林修の「世界をひらく僕らの一歩」 2015.11.15


突然ですがこれが何の数字かおわかりになるでしょうか?およそ5秒に1人その尊い命が失われているのです。
続いてこちらの数字はいかがでしょうか?世界にはヨーロッパ全体の人口に匹敵するほど字を読み書きできない大人がいるのです。
このように今…。
実はそれらの問題を解決するために日本が世界の多くの国を支援していることを知っていますか?日本は1954年から海外への支援を開始。
その後日本は途上国でのインフラ整備専門家の派遣などまさに世界中の国々で支援を行ってきました。
日本の開発援助額は一時世界第1位となり支援開始から60年を経た今も日本の支援が開発途上国の人づくり国づくりに貢献し続けています。
しかしこの事実を多くの人が知りません。
そこで…。
今回も林修先生が日本人が知るべきこの事実について特別講義を開きます。
そう私たちの国日本は問題を抱えている多くの国の人々に対して知恵や力そして勇気で多くの支援を続けてきました。
よりよい世界をつくりあげていくこと。
それが日本の開発協力の目的なのです。
そして今回も専門の現代文とは違うジャンルの講義となる林先生をサポートするため開発協力のスペシャリスト3名が参加。
開発協力の実施機関である更に前回に引き続きご覧の4名の皆さんにも参加していただきます。
いよいよスタートです。
皆さんようこそおいでくださいました林修です。
本日も皆さんにわかりやすく開発協力とはいかなるものかお伝えしていきたいと思います。
日本が行ってきた開発協力についてお伝えするこの番組。
押さえなければならない重要なポイントはこの3つです。
第1回は「人間の安全保障」というテーマで飲み水としては使えなかったカンボジアプノンペンの水道水を安全に飲めるようにした日本の支援や…。
乳児の死亡率が高い途上国に日本発祥の母子手帳を導入し赤ちゃんが無事に生まれ育つよう支援した事例について講義しました。
そして第2回のテーマはパートナーシップ。
パートナーシップとは地方自治体や民間企業個人などさまざまな立場の人たちが日本政府と連携を組んで開発協力を行うというもので具体的には地方自治体と金沢大学が協力してフィリピンの世界遺産イフガオの棚田群を救うという支援や…。
全盲の石田由香理さんがフィリピンで障がい者を支援するという事例などを紹介。
誰にでも開発協力ができるということをお伝えしました。
そして最終回となる第3回は…。
…をテーマにお送りいたします。
質の高い成長。
世界とともに歩む日本の技術。
林先生質の高い成長とはどういうことなんでしょうか?質の高い成長というのはですね例えば人間が体を鍛えて体重を増やすときにきちんとトレーニングをして筋肉をつけて70キロ〜80キロにしていく。
こういう中身をしっかりと持ったもの。
ただ体重70〜80にするなんて僕みたいな体質にとっては簡単です。
100軽く超えるんです。
ただただ寝て食べてプーッてやってればそれでも体重は80〜90といく。
これはやっぱり質の高い成長とはいわない…。
この説明じゃダメですね?もうちょっとまともな説明をするとこの質の高い成長というのは3つの面から考えていく定義していくことができます。
それがこちらです。
ちょっと難しい言葉並んでるんで…。
ここはこういう難しい言葉が出ると聞きたくなるのがね現代文講師ですから…。
赤ペンさんいかがですか?持続性強靭性はより長くより強くってことはわかるんですけど。
上の包摂性がちょっとわかんないですね。
そうですね。
ちょっとわかりにくい言葉なんでこれはご専門の方に伺ったほうがいいかもしれないですね。
ここでこれらの言葉の中でも特に聞きなじみのない包摂性について外務省の高橋さんに説明していただきました。
包摂性とは何か?でございますがある国が成長したときにその成長の果実が一部の階級あるいは国民の一部の人のみにいったのでは意味がないと。
国民の皆様すべてにですね成長の果実が行き渡るようにする。
誰も取りこぼさないようにするような成長そういった意味を込めて包摂性という言葉を使っております。
なるほど。
まんべんなく誰にでもという意味ですね?そうです。
なるほど。
更に持続可能性は物資を直接与えるのではなく物資の作り方を教えるといった支援された国が自立して持続的に続けられる成長。
強靭性は自然災害や経済危機などさまざまな危機に耐えうる強さを持った成長。
この3つの要素をすべて兼ね備えた成長が質の高い成長なのです。
