桂文枝の演芸図鑑「萩本欽一、林家正楽、春風亭柳好」 2015.11.15


おはようございます。
桂文枝でございますが今日の川柳は…本当に超ミニはやりましたからね。
いや〜今はもうお年の方でもミニスカートはいた…あのころどうなんですかね?こういう川柳がありましたけどね。
「この動悸昔は恋で今病気」いうのあります。
まあ加齢っていうものに勝てないっていうかどうしたら勝てるんですかね?教えて下さい。
よろしくお願いします。
さて今日の演芸は出演者林家正楽さんと春風亭柳好さんです。

(拍手)え〜お客様からご注文を頂く前にご挨拶代わり1本の傘男女2人入ります。
相合い傘短〜い時間で形は出来上がります。
お囃子に合わせてね紙とはさみを動かします。
ついでに体も少〜しだけ動かします。
もしよろしかったらお客様もご一緒に動かして頂いて結構です。
だんだんと形になります。
相合い傘。
なんというご注文頂いたと致しますと短い時間で雨の中2人連れ。
長〜い時間はかけないようにあっという間に形は出来上がります。
紙とはさみを動かしてますけれどもはさみより紙を余計に動かしてねどんどん形になります。
相合い傘。
フ〜。
イヨッ。
雨の中2人連れ。
(拍手と歓声)途中で切り離していませんので黒い紙の上に載せますと今とおんなじ形もう一枚出来ております。
(拍手)え〜これはどうぞどちら様でも結構です。
今日のお土産に差し上げます。
今一緒にお持ち帰り下さい。
出てきて頂ければ…はい。
立ち上がって下さい。
ありがとうございます。
どうぞ。
よいしょ。
はい。
おうちへ帰ったら赤い紙か黒い紙か茶色い紙に貼っておいて下さい。
(笑い)白い紙に貼ると分からなくなっちゃいます。
ご注文を頂いて切りましょう。
何かご注文がありましたら大きなお声で…。
「十五夜お月様」。
今度はお客様のご注文ですから形を考えながら切りますんで時間はかかります。
1分や2分ではとってもできません。
40分ぐらいあれば出来上がります。
十五夜のお月様見ているところ。
いろんなご注文を頂きます。
今日はねまずきれいなお題を頂きました。
こないだ変なお客様がいまして「何かご注文ありますか?」って聞きましたら「とりあえずビール」って言われました。
お月見。
どんなお題を頂くかまるで分かりませんがよかったです。
お月見十五夜。
こないだ変なお客様がいましてね「何でも切ります」って言いましたら後ろの方に座ってたお客様が急に立ち上がりまして高座の真ん前まで出てきて手を出すんです。
寄席の売店で買ったんだと思うんですけれどもお煎餅が入っている袋を1つ持ってまして「袋がなかなか破れないからはさみで切れ」って言われました。
いろんなお客様がいらっしゃいます。
お月見十五夜。
丸いお月様。
(拍手と歓声)これはどうぞ「十五夜」って言って頂いたお客様今日のお土産です。
ご遠慮なくお持ち帰り下さい。
ほかにご注文があれば。
(観客)はい。
「太った猫と戯れるゲタを履いたおさげのおばあちゃん」をお願い…。
(笑い)…というご注文です。
どうしようかな。
(笑い)ゲタを履いているおさげのおばあちゃん。
え〜太っている猫と戯れているおさげのおばあちゃんというご注文。
いろんなご注文を頂きますけども初めてのご注文。
おばあちゃんがゲタを履いて。
太っている猫。
(笑い)ゲタを履いているおばあちゃん。
太っている猫。
(笑い)おっいいな。
いつでもこうやって体を動かしながら切ってます。
このごろでは何か紙を持ちますと自然に体が動くようになりまして朝新聞を読むんでも体を動かさないと読めません。
(笑い)職業病です。
うわ〜どうしよう。
ゲタを履いているおばあちゃんと太っている猫。
すばらしい作品が出来上がり。
(拍手と歓声)どうぞ。
おうちの一番大事な所に飾っといて下さい。
どうぞ。
すいません。
失礼します。
ありがとうございます。
どうもありがとうございました。
(拍手)
