あなたが将来認知症になるかどうか。
それをいち早く見極める鍵はあなたの歩き方にある事が分かってきました。
歩く速さを測る事で将来認知症になる危険性が判定できるのです。
なぜなのか?最近脳の中に特別なネットワークがあってそれが衰えると認知症につながる事が分かってきました。
しかもそのネットワークの衰えはあなたの歩き方に現れるといいます。
でもご安心下さい。
衰えをいち早く捉えてある対策をとればなんと認知症を予防できる可能性が明らかになってきたのです。
更に認知症の発症を食い止められる薬も次々と登場しようとしています。
認知症はもはや防ぎようのない恐ろしいものではありません。
最新科学によって認知症を予防する確かな道が見えてきたのです。
あなたとあなたの大切な人の未来を守るために。
認知症の予防に挑む最前線に迫ります。
認知症というのは一番落語家にとっても怖いんですけどもそれを予防できるんですか?その予防の可能性が次々と見えてきたんです。
可能性が。
はい。
師匠ちょっとこちらご覧下さい。
これは認知症の人の将来推計数です。
2015年およそ525万人といわれているんですね。
2050年ここで1,000万人を突破すると。
この右肩上がりではまずいという事で今全世界で研究が進んでおりまして…それ分かればありがたいですよね。
「シリーズ認知症革命」。
今日と明日の2日間でお伝えしてまいります。
今日はまず予防。
そして明日はその認知症になったあともその人らしく生きていくその最前線の最新の情報をお伝えしていこうと思います。
…で今日はまず予防でございます。
認知症の…。
予防。
私最近ね朝冷蔵庫に行って「あれ?何取りに来たんだっけ」とかいって忘れる事が結構あって。
僕らなんかは何かこう水道をちょっと出しっ放しにして止めんのを忘れてダ〜ッ流れ出したと。
床中に?床中に。
それはちょっと被害が…。
そうですか。
そのいわゆるもの忘れですね。
それ増えたという方もいらっしゃると思うんですがどうもそれが年のせいだと思っていたら違う事もあるんです。
でも加齢から来る事は多いでしょ?うん。
でもそのもの忘れが実は認知症の瀬戸際かもしれないという事もあるかもしれません。
まずはこの方のケースからご覧下さい。
雑誌の記者をしている…この道30年。
事件報道から文学の特集まで出版の世界の第一線で働いてきました。
ところが61歳を過ぎた頃から自分のもの忘れが気になり始めたと言います。
親しい友人の名前が出てこなくなり頻繁に物を無くすようになったのです。
単なる年のせいだと思って過ごしていましたが半年後決定的な事が起こりました。
大事な取材の約束を忘れてダブルブッキングしてしまったのです。
30年間の記者生活で初めての事でした。
失礼します。
認知症が心配になった山本さんは2年前専門病院を受診。
記憶力や判断力空間を認識する能力など認知症かどうかを調べる検査を受けました。
その後医師に告げられた診断名は山本さんの聞いた事のないものでした。
それは…MCIとは一体何なのでしょうか。
通常年を取るにつれて記憶力や判断力などの認知機能は徐々に衰えていきます。
ところがこの衰えが急速に進むとやがてある水準を下回り認知症となります。
MCIとは正常と認知症との境目。
認知症ではなくいわば認知症の予備群とも呼ばれる段階です。
そのMCIだと診断された山本さん。
このままだといずれ認知症になる危険性を指摘されたのです。
一時はショックを受けた山本さんですがその後意外な事実を知って絶望が希望に変わりました。
実は今世界でもMCIの段階であれば認知症を予防できるという研究が進んでいます。
アメリカの研究グループはMCIと診断された高齢者600人がその後どれくらいの割合で認知症になるか追跡調査を行いました。
その結果5年間でMCIの人のおよそ5割が認知症を発症。
しかし4割の人はMCIの状態を維持。
残りの1割はなんと正常レベルに戻っていました。
この人たちは知らず知らずのうちに何か脳によい事をした結果MCIから認知症に進まなかった可能性があります。
それが何かを見極められればMCIの段階で認知症を予防できるはずです。