ものすごく簡単に言い換えるとみんなでずっと負けないぞっていう感じですかね?おっしゃるとおりです。
経済危機が来るかもしれない。
あるいは自然災害が起こるかもしれない。
そういったことを想定してそれにもちゃんと耐えうる包摂性。
まんべんなくみんなでその利益が享受できるように。
こういったものを備えたものが質の高い成長であると。
おわかりいただけましたでしょうか。
その質の高い成長を実現するためにはさまざまな要素があるんですけれども。
今回まずご紹介したいのはこちらです。
このインフラとはわかりやすく言うと電気ですとか水道ガス交通網など私たちの生活の基盤となる設備やサービスのことですよね。
はい。
基本的なこと一応確認しましょうか。
意外とインフラとインフレの区別がついてない。
インフレはインフレーションです。
物の値段がどんどん上がっていく。
インフラはインフラストラクチャーです。
下部構造と訳したら…要するに社会の基礎で支えてくれるもの。
こう言えば今後間違えないですね。
インフラとインフレ。
ひどい人はインフルと間違えますからね。
そんな人はいませんよ。
ですから社会をいちばん下で支えてくれる部分でそういうものがなかったら成長していけない。
成長にはいちばん基礎になるものとお考えください。
私たちの生活の基盤となるインフラ。
日本では当たり前にあるものが開発途上国にはまだまだ整備されていません。
ここからは質の高いインフラ支援の事例について林先生に講義していただきます。
どうぞこちらを。
さあある数字が出ました。
61km。
これはいったい何を表す数字だと思われますかね。
日本が世界に作ったあるモノの長さなんですけれども。
さあ春香さん。
最も長い橋とか?最も長い橋61km!それ何橋ですか?世界に作ったそれだけ長い…。
だって61キロっていうと相当なもんですよね。
東京名古屋360キロですから6分の1いっちゃいますね。
でも正解なんです。
橋です!えっそうなんだ。
ただ…。
あっ足したんですね。
よかったです。
正解は日本が世界各地に作ってきた橋の全長を合計するとなんと61kmになる。
皆さんご存じでしたか?日本はこれまでに合計すると61kmもの橋を世界各地に築いていてその橋の写真を集めた写真集まで出版されているのです。
そしてここから橋にまつわる具体的な開発協力のお話に。
こちらをご覧ください。
これね日本がカンボジアに架けた橋なんですよ。
へぇ〜。
さあここで1つ問題です。
日本がカンボジアに作ったこの橋はその功績をたたえられて日本語で名前を付けられました。
さてその日本語とはいったい何でしょうか?日本人が好きな言葉です。
さあこれは何ていう名前の橋でしょうか?愛加さん。
夢の橋。
夢の橋。
悪くはないですね。
ひらがな3文字ですね。
春香さん。
明日。
明日橋。
なるほど。
じゃ正解まいりましょうか。
世界はこちらです。
あ〜!震災の年絆という言葉…。
ホントに日本人を力強く応援してくれて。
ちなみにその年のダービー馬はキズナでした。
それが僕にとっていちばん印象的ですけど。
それは置いといてですね。
このきずな橋は2001年の12月に開通し全長が1360m。
メコン川で分断されてしまったカンボジアの国土をつなぐ最初の橋になったと。
きずな橋覚えといてくださいよ。
では次の写真どうぞ。
あ〜これね。
これも日本のある言葉が付いた橋なんですけれども何という名前か?これもひらがな3文字ですね。
順番で赤ペンさんいかがでしょう?気合い橋。
確かに気合い入ってますね。
赤井さんいかがですか?林橋。
いやいや…。
これね座布団出ないですよ。
MC褒めると座布団出る番組ありますけど。
正解こちらです。
こういう言い方もしますよね。
だからこのきずな橋とつばさ橋という2つの橋ですけれどもこれは日本がカンボジアに開発協力をした。
そのことにより日本語で名前が付けられたと。
カンボジアから日本への感謝のしるしとして日本語で名前をつけられた2つの橋。
このうちつばさ橋は今年の4月に開通したばかりの橋なのですが…。
この位置なんですね。
カンボジア南部の地区というのは実は橋ができるまで渡る手段がなくてフェリーで渡ってたんです。
そのフェリーをご覧いただくとこの状況。
これはなかなか…。
日本だったらすぐ運航停止になりそうな状況だと思うんですけれども。
でもホントにこれが日常だった。
しかもこれ大混雑してるだけじゃなくて乗るまでもメチャメチャ待つんですよ。
どれくらいの待ち時間でそれがどんなふうに解消されたのか現地の取材VTRがありますのでご覧ください。