(拍手)どうもばく大な拍手をありがとうございます。
春風亭柳好といいますけれども。
お酒というのはね適度に飲んでる分にはいいもんでございましてまた縁も広がりますね。
こないだはねある席で飲みながらね年配の男性の方と話をしてましたらどうもその方のお嬢さんと私が同じ誕生日だって事が飲んでるうちに判明しました。
「あっ柳好さんねうちの娘のミミと同じ誕生日ですよ。
じゃあ一度合同で誕生会でも開きませんか?」。
「いいですね」なんて鼻の下のばして行ってみましたらそのミミちゃんってのが犬だったんですね。
えらい衝撃を受けましたけど。
これはある藩のご家中で月見の宴。
庭にまん幕を張り詰めましてこう酒を飲んでおります。
まあ初めのうちは世間話か何かしていたんでございますがだんだんに酔いが回ってまいりますと侍だけにどうしても武芸の話って事になる。
中には「貴公より拙者の方が」なんてのが出てまいります。
もうこれは血気にはやっとりますからたまりません。
「しからば真剣勝負とまいろうか」。
長い物をギラリ引き抜くってえと互いに足場を選んでチャリ〜ンチャリ〜ン斬り結びます。
運の悪い事にこの2人が2人とも落命に及んでしまいます。
落命。
「命を落とす」と書いて落命でございます。
落命なんて言葉はねなまじ学がないと出てくる言葉じゃございません。
実は私こう見えましても大学の方はですね首席で…。
(観客)え〜。
中退しちゃいましてこの世界に入ってきてるんでございます。
さあ〜もう1晩のうちに大事なご家来を2人も亡くしてしまったんですからもうお殿様の心中至って穏やかではございません。
「う〜ん誰が悪いと申すではない。
酒がよくない。
酒のなす業。
今後我が藩において酒を飲む事まかりならん。
その方たちばかりだが余も飲まん。
禁酒を申しつける」。
早速ご門の脇に番屋を設けましてここに役人を2人ばかり置きます。
「酒を飲んでいる者は門を通さない。
酒を持参したる者は門の内に入れない。
出入り商人品物一切あらためる」ってんで誰言うとなく禁酒番屋と呼ばれるようになりまして。
「いや〜弱ったな」。
「どうしました?番頭さん」。
「いや弱ったんだ。
先ほど近藤様がお見えになってね『寝酒に用いたいからね夕方まで1升酒を持ってきてもらいたい』と言うんだがほら皆さんも知ってのとおりほらこないだああいった間違いがあってねご門に番屋がある。
あそこはね酒を提げて通れるもんじゃない。
あ〜本当に弱った」。
「それでしたら番頭さんよ私一つねいい考えがあるんでございます。
実はねこの度向こう横町の梅月って菓子屋でねカステラってお菓子を売りに出しまして今大変な評判ですよ。
こないだ私も行って見てきたんすけどね結構なもんでございます。
いかがでございましょう?近藤様ね『金に糸目はつけぬ』とおっしゃっておりましたのでこのカステラの一番大きな折を買ってまいりまして中身を抜き取りましてこれは店の者でみんなでありがたく頂戴を致しまして。
ええ。
空いた折ん中へね五合徳利を2本互い違いに忍ばせまして蓋をして水引をかけましてね風呂敷で結わえまして私がね菓子屋のはんてん借りてきますんでそれを着ましてね『手前向こう横町の菓子屋でございますが近藤様からカステラの注文で持ってまいりました』ってんで私がいかにもカステラだって顔致しましてご門をス〜ッと」。
「そうはいかないお前さん。
お前さん自分じゃカステラだって顔のつもりかもしれないけどねお前さんの顔ってのはね酒のかすみたいな顔してる。
大丈夫…?」。
「ええ大丈夫。
任して下さい」ってんで支度を致しますと「え〜お頼申します」。
「通れ。
いずれへ参る?」。
「近藤様の御小屋へ通ります」。
「近藤氏の御小屋?うん。
何じゃ?その方は?」。
「手前向こう横町の菓子屋でございますが近藤様からカステラの注文で持ってまいりました」。
「近藤氏がカステラの注文?うん。
控えておれ。
