるので。
ああそうか。
これで黄色くなってたらもう採る時期?そうなんですね。
この出てるのいいの?ホントは中?ホントは…ホントはこう全部土の中に。
土の中だったらもっと軟らかくなるんです。
そうかちょっと出しましょうか。
どんな感じかな。
ハハハハ。
アカンかもしれない。
ショウガは葉が黄色く枯れてきたら収穫の目安。
ショウガのパワー…うわすごい。
すごい。
ちゃんと下まで。
根っこが。
うわっ見て。
うわっすごい!うわっすごい!ベニシアさんのショウガ立派に育っていた。
こんなん土の中に入ってるとこ白くてきれいなんですよ。
ああ〜。
きれいでしょ?ねえ。
実りの秋。
一緒に収穫してくれる人がいればなお楽しい。
ベニシアさんショウガの砂糖漬けを習う。
辻さんから教えてもらいたいと思っているのはあの〜ショウガ砂糖漬け。
最初これ…。
最初はショウガの繊維に直角に…繊維を切るように切ってもらって2〜3ミリぐらいの太さに。
皮つきのままのショウガを繊維に直角にスライスする。
繊維を切れば軟らかくなるんですね。
それが一つの…。
秘けつっていうのか。
秘けつっていうの?はい。
ああ〜!このぐらいでいいんですか?はい。
お酢を入れて下さいね。
あっそうか酢を忘れたらアカン。
酢は何のために入れるの?灰汁取り灰汁出し。
灰汁取る。
沸騰した湯に酢を加えショウガを湯がく。
何分ぐらい?これで沸騰してから…パンチの利いた辛い方がいい?ああ〜どうしよう。
中ぐらいにしようかな。
中ぐらい?じゃあ2分から3分。
え〜そんな早く出来るの?沸騰してから。
うわすごい。
長くゆでるとショウガの辛みが弱まる。
3〜4分を基本にあとはお好みで。
じゃあこれを。
ショウガをザルにあけ水けを取る。
全部入れたらいいの?全部入れて。
鍋の湯を捨て再びショウガを戻す。
それにお砂糖をバサッと入れて下さい。
こっち側?はいバサッと。
ショウガに対して半分の量の砂糖を加え煮る。
でしばらくするとこのお砂糖が…。
これでもすごい汁出るんやね。
ねえ。
もっともっと出ますし。
あっそう。
水が出るので砂糖が溶けて煮詰まるまで弱火にかける。
ショウガの砂糖漬けはイギリスでは高級菓子。
だから大原で見つけた時はビックリしたという。
楽しい。
(笑い声)煮上がったらアルミホイルに1枚ずつ並べ30分から1時間ほど冷ます。
でもこの状態で香りがすごい。
おいし〜い。
ショウガしっかり冷たくなったら今度は1枚ずつグラニュー糖をつけて頂いてそれを重ならないように並べていって。
砂糖で煮たショウガはべたつくので手袋などがあると便利。
キッチンペーパーに並べ1日ほど乾燥させれば出来上がり。
一つ食べてみたいな…。
ちょっと食べて…頂きますね。
はいどうぞ。
いかがですか?う〜ん。
すごいおいしい。
おいしい?辛い?大丈夫?パンチ利いてます?ちょうどいい。
ちょうどいい?よかった。
出来ましたありがとうございました。
頑張って作りますよ来年またショウガ作って。
作って下さい。
ショウガの辛みと砂糖の甘み。
絶妙な味わいが癖になる。
週末本降りになる前に。
ベニシアさん日曜日は大原の朝市に行くのが楽しみになっている。
おはようございます。
おはようございま〜す。
日曜の朝6時から開かれている朝市には新鮮な野菜や手作りの品が並び地元の住民だけでなく県外からも多くの人が訪れる。
年を追うごとに体によいものを欲するようになったベニシアさん。
出どころが分かる本物の食材に出会えるここは大切な場所だ。
おはようございます。
おはようございます。
ちっちゃいニンジンばっかりで。
でもちっちゃいニンジン好きだけど。
じゃあこれ1つ下さい。
はいありがとうございます。