カンボジアのメコン地域に橋が開通したことによってどんな変化があったのでしょうか。
橋の建設に携わったヴィリャックさんにお話を聞いてみました。
なんと昔はフェリーで最大8時間かかっていたところが今では車で5分で渡れるようになったのです。
このように日本の支援で…。
実際に橋を使っている町の人にどれくらい便利になったのかを聞いてみると…。
どうです?皆さん。
8時間が5分ですよ。
急病だって言って8時間。
その間で何が起きてもおかしくない。
そういうさまざまな面で人々の生活に役立ってるということがわかっていただけたんではないでしょうか。
更にこの橋には現地での…。
橋の建設に関わったJICAの福沢さんにお話を伺いました。
この橋なんですけれども…。
日本は現地のやり方に合わせ…。
これにより現地の人がメンテナンスをしやすく完成後も現地の力だけで長く使える橋となったのです。
そしてこれだけではなくこの橋ができたことで皆さんにお伝えしなければならないポイントがまだあります。
それはこちらです。
いったい1本の橋ができたことでどんな影響を経済全体に与えたのか。
まずはカンボジアの現地雇用の話をしたいと思うんですけれども確かに日本の企業が橋を作るにしてもじゃその工事に携わる人たちを日本から全員連れていくわけじゃないですね。
現地で採用する。
その現地で橋作りに雇った人々というのが1日約1,000人。
そして4年間かかりました。
計算できますか?1,000×365×4です。
延べ146万人の雇用が生み出されたと。
延べ146万人もの現地雇用を生んだつばさ橋ですがこれ以外にも…。
あのVTRの中で使ってらっしゃった要衝という言葉僕書き取りでよく出すんですけどね重要なポイントという意味ですよ。
あの衝の字難しいですよね。
覚えてくださいね…。
もう皆さんご存じでした?もともと。
ちょっとね今の話をおさらいしていきたいと思います。
こちらをご覧ください。
これがカンボジアの地図でしてタイのバンコクそしてカンボジアのプノンペン。
ベトナムのホーチミンと3国の主要都市を結び南部経済回廊と呼ばれるまさに東南アジアの流通の核となる大動脈となる道路がここでできあがったんです。
日本人というのは島国にいるんで国際河川であるとかこういう国際的な道路。
国を横断して流れていく川とか道路ってもうひとつピンとこないところがあるかもしれないんですけどこういう陸続きで過ごしてらっしゃる方にとってはこれがやっぱり軸になるんです。
ヨーロッパでも同じです。
そういう重要なルートにこの橋が開通したことによってメコン川を越えてタイからベトナムまで繋がったと。
国の中で繋がっただけじゃないんですよ。
3か国を繋いだ橋。
このように3つの国を横断する重要な道路を繋いだつばさ橋は物流を加速させカンボジア経済の活性化を促進させています。
さあここで問題です。
この橋はカンボジア政府に感謝されさて何に描かれたでしょうか?テレビの前の皆さんも一緒にお考えください。
描くことはやっぱ赤ペンさんに聞いたほうがいいですかね。
何かに描かれました。
あの硬貨…。
硬貨?切手硬貨。
硬貨で長い橋だなぁってわかります?こう周りをぐるっと回ってるんじゃないですかね。
デザイン的にどうかっていう感じですけど。
龍みたいにね。
龍みたいに。
硬貨じゃないけど硬貨に近い。
もう皆さんおわかりですね?正解は紙幣ですこれです。
ここにつばさ橋そしてきずな橋という日本が作った2本の橋が描かれたんです。
そう正解は紙幣。
これは実際にカンボジアで使われている500リエル札。
実はこれまでの500リエル札にはきずな橋だけが描かれていたのですが今年つばさ橋が開通したことを受けてこの2本の橋が描かれた紙幣が新たに作られたのです。
更にこの紙幣にはカンボジアの国旗と日本の国旗が。
紙幣に外国の国旗を描くほどカンボジアは日本に感謝しているのです。
でもそんなことがあるんですね。
他国の紙幣にシンボルとして描かれるって。
それも僕初めて知ったのでなぜこれを日本人がこんなに知らないのかというのも意外なことではあります。
まあだからこの番組があるんですよ。
(拍手)でもねやっぱりこの番組をご覧の方でもそれはすばらしいことをしたのはわかるよ。
でも外国に橋を架ける前にオラの前のこの川の橋さ何とかしてくれとか切実に思ってらっしゃる方もやっぱりいると思うんです。
日本政府はそういう方たちを無視して向こうの援助ばっかりやってるわけではないんですよ。
やはり日本にもメリットがあるんです。