ご同役お聞きになりましたか?あの家中きっての酒飲み近藤氏が菓子など食するようになりましたかのう。
世の中変われば変わるもんでござる。
全く嘆かわしい。
あっ待て。
役目の手前落ち度があっては相ならん。
一応中身を取り調べる。
ここへ出せ。
ここへ出せ」。
「これはカステラ…」。
「カステラは分かっておる!出せと申す!」。
「あの〜これ水引がかかっておりましてこれほどかれますとあとどうしても形が崩れますんで近藤様からお小言…」。
「進物用か?うん。
ご同役進物用でござる」。
「そうであろう。
あの近藤氏が菓子なぞ食する訳はないと思ったわ。
うん。
差し支えなかろう」。
「分かった。
持ってまいれ。
持ってまいれ。
いいから持っていけ」。
「ありがとうございます。
決して怪しいもんじゃございません。
確かにカステラでございますんで。
それではヨッドッコイショ」。
「待て。
待て。
ただいまその方『ドッコイショ』と申した。
カステラはかよう重いものではないぞ。
何だ?その『ドッコイショ』…」。
「これは私の口癖なんです。
何をするにもドッコイショ。
朝起きますとまずドッコイショ。
顔を洗ってドッコイショ。
おはようございますドッ…」。
「『おはようございますドッコイショ』?」。
「ええ。
もう通ってもいいでしょうか?ドッコイショ」。
「何を言うとる。
これへ貸せ。
なるほどご同役これはドッコイショでござる。
まるで目方が違います。
あ〜ただいま取り調べる。
それへ控えておれ。
あ〜水引は身共がほどくぞ。
おっ何だ?この徳利は!その方『カステラ』と申したではないか。
カステラがかよう徳利に入るか!」。
「それが手前どもの店で近頃売り出しました水カステラ…」。
(笑い)「水カステラ?ますますもって怪しいやつ。
それへ控えておれ。
ただいま取り調べる。
まことにカステラであればよいがな偽りなど申すと差し許さん。
クンクン…。
水カステラ…。
門番湯飲みを持ってまいれ。
大きい方がいいぞ。
ただいま取り調べる。
それへ控えておれ」。
「水カステラ…」。
「フ〜。
あ〜ご同役水カステラでござる」。
「いいところへお気が付かれました。
お〜っとっとっとっと。
久方ぶりの水カステラ」。
「あっ空きましたらこちらへお貸し願いたい。
拙者1杯ではとんと味が分かりませぬ。
ただいま取り調べる。
控えておれ。
こら!かようなカステラがあるか!この偽り者!立ち帰れ!」。
「ただいま帰りました」。
「おお慌てちゃいけない。
どうした?え?途中までうまく運んだけどドッコイショ?そらあまずかっ…。
え?水カステラ?そらあまずい言い訳だ。
え?でどうしたい?」。
「え〜もうねもう…湯飲みを持って割り入って2人でガブガブガブガブ飲まれちまった」。
「あ〜番頭さん今度はね私にやらして下さい私…」。
「あ〜お前さんこれ以上は無駄だ。
およし」。
「大丈夫だよ。
まつどんのようにね小細工をするからいけないんです。
私はね徳利を徳利のまんま提げていきますから」。
「おいおいおい。
折に隠して持ってったら…?」。
「大丈夫ですよ。
隠し立てするから怪しまれる。
私はね油屋になっていくんですよ。
一升徳利に酒を詰めましてねその周りに油を塗りたくりましてね栓をして荒縄のね油の染み込んだ荒縄で首っ玉結わえつけるってえと『手前向こう横町の油屋でございますが近藤様から油の注文で1升持ってまいりました』ってんで。
これならね酒も1升油も1升目方に変わりはない。
やらして…」。
「大丈夫?」。
「大丈夫やらして下さい」てんで支度を致しますと「え〜お頼申します」。
「通れ。
いずれへ参る?」。
「近藤様の御小屋へ通ります」。
「近藤氏の御小屋?うん。
ご同役また参りましたぞ。
してその方は何じゃい?」。
「手前向こう横町の油屋でございますが近藤様から油の注文で1升持ってまいりました」。
「近藤氏が油の注文?うん。
役目の手前落ち度があっては相ならん。
一応中身を取り調べる。
ここへ出せ。