(一同)12…。
MCIと診断された山本さんも今同じMCIの人たちと認知症の発症を防ぐさまざまな対策に取り組んでいます。
一体どんな対策なのか。
番組の後半でお伝えします。
その前にそもそも自分がMCIかどうか普通のもの忘れと何が違うのか気になりますよね。
いやMCIというのは初めて聞きましたけど今日。
しかしもう60以上になったらほとんどの人がMCIじゃないんですか?あなたもMCIでしょ十分。
そ…そうでしょうか?そうでしょ?そうかもしれません。
いや何かあの…洗面所へ行って「私何しに来たんやろ」いうのは…。
さて2年前にMCIという診断を受けられた山本朋史さんにもスタジオに来て頂きました。
よろしくお願い致します。
山本さん。
さっき出てたじゃないですか。
5割がこうなってこうなってこうなる人。
山本さん今どの辺りに…?少なくともこうはなってなくてこうか少し上がってるんではないか。
上がってるんではないかという。
だから日常生活に支障は今のところ感じてないです。
2年前に診断されて今お仕事は…?続けております。
そのまま続けていらっしゃる。
MCIっていうのは師匠も初めて聞かれたという事ですけど。
何なんですか?MCI。
MCIというものの定義なんですけども…加齢とともにみんなそうなるんじゃないんですか?いやそこがですね加齢のもの忘れとは違ってやはりダブルブッキングされたというようなやはりほかの方に迷惑をかけたり…。
そやけど若い時はそういう事なかった訳でしょ?だんだん年を取るにつれてインタビューしてメモをとるのも…そういうような事がどんどん加速してそれでダブルブッキングしてしまったんですね。
ちょっとこちらご覧頂けますか。
これです。
このMCIなんですけどもそのもの忘れの度合いですねこれはMCIの人は年相応以上の記憶障害。
これが認知症になりますと生活に支障が出るほどの記憶障害となると。
この違いなんですよ。
だけどこことここの合間が…。
どっからがMCIかいうのがこれが…。
問題だし分かりにくい。
分かりにくい…。
ですよね。
(浦上)一般の方に多く言われるのが有名な俳優さんがテレビ出てるんだけど名前が思い出せないとか…。
それは年齢相応のもの忘れというレベルなんですね。
そういう意味では山本さんよくここのところを気付かれましたですよね。
あの〜記者という仕事をしてるもんですから人にご迷惑をかけてしまったのでそういう事が何回か続くとですね今の仕事が続けられなくなるんじゃないかって思ってそれで専門医のもの忘れ外来という所に駆け込んだんです。
そんなんあるんですか?もの忘れ外来?はい。
これでも山本さんのようにすぐに「あれ?」と思って専門の医療機関を受診するって人は多いんですか?浦上さん。
はい。
全体から見るとまだまだこういう段階で受診される方は少ないです。
だからその境目が分かりにくいですよね。
これMCIかどうかっていうのは調べるのは…今はすぐに分かるものなんですか?なかなかそういう事を知らない医師であったりするとやっぱりそういうものを正常…このくらいのもの忘れは正常範囲ですよと言ってしまうという事はありますですね。
でね今何よりも大切なのはこのMCIの早期発見。
これですよ。
早く分からないと…。
いやいやそれが僕もなってるか分かりませんもんね今。
実はですね最新の研究でMCIの人の脳で何が起きているのかが分かってきたんです。
分かった?という事で早期発見の方法も見えてまいりました。
それは朗報ですな。
MCIの人の脳では一体何が起こっているのでしょうか?まずこちらはMCIの段階を過ぎアルツハイマー型認知症になった人の脳の断面です。
正常な脳と比べて全体的に萎縮し黒い隙間が出来ています。
特に萎縮が目立つのがマルで囲んだ…では認知症の一歩手前MCIの人の脳はどうでしょう。
ほとんど萎縮していません。
ならば何を調べたらMCIである事が分かるのでしょうか。
科学者たちが注目したのは新たに分かった脳内ネットワークと呼ばれる脳の働きです。
私たちの脳は常にさまざまな場所が目まぐるしく活動しています。
最新技術でこの活動をいわばスローモーションで見てみると…。