それをちょっと皆さんにご紹介します。
日本の橋を作ったことによるメリットとは何なのか。
それがこちらです。
やっぱり日本の企業の技術はすごいなということが遠くで見てるんじゃなくて自分たちが毎日使ってる橋でわかればこれは日本企業やっぱり来てくれ。
いろんな技術をどんどん我が国に広めてくれってなるじゃないですか。
そして2つ目は貿易です。
さっきから申し上げているように橋の完成をきっかけに南部経済回廊が繋がりました。
物流がスムーズになったということはそのアジアの中だけでもちろん物が動くんではなくその先には日本もあるわけです。
ですからそういった形日本との輸出入も非常にスムーズに行えるようになった。
そして3つ目は人材。
若い日本の技術者が現地で経験を積むことができた。
現地の人に感謝されながら若い技術者の技術を育成することができればそれはひいては日本にフィードバックしてくることができるじゃないですか。
ホントにですね今ご紹介してきたように日本が非常に質の高い技術でインフラを整備することによって問題の解決。
そして経済発展。
更には人材。
もう現地での成長はもちろんのことそれが今申し上げたようにひいては日本経済の成長にも繋がる。
そういう全体のダイナミズムというんですか…。
大きな繋がりというのをちょっと皆さんにお伝えしたかったんです。
(拍手)これからまたひとつ別の開発協力をお見せしますがこれがどういう開発協力なのか現地取材をしてまいりましたのでVTRをどうぞ。
東南アジアの北東に位置し大小7,000あまりの島々からなる国フィリピン。
バナナやマンゴーの産地としても有名なこの国でも日本は質の高いインフラを整備しているのです。
その事例を1つご紹介しましょう。
マニラはこの30年の間ある問題に頭を悩ませていました。
それは…。
近年の急激な人口増加に伴いマニラ都市部の交通渋滞は深刻な問題となっているのです。
更に排気ガスによる大気汚染や温室効果ガスの発生も問題となってきました。
そんな交通渋滞を緩和させるため日本が支援してきたのがLRTとはフィリピンの首都マニラで運営されている路線システムであり1984年にLRT1号線の運行がスタート。
更に2003年には2号線が開通されました。
開通前の状況を聞いてみました。
人口増加による…。
これらの問題を解決するため2013年ついに…。
それが…。
こちらはマニラ首都圏を南北に繋ぐ約20kmの路線。
LRT1号線を更に南に11.7km延長。
そして東西を結ぶ約14kmの路線LRT2号線を東に約4km延長させる計画です。
路線を拡張することで…。
そこでこれまでにもLRTの開発協力に携わってきたお話を伺いました。
こうして日本の長い歴史のなかで培われてきた鉄道技術は日本と同じように密集した都市部を持ち地震や台風などによる災害の多いフィリピンでも大きく貢献しているのです。
では実際にどのように改善されたのでしょうか?日本の支援により改善の兆しは見えてきましたが経済発展著しいフィリピンの現状はどうなっているのでしょうか?現地の住民によると…。
このように現在でもマニラの交通状況には課題が残されています。
今後拡張計画はどのように続くのでしょうか?今後の計画についてお話を伺いました。
当たり前のように電車の遅延が起こるフィリピンで日本のような定時運行ができるようにする。
また線路の拡張日本製車両の調達などこれからも日本の支援によりより多くの乗客を輸送できることが期待されています。
「KAIZEN」と記されています。
日本の高度経済成長を支えてきたスローガンが開発協力を通じて海を越えたフィリピンでも根付いているのです。
このように日本の技術支援はマニラの交通改革に大きな影響を与えています。
それはマニラ首都圏の交通渋滞や大気汚染といった都市問題の緩和を導くでしょう。
また日本のインフラ技術が現地の人々に評価されることによって日本企業の新たなビジネスチャンスに繋がり今後の日本経済の活性化にも結びついていくことが期待されます。
(拍手)ねぇもうこれもホントにフィリピン政府が注目する大事業なんですけどやっぱり日本の高いレベルの技術力が大気汚染の改善であり更には車両故障の減少。
メンテナンスのしやすささまざまなメリット。
長い目で見ればそういうコストですよね。
ライフサイクルコストの削減。
そういったことをすべての点で貢献している。
外務省の高橋さんこの事業は日本の企業にもメリットをもたらすんですよね?日本の企業の海外進出それを促すといった意味もありましてインフラが整備されたことによって日本の企業が海外進出する環境が整備されることによって海外の経済的な活力を日本の経済の活性化にも繋げる。