ここへ出せ」。
「これ油…」。
「油は分かっておる。
出せと申す!うん。
まこと油であればよいが偽りなぞ申すと…。
大変な徳利を持ってまいったのう。
控えておれ。
ただいま取り調べる。
クンクン…。
ん?ご同役水カステラと同じ匂いが致す。
ただいま控えておれ。
取り調べる。
偽りなぞ申すと棒縛にしてくれるわ」。
「フ〜。
ご同役今度は油でござる。
油。
まだ調べがついとらん。
控えておれ。
こら!かような油があるか!この偽り者!立ち帰れ!」。
「ただいま帰りました」。
「ほらまたやられちまったんだろ?だから『およし』とそう言ったんだ」。
「番頭さん私にやらして下さい私」。
「あ〜もうこれ以上無駄だ。
カステラで1升油で1升。
2升になる。
今度持ってきゃ3升だよ?『盗人に追い銭』ってのは…」。
「悔しいじゃありませんか。
何だってそうでしょ?酒の番をしてる者にね酒をガブガブ飲まれちまって『偽り者偽り者』まで言われたんじゃ世話がありませんよ。
いや私はね敵討ちで行くんですから。
なにもね酒なんか持っていきませんよ」。
「ん?じゃお前さん一体何を持ってくんだい?」。
「あっしはねしょんべんを持っていくんす」。
「おいおいおい!そんな事したら大変…」。
「大丈夫。
あっしはね小便を『小便だ』って言って持っていくんすから。
うそ偽りはないんですから。
飲むのは向こうの勝手…」。
「おいおいおい!そんな事したら大変…」。
「いや〜大丈夫。
やらして下さい!」ってんでもう若いもんが腹立ち紛れ。
なんとか1升かき集めますと荒縄で首っ玉結わえつけてはんてんを着まして「え〜お頼申します」。
「通れ。
いずれへ参る?」。
「近藤様の御小屋へ通ります」。
「近藤氏の御小屋?うん。
で何じゃ?その方は?」。
「手前向こう横町の…」。
「向こう横町の…何だ?」。
「向こう横町のあの〜…しょ…小便屋でございます」。
「ただいま何か申したか?向こう横丁の小便屋?ご同役あまり聞かぬ『屋』でございますな。
何じゃ?その方が持参しておるものは?」。
「ええ。
近藤様からしょんべんの注文で1升持って…」。
ばか!かようなものを注文するばかがどこに…」。
「何でもあの松の木の肥やしになさるんだそうです」。
「たわけた事を…。
ご同役町人などという者は愚かな者でございますな。
初めカステラと偽り持ってまいり次に油と偽り持ってまいりこの度は言うに事を欠いて小便屋。
ハハッ。
かよう申せば偽り通せると思ってるところがいかにも愚かでござる。
待て。
役目の手前落ち度があっては相ならん。
一応中身を取り調べる。
ここへ出せ。
ここへ出せ」。
「これ小便…」。
「小便は分かっておる!出せと申す!」。
「あのどうぞごゆっくり」。
「余計な事を申すではない。
まこと小便であればよいがな偽りなぞ申すと差し許さん。
棒縛にしてくれるわ!あ〜ご同役毎度お先で申し訳ねえ。
ただいま取り調べる。
控えておれ。
おお?ご同役どうやら今度は燗をつけて持ってまいったようだ。
あ〜燗でよし冷やでよし。
控えておれ。
ただいま取り調べる。
偽りなぞ申すとな差し…」。
「だいぶ急いで持ってまいったと見えて泡立っておる。
フ〜フ〜。
う〜んけしからん!かようなものを持参…」。
「ですからはなから小便…」。
「小便は分かっておるわ!このう〜ん…正直者めが!」。
(拍手)今朝のお客様はテレビ界のお笑いをず〜っと引っ張ってこられたこの方です。
萩本欽一さんです。
よろしくどうぞ。
はい来ました。
ハハハ!お邪魔します。
大体こういう所へ萩本さんがここへお座りになってで大体みんなほかの方が入ってこられましたですよね。
自分でお入りになるのはあんまりないですよね?はい。
でも新鮮で。
こちらに何か先輩のような方が…。
すいません。
偉そうに座ってて。
いやいや。
本当…。
もうずっと先輩なんですけど。
意外ですね。
私もうずっと…。