これはちっちゃいカブ?これははい。
じゃあこれも1つ。
はいありがとうございます。
全くこれは安心って分かるから。
そうですね。
それは自信持って言えますから。
ねえ。
ホールフードという言い方知ってます?ホールフードですね。
全部食べてそれで自然のままで食べるっていう事でほんで全然心配がない。
ホンマに子どもにも安心して食べさせられます。
そうね。
ベニシアさんここで知り合った友人が大勢いる。
高沢明人さんもその一人。
京都市内でゆばを手作りしている。
うわ〜今日ゆばまたたくさんあるね。
(高沢)くみ上げゆば。
ご試食どうぞ。
これあのくみ上げゆば。
くみ上げ…。
今召し上がって頂いているこのくみ上げゆばも固まりに見えるんですけども本当はこういった引き上げゆばの薄い膜膜が張ったものを集めてこういう固まりになってる。
へえ〜これちょっと珍しい。
珍しい。
え〜どうやって作んの?それはもう是非ご自分で体験して下さい。
見に行ってもいいんかな。
京都ではおなじみのゆば。
興味津々。
京都市の中心部。
路地の一角に高沢さんの店がある。
ゆばの原料となる大豆の仕込みをする。
大切なのはこの大豆。
4種類の国産大豆をブレンドして使っている。
北海道の大豆が今ベースになってますね。
甘みが強くってその代わりちょっとこのたんぱくがゆばの組織を作るたんぱくがちょっと弱いんですね。
その分ソフトになります。
その弱い部分をちょっと滋賀県の大豆で補ってあるというようなうちの配合ですね。
普通ゆばは膜を作るためにたんぱく質の多い大豆を使う。
しかし高沢さんはあえてたんぱく質の少ない北海道産の大豆を使う。
そうする事でソフトな食感のゆばが出来るという。
前日から水つけておいた豆を機械ですり潰す。
次に圧力釜ですり潰した豆を炊く。
湯気が出てきたら高沢さんクンクンと匂いを確かめる。
煮えてくるとここから漏れる蒸気がまた甘う感じてくるんです。
豆本来の甘み。
挽いた豆を搾り豆乳を作る。
この豆乳こそ高沢さんが求めていたもの。
水を少なくした分ちょっと甘いですね。
かなりソフトなゆばに仕上がってると思います。
僕はこのゆばを志した頃に旅行されてる若い方やったと思うんですけど「ゆばは私は好きになれない。
ゴムをかんでるみたいな食感だ。
おいしさってのは全然感じない」。
それがいまだにずっと頭にあるのでじゃあ口の中でとろけるようなゆばを作ればいいじゃん。
そういう事でやりました。
とろけるゆばを作ろうと毎日奮闘中。
でも高沢さん初めからこの道を歩んできた訳ではない。
意外にも元テキスタイルデザイナー。
40を過ぎて転職を考えた。
もともと食に興味があり京都ならではの食材を作りたいとゆばに注目した。
京都のお豆腐屋さんゆば屋さん町歩いてて「募集」って書いてあったら「お願いします」っちゅう…言ったんですけどね先方さんもビックリしはったんやと思いますけど7件皆断られましたね。
じゃあ自分でやろうって家の台所で…。
大変な事になりましたけどね家が。
やはり大豆に一番重点を置きこの豆をこれと合わせたらどんなんなるかとか2年半…約3年ここでやりましたね。
独学で始めたゆば作り試行錯誤の末たどりついたのがやっぱり素材の持ち味だった。
豆乳を温め10分もすると表面に薄い膜が張る。
張りだしたら早いんですわ。
タイミングを見計らって膜を串で引き上げる。
熱々なので熟練が必要な技。
あとは風に当て表面が落ち着けばゆばが出来上がる。
一口にゆばといってもその種類はさまざま。
今作っているのは豆乳の表面が固まってから引き上げた引き上げゆばと呼ぶもので代表的なものだ。
対して表面の膜が固まる前にすくったものはくみ上げゆばと呼びより濃厚な味になるという。