そういった意味があるんだと思います。
なるほどありがとうございます。
そしてフィリピンのマニラだけにとどまらず日本はインドやタイにも鉄道づくりの開発協力を実施しています。
鉄道という一分野だけをとっても日本はさまざまな国に支援をしインフラを通して新興国に質の高い成長を促しているのです。
そして日本がベナン共和国の漁業を救う。
質の高い成長を実現するために日本は他にどのような取り組みをしているのでしょうか。
林先生お願いいたします。
はい。
続いてご紹介するのがこちらです。
インフラをととのえるだけでは不十分ですからその現地の人たちが自立できるように技術や能力を育成していく。
そういう支援も日本は行っています。
例えばアフリカではこのような取り組みが行われています。
そしてABEInitiativeと呼ばれている理由とは…。
成長はアフリカにあり。
のびるアフリカに投資すべきは今。
そのため総理の名前とこれらの頭文字をかけてABEInitiativeと呼ばれているのです。
この取り組みは日本にとってどのようなメリットがあるのでしょうか…。
日本の企業の方々にとってみればアフリカの将来アフリカのそれぞれの国の産業を担う若者たちですからアフリカの市場に関する生の情報を得ることができますしあるいは将来的にですね受け入れた企業がアフリカに行ってそのアフリカ人がその場にいたらですねまさに人脈の活用といった意味でもですねこのInitiativeは日本企業にとっても意味のあるものだというふうに思います。
なるほど。
そういうアフリカでの人材育成を通じてそれが結果的には質の高い成長につながるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
そのとおりであります。
では今ご紹介いただいたInitiativeを通じて日本へ実際に留学生を派遣しているアフリカのある国からある方に来ていただきました。
ご紹介します。
こちらですどうぞ。
(拍手)ベナン大使のゾマホンさんです。
(拍手)よろしくお願いします。
ゾマホン大使はもともとテレビタレントとしてお茶の間で人気を博しビートたけしさんの付き人をやっていたこともある異色の大使なのです。
ベナン共和国はアフリカの西部に位置し国土が日本の3分の1という小さな国で綿花やヤシ落花生など特産品も多いことで知られています。
今回は日本がベナンに対して行っている開発協力についてゾマホン大使に教えていただきます。
さて早速ですけれどもじゃあこのベナンに日本がいったいどんな支援をしているのかこちらをご覧ください。
これでいいですよね。
そうですね?そうです間違いない。
この内水面というのは河川とか池とか沼。
いわゆる淡水のことを指して要は日本では淡水で養殖する技術を現地ベナンで普及させるプロジェクトであると。
ベナン共和国は縦に長い地形で海岸線が短いためベナンの漁業はその8割を川や沼など内陸でまかなっています。
ということでわかりやすくこの支援の内容を説明すると…。
海で魚が獲れないんだったらじゃあそれは川とか沼で養殖して補おうじゃないかとこういう考えですね?そのプロジェクトをご紹介しますんでこちらの写真ご覧ください。
これどんなシーンですか?ベナンではそう言うんですか?もちろんだよ。
お金の稼ぎ方教えてあげたほうがいいと。
なるほどなるほど。
要はこれは現地の人に養殖の技術を伝えながら魚をちゃんと獲れるようにしてるってことですね。
そうでございます。
(拍手)このように魚をあげるのではなく日本の開発協力はインフラだけではなく人を育てるということにも貢献しているのです。
そして最後にご丁寧にありがとうございます。
まずはセブ市が今どんな問題を抱えているのか。
取材してまいりましたのでVTRをご覧ください。
世界でも有数のビーチリゾートとして知られ毎年多くの日本人観光客も訪れる常夏の楽園フィリピンセブ島。
そのなかでも近年目覚ましい成長を遂げている中心都市セブ市は近隣地区とともにメトロセブと呼ばれる大都市圏を形成し発展し続けています。
しかし都市開発が進むにつれさまざまな問題が浮き彫りになってきました。
その問題点とはどんなものなのでしょうか?メトロセブの都市開発に携わっているアボイティスさんにお話を伺いました。
年々増え続ける人口増加に対してインフラの整備が追いついていないのです。
