あさが来た 一週間 第7週「だんな様の秘密」 2015.11.16


この人ではありません。
やけるくらい感謝しとるんです。
(寿)美和。
思うたとおりおやりなさい。
・「朝の空を見上げて」・「今日という一日が」・「笑顔でいられるように」・「そっとお願いした」・「時には雨も降って」・「涙も溢れるけど」・「思い通りにならない日は」・「明日頑張ろう」
あさたち一行はとうとう炭坑に到着しました。
しかし…
(あさ)はれ?何でこないに静かなんだす?・
(話し声)何や人いたはるみたいやんか。
加野屋の内儀の白岡あさが参りましたんだすけど!
(たたく音)何でいたはんのに出てきはれへんのだす。
(亀助)そない無理して開けたら…。
(宮部)あ〜っ!すんまへん戸外してしもて。
白岡あさと申します。
(福太郎)くどう言わんでん知っとる!知ってはりましたんだすか。
人が挨拶してますのにそないな返事しかでけへんて坑夫さんは思てたよりずっと礼儀知らずのお人だすなぁ。
(治郎作)おう!寝とる者も起きて挨拶せんか。
(一同)へぇ。
何でだす?何でお仕事しはれへんのだす?山ん持ち主が変わったとわしらにゃひと言も挨拶もせんで。
こん先どげんこつなるか見当もつかんたい。
これからはこの加野屋が手厚うさしてもらいますよって。
(伊作)おなごと話す気ぃはなか!うちが一切加野屋の主から任されてますのや!
(福太郎)加野屋の旦那連中はおなご任せの腰抜けか!
当時炭坑で働く坑夫たちは命懸けで生きる事に強い誇りを持っていました
あささんから何か便りはありましたか?
(新次郎)いや何もあらしまへんわ。
(山屋)あんさんいてはりましたんか。
嫁さんがどないな苦労してるか分かれへんいうのに自分だけふらふら遊ぶ気ぃしまへんがな。
…とか言うててもやっぱりここはお金の話ばっかりでしんどおますわ。
ほな。
(山屋)ハハハ!あれでこそ新次郎はんや。

