制限なく記事をお読みいただく方法はこちら

自転車:路面表示統一や自転車道の一方通行化など提言案に

毎日新聞 2015年11月11日 21時10分

 自転車の安全な走行環境の整備促進について検討する国の有識者会議(委員長=屋井鉄雄・東京工業大教授)は11日、走行位置を示す路面表示の統一化や自転車道の一方通行化などを盛り込んだ提言案を大筋でまとめた。パブリックコメントを経て年明けに正式な提言としてとりまとめ、2012年に国土交通省と警察庁が策定したガイドラインの見直しに反映させる。

 提言案は、幅に余裕がなく自転車レーンなどを設置できない道路や交差点で車道上に走行位置を示す路面表示について、青色で幅75センチ以上の矢羽根を10メートルおきに描くこととした。走行位置と方向をより明確にするため、交差点の前後などに表示する白色の自転車をかたどったマークも示した。

 同趣旨の表示を既に導入している自治体はあるが、デザインや幅がばらばらで混乱を招くとの指摘が出ていた。外国人にも配慮した仕様に統一することで自転車利用者や車のドライバーに走行位置を認識させ、自転車の車道左側走行を促すのが狙い。自転車レーンも全部か一部を青色で塗装し、並行する歩道は原則、自転車が通れないようにする。

 また、柵や縁石で車道、歩道と分ける自転車道は現在、利便性からほとんどが双方向通行となっている。しかし、狭い空間ですれ違う上、交差する車にとって左右両側から自転車が現れる形となり、事故の危険性が高まるため、一方通行を基本とすることにした。

 ガイドラインは市区町村に面的・連続的な自転車ネットワーク計画の作成を求めているが、今年4月時点で作成したのは80自治体にとどまる。提言案は、自転車事故の多さや通勤・通学時の自転車利用の多さを指標にして計画の必要性が高い自治体をリストアップし、国が助言していくことも提示した。国交省によると、この指標に当てはまるのは119自治体で、うち計画作成済みは38、検討・準備中が17。【北村和巳】

最新写真特集