何をする時にも離れた複数の場所が全く同じタイミングで活動している事が分かりました。
この離れた部分のつながりは脳内ネットワークと名付けられました。
例えば簡単な計算をする時などは赤で示した部分がネットワークを組んで同時に働きます。
ほかにも視覚のネットワーク感覚や運動のネットワークなど脳内にはさまざまなネットワークが存在しています。
それらが協力して働く事で私たちの脳はさまざまな機能を果たす仕組みになっていたのです。
実はMCIの人の脳ではこの脳内ネットワークに異変が起きている事が分かってきました。
アメリカワシントン大学を中心とする研究チームが注目したのは脳内ネットワークの結び付きの強さです。
その強さがMCIから認知症へと進んでいく時どう変化するかを調べました。
するとMCIの人は正常な人と比べ脳内ネットワークのつながりが明らかに弱まっていました。
更に認知症へ進むとネットワークのつながりは衰えていきます。
この段階まで行くと…画像でも分かるほど脳が萎縮していくのです。
この脳内ネットワークの弱まりをいち早く捉えられればMCIを早期発見できるはずです。
実はその簡単な方法が最近アメリカの研究で見つかりました。
ある日常生活の動作を見るだけで脳内ネットワークの弱まりが分かるというのです。
それはなんと歩行です。
認知機能と歩く事にどんな関係があるのでしょうか。
正常な人とMCIの疑いがある人の歩き方を比べてみます。
MCIの疑いがある人は足腰が悪い訳ではないのに歩く速さが遅くなっています。
更にセンサーで脚の運び方なども測定してみます。
MCIの疑いがある人は正常な人より歩幅が狭くなっています。
更に足の裏にかかる圧力が一定ではなくふらつきやすい事が分かります。
脳内ネットワークが弱まるとなぜ歩行が不安定になるのでしょうか。
実は私たちが歩いている最中脳内では視覚や空間認識に関わるネットワークが働き刻々と変化する周囲の状況を瞬時に判断しています。
更にバランスをとる時は体の感覚や運動に関わる脳内ネットワークが働きます。
こうしたたくさんのネットワークが同時に働くからこそ私たちは歩く事ができています。
ところがMCIの人はこれらの脳内ネットワークが弱まっています。
そのため歩くのが遅くなったりバランスが不安定になったりする事があるのです。
研究グループは実際に世界17か国2万7,000人の歩行データと認知症を発症するリスクの関係を調べました。
その結果歩く速さがある基準より遅い人は認知症になる人の割合が1.5倍に。
更に記憶力の衰えの自覚もあると2倍に増える事が分かりました。
最新研究から分かったMCIのリスクを見極める歩く速さの目安。
スタジオでご紹介します。
気になりますよね。
そのスピードは伏せて今の師匠のスピードを見てみたいと思います。
どこで見れる?私ども実はここでスタンバイOK!お靴も脱いで頂きました。
脱ぎました。
ここを今から文枝さんに歩いて頂きます。
普通のいつものスピードで。
どうぞ。
はい。
あっ師匠もういいです1回で。
ありがとうございます。
今の文枝さんの歩行速度あちらをご覧下さい。
どうぞ!秒速105センチ。
秒速105センチ言われましてもこれが何がどうなってんのか…。
…っていう事ですよね。
でMCIに気を付けた方がいいスピード。
これが…いきます!秒速…。
あっよかった。
大丈夫だったんですね。
そう105センチですので。
結構歩くの速い言われてる方ですからね。
VTRで紹介しましたアメリカのバギース教授によりますと年齢や性別によって異なるんですけれどもおおよその目安としてやっぱりこの秒速80センチ以下になったらちょっと注意が必要と。
ふだんの生活の中で測るにはどうしたらいいんですかね?例えば横断歩道をですね信号っていうのは待っててよ〜いドンで渡るでしょ。
その時に大体秒速100センチ1メートルぐらいで渡りきれるように作ってある所が多いんですって。
なので前この信号を渡りきれてたのに青で。
何かちょっと最近途中で…。
途中でピカピカなるぞと。
渡りきれないなっていう人はちょっと注意が必要っていう。