(弥七)旦さ〜ん!
(正吉)お?何や弥七。
(弥七)3軒隣の番頭さんが「寺町で恐ろしいもん見た」やなんて言うてはったんでちょっと話聞きに行ってきましたんだす。
それがただの人の話やったんです。
(山屋)何やしょうもない話やな。
(弥七)ほんまだすわ。
山王寺屋の若旦さんの事をお化けみたいに言うたらあきまへん。
山王寺屋て…惣兵衛さんか?
(弥七)へぇ。
惣兵衛さん…!ああ〜どないしたらええんやろ…。
あっちゃ痛そうな血まめやねえ。
(宮部)わっ!奥さんまだこげな所におったとですか。
明日は掘ってくれはりますな?へ?山の男は筋の通らん事は何があってもせん。
ああた…。
(治郎作)お前は黙っとれ。
うちがおなごやからとかけったいなへ理屈つけて堂々と怠けはんのはやめてもらいとおます。
現に穴入って掘るとは俺たち坑夫ったい。
こん山の持ち主になるとなら坑夫たちに実のあっとこ見せてもらわにゃならん。
今から俺がみんな集めちゃるけん。
大阪の加野屋の白岡だす。
「白岡だす」やっち!
(笑い声)近頃日本には西洋の文明がどんどん入ってきて蒸気で走る乗り物が出来ました。
それがどげんした?どげんて…。
蒸気いうもんは石炭たかな出てきまへん。
石炭は宝の石だす。
みんなで掘って掘って明るい未来を作りまひょ!きれいなべべ着て何言うとっとか!腰抜けの旦那たち連れてこいっちゃ!お父様や旦那様の悪口は金輪際許しまへん!「許しまへん」とは何か?やるかおい!
(ざわめき)
(亀助)あきまへん。
すんまへん。
もう何やの!
(宮部)奥さんに怪我でんされてん支配人の落ち度にされますけん。
(よの)ごめんやす。
(はつ)加野屋様!どないしてもおはつさんのややこに会いとなってしもて…。
(かの)うわ〜かわいいね。
ほらおいで。
よいしょ。
かわいらしいなぁ。
…でこの掘っ立て小屋は青物か何か積んどくとこなんだすか?ここで皆で暮らしております。
こないなとこで育てられるやなんてなぁ…。
知ってはるかどないか分からへんけどもあんた初めはうちの嫁になるはずやったんだす。
惣兵衛さんの母御が無理言うておはつさんの事取りはって…。
おはつさんさえよかったらこの子連れてうちで暮らしてくれはったかてええさかい。
考えといてな。
(鳴き声)何や?この音は。
ネズミ?へっ!ネズミやなんて…。
イヤヤヤヤ…!
(鳴き声のまね)すんまへん。
加野屋様に住まわして頂く気ぃはあらしまへん。
へ?妹をよろしゅうお願い致します。
奥様今日のところは。
(菊)お米もあらへん小屋にネズミなんかおりますかいな!助かりました。
ほんまは加野屋さんでええ暮らししたい思てたんと違いますのんか?いいえちょっとも。
フンッ。
どうぞ食べて下さい。
おおきに。
大きい声では言えんけど気張ってもらえんですか。
石掘ってもらわんとお金に困ると。
あの…炭坑の中の事もうちょっと詳しいに教えてもらわれしまへんか?へぇ。
そして九州のあさにまた新しい朝がやってまいりました
(大声で)何しよるとかこら!あ…。
イッタ!へっ!?何しよったんか!もっと山の事分かって皆さんとちゃんとお話がしたいて。
こんバカが!石炭ちゅうのが何か分かっちょうとか?燃える石ったい!いつ何時火だるまになるか分からんとぞ!炭坑っちゅうのはのういつだって死ぃと隣り合わせっちゅうこったい!そげんこつも知らんでバカ女が。
すんまへんだした!山の神さんに謝れ。
山の神さんもすんまへんだした!「こちらは驚くような事ばかりです。
坑夫のみんなはおなごのうちの言う事を聞こうとせず全然仕事をしまへん。
一度は自分で少しでも掘ったろて思たんだすけど…」。
うわぁやめてくれ!「うちなんかにはできる事やあれへんかったんだす。
うちはなんという考えの狭い世間知らずの子どもやったんやろか…。
そやけどうちも加野屋を任された身として諦める訳にはいかしまへん」。
(うめ)あのおあさ様がこないに反省しはるやなんて思てた以上に厳しいとこなんだすなぁ。
ある日はつのもとに五代が訪ねてきました
寺町の賭場で度々惣兵衛さんの姿が見られてるみたいなんです。
賭場で…。
詳しい事を調べてみよ思うんですけど。
これは内輪の話だす。
自分たちでなんとかさしてもらわれしまへんやろか。
面識もあらしまへんのにこない親切にして頂くいわれはあらしまへん。
訳やったらあささんに聞いて下さい。
あさに?それにしても似てないようでよう似た姉妹のようですなぁ。
そのころ炭坑では…
うちがここに来てもう10日目だす。
山休んで困んのはあなた方もおんなじなんと違いますのか?もういっぺんみんなと話さしとくなはれ。
旦那様今頃何してはるやろなぁ?坑夫さんたちの言うてはったとおりどっちかいうたら少し抜けてはる方かも分かれへん。
なんて事言わはるのや!せやけど決してあかんたれやあらしまへん。
それに何か言うたらすぐ「おなごのくせに」言う坑夫さんたちと何にも言わんとうちに任してくれはる旦那様とどっちが男らしいかいうたらうちは分かれへん。
旦那様に会いとおます。
あさは新次郎がそばにいない事がこんなにも心細いものなのかという事をしみじみ感じていました。
一方はつも一人心細い思いで五代から聞いた賭場へと向かっていました