膜がほとんど張らない状態ですよね。
それでも取ってしまいます。
引き上げと比べると口の中に入れるともうツルッととろけるような。
国産の大豆と京都の水だけで出来たまさに本物の味。
高沢さん今新しい事に挑戦中。
かつて京都の食卓に広く親しまれてきたゆば。
しかし最近ではゆばを使う人が減ってしまった。
そこでゆばをもっと当たり前のように食べてもらいたいと総菜作りの研究を始めたのだ。
くみ上げゆばの揚げ出し。
引き上げゆばの煮しめ。
一番のお薦めはくみ上げゆばをひき肉代わりにしたハンバーグ。
こんにちは。
は〜い!あっベニシアさん。
ようこそ。
ここの場所ですねやってる…。
そうです今やってます。
面白そう。
何かでも難しいんじゃないかな。
高沢さんのとろけるゆばを口にする度その食感を不思議に感じていたベニシアさん。
じゃあベニシアさん一遍作ってみましょうか。
一遍やりますね。
はい。
高沢さんベニシアさんのために特別に豆乳を用意してくれた。
これが一番栄養があるところかな?そうだと思いますねやっぱり良質のたんぱく質。
さあやりましょうか。
はい。
これを上げて…。
ベニシアさん早速挑戦。
うわ熱い。
ハハハハハ!熱いですよ。
すごい熱い。
私結構強いのに。
80℃以上ありますから。
うわすごい。
この大豆の匂いがすごくおいしそう。
じゃあ…。
失敗構いません。
つまむ…そこ上げる…ちょっと上げる。
あ〜…。
アカン。
ハハハハ…。
駄目ですね。
駄目ですね。
つまんで上げて。
ちょっと…。
でもまあ。
まあまあ?「まあまあ」じゃなくてまあ。
「まあ」?あ〜!あっ!おっ!すばらしい。
ハハハ…。
ようやく一つ作る事ができた。
出来たてのゆばを頂く。
うんおいしい。
う〜ん大豆の味がものすごい甘い。
何もつけずに全然大丈夫でしょう?これ体毎日食べたらねいいと思います。
誰がどんな素材を使って作るのかそれを確かめる事ができたなら本当に安心。
三方を山に囲まれた大原。
朝晩の冷え込みがだんだん厳しくなってきた。
ベニシアさんが暮らす古民家。
今年もまきストーブの出番。
家族が帰ってくる前に部屋を暖めておけばみんながほっとする。
庭で採ったハーブを鍋に入れ温める。
部屋中に心地よい香りが広がる。
心も体も満たされて秋の夜長は更けていく。
2015/11/15(日) 18:00〜18:30
NHKEテレ1大阪
猫のしっぽ カエルの手・選「カラダにおいしい」[字]

ガーデニングはもう来春の準備、チューリップの球根を植える。初めて挑戦したショウガの収穫、砂糖漬けを作る。朝市で湯葉のおいしさに感激、本物の作り方を教わりに行く。

詳細情報
番組内容
秋深まる、京都・大原。ベニシアさんのガーデニングはもう来年の準備。春、花が咲いたときの色合いを考えながらチュ−リップの球根を植える。去年、近所の農家からもらったショウガのお菓子のおいしさにビックリしたベニシアさん、今年は自分でもショウガを育てた。農家の辻さんを自宅に招きショウガの砂糖漬けの作り方を教わりその味に大満足。週末いつも出かける朝市で湯葉の味に感激。店に出かけ本物の作り方を見せてもらう。
出演者
【出演】ベニシア・スタンリー・スミス,【語り】山崎樹範

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
趣味/教育 – 園芸・ペット・手芸

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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