(テーマ音楽)料理番組「料理の鉄人」で活躍した岸朝子さん。
お茶の間の人気を集めました。
蟹の味っていうのかなキリリとしてておいしゅうございます。
料理記者の先駆けとして戦後の日本の食を取材する事60年。
食べる事の意味を伝え続けました。
生涯心に宿していたのは「命は食にあり」という強い信念です。
大正12年東京に生まれた岸さん。
カキの養殖法を打ち立てた沖縄出身の事業家宮城新昌の次女です。
食の大切さを諭す父に強い影響を受けて育ちました。
そして母からは食は心の栄養になると教わります。
高等女学校を卒業した岸さんは女子栄養学園へと進学。
学園創設者の香川綾のもとで食の科学である栄養学を徹底的に学びます。
昭和30年。
4人の子の母となった岸さんは生計の足しに働く事を決意。
人生が大きく変わります。
料理記者募集の広告を見て食に関する仕事ならばと応募しました。
洋食が家庭にも広がりつつあった時代。
子どもに人気のカレーライスやハンバーグの調理法はあまり知られていませんでした。
岸さんたちは主婦向けのレシピを作ろうと考えます。
取り組んだ料理本は画期的なものでした。
何度も増刷され主婦の間でバイブルとなります。
誰にでもおいしいものを食べてもらいたいと一流の料理人の味を取材。
そのレシピを具体的な数字で表しました。
レシピだけではありません。
まだ冷蔵庫が普及していない中安全な食材の見分け方を伝える実験なども誌面に盛り込みました。
「カロリーや健康にもっと関心を」という思いが募った岸さんは45歳で転職。
母校が出版していた食と健康をテーマにした月刊誌「栄養と料理」の編集長になり次々と企画を立ち上げます。
スターのお食事診断や読者参加型の健康企画など誌面は当時どこにもない斬新なものとなりました。
(聞き手)それを聞かれた時は?その一方で日本各地の食の現場にも目を向けます。
生産者の思い食材の育つ環境その土地土地の味を伝える企画を編み出しました。
70代を過ぎ心を痛めたのが食の乱れです。
手軽さの追求孤食偏食など食の使命が失われかけていると強い危機感を募らせました。
おいしく食べて体も心も幸せに。
日本が誇る食文化を伝え残したいと晩年までその思いを発信し続けました。
岸朝子さん。
本当に豊かな食は何か伝え続けた91年でした。
2015/11/14(土) 05:40〜05:50
NHK総合1・神戸
NHK映像ファイル あの人に会いたい「岸朝子(食生活ジャーナリスト)」[字]
「おいしゅうございます」の名セリフで知られた岸朝子。料理記者の草分けそして活躍、「命は食にあり」と訴え続けた。その思いが語られる。
詳細情報
番組内容
「おいしゅうございます」の名セリフで知られた岸朝子。料理記者の草分けとして第一線で活躍、栄養バランスやカロリー、調理方法、食文化や病人食にいたるまで、戦後日本人の食への意識を高め、食卓が豊かになるようにと奔走。「食は健康の源」「命は食にあり」と、その重要性を伝え続けた。岸の「おいしゅうございます」に込められた思いが語られる。
出演者
【出演】食生活ジャーナリスト…岸朝子,【語り】鈴木奈穂子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
情報/ワイドショー – グルメ・料理
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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