この状況を改善するため日本政府は横浜市や横浜市で活躍してきた中小企業とともに立ち上がりました。
それはセブ市が現在抱えている問題が…。
そして日本政府は横浜市や横浜市の汚水や廃棄物処理などに携わってきた中小企業とともにセブを支援するため…。
当時のことを聞こうと我々はセブ市役所へ。
市議会議員カブレラさんにお話を聞くことができました。
日本政府は横浜市の都市づくりで得た経験とノウハウを使ってセブ市を支援し始めたのです。
セブの都市圏の現在の人口が255万人で…。
当然人口増加にともなってさまざまな問題が起きることはこれは誰だって予想ができる。
このまま放置しておけばいろんなこと起きますよね?ではそういうセブ市を前にして日本政府は横浜市とかあるいは中小企業と連携してどんな支援を行っているんでしょうか。
いろいろあるんですけれども今回はポイントを3つに絞りました。
それがこちらです。
それではまずは廃棄物処理に関して現地取材してまいりました。
ご覧ください。
人口増加にともないセブ市ではゴミの量も年々増え続けています。
セブ市では家庭などからのゴミが最終処分場にそのまま山のように積み上げられています。
そこにはウェイスト・ピッカーと呼ばれるゴミの中から金属やプラスチックを回収しそれを売って生計を立てている人たちがいます。
当時の状況を聞きました。
もちろんそれだけのお金では十分な生活を送ることはできません。
そんなゴミ問題を抱えるセブに対し日本の開発協力により横浜市の中小企業萬世リサイクルシステムズが廃棄物処理の技術支援を行っているのです。
現地で働く社員の樋口さんにどのような支援をしているのかお話をうかがいました。
こうして萬世リサイクルシステムズはセブ市の廃棄物処理場でプラスチックのリサイクルに取り組み始めたのです。
こちらがトランスファーステーション。
プラスチックの分別が行われているのは奥の部分に…。
そして集められたものを選別ラインと呼ばれる場所で更に細かく分別していきます。
プラスチック以外のゴミを一つひとつ丁寧に手作業で取り除いていきます。
細かく分別されたプラスチックは…。
次にこちらの破砕機で細かく粉砕されてこの配管をずっと通って…。
ここにフラフ燃料として出てきます。
このフラフ燃料と呼ばれる燃料がエネルギーとして再利用されていくのです。
更にこの事業では単純にゴミを燃料として再利用するだけではなくこんな取り組みも行っているのです。
セブ市はそのなかからプラスチックの仕分けをする作業員を雇用しているのです。
先ほど登場したカンフーさんもその従業員の1人。
ウェイスト・ピッカー時代は生活に困るほどの収入でしたがここで働くようになって安定した暮らしができるようになりました。
日本の支援によってセブ市の廃棄物処理問題は少なからず改善の方向に向かいました。
しかし未だセブ市にはいくつものゴミ山が形成されています。
樋口さんに今後の展望を聞いてみました。
このように大きな処理場ができ現地雇用が増えれば近い将来1人でも多くの更に中小企業がこのような日本の支援に参加することは企業にとっても大きなメリットがあると樋口さんは言います。
日本の開発協力は現地の問題を解決するだけでなく支援にあたった日本の中小企業にもメリットを生むという双方に有益なすばらしい取り組みなのです。
さぁ続いては汚泥処理問題についての現地取材のビデオをご覧ください。
日本では当たり前のように処理されている家庭からの下水。
しかしトイレからの汚い水がそのまま放置されたらどうなるでしょうか?セブ市では下水道が整備されておらず一般家庭から出る下水の多くは廃棄物の最終処分場にそのまま捨てられるか一部は川や海にたれ流しにされていました。
当時の状況を…。
こう振り返ります。
更に汚泥の放置による水質汚染が原因で人々の健康にも悪影響が出るなどまさに…。
この状況を受けて2014年1月…。
横浜市で汚泥処理に取り組んできた日本の中小企業これはセブ市から出るほぼすべての汚泥を処理できる画期的な装置なのです。
どのように汚泥が処理されているのかナバロさんに案内してもらいました。
液体をビーカーに汲み取ってみると…。
水分と固形物がみごとに分離しているのがわかります。
分離された固形物を更にこちらで圧縮し水分を取り除いていきます。
圧縮された固形物はトラックの荷台に直接積み込まれセブ市の農業組合に肥料として運ばれます。
一方固形物を取り除かれきれいになった水は隣の貯水池へ。
これまで処理されず放置されていた汚泥が肥料として再利用されきれいな水となって川に戻せるようになりました。