(惣兵衛)おい!いかさましくさったやろ!やかましいわ!さっさといね!旦那様…。
旦那様!あっあ!すんまへん。
どこ見て歩いとんじゃこら!すんまへん!
惣兵衛の姿はありませんでした
旦那様…。
炭坑で働く皆さんの事は加野屋が責任持たしてもらいます。
せやから明日から石炭掘っとくなはれ。
加野屋は潰れかかっとるっちゅう噂やけん。
(福太郎)どうせ炭坑やったっちうまい事いかんめえ!そないな事あらしまへん。
掘ってくれはったら必ず売れます。
倍の賃金になるなら働いてんよか。
何でだす?何でこないにいつまでも実にもならへん議論しかでけへんのだす?ほんなこつバカらしか!
(伊作)とっとと大阪に帰れ!
(一同)帰れ帰れ!
(大声で)このひきょう者!おなごやいうてなめたらあきまへんで!男も女もお互い助け合うてええ世の中作らん事にはどないなりますねん!この石頭!何ちゃ!せからしか!この転婆女郎が!何しますねん!
(亀助)若奥さん!いい加減やめんか!
(銃声)
(福太郎)ピストルやないか!
(一同)うわ〜っ!
(宮部)どげんするつもりと?奥さん。
うちは負けしまへん!何が何でもこの炭坑を成功させるいう不退転の気持ちで大阪から来たんだす。
石炭掘ってくれはるてしっかり約束交わすまで決して大阪へは帰りまへんよって!
(亀助)あないうるさかった坑夫どもがヒエ〜ッ言うて逃げよりましたで。
ええ気味だすわ!・
(カズ)すんません奥さん。
お願いしますき。
うちの人を殺さんで下さい。
殺す!?「石炭掘らん者ば殺してしまう」言うたっち。
殺すやなんてひと言も言うたはりまへんで。
落ち着いとくなはれ。
頼みますき。
お願いします。
(亀助)落ち着いとくなはれ。
・待たんかこのゴロツキ!
(惣兵衛)いかさましたんはそっちやろが。
一方大阪では…
何でそないに自分を痛めつけはるんだす?何でお前がこないなとこに…。
あなた様を迎えに来たんだす。
あの時ほんまは楽しかってん。
あない狭いボロ屋住んで惨めでしょうないはずやのに…お日さんまぶしいてキュウリがおいしいて…。
誰の前でも気取る事もあれへん。
これが人の世やったんやて…。
それやったらよろしやんか。
そやのに何で逃げるような事…。
わしが笑て生きたらあかんやろ!お前を不幸にしてしもた。
一生得意なお琴も持たしたられへんいうのに何でわしが笑て生きられるんや!うちがあの家にいてた時より不幸に見えますか?さあ!一緒に来とくなはれ。
大事な人がいてますのや。
(藍之助の声)ええお父ちゃんになって下さい。
(栄達)惣兵衛お前…!・
(菊)惣兵衛やて!?お母ちゃん。
今更何しに帰ってきたんや!
(泣き声)堪忍。
堪忍な。
(菊)惣兵衛…。
奥さん!明日からみんな山に入る言うとります。
ほんまだすか?へぇ。
これでもう何でん心配なか!はぁよかった…。
エイホエイホエイホエイホ…。
その時立派な駕籠に乗ってやって来たのは…
あ〜ぁ来てしもたがな。
旦那様!?加野屋の若旦那が来よんなったっち!あげな気性の激しい嫁さんの手綱ば握っちょう男っちゃ。
どげに恐ろしい顔か…。
何であない立派な駕籠頼みはったんだすか?お金がもったいない。
せっかく来たったのにもったいないて…。
わてのお三味線の一さお分もかかれへんわ。
どげんにも読めん男じゃのう。