認知症になるかどうかのリスクを表しているという事なんですね。
画面の下が要注意の目安秒速80センチです。
周りの人に追い越されたり青信号を渡りきれなかったりする事がある速度です。
あなたは心当たりありませんか?そもそも年いくと歩くのはみんな遅なってくるというのこれは当たり前の話じゃないんですか?お年を召すと例えば膝が痛い腰が痛いなどなどでですねだんだんだんだん歩くのが遅くなってきます。
そういった明らかな異常がないにもかかわらずどんどんどんどんと歩くのが遅くなっていらっしゃる方がいるんですね。
これの一つの原因が先ほどの脳内ネットワークの異常。
これによって歩行速度が遅くなるという事が分かってきました。
これMCIっていうふうに診断された山本さんは自分の歩く速度っていうのは遅くなったとかって感じた事ありましたか?ちょうど診断される前後ですねそれまでは自宅から駅まで12分ぐらいで歩いていけてたんですがそれが15分3分ぐらい遅くなっていた。
それは知らず知らずのうちに?そうです。
ある時「あれ電車遅れそうやな」みたいな感じだったんですか?そうです。
それも心配な材料の一つでした。
それ先生どうなんですか?確かに歩行速度が遅くなるこれも非常に大きなサインなんですけれどももう一つの大きなサインはリズムがだんだんだんだん悪くなってくるんですね。
リズムが悪くなるというのはどういう事ですか?歩行というのはリズムよくですね同じテンポで普通は歩いてるんですね。
気にしてないですけどね。
気にしてないんですけれども。
しかしそれが先ほどの機械のようなもので測りますとそのリズムが微妙なんですけれども崩れてきているという事が分かります。
これが一番最初に出てくるサインであると。
ちょっとよろけたり。
そうですね。
実はMCIの人なんですけれども歩く事だけじゃなくていろんなところにいろんな兆候が出るんです。
それを浦上さんがまとめて下さいました。
さあ皆さん注目でございます。
MCIの人に見られる変化。
このようになっております。
脳内ネットワークとこういう事というのはどのように関係してるんでしょうか?どうしてもMCIとか認知症いうともの忘れの事ばっかり注目されるんですけどももちろんここに挙げたものいうのはもの忘れとも密接に関連はあるんですけど脳内ネットワークのやはり乱れというものがこういった症状を引き起こしてるという事が考えられます。
もの忘れ外来ですね。
どうでしょう?文枝さん当てはまるのあります?私の場合はですね落語家ですから同じネタをしゃべるいうのが…。
これお仕事ですからね。
56は関係ないですね。
料理作らない。
お料理なさらない。
全然指標になりません。
これ山本さんは逆に言うと当てはまるんですか?やっぱり。
私の場合は1と2と4が当てはまりました。
4番の小銭の…。
やっぱり計算が面倒で…。
計算が面倒だから。
なるほどなるほど。
割合初期からこういった症状は出てきやすくて。
これも初期から出る。
(浦上)はい。
例えば125円で100円と20円十円玉2つとそれから五円玉1ついうのはかなり面倒ですよね。
出したりするのも。
3円とかね。
これはだいぶ昔からですよ僕は。
気ぃ付けないかんな〜。
もう一つ外出するのが面倒になるんですか?そうですね。
何かのパーティーとかそういうの前はまめに行ってたんですけどそういうのにちょっと面倒だなと思って行かなくなったり。
そういうのも行きたくなくなる。
パーティーも誰が来るかによるからね。
でも明らかにちょっと行くのが面倒だなと思い始める。
何かパジャマのままちょっと近くのコンビニへ行ったりとか。
パジャマに毛の生えた程度の服装で外に行ったりとか。
これ浦上さんなぜおしゃれをしなくなるんですか?こういう場所だったらきちっとした正装しないといけないというような事が分からなくなってしまうとかですね。
おしゃれでもね。
はい。
だんだん同じものを着てしまうというかあれこれ選ぶのが邪魔くさくなるっていうのんも以前とは違うてくるか分かりませんね。
そうですね大体そういう方が増えてまいりますねMCIになってこられますと。