アムコンの装置導入前はご覧のようにほとんど機能していなかった汚泥の貯水池がこのように処理機能を取り戻したのです。
この写真を見るだけでも日本の開発協力で提供されたアムコンの技術力の高さがよくわかります。
このように日本の中小企業が持つ汚泥処理の技術によりセブ市のみならずフィリピン全体の環境を改善していくことが期待されています。
(拍手)ご覧いただいたようにこの問題についてもですね日本の企業が持っている技術が現地で活かされている。
これ横浜市にもまた活かされているものがあるんですか?開発協力でこのように海外で事業展開をするということは各企業にとっての活躍の場を広げるということにも大きく繋がっていると思っています。
普通だったらそのくらいの規模の企業が海外進出っていうのはなかなか難しい。
でもこういう名目があって実際向こうの方にとっても必要なことだからそんなに大きくない会社が出ていった。
そのことであの会社はそういう技術を持ってるんだ。
というふうに今後の市場で非常に有利になったっていうことですかね?おっしゃるとおりだと思いますね。
こういった外務省JICAの支援のもとですね行政と一体となって企業が出ていくということは相手にとっての行政にとっての信頼感…。
こういったものにも繋がっていくなと思っています。
まさに官民一体のホントにステキな形がひとつここで実現したということですよね。
はいそのとおりです。
続いては水の浄化問題これもVTRをご覧ください。
今年の10月にも大型台風が直撃したそんなフィリピンに…。
かつてない被害を生んだこの台風により…。
飲料水の確保が困難な状態に。
これまでも日本はフィリピンへ技術支援を行っていましたが台風発生当時給水活動にあたったのがそれ以前からフィリピンで水処理事業に携わってきた神奈川県の中小企業現地で事業を担当する日本原料の有泉さんに当時のお話を聞いてみました。
天災による壊滅的な状況。
日本原料はどのような手段で給水活動を行ったのでしょうか?我々はですね当社製品であります移動式のろ過浄水装置モバイルシフォンタンクというものを現地に持ち込みまして原水の川を取水しましてそれをろ過して飲料水を作りました。
当時どのように水を浄化していたのか実際に見せてもらうことに。
こちらなんですけれども水槽が3つ置いてあります。
でいちばん手前が原水槽。
2つ目が逆洗水槽。
で最後が処理水槽というかたちでそれぞれ別々の目的があって置いてあります。
河川に入っているポンプがまず原水を汲み上げます。
それがいちばん手前の原水槽。
こちらに入りまして原水をあちらのろ過器のほうに送っていきます。
これで水をきれいにろ過して次の逆流洗浄水槽。
逆洗水槽って呼んでますけどあちらのほうに水を送っていきます。
原水をろ過しまして洗浄用の逆洗水槽。
これがいっぱいになったらバルブが切り替わってこちらの処理水槽に水が送られてきます。
もうこれは飲めるレベルですね。
川から汲み上げられた水はまず原水槽へ。
その後ろ過装置に運ばれ砂のフィルターで原水をろ過。
ろ過された水は2つの水槽に移され処理水槽の水は飲料水として飲むことができます。
更に逆流洗浄水槽の水が汚れたフィルターの洗浄に利用されるのでメンテナンスがしやすい設計になっているのです。
こういったものもありますのでこういった…これで。
こちらが川の水をろ過して浄化した水です。
濁りがとれ不純物がなくなった様子がよくわかります。
更にこんな機能が。
この機能によってこの機械を使ってライフラインが遮断される過酷な状況のなか現地の人々に安全な水を供給することができたのです。
この日本政府の協力で日本原料が行った迅速な緊急支援は現地の人の大きな信頼を得ることにつながり災害以前から水道水の…。
そもそもセブの水質はどんな状態だったのか?メトロセブ水道区のロガータさんに当時のお話を伺いました。
市民の方に当時の水の話を聞いてみると…。
このようなセブの水道問題を解決するため横浜市水道局が設立した横浜ウォーターと日本原料がタッグを組んで開発協力を継続。
水質の問題を改善しこのように日本政府が横浜市と行った支援により安全な水の供給が確保され現地の暮らしに多大な貢献を果たしたのです。
(拍手)本当に今回は横浜市の事例をご紹介しましたけれども私たちにより身近なこういうふうに相手のためにすることが結局は日本のためにもなることもたくさんある。
実際に日本経済に返ってくる。
そういうことも十分期待できる。
これはそう第1回目でお話ししたそこにまたつながっていく話ではないでしょうかね。