(雁助)新次郎さんが炭坑に行かはったんだすか!?信じられへんこったすなぁ。
新次郎ちょっと変わってきたんかもしれんなぁ。
あさちゃんのおかげやなぁ。
そうでおますなぁ。
あれからもう20年だっさかいなぁ。
20年やな。
あんたにはこれちょっと似合わへん。
あんたの武器はどっちかいうたらこのやらかい大福餅だす。
お餅では相手に勝てまへん。
そやろか?あんたのやらかいとこに触れるたんびに「ああかなわへんな」ていつもそない思うで。
武器持つやろ?そしたら相手はそれに負けんようにもっと強い武器持ってそしたらこっちはもっともっと強い武器を…。
アホの男の考えるこっちゃ。
ああ…。
あさはなにもそない力ずくの男のまねせんかてあんたなりのやり方があんのと違いますか?旦那様。
ん?おおきに。
昨日は脅かすようなまねしてすんまへなんだ。
これは一生使いまへん。
あなた方一人一人が新しい日本をつくってるいう誇りを持って働いて下さい。
日本を支えとくなはれ。
おうそうっちゃね!ほんに口の立つおなごじゃのう。
ピストルがなければうちの話が聞かれへんゆうんやったら勝負致しましょう!
(福太郎)どげんして勝負するっちいうんや。
相撲だす。
わしら山の男はおなごと勝負やらせん。
あんたやっちくれ。
なして俺っち…。
はっきよ〜いのこった!のこった!あさ投げ飛ばしたれ!へぇ!頑張り奥さん!こん炭坑が懸かっとんとぞ!へぇ!
(亀助)のこった!いけあさ!やっ!
(亀助)白岡あ…あさの勝ち〜!ようやったなあさ!
(拍手と歓声)すごか!ほんまおおきに。
無礼ばっかりしち悪かった。
あんたん根性には恐れ入ったけ。
ピストルば見せられた時にゃしかたのう働こうかぁちそげ思ちょった。
ばってんこれからは気張って石炭掘りますけ!よろしゅう頼みます。
お願いします!おおきに。
よかかお前ら!今まで怠けとった分までようけ石炭掘るとぞ!よし!よろしゅうお頼み申します。
今度いっぺん穴入って坑道がどないなもんか見に行こ思てんのだす。
はぁ?穴に入るやて?うちは旦那様がいてくれてはるさかい働けるんだす。
ちょっとの間離れてたおかげで今改めてよう分かりました。
これからはうちと一緒に加野屋を…。
わてなぁ小ちゃい頃同い年の幼なじみがいてましたんや。
幼なじみ?うちの店で働いてた大番頭の息子でな…。
そのお父ちゃんがのれん分けで小さい両替屋出したんだす。
人柄はええし真面目やさかい旦さんも何の心配もしたはれへんかったんだす。
けどその店あっちゅう間に潰れてしもて。
え?何で?資金繰りが足らん時に魔が差してばくちに手ぇ出してしもたみたいでな。
息子さんと奥さん残してどっか逃げていってしまわはった。
その幼なじみとお母ちゃんはそれから家に石投げられるわ借金取りに追い回されるわさんざん惨めな思いしたあげく町出てってしもた。
お金いうのは恐ろしいで。
なんぼええ人でもお金がのうなってしもたらコロッと変わる。
わてはなぁ両替屋ゆうて金貸ししてるうちの家業がほんま嫌になってしもてん。
そやさかいうちのやる事…。
いや。
あんたのおかげでうちがどないかやってられてるて事はよう分かってます。
そやさかい励ましに来ましたんやで。
新次郎は大阪へと帰っていきました

そのころあさの実家の京都では…
・「おつき」
(梨江)お父様!お父様!ここが加野屋の炭坑だすか。
こうして加野屋の新しい事業が始まったのでした
2015/11/16(月) 01:40〜02:00
NHK総合1・神戸
あさが来た 一週間 第7週「だんな様の秘密」[字]

あさ(波瑠)は、働こうとしない炭抗夫の治郎作(山崎銀之丞)たちに手を焼くが、ある物に救われる。すると石炭を掘りはじめる抗夫たち。そこに新次郎(玉木宏)が現れ…。

詳細情報
番組内容
あさ(波瑠)が九州の炭坑に着くと、そこは静まり返っていた。炭抗夫の親分、治郎作(山崎銀之丞)や抗夫たちは働く気が全くなく酒を飲むばかり。必死に説得するあさに対し、抗夫がつかみかかる。危機迫るあさにある出来事が起こる。すると抗夫たちは石炭を掘りはじめるようになる。そこに心配で様子を見に来た夫の新次郎(玉木宏)が現れる。新次郎はある大事なものがあるとあさに優しく語りかける。
出演者
【出演】波瑠,玉木宏,寺島しのぶ,柄本佑,ディーン・フジオカ,三宅弘城,山内圭哉,友近,清原果耶,楠見薫,竹下健人,南条好輝,北原雅樹,平田理,中山義紘,富田靖子,長塚圭史,山崎銀之丞,梶原善ほか
原作・脚本
【作】大森美香

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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