もう一つここら辺がちょっと分からないとこなんですけど手の込んだ料理をしなくなるとか味付けが変わったとかいう事もMCIと関係があるんですか?そうなんですね。
料理いうのは実はとても複雑な作業でしてきちっと献立を考えて必要な食材を買い物で買ってきてそしてそれを適切に調理するという非常に複雑な…。
段取りがありますからね。
まず切っといてこの間にゆでてとか。
複雑な事が入り組んでますよね。
ですからどうしても簡単な料理になってしまう。
極端にはコンビニとかスーパーで買ってきたらすぐ食べれるようなものばっかりになってしまう。
本当にMCIっていうのはもの忘れだけじゃなくていろいろなところに出るという事もちょっと覚えておかないといけないと。
そうですね。
さて次はいよいよ予防法でございます。
どうすれば脳内のネットワークを改善できるのか。
MCIの人は認知症に進むのを食い止められますしMCIになっていない人もMCIや認知症になるのを予防できるんです。
MCIの段階から始まっている脳内ネットワークの衰え。
それを改善するにはどうしたらいいのでしょうか。
脳内ネットワークを結び付けている部分の正体は…情報を電気信号で伝える神経細胞です。
周りの血管から栄養と酸素をもらって活動しています。
この神経細胞や血管に異常が起こる事こそが脳内ネットワークの衰えの原因なのです。
最近注目されている異常の一つが微小出血。
細い血管がもろくなって起こる僅かな出血です。
するとその周辺の神経細胞が次々と死んでネットワークが傷ついてしまいます。
最新装置で脳を詳しく見てみるとところどころに黒く見える小さな点が見つかる事があります。
これが微小出血です。
実際にMCIから認知症へと進行するにつれて微小出血が見つかる人が増える事が分かっています。
それなら血管の状態をよくして神経細胞が死ぬのを防げれば脳内ネットワークによい影響があるはずです。
イリノイ大学のクレイマー教授は衰えた脳のネットワークを回復させる効果的な方法を見つけ出しました。
ある事を1年間続けると脳内ネットワークのつながりが大きく改善したのです。
その方法は驚くほど簡単です。
たったそれだけで脳の血管や神経細胞に驚くべき変化が起こる事が分かりました。
早歩き程度の運動をすると血液中にVEGFという物質が多く放出され傷ついた血管の代わりに新しい血管を作るよう促します。
更に早歩きによってBDNFという物質も増えます。
この物質は脳内で新たな神経細胞が生み出されるのを促します。
こうして脳内ネットワークのつながりが強くなると考えられるのです。
脳内ネットワークを改善させるのは早歩きだけではありません。
フィンランドではMCIの疑いがある1,260人もの人に協力を得てフィンガー研究という世界でも類を見ない大規模な予防研究を行いました。
その結果早歩きなどの運動にいくつかの事を組み合わせると認知症の予防により高い効果が得られる事が今年明らかになりました。
早歩きについては週3回1日30分程度行います。
軽い筋力トレーニングも取り入れました。
それに加えて行ったのはまず食生活の改善です。
動物性脂肪や塩分を減らします。
代わりに抗酸化物質が多い野菜や魚を積極的にとり神経細胞や血管を守ります。
そして神経衰弱のような記憶力のゲーム。
週3回10分程度行います。
更に毎日の血圧管理。
高血圧を防ぐ事で脳内の微少出血を防ぎネットワークを守ります。
こうした神経細胞や血管を守るライフスタイルをMCIの疑いがある人が2年間続けました。
その結果取り組みをしなかった人に比べ認知機能が平均25%も上昇。
年齢とともに低下するはずの認知機能を上向かせる事に成功したのです。
いや〜予防できるというのは大きいですね。
ねえ。
しかもこれフィンランドの研究では認知機能が25%アップ。
相当すごい事なんですか?やっぱり。
当然落ちてくると。
ここ最近ではこれだけ大規模にそしてきちんとしたデザインで明らかに証拠を示したという意味で非常に大事な研究だと思います。
で先ほどのフィンランドの研究です。
こちら。
(島田)これらはそれぞれに認知症の予防にとって有効であろうというふうに考えられております。