意外な事ないですけども浅草から入れるともう何年ぐらいおやりになってるんですか?18ん時からですからね。
182838485860…55年ぐらいですか。
そうですよね。
はい。
いや〜それでまたこの駒沢大学へ?はい。
何で駒沢大学なんですか?いやあの〜…私を…大学で呼ばれたのは駒沢大学でおしゃべりしたんですよ。
うれしかったの。
高校出をねよく大学へ呼んだなと思って。
冗談にあんまりうれしいから「ここ来ちゃおうかな」。
それ言ったのが10年ぐらい前で。
あっ。
それからずっと?はい。
それから全然行く気もなかったんですけどちょうどこの年齢になったら何か一つまた始めたいなと思って。
「ああそうだ!」。
お勉強なさったんですか?受験勉強しましたよ。
え〜すごいですね。
塾へ通ったんですか?いやあの〜家庭教師で。
家庭教師に突っ込み入れながら。
ハハッ。
あの〜英語の先生って発音がいいんですよ。
ディスブラ…バーとかっていうか。
「そういうね分かんない言葉言わないで」って言ったの。
「英語は自分で読むから」っつって。
時々僕が発音するとプッと吹いてましたけど。
「このままほっといてね」っていうんで。
でももう僕は二度と学校行きたくないなとか思ったんですけれども何でまたこのお年を迎えられて学校へ行こう思うたんですか?だってこの年齢で…だからこの年齢で一番大きなものに何か挑戦したいなと思って。
僕にとって74で一番大きいのは言ってみれば認知症ですか?どんどん忘れていくという。
はいはいはいはい。
だから…。
覚えていこうと?そうそう!だから忘れんのはどんどん忘れて出ていきゃいいんじゃないの?新しいの入れりゃいいんじゃないのって。
これは簡単な話が大学だ。
だって半年に1回試験があるから覚えましたよってちゃんとハンコくれるっていう。
あっこれ面白そうだ。
しかしお年を召されても高い元気なお声ですね。
私ねもう生徒がね小さいけど「はいはい」ってみんな割と小さいんです。
だから「はいや〜!」って。
「はいや〜!」って言ってんですからね。
勢いがいいんで。
先生がびっくりしますからね。
そうでしょうね。
何でなんですか?浅草の舞台で鍛えたからですか?これはですねえ〜あの〜高校ん時アルバイトした。
レストランで。
僕ねすっごいおとなしい子だったの。
あのアルバイトがね人生を救ってくれたの。
「はいチャーハン」って言うんで初めに「チャーハンです」って言ったら「でかい声出しなさい」って言うんでそれで「はいチャーハン」。
「はいチャーハン!」ってやっててそれで大きい声出た。
しかし高校からバイトしたいうのはすごいですね。
だって親が払ってくんなかったんですもん。
ですから…。
苦学生やったんですか?いやいや。
苦学じゃないですね。
結構楽しくやってました。
あっなるほど。
ほう〜。
こういうふうに苦労しとくと後でいい事があるんだなっていう。
ですから全然全然苦じゃなかったですよ。
駒沢大学今学校ではどんな事勉強しておられるんですか?仏教。
何で…。
ですからだってほら何かこの辺から後光さしてません?あ〜そう言ったらちょっとね。
探すもんじゃないでしょ。
パッと「ありますね」ってつきあったらどうなんですか?出てこないんですよ。
授業はよく分かんないんで。
今出損なってんです。
別に仏門に入ろうとかいうんじゃないんでしょ?ええ。
授業出ててね隣の生徒に言われました。
「お坊さんなるんですか?」って。
「いや僕はならないですよ」っつったら「これ授業ねお経の授業なんです。
やっても無駄じゃないんですか?」ってそれ言われてね半分でねその授業やめました。
そのぐらい分かんないんです。
そんなんしかし先生も萩本さんが前に座ってたらしゃべりにくいでしょうし生徒もどう声かけてええのか分かりにくいでしょうしどうなんですかね?それは。
え〜生徒はですねもう適当に座ってきますよ。
一番最初はねやっぱり「どうして俺の隣に座ったの?」って言ったら「勇気です」って言った。