いや本当に長い時間おつきあいいただいて。
大変な1日だったと思うんですが赤井さんいかがでした?なんかいろんな言葉がキーワードとして自分のなかに心に響いたように思います。
これを機に大事に…もっともっと注目していきたいと思います。
赤ペンさんいかがですか?一人ひとりの力がこんなにも強大な影響を生んだりとかたった一人なんだけれどもそこから生み出るパワーとか関係性とか世界への影響っていうのがちゃんと確実にいろんな国に残っていくんだっていうことがすごくよくわかりました。
愛加さんいかがですか?私も今までは自分はそんな世界になんて何もできないって思ってたんですけれどもこの番組を機会に勇気とやる気さえあれば何か少しでも変えられることができるんだなっていうのを改めて教えていただいたので今後変わっていきたいなって思いました。
本当にJICAのすばらしさを先ほどゾマホンさんにもずいぶん教えていただいたんですがJICAの根本さん何かお願いできますでしょうか。
やはりまだまだ世界のなかでの課題。
途上国の問題ってところは非常に多くのものが複雑に絡み合っていてなかなか簡単には解決できない問題ばかりだと思うんですね。
引き続きJICAとしましてもそういった課題に対して日本の皆さんのノウハウそれから思いですね。
そういったものをできるだけおつなぎできるような支援を今後とも進めさせていただきたいなと思っておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
(林)本当に今日はありがとうございました。
最後に外務省の高橋さんいかがだったでしょうか?先生おっしゃったとおり情けは人のためならずっていうことであって日本が海外に行ってきた開発協力っていうものが日本にさまざまな意味でリターンが返ってきているということだと思います。
折りしも今年の2月開発協力大綱というのを作ってまいりましたのでぜひ今後とも国民の皆様方と一緒に開発協力といったものを進めていきたいというふうに思っております。
全3回にわたってお送りしてきたこの番組。
世界中の人々が安全な生活を送れるようにする人間の安全保障。
日本政府と連携することで誰にでも開発協力ができるパートナーシップ。
そしてインフラから人材までさまざまな成長を促す質の高い成長。
このような3つのテーマで開発協力について講義をしてきましたが最後に林先生は…。
これまで3回にわたって開発協力とは何かということをお伝えしてまいりました。
開発協力とは何か。
それはこの世界が抱えたさまざまな問題を解決すること。
日本の支援によりさまざまな人々を手助けしながらさまざまな人々や団体が力を合わせながらよりよい世界を作っていくことが開発協力の目的です。
そしてそれは何度も申し上げた情けは人のためならず。
そう最終的には日本に返ってくる。
そういう面もある。
そんなふうにご理解いただければいいのではないでしょうか。
ただ現実に行われている開発協力というものは今日そして前2回の3回で僕が語り尽くすようなことができるものではないです。
やっぱり皆さんご自身がこの番組をきっかけとしてあっこんなことが行われてるんだ。
じゃ他にはどんなことがあるんだろうというふうに皆さん自身が皆さん自身の問題として受け止めてそれぞれの開発協力に乗り出すいわば踏み切り台になってくれるといいなと。
3回の講義を終えてそんなことを感じております。
誰にでもできるものです。
そのことを最後にあえて強調して話を終わりたいと思います。
ホント長きにわたってご静聴ありがとうございました。
それではまたいずれどこかでお会いしましょう。
ではさようなら。
(拍手)2015/11/15(日) 16:00〜17:15
テレビ大阪1
林修の「世界をひらく僕らの一歩」[字]

人気カリスマ講師・林修先生が、日本が世界各国で行っている支援についてわかりやすく解説!

詳細情報
番組内容
人気カリスマ講師の林修が、日本が世界で行っている「開発協力」について講義!
普段は予備校で現代文を教えている林修先生が、“世界の中の日本”そして“日本が世界の国々にどんな支援をしているのか”などをわかりやすく解説!
出演者
【MC】林修
【ゲスト】赤ペン瀧川、愛加あゆ、春香クリスティーン、赤井勝

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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