今回のこの研究ではこれを組み合わせる事によってより相乗的な効果が得られそうだという事を示しています。
でも山本さんはこういう事をしてらっしゃるんですか?今。
強めの筋トレとかあともちろん早歩きとかあとゲームとかですね。
そのほかにダンスをやったりとか。
それ社交ダンスですか?そうです。
そういう社交ダンスっていうのは女性と密着しますよね?そうです。
女性の手を握るだけでドキドキしますし。
もうそれ脈拍数上がって。
そう。
ちょっとした有酸素運動には…。
それは有酸素ではないですけども。
昔から山本さんはダンスとか楽器とか…。
全然やってなかったんです。
もう記者生活…。
そうです。
音楽も口パクで歌も歌った事はなかったんですけどこのトレーニングをやり始めてからすごくいろんなものを前向きにやれるようになりました。
それをやる事によって今まで…なるほどなるほど。
文枝さんは歩いていらっしゃいますか?僕でも自分で決めていくつかはやってますよ必ず。
どんなふうにしてお歩きになるんですか?稽古しながら。
お稽古しながらお歩きになる。
ぶつぶつ言うとってもマスクしとるから分からへんでしょ。
分からない訳ですからしゃべってる事は。
それでいいリズムで歩けるという事なんですね。
何分ぐらいお歩きになりますか?そうですねちょうどネタが30分ぐらいで行って帰ってきますからネタを2つやろう思うたら1時間歩いてるという事ですな。
これ島田さん師匠のこの歩き方はどうでしょうか?非常にこれが認知症予防につながってると思うんですね。
非常にいい?ええ。
それによって…これは具体的には何歩ぐらい歩けば効果があるんでしょうか?歩数というのも一つの目安ではあるんですけれどもより気を付けて頂きたいのは…どの程度の強さが…。
脈をとって頂きまして1分間に120ぐらい。
これが一つの目安になると思います。
ちょっとドキドキするぐらいですね。
ややドキドキするぐらいになりますね。
これは続けて何分とかっていう目安はあるんですか?10分程度でも構いませんので是非それを頻回に行うようにして頂きたいなと。
その10分を日に何回か歩くのでもいいんですか?ですので運動のための運動ってなりますとなかなかやる時間が取れませんのでふだんの日常生活の中でですね少し工夫をして頂く。
そのやり方がですね本当に簡単でちょい足しウォーキングといってるんですけれども。
(2人)ちょい足しウォーキング?歩幅を5センチだけ広げて歩いて頂くんですね。
ちょっと大股を意識するっていうぐらいでいいですか?そのぐらいで体にかかる負荷がぐっと上がりますのでそんな形でやって頂きたいなと思います。
次々と明らかになっている認知症予防への道。
アメリカではMCIの人に向けた予防薬の開発が急ピッチで進んでいます。
これはてんかんの治療薬として使われているレベチラセタム。
実はこの薬に脳内ネットワークを改善する働きがある事が新たに分かりました。
実際にMCIの人に投与したところ記憶力が回復しました。
来年の初めから最終の臨床試験を行い成功すれば2019年にはMCIの人の薬として使えるようになる見込みです。
日本でもMCIの人を対象とした別の予防薬の研究が進んでいます。
シロスタゾールとは現在脳梗塞の再発を防ぐために使われている薬です。
この薬は脳の血管からの出血を防ぐなど神経細胞やネットワークを守る効果が見込まれています。
今年の夏からMCIの人200人で効果を確認。
成功すれば6年後には実用化できるといいます。
一方地域ぐるみでMCIを早期発見する取り組みも始まっています。
今年9月から愛知県高浜市と国立長寿医療研究センターは市内の60歳以上1万人を対象に認知症のリスク検診を始めました。
終わりですお疲れさまでした。
駄目だ〜。
最新の検査手法を取り入れ歩く速さやリズムの乱れを計測します。
専門家が積極的に地域に出てMCIや認知症のリスクをいち早く見つけ出そうというのです。
この取り組みこれだけで終わらないのが画期的なところ。
検診をきっかけに誰でも予防活動を続けたくなるようなとっておきの仕掛けを用意しました。