でもその子はね最初に随分連れてってくれましたよ。
「授業分かります?」って言うから「よく分かんねえんだ」っつったら「いやとりあえずね教科書のページが違いますからね」って開けてくれたしね。
もうそういう事がねついていけなかった。
全部その生徒が連れてってくれた。
何かそれはどうなん…普通の学生に戻りたいんですか?それともどうなんですか?まだまだこういう世界でやっていきたいとか?やっていきたいじゃないですね。
僕は発明しか興味ないですから。
え?だって…。
発明?発明。
だって…。
何の発明なんですか?だからテレビの新しい形とか笑いの新しい形とか。
ですから笑いをやっていくに関して言うと笑いだけを修業してもそれは発明は起きないですよ。
ですから笑いをやるのに大学行って笑いをやるのに野球やったり。
という事は笑いの…何て言うか…炎っていうのはまだ消えてない訳ですね?そうです。
ですから炎をもうちょっと違う色の炎を出すために違う何かをしないとおきないですよ。
何で舞台はおやめになったんですか?走れないんですもん。
笑いってやっぱり…。
別に走れなくても笑いとれるじゃないですか。
それはね僕からすると小さな笑い。
あのドカ〜ンってね響いてね壁がぶち破れるような笑いってのは動かないと笑わないです。
でも大きな笑いは言葉であるとか間であるとかそういうのでいくらでもとれるんじゃないですかね?それはね明治座とか1,300人をドッと笑わすってのは言葉では100%ないですね。
あ〜そうですかね。
言葉の笑いって例えば1,300人いると僕…後ろの席に座ってもらえば分かるんですよ。
後ろまで届かないですから。
はあ〜。
動きの笑いってのは後ろから来るっていうんですね。
ドワ〜ッと。
あ〜ほうほうほう。
その辺がちょっとやっぱり違うかもしれないですね我々と。
全く違います。
我々はジッとこの座布団の上に座ってドカ〜ンという笑いをとりたいと…。
あ〜。
…思う訳ですよ。
区別があってよかったですね。
妙な動きをしたら師匠方に怒られましたし「そんな動くもんやない」とこんな手を。
「こうやるのんでもこれには意味があって手を出すんやから」と。
我々でもやっぱり手出してこういうふうに「返りに無駄な手出すな」って。
出したらこのままこうやると怒られるんですよね。
こうやって。
このままだったらこうやって返ってくるとか何か「無駄に戻ってくるな」って。
こうやったら…。
「おめえな」ったらこうやってやるとこれ無駄だろ。
「おめえな。
ねえ」とかこう…。
そんな事やったら落語ではえらい怒られます。
こんなん落語では「おいおめえ何してるんだ?」。
ですからそういう…何でしょうそういう素人ロードっての通ってこないっていう。
よけますね。
「おめえな」とこうやると…。
絶対ないですねそれは。
ちょっとよけますね。
ジャンルが違ってよかったですね。
ですから「ここに線があってよかったですね」って。
大きな深い川がありますねここには。
かなり深い川があって。
2015/11/15(日) 05:15〜05:45
NHK総合1・神戸
桂文枝の演芸図鑑「萩本欽一、林家正楽、春風亭柳好」[字]

落語家・桂文枝が、演芸界のよりすぐりの至芸をナビゲートする。演芸は林家正楽の紙切り、春風亭柳好の落語「禁酒番屋」。対談のゲストは萩本欽一

詳細情報
番組内容
落語家・桂文枝が、演芸界のよりすぐりの至芸をナビゲートする。演芸は林家正楽の紙切り、春風亭柳好の落語「禁酒番屋」。対談のゲストは萩本欽一。
出演者
【出演】萩本欽一,林家正楽,春風亭柳好,【ナビゲーター】桂文枝

ジャンル :
バラエティ – お笑い・コメディ
劇場/公演 – 落語・演芸
バラエティ – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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