全員にプレゼントされるのが活動量計。
歩数はもちろん歩く速さも計測できる機械です。
これで予防に効果的な早歩きを促します。
この活動量計をつけて歩いてもらうための工夫もあります。
家に閉じこもりがちな高齢者でも思わず歩いて訪ねたくなるようなスポットを市内全域に設けました。
その数なんと78か所。
ダンスや囲碁など脳内ネットワークを改善し認知症予防に効果があると考えられるメニューが実施されます。
全てのスポットには専用の端末が設置されています。
活動量計を端末にかざすと…。
一日の平均歩行速度など認知症予防に必要な運動ができているかを楽しみながら知る事ができるのです。
VTRでご紹介した愛知県の高浜市の取り組みは島田さんが指揮をとってなさってるんですけれどもこれはどんな事を目指してやっていらっしゃるんでしょう?病院に来て頂くのを待っていたのでは遅くて地域に出て地域の皆様にできるだけ広くそして早くこの予防の機会を享受して頂く。
それが非常に大事だと思っております。
なるほどね。
浦上先生どうですか?本当につい数年前までは認知症は治らない病気なんだから治らない病気が予防できるはずはないという事で…専門家の間でも?じゃあここ最近…。
はい。
全ての今までの病気もそういうような予防できるという事で克服してきた歴史はありますよね。
心臓病であったり脳血管障害いうものこういったものに対して高血圧対策をしっかりやる事によって防いできた歴史がありますので。
あるいは専門医に匹敵するようなかかりつけ医認知症がちゃんと診て頂けるようなかかりつけを増やしてMCIの早期発見につなげていく。
今の生活習慣病のリスクを発見する検診これは非常に効果を上げておりますけれども認知症検診というのは残念ながらできておりません。
ですのでこの部分についてはある程度…山本さんはいかがでしょう?そういうような社会が早くできればいいなと思っています。
自分の事として考えていかないといけない事だと思いますよね。
文枝さん今日ずっと予防の話してきましたけれども。
でもそこをクリアできる方法はいくらでもあるんだというのを聞いて安心したのと特に山本さんを見てね勇気づけられましたね。
本当にMCIの事をお聞きしてそれでこうしてお元気におしゃべりして頂けるのは我々にとっては本当に希望っていうかねもしもMCIになっても。
これからだってみんなが通る道。
そうですね。
「シリーズ認知症革命」。
明日は認知症になったあともその人らしく生きていく手だてを最新の現場からお伝えしてまいります。
皆さん本当に今日はありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。
アメリカテキサス州の国立公園。
2015/11/14(土) 21:00〜21:50
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル シリーズ認知症革命 第1回「ついにわかった! 予防への道」[字]
認知症を予防できる可能性が、最近の研究で明らかになってきた。鍵の一つは意外にも「歩き方」。番組では他にも、予防につながる最新対策や、薬の最新情報も紹介する。
詳細情報
番組内容
認知症の人が今後急増していく日本で、今私たちには何ができるのか。2夜連続で最新研究や画期的な取り組みを紹介する。 第1回のテーマは、進歩目覚ましい「認知症予防」最前線。最近の研究で、MCI(軽度認知障害)の段階で発見して対策を行えば、認知症を予防できる可能性が明らかになった。その鍵の一つは意外にも「歩き方」。番組では他にも、予防につながる最新対策や、薬の最新情報も紹介する。
出演者
【ゲスト】桂文枝,【出演】株式会社朝日新聞出版編集委員 記者…山本朋史,国立長寿医療研究センター部長…島田裕之,鳥取大学医学部教授…浦上克哉,【司会】武内陶子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 社会福祉
ニュース/報道 – 報道特番
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